著者
金子 清俊
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.57-58, 1972

中田五一氏がイランに滞在中採集したネズミジラミを預かり, 同定したところ, Polyplax asiaticaとPolyplax paradoxaの2種であった。いずれもイランからは初記録であり, 後種の雄は生殖器の特徴が今日まで知られていなかったので, 記載をし図を付した。

1 0 0 0 OA 裁縫教科書

著者
渡辺辰五郎 編
出版者
東京裁縫女学校
巻号頁・発行日
vol.巻2, 1897
著者
梅野 巨利
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.133-145, 2009-09-30
参考文献数
14

本稿は、1970年代初頭に立ち上げられた後、数々の苦難に直面して挫折したイラン・ジャパン石油化学プロジェクト(通称IJPCプロジェクト)の誕生過程を史的に分析するものである。IJPCプロジェクトは完成を見ることなく終わったことから、これまで「失敗プロジェクト」として見なされることが多かった。そうしたことが強く影響しているためか、本プロジェクトに関係した日本企業は、本件に関する企業資料の開示を一切行っていない。そのため、これまでIJPCについて書かれたものの大半はマスコミやジャーナリズムの手によるものであり、学術的視点からこの問題を取り上げ分析したものはほぼ皆無であった。本稿はこうした資料的制約を克服し、本課題に関する研究上の空白を埋めるべく、IJPC関係者への面談取材を積み重ねることで、これまでの既存文献資料では明らかにされなかった本プロジェクト誕生過程の事実関係の詳細と、そこにおける諸問題に焦点を当てようとするものである。本稿の結論は以下の3点である。第1点は、IJPCプロジェクトは、その誕生過程においてイランの突出した交渉イニシアチブに押される形で実現へと向かったということである。イランの積極的かつ巧みな交渉力に、日本側は石化事業の実行へと突き動かされた。第2点は、本プロジェクトの立ち上げ段階において、すでに日本側関係企業内部において利害相克や思惑の相違などが存在しており、本プロジェクトの立ち上げ初期段階において日本側が一枚岩ではなかったということである。したがって、日本側企業グループの代表的立場にあった三井物産は、イランとの関係ばかりでなく、同社自身の関連部門組織間ならびに参加化学メーカーどうしの利害調整という難しい課題を抱えながらプロジェクトをスタートさせたのである。第3点は、上述の状況下、本プロジェクトが不確かなフィージビリティを抱えたまま前進したのは、これが三井物産トップの持ち込んだ重要案件であったことに加え、石油資源確保という日本にとっての至上課題が優先されたこと、そして三井物産がイランとの条件交渉面において、後に何らかの譲歩が得られるであろうという希望的観測を持っていたためであった。加えて、三井物産とともに日本側パートナーを構成した化学メーカーは、自らの利害と三井物産との企業間関係を考慮して三井物産の意思決定に追随したのである。
著者
河田 恵昭
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.21-35, 1988-06-30

It is found that in Japan composite breakwaters have been exclusively constructed, while in other countries rubble mound breakwaters are very popular. This discrepancy is quite clear. The principles of breakwaters were established in Europe around 1850. At that time, wave motion in water was of course still incompletely understood. The established principles are as follows; a vertical wall reflects waves and a sloping wall absorbs wave energy through its breaking. The Yatoi who were hired foreigners had introduced the technology of breakwater construction in early modern Japan. It is pointed out that composite breakwaters have been widely used in our country since about 1900 and because it has been improved the vertical wall can control both wave forces due to breaking and reflection.
著者
橋本 栄莉
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

平成24年度の研究の目的は、現地調査を通じて独立後南スーダンにおいて発生している民族集団間の武力衝突と在来の予言者との関係について明らかにするとともに、植民地時代から現代にかけての予言者の影響力の歴史的変遷を明らかにすることであった。研究の成果は次の3点に大別できる。(1)独立後南スーダンにおいて発生している民族集団間の武力衝突と在来の予言者との関係について2011年-2012年に発生した民族集団間の武力衝突において、在来の予言者が紛争にいかに関与し、どの程度地域住民に対して影響力を持っているのかを、2012年12月~2013年3月にかけて実施した村落社会や難民キャンプにおける参与観察、聞き取り調査によって明らかにした。その結果、南スーダン政府や各種国際機関における予言者の解釈と、地域社会の人々の認識との間にはズレが生じていることが明らかとなった。この成果は研究ノートにまとめ、雑誌『Nilo-Ethiopian Studies』18号に投稿、掲載された。(2)植民地時代から現代にかけての予言者の影響力の歴史的変遷について現代南スーダンにおける在来の予言者のあり方について理解するためには、植民地時代から内戦、戦後復興期にかけての予言者の影響力の歴史的変遷について明らかにする必要がある。平成24年度は歴史的資料と現地調査を通じて、スーダン(南スーダン}の歴史的出来事、特に南スーダンの独立に注目し、1世紀以上前に存在していた予言者に関する知識がどのように人々の間で共有され、信じられてきたのかを明らかにした。この成果は研究ノートにまとめ、雑誌『アフリカ研究』81号に投稿、掲載された。(3)キリスト教と土着信仰の混淆状況について平成24年度に実施した現地調査の中で、多くの地域住民がクリスチャンである一方、予言者に対する信仰をはじめとする土着信仰もキリスト教の教義を接合されるかたちで人々の間で根強く存在していることが明らかとなった。この点についてはさらなる調査が必要である。
著者
奉 鉉京 加藤 鉱三
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は類似する母語(日本語・韓国語)話者による英語前置詞の第二言語習得研究である。理論的方針として、英語の前置詞と日本語・韓国語の助詞を、意味的・統語的考察から、プトロタイプ理論に基づく習得仮説(Prototypicality Hypothesis)と生成文法に基づく言語習得仮説(Economy-Driven Development Hypothesis)を2つの実験研究を通じて検証した習得実験研究では、各々の中間言語、つまり、日本語・韓国語を母語とする学習者のL2としての英語の前置詞の心的標示を3つの構築段階に分けて記述し、母語の影響、習得難易度などについて議論しながら、経済性に統率された習得仮説の優越を提訴した
著者
宮坂 賢一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.276, pp.108-111, 2007-09

6月19日、置き薬(配置薬)で業界2位の三洋薬品工業(東京都台東区)が民事再生法の適用を東京地裁に申請した。負債総額は124億3300万円(帝国データバンク調べ)と、直近の売上高154億円(2006年7月期)に迫る。 三洋薬品工業は、1930年に置き薬を販売する個人会社として出発。1955年に株式会社に改組してから50年以上の歴史を持つ老舗企業だ。
著者
栗和田 榮一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1076, pp.129-131, 2001-01-29

昨年6月3日、当社の取締役会において私の社長解任動議が提出されました。そして、いったんは空席となった社長職の後任を決めるに当たって私も候補に挙がり、多数決の結果、再選するという"事件"を経験したのです。 16日後の6月19日、当社の株主総会。クーデターに関わった代表取締役副社長2人が会社を去りました。そして同じく他の代表取締役には代表権を返上してもらいました。
著者
岡田 和隆 柏崎 晴彦 古名 丈人 松下 貴惠 山田 弘子 兼平 孝 更田 恵理子 中澤 誠多朗 村田 あゆみ 井上 農夫男
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.61-68, 2012-10-15 (Released:2012-10-19)
参考文献数
31
被引用文献数
2

サルコペニア(筋肉減少症)は 80 歳以上の高齢者の約半数にみられる加齢変化であり,顎口腔領域にも現れるといわれている。本研究ではサルコペニア予防プログラムに参加した自立高齢者を対象とし,介入前調査として栄養状態と口腔内状態および口腔機能との関連を明らかにすることを目的とした。自立高齢者 62 名(69〜92 歳,男性 27 名,女性 35 名)を対象者とした。口腔内状況と口腔機能に関する聞き取り調査は事前に質問票を配布して行い,口腔内診査と口腔機能評価は歯科医師が行った。聞き取り調査質問項目,口腔内診査項目,口腔機能評価項目と血清アルブミン値(Alb)との関連を検討した。Alb は 4.3±0.3 g/dl であり,対象者の栄養状態は良好であった。口腔機能に関する2つの質問項目,主観的口腔健康観,下顎義歯使用の有無において Alb に有意差が認められた。残根を除く現在歯数,現在歯による咬合支持数およびオーラルディアドコキネシス(ODK)の/ka/の音節交互反復運動において,Alb と有意な関連が認められたが弱い相関関係であった。義歯満足度,口腔清掃状態,上顎義歯使用の有無,口唇閉鎖力,RSST,ODK の/pa/および/ta/,口腔粘膜保湿度,唾液湿潤度では関連は認められなかった。自立高齢者では現在歯数,咬合支持,義歯の使用の有無,口腔の健康や機能に対する自己評価が良好な栄養状態と関連する可能性が示唆された。
著者
笠原 康代 島崎 敢 石田 敏郎 平山 裕記 酒井 美絵子 川村 佐和子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.62-70, 2013-04-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
31

本研究の目的は,内服与薬を遂行する看護師の確認行動と誤薬について検討することであった.63名の看護師に対して,ベッド16床を配置した看護実習室で実験を行い,ビデオカメラで行動を記録した.看護師は処方箋どおりの薬剤を模擬患者6名のベッドに配るよう教示された. 結果,32名(50.8%)が誤薬し,与薬量間違いがもっとも多かった.確認方法は,声出し確認と指差し確認の2つのタイプがある.これらを両方実施した群といずれかを実施した群,両方実施しなかった群の3群間で誤薬件数を比較するために分散分析を実施した.準備段階で主効果がみられ,声出し確認と指差し確認のいずれかまたは両方実施した群は,両方実施しなかった群よりも誤薬件数が有意に少なかった.また,与薬段階においても主効果がみられ,両方実施した群は,いずれかもしくは両方実施しなかった群よりも誤薬件数が有意に少なかった.
著者
今井 直
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

国連人権理事会を創設した2006年3月の国連総会決議60/251は、「理事会が、重大かつ組織的な侵害を含む、人権侵害の事態に対処」すべきことを定める。新設の普遍的定期審査(UPR)については、基本的に人権侵害事態対処機能とは異なる趣旨のメカ二ズムであることが確認される一方、「アラブの春」の文脈では、人権理事会の活動にその発足以来はじめて積極的なアプローチが見られた。しかし、その常態化は困難であり、特別手続や人権高等弁務官などによる注意喚起が、人権理事会の審議や決議の「引き金」となるメカニズムを確立させることが必要である。
著者
大矢 吉之
出版者
関西憲法研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:1343635X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.25-52, 1996-06-28

D. S. LUTZ attempts to link the theoretical premises underlying one important aspect of constitutional design, the amendment process, with the empirical patterns revealed by a systematic, comparative study of constitutions. He begins with a brief overview of the theoretical assumptions that underlay the formal amendment process when it was invented, identify a number of theoretical proposition concerning the amendment process, and then look for patterns in the use of the amendment process. The purpose of this paper is to examine such a cross-national empirical analysis developed by LUTZ and discuss his theory of constitutional amendment.
著者
岩井 大輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.408-413, 2010-04-15
参考文献数
7
被引用文献数
2
著者
木本 哲也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

海馬で低用量ビスフェノールA(BPA)の作用を検討した。(1)成熟ラット海馬スライスに10nMBPAを2時間作用させると樹状突起スパイン(特にmiddle-head:頭部直径0.4-0.5μm)が増加した。BPA作用は膜受容体ERRγが媒介していた。MAPキナーゼ・NMDA受容体阻害もBPA作用を抑制した。(2)周産期に母体経由で低用量BPA(30μg/kgBW/day)に曝露されたラットのスパインは成長後のオスで減少した。メスでは性周期依存性変動が消失しオスに近づいた。(3)質量分析法でオスラット海馬に約64nMのBPA蓄積が判明した。
著者
小田 利勝
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究では、少子高齢・人口減少社会への対応策として学部教育の修業年限を1年短縮することによって期待される効果をシステムダイナミックスモデルで推計するとともに学部教育の修業年限短縮という着想に関わる諸側面に関する大学長への質問紙調査(医歯薬獣医系の単科大学、2年以内の新設大学、廃止予定の大学等を除く国立79,公立70、私立533の計682大学の学長/総長宛に調査票を郵送し、国立50(回収率63%)、公立37(同53%)、私立200(同38%)の計287大学(同42%)から回答があった)から得られたデータを分析した。18歳人口は減少し続けるが、進学率の上昇が見込まれるので、学部入学者数は2023年頃までは増加し続ける。修業年限を1年短縮することによって、2030年頃までは毎年40万~50万人の労働力人口が1年早く補充されることになる。その結果、所得税と年金保険料の増収が2025年には2,500億円から3,200億円になる。しかし、進学率が上昇しても2035年頃からは大学入学者数も卒業者数も確実に減少していき、補充労働力人口も減少し続けることになり、毎年の税収や年金保険料収入も減少していく。奨学金に関しては、修業年限を1年短縮することによって貸与学生を大幅に増やすことができると同時に奨学金貸与事業費をかなり軽減させることができる。学部の修業年限を1年短縮することによって1年前倒しして労働力人口の補充や税、年金保険料の増収を図ることができることは少子高齢・人口減少社会が抱える課題への確実な対応策になり得ると考えられる。大学長の多くは現行の4年制を支持しているが、工夫次第では教育の量と質を落とさずに3年制にすることも可能とする意見や3年制にすることに関して検討する余地があるとする回答も3割あった。そのほか多くの貴重な意見が寄せられ、本研究を進める上で、学部教育の目的や多様性をいかにして考察の枠組や分析モデルに組み入れていくかが課題であることが示唆された。
著者
岩田 一明 上田 完次 奥田 孝一
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.510-515, 1982-04-05
被引用文献数
8

本研究はバリ生成機構を解明することを目的としている.このために, 走査型電子顕微鏡内で微小切削試験装置を用いて, 二次元切削実験を行い, バリ生成過程における被削材の動的挙動を直接観察した.また, 三角形要素を用いたVisioplasticity法および有限要素法を適用することにより, 相当ひずみ増分および相当応力の分布を求めた.実験より, 3種類のバリの形態, すなわち塑性曲げ変形により切削方向に押し出される正のバリ, 破壊により被削材から引きちぎられてできる負のバリ, 被削材から切りくずが完全に分離されずに部残留するバリが観察され, また, 切削終了部で切れ刃近傍から被削材端面にかけて塑性変形域が形成されるのが観察された.この負のせん断角をもつ変形域を負の塑性域と呼ぶことにする.これらのことより, 負の塑性域の形成およびこの領域におけるき裂の成長挙動がバリ生成機構に重要な役割を果たすことがわかった.
著者
高橋 勉
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

フィルムやペットボトルの成形加工に用いられる平面伸張流動場における高分子流体の挙動を調べるために,シース流を利用して試料を急速に加速しフィルム状に引き延ばすフローフォーカッシングを用いて安定した高伸張速度の流れ場を形成した.伸張速度をさらに増加させるために流体駆動と試験部を一体化した装置を作り効果を確認した.さらに,定常伸張流動中に180旋回する流路を用いて伸張応力の評価も行った.