著者
島田 竜也 河口 尚広 加賀 健太 山田 博三 森 晃徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2054-2068, 2005-10-01
参考文献数
11
被引用文献数
27

近年犯罪の著しい増加に伴い, 侵入者検知の研究・開発の必要性が叫ばれている. 本論文は, 安価で高機能な侵入者検知システム開発のための一つのシーズを提案するものである. 本論文で解決した機能は, (1)光源の移動を含め滑らかな照明の変化に対処できること(2)ゆっくり移動する侵入者の存在領域の明りょうな検出(3)途中で静止する侵入者の存在領域の明りょうな検出の三つの機能である. 機能(1)と(2)は, 互いに矛盾しているように見えるものである. 具体的手法は, 「侵入者を含まない現在の背景画像と現在の入力画像の差分画像から侵入者の存在領域を検出するもの」である. 現在の背景画像をいかに簡単かつ正確に更新するかが最も重要な点であり, 上記三つの機能を同時に実現する手法はなかった. 我々は, 「侵入者検出領域及びその境界では, 加重平均処理を背景画像に施さない」という手法で上記機能を実現した.
著者
折坂 金弘
出版者
日本ウマ科学会
雑誌
ヒポファイル
巻号頁・発行日
no.32, pp.5-9, 2008-04
著者
日野 光次
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.29, no.350, 1917-12-28
著者
Hisao Ogawa Shinya Goto Masunori Matsuzaki Shintaro Hiro Daisuke Shima on behalf of the APPRAISE-J investigators
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-13-0209, (Released:2013-06-07)
参考文献数
30
被引用文献数
11 27

Background: Concomitant anticoagulant therapy may further reduce the risk of thrombotic events in patients with acute coronary syndrome (ACS) when given in addition to current standard antiplatelet therapies. This Phase II, randomized, double-blind, placebo-controlled study in Japanese patients with ACS assessed the bleeding risk of apixaban compared with placebo when given in combination with standard antiplatelet therapy, and followed a similar design to APPRAISE-1, the larger global Phase II study. Methods and Results: Patients with recently diagnosed ACS were randomized to receive apixaban 2.5mg twice daily (BID; n=49), apixaban 5mg BID (n=50), or placebo (n=52) in addition to standard antiplatelet therapy for 24 weeks. The composite primary endpoint of major or clinically relevant nonmajor bleeding occurred in 2 patients (4.1%) in each apixaban treatment group and 1 patient (2.0%) in the placebo group, and a dose-dependent increase was seen in all bleeding events. No hemorrhagic strokes occurred in either apixaban treatment group. This study was terminated before completion because the APPRAISE-2 global Phase III trial was stopped based on the recommendation of the Data Monitoring Committee, following an increase in bleeding events without a counterbalancing reduction in ischemic events. Conclusions: The bleeding profile of apixaban in Japanese patients with ACS was similar to that found in the global APPRAISE-1 study, supporting the safety of apixaban in Japanese patients.
著者
田口 紀子 増田 真 永盛 克也 吉川 一義 杉本 淑彦 多賀 茂 王寺 賢太 アヴォカ エリック 辻川 慶子 村上 祐二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

フランスにおける、「文学」と「歴史」という二つの隣接ジャンルの美学的、認識論的境界の推移と、具体的文学作品での歴史認識の表出を、17 世紀から 20 世紀までのいくつかの特徴的局面に注目して検証した。2011 年 11 月には国内外から文学と歴史の専門化を招いて日仏国際シンポジウム「フィクションはどのように歴史を作るかー借用・交換・交差」を京都日仏学館で開催した。その内容を来年度を目途にフランスで出版するべく準備を進めている。
著者
森 治代 小島 洋子 川畑 拓也
出版者
大阪府立公衆衛生研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

大阪府内で流行が拡大し、分子疫学的に大きなクラスターを形成するHIV-1 株に着目し、それらを特異的に増幅するPCR プライマーを用いることによりHIV-1 のsuperinfection(初感染とは異なるHIV-1 株に再感染すること)もしくは重複感染を簡便に検出する方法を開発した。3 種類の特異プライマーを作製し、HIV-1 感染者63 名から得られたプロウイルスDNA について検討した結果、2 症例においてサブタイプB 株の重複感染が認められた。
著者
柴橋 祐子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.49-74, 2004-03-15

青年期の適応をめぐる問題の中で大きな位置を占めるものに友人関係がある。友人に対し自分の意見をはっきり言えないことから, あるいは逆に自分の意見を一方的に主張してしまうことから, 結果的に適切な友人関係を持てなかったり, 友人との関係に悩みを持つ者も多い。友人関係の中で自分の気持ちや考えを率直に表明しあうことは, 自分らしさを求める基本的な欲求であり, また相互理解のための基本となる。こうした自己表明のやりとりの能力の獲得は青年期の重要な発達課題の一つと言えるが, その心理的背景について検討されたものはみられない。青年にとってどのような感情や考えが友人との率直なやりとりを支える, もしくは妨げる要因となっているのであろうか。本稿ではその手がかりを得るために, 面接調査を用いて探索的な検討を行った。友人関係の中での自己表現のあり方を先行研究 (柴橋, 2001) に基づき, 「自己表明」と「他者の表明を望む気持ち」の2つの側面から捉えて4つに類型化し, 各類型に属する中学・高校生16名を対象に半構造化面接を行い, 各被験者の特徴, および, 各類型の特徴を分析した。4類型の特徴の比較から, 次の5つの要因に違いがみられ, これらが自己表現のあり方と関連している可能性が見いだされた。(1) 自己表明することに対しての価値感, (2) 自己表明を受けとめてもらえた体験と友人への信頼感, (3) 他者の気持ちへの配慮や内省的な視点, (4) 熟慮性や攻撃性, (5) 言語化することへの自信。本調査の結果から, スキルの問題や性格特性だけでなく, 自己表明することへの価値感やこれまでの体験, 内省的な視点などが大きな影響を及ぼしていることが示唆された。この点は, 青年期の自己表現援助のあり方において十分考慮すべきことと言える。ただし, 本研究は探索的なものであり, 今後さらに, 多くの被験者を対象に実証的な検討を重ね, 心理的要因と自己表明との関連を明らかにしていく必要がある。
著者
甲斐 素直
出版者
日本大学
雑誌
法学紀要 (ISSN:02870665)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.9-36, 2013-03-01
著者
原田 隆郎 横山 功一
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

橋梁の各種振動によって人体が受ける影響度の定量化手法を提案するため,本研究では歩道橋の振動問題に着目し,歩道橋横断時に利用者が感じる不快な揺れを生体脈波で評価するための実験的検討を行った.実験では,歩道橋の振動を実測するとともに,歩道橋利用者の歩行時の振動を同時計測し,両者の振動特性と人間の生体脈波の関係を把握した.その結果,歩道橋の振動変位が大きくなればなるほど不快感も大きくなるとともに,利用者の歩調が歩道橋の固有振動数と一致する場合に利用者の生体脈波が大きく変化することを確認した.
著者
田中 優子 楠見 孝
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.514-525, 2007-12-30
被引用文献数
8

本研究では,大学生を対象とし,目標や文脈という状況要因が批判的思考の使用に関わるメタ認知的判断に及ぼす影響を検討することを目的として,研究1では,批判的思考が「効果的」な文脈と「非効果的」な文脈を収集した。研究2では,収集した文脈の分類を行い,それぞれの特徴を抽出した。2つの文脈にはそれぞれ異なる特徴がみられた。研究3では,「正しい判断をする」「物事を楽しむ」という2つの目標と文脈を独立変数として,批判的思考をどの程度発揮しようとするかというメタ認知的な判断に及ぼす影響を検討した。その結果,「物事を楽しむ」という目標よりも「正しい判断をする」という目標においてより批判的思考を発揮しようと判断すること,同じ目標であっても文脈によって批判的思考の発揮判断が変化することが明らかになった。さらに,批判的思考の発揮判断は,目標や文脈を考慮するものの全体的に批判的思考を発揮しようとするタイプ,効果的な文脈で非常に高く批判的思考を発揮しようとするタイプ,非効果的文脈では目標に関係なくほとんど発揮しようとしないタイプという3タイプによって特徴づけられることが示された。
著者
八田 武志 岩原 昭彦 八田 武俊
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 = Journal of human environmental studies (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-42, 2009-06 (Released:2013-06-14)
被引用文献数
2

(著作権) 研究や学習、もしくは教育に使用する引用文や図・表の複写の許可は、個人の使用目的の場合のみ許可されます。 内容の変更については許可する事ができません。 人間環境学研究会は、正当な使用を望み、使用目的が教育目的であり、商業目的でない場合は無料とします。 複数枚の複写や全文、商業用の場合は人間環境学研究会に許可を得る必要があります。
著者
Jeong-Oh YANG Naoya NAKAYAMA Kyohei TODA Shinichi TEBAYASHI Chul-Sa KIM
出版者
(社)日本農芸化学会
雑誌
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry (ISSN:09168451)
巻号頁・発行日
pp.130055, (Released:2013-06-07)
被引用文献数
17

We elucidate the mechanism for inducing the production of ovicidal benzyl benzoate by Japonica rice varieties to kill eggs of the whitebacked planthopper, Sogatella furcifera (Horváth), lying in the rice plant. Even when subjected to physical damage by a needle or damage with water, the rice plant produced no benzyl benzoate. However, significant benzyl benzoate was produced when the plant was damaged with a methanol extract or homogenate of S. furcifera. The extract of the male did not induce the production of benzyl benzoate, but that of the female did. We concluded from these results that benzyl benzoate was induced by some elicitor(s) in the female of S. furcifera.
著者
辻 雅善 各務 竹康 早川 岳人 熊谷 智広 日髙 友郎 神田 秀幸 福島 哲仁
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.53-58, 2013-03-25 (Released:2013-04-27)
参考文献数
23
被引用文献数
3 8

目的:福島原発事故発生以降,毎日約3,000人の作業員が事故収束のために従事している.通気性の悪い防護服を着用した作業員に熱中症の頻発が懸念された.今後の福島原発事故収束作業員における熱中症予防対策の一資料とすべく,福島原発事故以降に発生した熱中症について分析を行った.対象と方法:福島労働局で把握した福島原発事故収束作業員の2011年3月22日から9月16日までに発生した熱中症事案43例を対象とした.熱中症発生数を年齢,発生月,発生時刻,気温,湿度毎に検討し,また熱中症の重症度の検討も実施した.重症度をI度とII度以上の2群に分け,年齢,気温,湿度に対してMann-Whitney U検定を行い,さらに,年齢(<40歳, 40歳≤),気温(<28°C, 28°C≤),湿度(<75%, 75%≤),クールベスト着用の有無に対してχ2検定およびロジスティック回帰分析を行った.検定は両側検定,有意水準5%とし,統計ソフトはSPSS statistics 17.0を用いた.結果:熱中症が最も多く発生した年齢は40代(30.2%),次いで30代(25.6%)であり,発生月は7月(46.5%),発生時刻は7時から12時(69.8%),気温は25°C以上(76.7%),湿度は70%から80%(39.5%)であった.重症度II度以上の者は10例,内5例が6月に発生していた.統計解析の結果,全因子において重症度の違いに有意差は認められなかった.考察:一般労働者の熱中症の好発年齢は45歳から60歳であるが,福島原発事故収束作業員では30・40代に相当数が認められており,比較的若年齢層においても熱中症予防対策が重要であることが示唆された.また,厚生労働省により夏季の午後は原則作業を中止する措置がとられたが,福島原発事故収束作業員の熱中症の好発時刻は午前中に集中しているため午前中の予防対策も必要である.重症度II度以上が10例中5例も6月に集中していることから,6月から熱中症予防対策を実施すべきであると考える.今回,発生因子において重症度の違いに有意差が認められなかったのは,他の要因が関与している可能性,あるいは例数が少なかったためと考える.本研究結果の特徴を踏まえ,今後,福島原発事故収束作業員の熱中症予防対策を実施することが必要である.