著者
小熊 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.289, pp.89-93, 2010-11-11
参考文献数
1

近年、世界的に進展するNGN化に伴い、放送用映像素材伝送ネットワーク(コントリビューションネットワーク)のIP化も進められている。たとえば、オリンピックやサッカーW杯といった、世界的に重要なビッグスポーツイベントをライブ放送するためのリアルタイム映像伝送インフラは、その多くがすでにIPネットワークで運用されてきた。また国内においてはフジテレビジョンの局内映像伝送ネットワークはIP化が完了しており、今後テープレス化/ファイルベース化の進展に伴ってその重要性を増してくる。ここでは、弊社の携わった具体的な事例を通して、映像伝送インフラがIP化することによるメリットや今後の課題について述べる。
著者
Hamaji Takashi Ferris Patrick J Nishii Ichiro Nishimura Yoshiki Nozaki Hisayoshi
出版者
Public Library of Science
雑誌
PloS one (ISSN:19326203)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, 2013-05
被引用文献数
16

[Background]Isogamous organisms lack obvious cytological differences in the gametes of the two complementary mating types. Consequently, it is difficult to ascertain which of the two mating types are homologous when comparing related but sexual isolated strains or species. The colonial volvocalean algal genus Gonium consists of such isogamous organisms with heterothallic mating types designated arbitrarily as plus or minus in addition to homothallic strains. Homologous molecular markers among lineages may provide an “objective” framework to assign heterothallic mating types. [Methodology/Principal Findings]Using degenerate primers designed based on previously reported MID orthologs, the “master regulator” of mating types/sexes in the colonial Volvocales, MID homologs were identified and their presence/absence was examined in nine strains of four species of Gonium. Only one of the two complementary mating types in each of the four heterothallic species has a MIDhomolog. In addition to heterothallic strains, a homothallic strain of G. multicoccum has MID. Molecular evolutionary analysis suggests that MID of this homothallic strain retains functional constraint comparable to that of the heterothallic strains. [Conclusion/Significance]We coordinated mating genotypes based on presence or absence of a MID homolog, respectively, in heterothallic species. This scheme should be applicable to heterothallic species of other isogamous colonial Volvocales including Pandorina and Yamagishiella. Homothallism emerged polyphyletically in the colonial Volvocales, although its mechanism remains unknown. Our identification of a MID homolog for a homothallic strain of G.multicoccum suggests a MID-dependent mechanism is involved in the sexual developmental program of this homothallic species.
著者
奥谷 喬司 江川 公明
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.285-289, 1985-12-31
被引用文献数
9

海洋科学技術センターの"しんかい2000"によって, 相模湾東部海域でシロウリガイCalyptogena soyoae Okutani, 1957の生活状態と遺骸堆積を観察した。潜航は1984年6月5日に行われ, 35°01′N, 139°12′E付近, 水深1130∿1000mの範囲であった。シロウリガイの死殻は, 直径数mから数十mのパッチ状に散乱していたが, 生貝は少く, 死殻堆積の中心をやや離れた所に, 体の前半を埋め, 殻を僅かに開いた状態で見つかった。体にはへモグロビンが含まれ濃紫赤色で, マニピュレーターによって破壊されると赤い血が流れ出した。シロウリガイのパッチには, エゾイバラガニと思われるカニ及び束状になった管棲多毛類の群集が伴っていた。
著者
橋本 靖昭 根来 雅晴
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.15, pp.25-29, 1997-02-27
被引用文献数
1

We broadcasted "'97 FIS World Cup CrossCoutry and NordicCombind", as the teat-event of '98 NAGANO, with NTSC/HDTV simultaneous production system, It is the first time in Japan that the CrossCoutry competition was broadcasted in such a large scale. In this paper, we report this broadcasting system with new camera system developed for the '98 Olympic Games in NAGANO.
著者
齋藤 雅通 池田 伸 土居 靖範 近藤 宏一 谷口 知弘 棚山 研
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

調査に基づく共同研究の結果、研究論点として、ドイツの各都市でNPO法人によって推進されている都市マーケティング(Stadtmarketing)の重要性を析出した。また都市マーケティングは、都市型サービス産業が直面している課題の解決の一視点でもあると結論づけた。この点を具体的に明らかにするために2005年2月および9月に、マンハイム及びケルンの都市マーケティングNPO及び商工会議所、市役所(スポーツ局、文化局)、地域スポーツNPO等関連団体へのインタビューと資料収集を実施した。都市マーケティングのより深い究明については、今後も継続して研究する課題である。各メンバーによる研究としては、(1)齋藤雅通は、ドイツにおける都市型の小売商業集積であるパサージュの実態調査に基づいて理論的可能性と限界を明らかにした。(2)土居靖範は、ドイツのケルンおよびカールスルーエの都市交通経営体や運輸連合の調査を行い、財源調達のしくみを主に解明した。またLRTの国内への導入を、具体的にJR富山港線のLRT化の経緯と課題を調査研究した。(3)近藤宏一は、主にドイツにおける都市公共サービス、とりわけ文化・芸術関連サービス(オーケストラ、歌劇場、美術館)と観光および公共交通にかかわる組織の現状と課題について調査と資料収集を行った。(4)棚山研は、サッカーの日韓W杯開催時から開催地である新潟の継続調査と調査データの整理を行った。併せて、2度にわたるドイツのスポーツクラブの調査を通じて、日独のスポーツクラブの運営、生活文化への定着度についての比較を試みた。(5)池田伸は、現代都市における消費者研究およびそれに係わる調査方法論について、社会統計学や文化人類学などの周辺領域の成果を含めて検討した。その結果,現代都市のポストモダニティをマーケティング(消費者行動)の社会学として構想するにいたった。(6)谷口知弘は、京都市出町地域の取り組みの現地調査に基づいて、市民参加のまちづくりについて論究した。
著者
田中 孝男 大嶋 貴明 瀧端 真理子
出版者
追手門学院大学博物館研究室
雑誌
博物館学芸員課程年報 (ISSN:13470574)
巻号頁・発行日
no.20, pp.11-49, 2006-03-25
被引用文献数
1

本ラウンドテーブルでは、指定管理者制度の背景思想であるNPM、PPPを手がかりとした公共のあり方と、制度の運用に関する問題点が報告、討論された。報告者の田中孝男氏から、NPM、PPPの思想・背景・制度の概要と、日本の政府組織における展開状況、指定管理者制度運用に望まれる視点、現状の評価、条例・制度・協定の改革案が報告された。大嶋貴明氏からは、博物館の原理的基準と倫理規範から合意を形成し、それに照らした運営がなされるべきこと、また、ガバナンスには市民の多様な判断が平等にたたかわされる土俵が必要だが、指定管理者制度ありきでは、方向性が決まってしまわないか、という危惧が述べられた。田中氏からは、NPMで言うPlan-Do-Seeは、連鎖構造で現実には切り分け不能であること、アメリカでの行政管理論の歴史的背景、公共の仕事を統制する原理としての法治主義について説明がなされた。また、市場の原理で決められないこと(税金の配分)を議会の中で決めるのが民主主義であり、サービスの水準や質を市場でないところで決めて初めて醍醐味があることが述べられた。さらに、公共が何であるかには多元的な考え方があり、その決定を役所が独占するのは適切ではないこと、NPO等市民社会の充実の中で、営利企業に数億円の市場(パブリック・ビジネス)を「解放」するのでなく、多元的な公共の価値を、指定管理者制度というツールの中で、決めていかねばならない、との説明が なされた。質疑応答では、NPOが指定管理者となった場合、市民側のみが行政に情報を開示し評価されるのかという問題、直営施設の会計データの不在、教育の論理と行政法一般の枠組、憲法89条問題等が提起・議論された。
著者
丁野 朗
出版者
運輸調査局
雑誌
運輸と経済 (ISSN:02878305)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.10-17, 2013-01
著者
野本 晃史
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, 2000-07-28
著者
立松 信孝
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.45-69, 2006-03-20

観光は日常生活圏を離れて一時的に別の場所に移動して,また日常生活圏に戻ってくることで,非日常的な体験や行動をすることである.このためには,必ず居住地から観光地までの移動を伴うことから,観光が成立するためには交通手段すなわち交通機関が必要となる.日常生活を離れた行動であるため,人の移動が存在し,ここに交通需要が発生する.交通は観光を支える重要な社会システムとしての役割をもち,今日ある観光の姿は交通手段の発達によって可能となったと言っても過言ではない.これまでの我が国の状況を振り返ると,観光地が発達してきた背景には交通機関の中でも,鉄道がその中心的な役割を果たし,観光地の発展に大きな貢献をしてきた.このような視点から,観光面からみた鉄道の役割,さらには今後鉄道が厳しい競走条件の中でどのような観光分野で役割が期待できるのかを展望し,鉄道の活性化への道を検証する.
著者
中井 専人 川村 隆一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.895-905, 1998-12-31
参考文献数
30
被引用文献数
1

1992年6月5日09UTC(00UTC=09JST)から18日06UTCに梅雨前線付近に現れた74個のメソスケール雲クラスターの出現特性を調査した.雲クラスターの寿命と最大雲域面積との間には正相関があり, 平均値はそれぞれ12.4時間, 7.1×10^4km^2であった.これらは日本付近の雲クラスターについて過去に報告された値に近く, 熱帯や北米大陸上で報告された値より小さかった.メソαスケール雲クラスター(MACC)の多くは13時間以上の寿命を持ち, 前線付近に出現するものが多かった.また, 夜間から早朝にかけて多く出現する弱い傾向があった.メソβスケール雲クラスター(MBCC)は12時間以下の寿命を持つものが多く, 出現には日変化も前線との位置に対する依存性も明瞭ではなかった.MACCの多かった期間は, 雲クラスター出現域で前線の影響と考えられる強い鉛直シアーが見られた.MBCCの多かった期間は, 雲クラスターの出現域が前線から離れた亜熱帯高気圧の勢力下にあった.