著者
塚本 宏
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋國文研究 (ISSN:02865459)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.53-63, 2003-03
著者
清宮 剛
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.十一-二十, 1992-12-28
著者
林 宏作 Hong-zuo LIN 桃山学院大学文学部
雑誌
国際文化論集 = INTERCULTURAL STUDIES (ISSN:09170219)
巻号頁・発行日
no.7, pp.(7)-(19), 1993-02-25

阮籍の前半生は恰度曹魏が漢帝国を制する時代にあたるが、阮籍は病気などの口実を設け、紛雑した世から逃避し、一時の平静を得ていた。しかし後半生は、司馬氏が益々野心を増大させていった時期にあたり、その司馬昭が阮籍を常に側近とし望み通りに任せたので、司馬王朝のかけがえのない重臣のような存在にみえたが、実は司馬氏にとって阮籍は極めて有効な利用価値のある人間にすぎず、その本心では彼を信じていなかったのである。本論文は史実に基づいて阮籍とその生きた魏晉時代について論じた。Although the first half of Ruan Ji's life coincides precisely with the period when Cao Cao of the Wei kingdom was putting an end to the reign of the Han emperors, Ruan Ji used the pretext of illness to secrete himself away from the troubled world and gain a period of repose. Subsequently, however, he came to be used by the increasingly-ambitious Sima family which had taken defacto control in Wei (and was eventually to establish its own Jin dynasty), and became the advisor of Si-ma Zhao. Nevertheless, although Ruan Ji appeared to play an essential role as a statesman of the kingdom, it is apparent that the Si-ma clan did not genuinely trust him, but merely regarded him as someone with extraordinarily high use-value. The present paper uses historical sources to discuss Ruan Ji and the transition from Wei to Jin through which he lived.
著者
林 宏作 Hong-zuo LIN 桃山学院大学文学部
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学人間科学 = HUMAN SCIENCES REVIEW, St. Andrew's University (ISSN:09170227)
巻号頁・発行日
no.4, pp.272-258, 1993-03-31

竹林七賢の巨頭である阮籍は、常にただひとりあてもなく車を駆け、袋小路に行き当たるごとに慟哭して帰ったという逸話がある。本論文は、この逸話の生じた背景を探求すべく、阮籍の魏晋時代における処世観及び思想変遷を分析し、乱世に生きた哲学者の悲劇の解明を試みた。The anecdote is often told of Ruan Ji-the leader of the Seven Sages of the Bamboo Grove-that he was wont to go out alone in his chariot with no particular destination in mind, only to weep bitterly and return to his home when he came up against a blind alley. Through a consideration of the historical background that gave rise to this anecdote, the present paper, by examining Ruan Ji's philosophy of life and the way his thinking changed during the transition from Wei to Jin, seeks to throw light on the tragedy of a philosopher caught up in a world in turmoil.
著者
道家 春代
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要. 人文・社会編 (ISSN:09152261)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.262-254, 1989-03-10
著者
窪田 守弘
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
聖徳学園岐阜教育大学紀要 (ISSN:09160175)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.317-326, 1994-02-28

Yuan Ji(阮籍) is known as one of "the seven wise men in the bamoboo thicket" in the Wei Jin(魏晋) Period in China. His main thought and practice throughout his life was originally rooted in those or Lao-tze and Zhuang-tze(老荘思想). These traditional ways of thinking gave him influenced his opinions and writings great deal. Especially his philosophy clearly appears in the usage of the expression of Zi-ran of Nature(自然) in the text of Da-zhuang-lun(達荘論). He emphasised the real meaning of it, but as a basic discipline of manners and behavior to be a man of consummate virtue. At the same time, he was very emphatic about the necessity of becoming an ideal guman being, which would be possible only through approzching more closely to the world of "do-nothinism" as a Taoist.
著者
ニザム 田中 貴宏
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
総合論文誌 (ISSN:13476548)
巻号頁・発行日
no.6, pp.65-70, 2008-02-20

現在のところ、一般的に災害後の瓦礫は撤去されている。しかし大きな災害では、処理すべき瓦礫の量が非常に多く、全ての瓦礫を撤去すると環境に損害を与えてしまう。そこで、本稿では瓦礫のリサイクルを提案している。リサイクルされた瓦礫は、レンガやコンクリートブロックの材料として利用できる他、場所打ち(cast-in-place)手法を用いることにより、これをそのまま利用して家を建てることも可能である。瓦礫のリサイクルは仮設シェルター建設や住宅再建に有効で、またコストも安価であることが指摘されている。また、この方法は、環境を保護すると同時に、コミュニティにとっても有益である。
著者
澤田 康幸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本年度は、以下に述べる3つのサブ・プロジェクトについてそれぞれ予備調査・調査準備を行った。第一のサブ・プロジェクトは、「アフリカ・アジアの貧困と人間の安全保障」プロジェクトである。ここでは、アフリカとアジアの最貧国における貧困削減に必要な新しい技術と制度を識別するようなプログラム評価の準備を行った。アフリカについてはマラリア対策についての研究会を開催した。アジアについては、フィリピンの中部ルソン地域を対象として、灌漑整備の貧困削減効果、とりわけリスクシェアリングを通じた効果を明らかにするため、田植えにおける互酬的な共同作業の構造解明のための実験的な手法を設計し、フィールド実験を行った。その成果を国際開発学会の総会において報告した。第二のサブ・プロジェクトは、「災害と貧困」プロジェクトである。ここでは、日本と東南アジアにおける災害リスクと人々の災害事前事後の行動に関するミクロデータを整備し、理論的な考察を加えた。成果の一部は、Center for Research of Epidemiology on Disasters (CRED)がベトナムにおいて開催した自然災害に関するカンファレンス(MICRODIS CONFERENCE)において報告された。第三のサブ・プロジェクトは、「自殺と貧困リスクの経済分析」である。このプロジェクトでは、元東京大学大学院経済学研究科のYun Jeong Choi講師を連携研究者とし、国立政治大学(台湾)のJoe Chen助理教授を研究協力者として、経済理論の知見とデータによる実証解析という2本の柱から、日本における自殺の決定要因を捉え、有効な政策手段を明らかにする。平成22年度は、これらのメンバーの協力の下で実施した一連の分析を取り纏めた展望論文がJournal of Economic Surveysに採択された。
著者
許 俊鋭 五條 理志
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

我々は、細胞移植を用いた不全心治療をテーマに研究を重ねてきた。その中で、細胞培養の操作が必要な治療における最も大きなハードルは、細胞培養における安全性の確保である。現在までの細胞培養は、その多くが開放系で行ったものであり、閉鎖培養系の応用はほとんど実施されていなかった。本研究では、MABIO internationalより市販されている最も小ささ閉鎖式細胞培養容器を使用し、そのFeasibility/Safetyを1年目の実験にて検討し、十分臨床応用が可能であることを確認した。本年度の計画としては、この閉鎖細胞培養を用いた臨床応用を行うこととしていた。しかしながら、年度の初めに厚生労働省より"ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針"の草案が示され、9月1日には発布された。我々が用いた閉鎖式培養容器は、完全には閉鎖となっておらず、GMP基準を満たすためには、従来の開放系細胞培養系と同様に大規模なCell Processing Centerが必要となり、臨床研究に進むことができない状況となった。このような社会情勢の変化の中で、本研究では、当初の目標の1つであった長期間の培養を経た細胞の安全性の評価を目標に、大動物を用いてin vivoの検討を行うこととした。ビーグル犬を対象に、骨髄細胞を採取し間葉系細胞のPrimary cultureから5-10 Passagesを経た細胞をドナーとして、同じビーグル犬の心臓へ戻し移植を行い、病理学的検討を行った。1年目の実験と同様に、感染等の問題は発生しなかった。また、長期細胞培養による細胞の癌化に関しては、標本を詳細に検討したが異型細胞を含め、癌細胞を認めることはなかった。ここまでの研究結果にて、培養容器のみを閉鎖系にした細胞培養はFeasibility及びSafetyに関しては問題ないが、完全機械化によるRobotic Culture Systemが試作されており、完全閉鎖系培養システムとして期待される。培養による細胞癌化は、5-10 Passagesでは認めることはなく、過度な増殖刺激を加えない限り問題となることはないと考える。
著者
金子 耕士
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

スクッテルダイトを代表とするカゴ状化合物において現れる大振幅振動について、詳細な描像及びその物性との関連を中性子散乱により明らかにすることを目的として、研究を進めた。今年度は新たな系として、同じカゴ状構造をもつI型クラスレート化合物Ba_8Ga_<16>Sn_<30>について実験を行った。マキシマムエントロピー法を用いた解析の結果、Ba_8Ga_<16>Sn_<30>では、スクッテルダイト化合物とは対照的に、Baイオンは、オフセンターを安定位置とする巨大振幅の非調和振動を行っている事を明らかにした。温度変化から物性との関連を明らかにする事を目指し、解析に取り組んでいる。さらに、β-パイロクロア化合物についても実験に着手した。CsOs_2O_6について、国内の単結晶中性子回折実験としては最小の1mm角以下の単結晶で測定を行い、構造解析が行える100反射以上の強度データの測定に成功した。マキシマムエントロピー法を用いたβ-パイロクロアにおけるラットリング振動の可視化に向けて、解析を進めている。スクッテルダイトに加え、新たな系の結果が得られた事で、非調和大振幅振動の発現条件及び物性との関連について、より普遍的な理解が得られる事が期待される。さらなる展開に向けて、巨大振幅振動により誘起される動的な応答の探索及び、より微小単結晶での測定実現を目指し、J-PARC/MLFにおいて単結晶構造解析装置の建設を進めた。特に今年度、装置の鍵となる、低温で駆動可能なピエゾモーターを使用したゴニオメーターを製作し、実現可能である事を確認した。これまで不可能だった1mm角以下の結晶での構造解析や、逆空間での高効率な信号探索にむけて、礎となる重要な進展が得られた。
著者
手塚 宣夫 堀毛 一也 菅原 郁夫 鳥畑 与一 大山 小夜 佐藤 順子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

金銭管理に関するアンケート調査により、合計3,304名の回答を得ました。(財)民事紛争処理研究基金の助成により実施した同様の調査結果と併せて、総計4,432名の回答を得ました。これは、労働組合や生協の組合員の方を中心とした調査なので、各人・各家庭の平均的な金銭管理について、ある程度の一般的な傾向を知ることができます。この調査結果を分析することによって、金銭管理の問題点を探り、多重債務にならないための予防策について、提言する予定です。
著者
青野 正明
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.129-142, 2008-03-18

"Korean Divination and Prophecy" was written by MURAYAMA Chijun (村山智順) in 1933 as one of a series of investigation reports presented to the Japanese Government-General of Korea. In the present paper I suggest where we should place the report about Korean divination and prophecy in the investigation project of the Government-General, also I extract MURAYAMA's understanding of Korean prophecy from the report so as to analyze how its result is reflected in the suppressing policy of new religions, which started just after the report's publication.
著者
野崎 充彦
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.113, no.1417, pp.22-25, 1998-01-20
著者
山本 潔
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.111-133, 2009-12-24 (Released:2011-06-01)

資料紹介 Research Source Guide A労働組合調査No.11『戦後労働組合の実態』(1947/8)により, 大河内一男教授は, 戦後の労働組合は「新人」が「大勢に順応」して結成したと主張. しかし組合結成時期別に調査原票を再集計すると, 敗戦直後の結成組合は, 戦前「労働運動経歴」「有」る者が「要求を出す」ために結成している. B労働市場調査No.18『京浜工業地帯』(1951/9)の労働者の「生家の職業」(農業46%)により, 大河内教授は「出稼型論」を展開した. しかし同調査『第二次集計表』では, 「親兄弟との経済的援助関係」「無」い労働者(52%)が, 「有」る者(25%)の約2倍で, 調査資料は「出稼型論」と逆の事実を示していた. C賃金問題の基本資料は『賃金台帳』であり, 社会科学研究所は電器・造船・化学・印刷・炭鉱・土建業等の台帳を保存している. D産業構造調査No.50『京浜工業地帯企業連関調査』(1959/9)は, 高度成長期に中小企業は大企業からの「独立性」を強化したとする. しかし各中小企業売上高中の特定親企業への納入比率を計算すれば異なる結論となろう.
著者
古賀 章彦
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

大規模なヘテロクロマチンが短期間(種分化が起こる程度の時間)に増幅(生成を含む)あるいは縮小(消失を含む)する現象が、ヒト科やテナガザル科など、霊長類の多数のグループでみられる。その機構の解明につなげることを目指し、増幅や縮小を起こしたヘテロクロマチンの特性を調べた。反復配列が転移などでセントロメアやテロメアに入り込んだ際にこれが起こること、および増幅や縮小の効率は塩基配列に依存することが判明した。