著者
三宅 吉博 田中 景子 清原 千香子 佐々木 敏
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

九州沖縄母子保健研究のデータを活用し、アレルギー疾患のリスク要因及び予防要因を解明した。特に、遺伝的要因と環境要因との交互作用について検討した。9編の英文原著論文が国際学術誌により受理された。
著者
松本 有央 岡田 真人 銅谷 賢治 菅生 康子 山根 茂 河野 憲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.686, pp.93-100, 2001-03-14

サル側頭葉に存在する顔細胞集団の活動パターンから視覚刺激画像の階層的な構造を抽出できるかどうかを検証するために, Sugaseらの実験データを解析した. 45個のニューロンの活動から38枚の刺激画像に対する38個の応答ベクトルを生成し, そのベクトルをVariational Bayes (VB)アルゴリズムを用いた混合正規分布解析でクラスタリングした. その結果, 異なった画像に対応するニューロン集団を表すベクトルは, 応答の開始時(90-140ms)において"顔か単純図形"などの大分類情報に対応する3つのクラスターを形成した. それに遅れて(140-190ms)それぞれのクラスターは分離し, "人の個体分類"などの詳細な分類情報に対応するサブクラスターを形成することを発見した. さらに相互情報量を計算することでニューロン集団はヒトは個体, サルは表情, 図形は形によって詳細なクラスターが形成されていることが分かった.
著者
古山 和道 柴原 茂樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

赤芽球型アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)がタンパク質として合成された後、生体内でどのように調節を受けるのかを明らかにする事を目的に研究を行ない、ALAS2タンパク質は細胞内のヘムの量に応じてALAS2を2分子含むより大きな分子を形成することを見出した。さらに、ALAS2タンパク質はSUMO(Small Ubiquitin like MOdifier)化されうる事も明らかにした。これらは今まで報告されていないALAS2 の新規の翻訳後修飾であり、ALAS2の機能発現、さらには赤芽球の分化において果たす役割を今後明らかにしたい。
著者
中江 訓
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.55, pp.1-15, 2000-01-28
被引用文献数
7

付加複合体の内部では地層の累重関係や側方への連続性は破壊され, 異なる岩相・堆積年代を示す岩石が混在している.従って, 付加複合体を岩相層序単元に区分することはできず, 構造層序単元を設定し区分するべきである.本論では, 構造層序単元の設定法と命名法を議論し, その手順を提案した.構造層序単元は, 構成岩類の岩相・堆積年代の違いと, 産状・変形構造・変成度の違いを基準に区分される.そして基本となる単元をコンプレックスとし, その上位階層にテレーンを設定する.この様な構造層序区分は, 付加複合体の形成過程を特徴づける構造運動を解釈するために行なわれ, 岩相・堆積年代の違いは付加直前までの海洋プレート層序の性質の違いを表わし, 産状・変形構造・変成度の違いは付加過程および付加後の事変を示すとみなされる.
著者
中田 高 蓬田 清 尾高 潤一郎 坂本 晃章 朝日 克彦 千田 昇
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.127-142, 1995
被引用文献数
30 48

Distinctive ruptures of the surface faulting which generated the destructive 1995 Hyogoken-Nanbu Earthquake (M<SUB>s</SUB>=7.2) appeared along the Nojima fault, an active fault on the northwestern coast of Awaji island, Japan. The surface fault ruptures in Awaji island extend southwestward continuously for about 9km from Easki near the epicenter to Toshima in Hokudan town, and caused prominent right-latearl off-sets of 1.9m at maximum on roads, paddy dikes with vertical displacement of 1.2m at maximum, while no large surface faulting has been reported in Kobe where major damage and casualties have appeared.<BR>Most of the surface ruptures follow along the pre-existing active fault traces of the Nojima fault. The ruptures are generally arranged in left-stepping echelon, and local extensional and compressional jog forms such as trenches, mole tracks, buldges are sometimes related to changes in fault strikes.<BR>The earthquake fault seems to have propagated bilaterally northeastward and southwestward from the hypocenter in the Straits of Akashi near the major jog of the earthquake fault system. The source process of the earthquake deduced from the slip distribution along the earthquake fault in Awaji island well explains near-field P-waveforms of broad-band seismometers for early part in about 4 seconds. The later part of much larger amplitude should attribute to the northeast fault ruptures toward Kobe.
著者
福永 修一 荒井 光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.476, pp.17-21, 2011-03-21

近年,Gaussian Process Bandits (GPB)をモンテカルロ木探索へ適用したアルゴリズムであるガウス過程木探索が提案された.ガウス過程木探索は従来のアルゴリズムよりも性能のよい手法である.そこで本研究では,ガウス過程木探索に基づくモンテカルロ碁を提案する.提案手法は,ガウス過程における共分散行列とカーネル関数を用いて,信頼上限関数を最大化する戦略を選択する.そして提案手法の有効性を数値シミュレーションにより確認する.
著者
鈴木 久実
出版者
東京都立桐ヶ丘高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

今回の研究は、高校生にリスニングのストラテジーを明示的に指示することで、リスニング力向上に寄与することを目標とした。指示したストラテジーは、次の3つである:(1)聞こえてきた音声を頭の中で繰り返しながら聞く、(2)聞こえてきた音で強く読まれている部分に注意しながら聞き取る、(3)聞こえてきた音声をよく聞く。(1)は、意味処理のために、英語を頭に長く残すストラテジーである。(2)は、英語の音声の強形は内容語であることが多いため、強く発話される語に注意を向け、意味理解を促すストラテジーである。(3)は(1)、(2)に対する統制群としての指示である。事前にこのような指示を与え、注意を向けて生徒に聞かせることは大切なことである。この実験は公立高校3校で行った。測定は、日本英語検定協会の英語能力判定テストのリスニングテストの得点で行った。異なる問題で事前テスト、事後テストを行い、その差を分析した。指導には、生徒の習熟度に応じて英検2級と英検3級のリスニングテストの問題を使用した。指導前の各グループ間の差がないことは、事前テストの結果を分散分析することにより証明した。各グループの結果は二元配置分散分析により分析した。全体的には、3つの指示の間に有意な差は見られなかった。次にトラテジーを指示した各グループの内で、事前テストにより上位者、中位者、下位者のグループに分け、対応のあるt検定により分析を行ったところ、特に下位群について、どの指示でもテストの得点に有意な伸長が見られた。上位者、中位者の得点の伸長については学校によって異なった。現時点での分析から言えることは、英語の聞き方のストラテジーをあまり使用していないと考えられる成績下位者は、明示的な指示を教師が与えることで得点が伸長したと考えられる。成績上位者については、すでにストラテジーを持っているので、教員の指示が邪魔になり、結果がまちまちになった可能性がある。
著者
三野 博司
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究はカミュ『幸福な死』と『最初の人間』を主たる研究対象とし,同時に作家の全作品の読み直しと分析を試みた。その成果は,3年にわたる連載論文「カミュ,異境の正午」,および2013 年11 月刊行予定の著書『カミュを読む』,さらに『幸福な死』『結婚』『異邦人』『夏』『ギロチンに関する考察』『最初の人間』に関するいくつかの日本語およびフランス語による論文として結実した。
著者
Keun-Chang Kwak
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.187-192, 2009 (Released:2009-02-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

This paper is concerned with real-time incremental face recognition for home service robots. For this purpose, we use an Incremental Tensor Subspace Analysis (ITSA) to enroll and recognize the user's face through low-price robot camera when robot performs the real-time customized service in home environments. Furthermore, we perform face recognition based on face database constructed in u-robot test bed environments in ETRI (Electronics and Telecommunications Research Institute). Thus it can be used as a core technique in conjunction with Human-Robot Interaction (HRI) that can naturally interact between human and robots in home robot applications. The experimental results on face database reveal that the presented method shows a good performance in comparison with the well-known methods in distant-varying environments.
著者
堀之内 末治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

A-ファクターは放線菌Streptomyces griseusにおいて二次代謝・形態分化を制御するγ-ラクトン型の微生物ホルモンである。A-ファクターと共同して機能を発揮するレセプター蛋白(ArpA)はDNA結合蛋白であり、A-ファクター非存在下では二次代謝・形態分化の開始に重要な遺伝子のプロモーター領域に結合し、その転写を抑えているものと考えられる。ArpAはA-ファクターと結合することによりDNAから速やかに解離する。本研究はArpAの機能の解明を中心にA-ファクターカスケードの全貌解明を目指したものである。1. ArpAのターゲット遺伝子に関する解析ストレプトマイシン(Sm)生合成遺伝子群の特異的アクチベーターをコードするstrRの転写活性化因子としてAdpA蛋白を精製したが、adpA遺伝子がArpAのターゲット遺伝子であることを証明した。本研究成果によってSm生産に関わるA-ファクターカスケードの主要経路を明らかにすることができた。一方、ゲルシフトとPCRを組み合わせた方法により、S.griseus染色体よりArpAが結合する配列を2つ取得し、周辺のDNA断片を取得し塩基配列を決定した。ArpAターゲット候補遺伝子に関しては、その転写制御機構および遺伝子破壊による生体内での機能について解析中である。2. X線結晶構造解析による3次元構造の決定Streptomyces coelicolorA3(2)のArpA相同遺伝子産物であるCprBの結晶化とその結晶化条件の最適化に成功し、結晶学的パラメーターを決定した。さらに、重原子置換体結晶のx線回折実験を行い、初期位相を決定するに至った。きわめて近い将来、CprBの3次元構造を明らかにすることができると考えている。CprBの3次元構造を決定できれば、比較的容易にArpAの3次元構造が決定できる。

1 0 0 0 OA 鉄血宰相伝

著者
吉川潤二郎 著
出版者
開拓社
巻号頁・発行日
1897
著者
佐伯 修 佐久間 一浩 大本 亨 岩瀬 則夫 小林 真人 山本 稔 安藤 良文 高山 晴子 高瀬 将道 山本 卓宏 高田 敏恵 奥間 智弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

多様体間の可微分写像に現れる特異点を大域的観点から研究し,その特異点と多様体の微分位相幾何学的性質について種々の新しい知見を得た.たとえば,多くの位相的4次元多様体の上には無数の可微分構造があることが知られているが,そのうちで特異点が簡単な写像を許容する可微分構造は一意的であることが示された.またそうした大域的研究が特異点の局所的研究に役立つ例も発見した.こうして,写像の特異点や特異ファイバーと,多様体や写像の同境類の間の深い関係を明らかにし,多くの具体的成果を得た.