著者
羽根 盛一
出版者
京都帝國大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.529-537, 1930-03-01
著者
渡部 守義 新家 富雄 服部 真人
出版者
明石工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

テッポウエビは世界中の海域に普遍的に分布し、独特のパルス音を終始発する発音生物である。海域において、何らかの環境変化によりテッポウエビ類の生息数が変化した場合、水中録音によりその発音数の変化を調査するだけで、その影響を知ることができる。本研究では、テッポウエビの発音数を誰でも簡易に計測するため観測機器を開発した。
著者
新田 和宏
出版者
近畿大学
雑誌
Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学生物理工学部紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.67-80, 2007-03-31

本稿は、日本のNGO・NPOの弱点と指摘され続けられてきたアカウンタビリティ(説明行為)とアドボカシー(政策提言)について取り上げる。アカウンタビリティとアドボカシーは、ともに外部マネジメントの範疇に入る表出行為(extension act)にあたる。また、アカウンタビリティにおける説明様式(explanation style)とアドボカシーにおける提言様式(proposal style)は、意外にも、極めて近似しており、その思考方法は通底し合っているといえる。そうすると、アカウンタビリティとアドボカシーの両者がNGO・NPOにおいて弱いのは、これは単なる偶然ではなく、必然の所産ともいえる。思うに、NGO・NPOのアカウンタビリティおよびアドボカシーの強化は、「市民社会の強化」の要諦といえるだろう。それ故に、NGO・NPOにとって、弱いと認識されているアカウンタビリティやアドボカシーを強化することは、「市民社会の強化」という点において、極めて重要な課題なのである。しかもまた、アカウンタビリティやアドボカシーは、NGO・NPOから外部へ向けて、戦略的に表出されなければ、所期の成果を期待することはできない。決して、アカウンタビリティはその説明責任を受動的に果たすものでもないし、アドボカシーは「言いたいことを言う」というような類のレベルのものではない。本稿は、NGO・NPOがアカウンタビリティおよびアドボカシーを行うにあたり、必要とされるべき戦略的な表出方法を、アカウンタビリティにおける説明様式およびアドボカシーにおける提言様式として確定するとともに、改めて、何故にNGO・NPOのアカウンタビリティやアドボカシーの強化が「市民社会の強化」に連動するのか、この重要な論点についても併せて考察することを目的とする。
著者
高橋 康順
出版者
京都帝國大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.120-135, 1923-07-01
著者
松田 時彦
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.151-154, 1984-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
19
被引用文献数
4 6

The origin of the northward-convex structure in and around the South Fossa Magna, central Honshu is discussed in relation to the collision of the Izu Block on the Izu-Mariana arc with Honshu. The Izu Block has been pushing Honshu since the middle Quaternary when the collision occurred. The 15-30km contraction between the Izu Block and collided Honshu is presumed to have been consumed in the manner as follows: 1) internal deformation of the Izu Block, 2) thrusting, folding and uplift of the Neogene and Quaternary deposits in the South Fossa Magna, and 3) compressive uplift and strikeslip faulting dominant in central Japan outside the Fossa Magna.Geological evidences suggest that the convex structure of the Neogene of this region was formed, inheriting the pre-existing bend of the pre-Miocene terrains surrounding the South Fossa Magna and that the Quaternary collision of the Izu Block contributed to the compression of the region, though it did not strengthen the northward-convex structure significantly.
著者
大平 哲也 磯 博康 谷川 武 今野 弘規
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

心理的因子と生活習慣、炎症、代謝異常、自律神経機能との関連を地域住民・職域にて検討した結果、身体活動が少ないこと、勤務時間が50時間以上/週であること、睡眠時間が6時間未満であることなどが3年後のうつ症状の出現と関連した。また、ストレスフルなライフイベント、怒り、慢性疲労、将来の希望の欠如などの心理的因子は炎症、代謝異常、自律神経機能と関連した。したがって、心理的因子は炎症・代謝異常・自律神経機能を介して循環器疾患のリスクの上昇と関連することが示唆された。
著者
石川 美澄
巻号頁・発行日
2012-04-06

本稿の目的は、宮城県仙台市内において震災以前から開業し、営業を続けている宿泊施設型のゲストハウス(以下、ゲストハウスとする)「宮城ゲストハウス宿や萩(以下、宿や萩とする)」と、震災以後に開業した「ゲストハウス梅鉢(以下、梅鉢とする)」の震災後の取り組みに関する現地調査結果を基に、震災復興期におけるゲストハウスの機能と可能性について考察することである。
著者
小津 草太郎 木原 一郎 太治 大輔 若林 紀乃 山崎 晃 千代 章一郎 關 浩和
出版者
広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設
雑誌
幼年教育研究年報 (ISSN:03883078)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.13-22, 2007-06-07

Recently, increasing the activities for city planning or renovation that citizen participated in the world. In this study, focus on Hiroshima ECO-PEACE-MAP activity, the one of Japanese GREENMAP proposed by Wendy Brawer, researched developmental changes of schoolchildren's adjective images for their life city and corresponded to their icons use in environment map design. The children in 4th and 5th grade completed a questionnaire composed of 18 pairs of adjectives such as noisy-quiet or dark-light. Their profiles of image in part changed through 4th-5th or before-after activities, and its might be reflected cognitional development for the components of city environment as their icons use.
著者
尾本 恵市 袁 乂だ はお 露萍 杜 若甫 針原 伸二 斎藤 成也 平井 百樹 YUAN Yida HAO Luping 袁 いーだ 〓 露萍 三澤 章吾
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

本研究は、中国東北部の内蒙古自治区および黒竜江省の少数民族であるエヴェンキ族、オロチョン族ならびにダウ-ル族の集団の遺伝標識を調査し、中国の他の集団や日本人集団との間の系統的関係を推定しようとするものである。このため、平成2年度には予備調査として各集団の分布状態や生活の概要、ならびに採血の候補地の選定などを行い、平成3年度に採血および遺伝標識の検査を実施する計画をたてた。平成2年度には、まず内蒙古自治区のハイラル付近にてエヴェンキ族の民族学的調査を実施した。エヴェンキ族は元来シベリアのバイカル湖の東側にいたが南下し、南蒙古自治区に分布するようになったといわれる。本来はトナカイの牧畜と狩猟を生紀テント生活をしていたが、現在では大部分は村落に定住し農耕を行っている。われわれは、さらに北上してソ連との国境に近いマングイ地区にて未だ伝統的な狩猟とトナカイ牧畜の生活をしているエヴェンキ族の民族学的調査をした。次いで、大興安嶺山脈の東側のオロチョン族の村落をたずね、民族学的調査を実施した。オロチョン族は大興安嶺北部および東部に散在して分布し、人口はわずかに約3千2百人(1978年)である。元来は狩猟と漁労を生業としていたが、現在では村落に定住し、農耕を行っている。エヴェンキとオロチョンの身体的特徴としては平坦な丸顔、細い眼、貧毛などの寒冷適応形態をあげることができる。われわれは、さらに、黒竜江省との境界に近いモリダワ地区にてダウ-ル族の民族学的調査を行った。ダウ-ル族はエヴェンキやオロチョンと異なり、それほど頬骨が張っていず、かなり系統の異なる集団であるとの印象を受けた。日本隊の帰国後、中国側の分担研究者により、ダウ-ル族150名の採血が実施され、遺伝標識(血液型9種、赤血球酵素型8種、血清タンパク型4種)の検査もなされた。平成3年度には、ハイラル市の近くの民族学校にてエヴェンキ族の117検体を採血し、またオロチョン族については内蒙古自治区のオロチョン旗(アリホ-)および黒竜江省の黒河の近郊にて81検体を採血した。これらの試料につき、血液型10種、赤血球酵素型6種、血清タンパク型3種の型査を行い、18の遺伝子座に遺伝的多型を認めた。個々の多型の検査結果のうち、特に注目すべき点は次の通りである。Kell血液型では、エヴェンキではK遺伝子は見られなかったが、オロチョンではごく低頻度(0.006)ではあるがK遺伝子が発見された。この遺伝子はコ-カソイドの標識遺伝子であり、モンゴロイドでは一般に欠如している。今回の結果は、オロチョンの集団にかつてコ-カソイド(おそらくロシア人)からの遺伝子流入があったことを示す。同様のことは、赤血球酵素のアデニル酸キナ-ゼのAK*2遺伝子に見られた。この遺伝子もコ-カソイドの標識遺伝子であるが、エヴェンキに低頻度(0.009)ではあるが発見された。また、血清タンパクのGC型のまれな遺伝子1A2がオロチョンで0.012という頻度で発見されたことも興味深い。この遺伝子は始め日本人で発見されGcーJapanと呼ばれていたもので、従来、朝鮮人には見られるが、中国の集団からは発見されなかった。したがって、この遺伝子の分布中心は東北シベリア方面である可能性が示唆された。これらの遺伝子の頻度デ-タにもとづき根井の遺伝距離を算出し、UPGMA法および近隣結合法により類縁図を作成した。比較したのは中国の少数民族6集団および日本の3集団(アイヌ、和人、沖縄人)である。日本人(和人)に最も近縁なのは朝鮮人であり、ついでダウ-ル族およびモンゴル族がこれに続く。このことは、日本人(和人)の形成に際し朝鮮からの渡来人の影響が大であったことを物語る。エヴェンキとオロチョンとはひとつのクラスタ-を形成するので、互いに近い系統関係にあると考えられる。しかし、両集団共日本の3集団とはかなり遠い系統関係にあることが明らかとなった。