著者
加藤 佑佳 中野 明子 山本 愛 岡村 香織 小海 宏之 吉田 麻美 園田 薫 安藤 悦子 岸川 雄介 寺嶋 繁典
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.721-730, 2011-08-01

2型糖尿病者を対象にProblem Areas in Diabetes(PAID)scaleを実施し,フロア効果がある6項目を除いて因子分析を行ったところ単因子構造が確認された.このPAID尺度とProfile of Mood States(POMS),Tokyo University Egogram New version(TEG)との関連を検証した結果,PAID尺度はPOMSの「Tension-Anxiety」「Depression-Dejection」「Fatigue」との有意な関連がある一方,TEGとは関連がみられなかった.よって,PAIDとPOMSを併せて用いることは,糖尿病の負担感と関連する心理的状態をより詳細に把握することができ,各人に応じた心理的援助を提供する際に有効であると考えられる.
著者
大内 謙輔 葛西 絵里香 片桐 成夫
出版者
島根大学
雑誌
島根大学生物資源科学部研究報告 (ISSN:13433644)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.17-21, 2011-09-30

We investigated the amount of stemflow and its water chemistry of Japanese red cedar trees planted in the Sambe Forest, Shimane University. Stemflow properties were related to the several tree?size parameters, i.e., DBH, tree crown projection area, tree crown surface area, tree crown volume and plant biomass. Of tree?size parameters, crown surface area showed the highest correlation with the stemflow amount. The electric conductivity (EC) and pH values of the stemflow water were also related to tree?size. EC of stemflow water increased with tree diameter. On the other hand, pH of stemflow decreased with tree diameter. The stemflow chemistry of trees with thinner diameter reflected the condition of precipitation outside forest. This is due to the difference in the water volume, which passed through the crown of cedar trees. Crown of the thinner trees collected more water than that of the thicker trees.
著者
小林 雅之
出版者
日本歯科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

I.歯科医師の正立顔写真および倒立顔写真のテスト映像に対する小児の眼球運動をビジコンアイカメラ用いて測定した。そして,被験者を6歳未満の低年齢児群と6歳以上の高年齢児群とに二分して分析し,以下の結論を得た。1.年齢差を認めたのは,視線の走査した範囲,飛越運動の角度,視線の方向性,輪郭線を通過した回数などであった。2.低年齢児群は視線の走査する範囲が狭く,顔の内部に視線が集まり,高年齢児群は視線の走査する範囲が広く,顔の輪郭を越えて背景と顔とを視線が運動した。また,低年齢児群は水平方向に次いで垂直方向の視線の動きが多く,高年齢児群は水平方向に次いで斜め方向の視線の動きが多かった。II.歯科医師,歯科衛生士そして小児患者個々の母親が登場する診療室での小児の見えを再現したビデオ映像を作成し,さらに,そのビデオ映像に三者のことばかけを加え,テスト画像が視覚刺激から視聴覚刺激へと変化した場合の小児の眼球運動の変化について実験を行い,以下の結論を得た。1.視覚刺激での最終停留点の部位は,歯科医師48.9%,それ以外51.1%、母親21.3%,それ以外78.7%,歯科衛生士27.7%,それ以外72.3%であった。2.ことばかけ(視聴覚刺激)による視線の動きは,歯科医師走査群76.6%,非走査群23.4%,母親走査群63.8%,非走査群36.2%,歯科衛生士走査群51.1%,非走査群48.7%であった。3.最終停留点で歯科医師,母親,歯科衛生士の三者それぞれに停留した被験児の割合と,三者それぞれの走査群の場合とを比較すると,三者のいずれも話しかけにより走査群は増加し,視覚刺激が視聴覚刺激に変わると,小児は視聴覚刺激を多く見ることがわかった。
著者
榛沢 和彦
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-44, 2008 (Released:2008-03-25)
参考文献数
13
被引用文献数
2

Point1)深部静脈血栓症(DVT),特にヒラメ筋静脈血栓は日本人でも多い.2)DVT検査法のゴールドスタンダードは下肢静エコーと造影CTである.3)大腿静脈は臥位で,下腿静脈は座位でエコー検査する.4)静脈血栓の診断は血栓陰影の有無と圧迫法で確認する.5)ヒラメ筋静脈血栓は非生理的状態で急速進展し肺塞栓症の原因になる.6)器質化したDVTは慢性反復性となり非生理的状態で肺塞栓症の原因になる.
著者
小野 智司 津々見 誠 中山 茂
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.12, pp.1971-1974, 2011-12-01

航空機の搭乗券のように金銭的価値をもつ二次元コードの利用が拡大している昨今,二次元コードの複製を検知する技術の実現は急務である.本論文は,複写機による複製を検出できるよう,二次元コードに電子透かしを埋め込む方式を提案する.
著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
宇都 雅輝 植野 真臣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.12, pp.2069-2081, 2011-12-01

本研究では,妥当かつ多様な論文構成の構築を支援するシステムの開発と評価を行う.ここでは,「論文構成」を情報理論における情報源からの出力符号系列とみなしたメタファとしてとらえ,論文構成の構築過程を定式化する.具体的には,過去の優良論文100件の論文構成を論文要素カテゴリーの系列データとし,それがm重マルコフ情報源に従うと仮定する.多重度の推定法として,情報論的アプローチでは,ベイズ符号語長(Bayes code length)最小化による推定法が高精度であると知られている.しかし,本論文で扱うようなデータ長の短いデータから学習する場合,多重度の増加に伴いベイズ符号語長が単調減少し,多重度を正しく推定できないことがある.そこで,本研究では,ベイズ符号語長が単調減少する場合の推定補正法を提案し,過去の優良論文100件から予測精度の高いm重マルコフ情報源を推定する.更に,推定されたマルコフ情報源に基づき論文構成の構築過程を逐次的にナビゲーションするシステムを開発する.最後に,評価実験を行い,補正手法及び提案システムの有効性を評価する.
著者
笹尾 登 中野 逸夫 吉村 太彦 川口 建太郎 旭 耕一郎 酒見 泰寛 杉山 和彦 藪﨑 努 福山 武志 田中 実 志田 忠正 梶田 雅稔
出版者
岡山大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、新学術領域全体「原子が切り開く極限量子の世界」の目標達成を促進するため以下の活動を行った。総括班会議を定期的に開催し(総計21回開催)各計画研究の進行状況を監督、必要に応じて評価・助言活動を行った。また理論・技術面から領域全体の方向づけを行った。総括班の監督のもとに国際会議「Fundamental Physics using Atoms」を毎年開催し (第4から第7回)、そのプロシーディングスを発刊した。異分野の共同協力を更に推し進めるため、研究者ネットワークの発展拡大を図った。全ての成果をウエッブや紙・電子媒体を活用して、広く国内外へ発信した。
著者
小久保 秀之 高木 治 小山 悟史 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.23-46, 2011-03-01

ヒーリング中の人体近傍のヒーリングパワー(J値)の空間分布を、生体センサ(白いぼキュウリの切片)を用いてガス測定法にて定量測定した。被験者は中国人超能力者2名、一般公募によるヒーラー5名であった。各被験者は眼前の生体センサに30分間の非接触ヒーリングを2試行ずつ行い、また、ヒーラーの前後・左右に50cmまたは25cm間隔で生体センサを配置してJ値の空間分布を測定した。結果、パワーが大きければ一般のヒーラーのJ値分布の形は超能力者の場合と同様の波型分布となった。波型分布は人体近傍に不可視の層構造が形成されることを意味すると考えられた。また、近傍分布の様子から、ヒーラーが制御に失敗してヒーリング作用を標的センサに集中させられなかった場合と、元々強いパワーを持っていなかった場合とを識別できる可能性が見出された。制御に失敗した場合のポテンシャル分布は、1次元調和振動子の波動関数で近似できることから、ヒーリングは成功したときだけでなく、失敗したときも一定の物理法則に従っており、さらに、その基礎方程式が2階の微分方程式である可能性が示唆された。
著者
迫江 博昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.530, pp.43-48, 2002-12-13

私のDPマッチング研究の歴史を振り返ってみる.学生時代のDPとの出会い,1968年のDPマッチングの着想,連続単語認識への努力,実用機、DP-100開発での経験を述べる.あわせて最近の研究として,2次元、DPマッチングへの拡張,筆順・続け書きフリーフリーオンライン文字認識への適用等を紹介する.
著者
新田 博衛
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.61-65, 1974-06-30
著者
邦 正美
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.6-8, 1974-12-01
著者
邦 正美
出版者
カモミ-ル社
雑誌
テアトロ
巻号頁・発行日
vol.10, no.11, pp.23-26, 1948-12
著者
邦 正美
出版者
カモミ-ル社
雑誌
テアトロ
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, pp.23-26, 1948-11
著者
松平 秀雄 阪倉 康男 田中 康雄 中田 勉 濱田 彰
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.67-73, 1976-06-25

本研究で言う列車風とは,トンネル内を走る列車のピストン作用によって引き起こされる風である.トンネル内で列車が発進・加速・等速・減速・停止する場合に,列車風速および空気吐出し量が時間とともにいかに変化するかを定量的に把握し,地下鉄空気調和設備の設計資料を得ることが本研究の目的である.本報告ではまず単線のトンネル模型を作り,その中で模型列車を走らせることにより,上記の関係を求めるとともに,トンネル内の空気の運動方程式(非線形微分方程式)を立てて考察したので報告する.
著者
熊田 淳 川名 明 片岡 寛純
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.465-471, 1988-11-01

クヌギ(Quercus acutissima CARR.)の樹体内における元素の消長について13元素を対象に葉の展開期から落葉に至るまで生育相別に葉と当年生枝の元素含有率の測定を行った。葉中のFe, Si, Sr, Ca, Znの含有率は, 展開期の6月, 7月からほぼ直線的に増加し, 葉落期の12月になっても減少しなかった。B, Clの含有率は, 一度増加するが, Bが9月, Clが11月の黄葉期から落葉期にかけて減少した。Cu, S, N, K, Mg, Pの含有率は, 葉の展開期に高く落葉期まで減少の傾向を続けた。クヌギは当年生枝の伸長にともなって一年間に2回, または3回にわたって新葉を展開するが, どの時期に展開した葉であっても, 各元素の増減のパターンはほぼ同じであった。また, 当年枝と葉の元素含有率の関係をみると, Cu, S, N, Mg, P, Bは黄葉・落葉期になると葉から枝へ一部移動することが考えられ, Fe, Si, Ca, Sr, Znは落葉期になっても葉中の含有率がそのままであることから, 大部分が落葉中に残り林地に還元されると考えた。KとClの移動については, 降雨時の溶出と樹体内に移動する部分についてさらに検討を要する。