著者
平山 敏弘 長谷川 長一 やすだ なお 大西 荘一 三木 啓一郎 井川 真弓
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.78-81, 2011-08-20

当論文は,情報セキュリティ基本教育を実証するモデルケースとして大規模な産学連携では初となる,岡山理科大学と日本ネットワークセキュリティ協会との提携による東京からのリモート授業実証結果より,Web環境における遠隔講義の方向性を検証するとともに,教育機関における実践力向上のための産官学連携の重要性と新たな取り組み例について提言するものである.
著者
Xin HE Huiyun JING Qi HAN Xiamu NIU
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E94-D, no.12, pp.2545-2548, 2011-12-01

We propose a novel saliency detection model based on Bayes' theorem. The model integrates the two parts of Bayes' equation to measure saliency, each part of which was considered separately in the previous models. The proposed model measures saliency by computing local kernel density estimation of features in the center-surround region and global kernel density estimation of features at each pixel across the whole image. Under the proposed model, a saliency detection method is presented that extracts DCT (Discrete Cosine Transform) magnitude of local region around each pixel as the feature. Experiments show that the proposed model not only performs competitively on psychological patterns and better than the current state-of-the-art models on human visual fixation data, but also is robust against signal uncertainty.
著者
森山 義礼
出版者
東大寺学園中・高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

<目的>スライムは,岩石の性質をうまく表しており,スライムの変形を観察することにより,地球内部における複雑な岩石流動を視覚的にわかりやすくする。透明なスライムの気泡の形状から歪みを求めることもでき,そのまわりの気泡を使って粒子の動き(particle path)も確認できる。このようにスライムは,岩石内の変形構造を定性的に理解するのに適しており,ここに教材としてのスライム実験を報告する。<研究成果>地学Iの内容で,「地層の変形により褶曲と断層が形成される」ことを学ぶが,同じ圧縮場であっても褶曲ができる場合と断層ができる場合とがあり,生徒は一瞬理解に戸惑う。特に,岩石は固体で硬いというイメージが強く,岩石がやわらかく曲がるということに慣れていない。同様に,「マントルは固体だが流動的に動く」ということにも馴染みが薄い。これらの岩石の挙動を理解する助けになる教材として,スライムを用いた。厳密にいうとスライムは岩石の性質と大きく異なるが,定性的に一部の性質を視覚的に理解するために役立つ。また,透明なスライム中の気泡を観察することで,マグマの粘性とガスの含有量の関係も視覚的に理解させることができる。さらに高校の範囲を若干逸脱するが,岩石の変形プロセスを理解するための基礎知識である純粋剪断(pure shear)と単純剪断(simple shear)の粒子の移動(particle path)も視覚的に理解させることもできる。透明なスライム中の気泡は,歪み量に差はあるものの,全体の歪みの形状をよく表しており,particle pathもきれいに観察できる。上記の実験以外にも,粘性の異なる物質をスライム中に埋めたり,挟んだりすることで,様々な変形構造が作り出せると思われる。
著者
中谷 智恵
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

f MRI研究:BOLD指標を用い、シーンの認識にかかわる脳部位の特定を、正常視力の成人被験者を対象に行った。測定中被験者は経時的にCRTディスプレイに提示された2枚のシーン内の物体の位置の異動判断を行った。2枚のシーンは同一視点から見た場合と、異なる視点から見た場合があり、後者ではシーンの周りを歩いたように視点の角度を変えた刺激が用いられた。この課題に関与した脳皮質部位のは活動パターンによって3つに分類された。第1は、課題変数(視点の角度の変化量)に伴い賦活エリアの大きさが変わる部位、第2は課題変数に伴い賦活エリアおよび賦活レベルの変わる部位、第3は課題変数に左右されず一定の賦活レベルを保つ部位であった。第1の部位には、V1/V2、右半球後頭から頭頂にかけての諸回、右側頭葉下面の紡錘状回、両側下前頭回が相当し、視点の変化に伴う刺激の変形を処理していると考えられる。第2の部位は左半球後頭から頭頂にかけての諸回と帯状回前部が含まれ、第1の部位での処理結果の評価を行っていると考えられる。第3の部位は島で、賦活は基線レベル(注視点凝視)より低かった。この負の賦活はおそらく課題遂行全般にかかわる活動のダイナミクスを反映していると推測される。従って、これらの3つのシステムがシーン認識の基本ネットワークを形成していると考えられる。結果の一部は国際学会等で発表した。また現在論文を投稿準備中である。脳波研究:物体を認識中の脳波を眼球運動と同時に計測した。このデータは現在解析中である。
著者
犀川 哲典 WANG Yan
出版者
大分大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

不整脈の発生母地としてのイオンチャネルの異常発現を検討する実験動物では、多くの場合に電位依存性Na+チャネルが減少しており、そのために興奮伝導の低下が生じることが多い。その結果、興奮伝導の低下によってリエントリー回路が形成され易くなり、心房細動は停止は困難になる。我々は、心筋細胞をプロテアソーム活性化剤(SDS)存在下で長時間培養するとNa+チャネル電流は減少する予備データをよりどころに、Na+チャネルは心臓の発生に関わる転写因子GATA4他の初期分化関連転写因子の作用によって発現が制御されるという仮説を立てた。その検証として、遺伝子組換えアデノウィルスを以下の要領で作成した。次に、リニア化したTRE17-pAdTrack-CMVとウィルスのbackbone plasmid(pAdEasy-1)をcompetent cell(BJ5183)にco-transfectし環状ウィルスDNAを作成した。更に、リニア化したTRE17-pAdEasy-1をHEK細胞にtransfectしてウィルスを収穫した。通常のpAdEasyシステムを用いて遺伝子(MEF2C,Tbx5,SRF,FOG-2)組換えアデノウイルスを作成した。次に、新生ラット単離心筋細胞に、組換えアデノウイルス(MEF2C,Tbx5,SRF,FOG-2)をトランスフェクトさせ、2日間隔(あるいは4日、8日間隔)で順次導入して、細胞の心筋化誘導とイオンチャネルの発現を行った。トランスフェクト後にどのように心筋分化が誘導されるか以下の手順で評価した。その結果、1)転写因子GATA4の遺伝子導入後に心筋細胞の自動拍動が有意に増加することを確認し、2)膜電位固定法によって細胞の最大拡張期電位が有意に過分極することを明らかにした。
著者
板川 暢 片桐 由希子 一ノ瀬 友博 大澤 啓志 石川 幹子
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.431-436, 2010 (Released:2011-07-22)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

A study was conducted on Orthoptera (Acrididae, Tettigoniidae, Gryllidae) in 56 sites of reclaimed land of Kanazawa District, Yokohama City, Kanagawa Prefecture through May to October of 2008. 28 species and 1941 individuals were recorded during this study. By using TWINSPAN and partitioning, classifications of the Orthoptera and study sites were made based on the results of this study. Also we investigated concerning vegetation, soil, distance from original land,and area coverd with vagetation around field as environmental factors. The study sites were sorted into 5 groups and the Orthoptera were sorted into 4 groups by using TWINSPAN. Based on 5 study site groups, partitioning analysis was conducted.Results suggest vegetation height, coverings of evergreens and deciduous trees of middle to high height, and distance from original land are related to Orthoptera inhabitation. However, it has not been clearly understood the distance from original land was selected as explanatory variable. A further verification is necessary because of the possibility that area coverd with vegetation around the field is related was suggested.
著者
河田 惠昭 河田 英子
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

子供たちに研究成果を絵本の形で出版し、教育効果を挙げるためには、いろいろな工夫が必要である。本研究では、漫画によるマニュアル、伝承の漫画化およびマニュアルのイラスト化によって実現した。まず、漫画によるマニュアルは、平成17年に高知県で発行された「南海地震に備え」(家庭保存版、カラー)では、漫画家のやなせたかし氏の協力を得て、次の登場人物、すなわち「じしんまん」「つなみまん」「たいさくくん」「ヘルパちゃん」ら6人のキャラクターを登場させ、挿絵漫画の形式で全28ページの南海地震・津波防災マニュアルが完成し全戸配布された。大変評判がよく増刷を実施した。伝承の漫画化では、「歴史漫画:浜口梧陵伝」として、『津波から人びとを救った稲むらの火』を出版した。これは1854年の安静南海地震津波で起こったことを素材としたフィクションを漫画化したものであって、劇画のストーリーからなる本文と本研究者らによる架空防災対談『津波から身を守る』が巻末に掲載された形になっている。漫画によるマニュアルは『こども地震サバイバルマニュアル』が刊行された。キャッチフレーズは小学生から読める、親子ですぐとりくめるであって、必要な情報がもれなくイラストと文章で提示されている。
著者
坪井 良子 石川 ふみよ 平尾 真智子 奥宮 暁子 佐藤 公美子 村松 仁
出版者
山梨医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

研究期間を通して,国立国会図書館所蔵のGHQ/SCAP Recordsから公衆衛生福祉局(PHW),民間情報教育局(CIE),民間史料局(CHS)及び経済科学局(ESS)のSheetsから,看護改革に関連する英文書を検索・収集し,分析を行ってきた。平成13年度に翻訳したNursing Education Council(看護教育審議会)の第1回から第6回分(1946.3〜1946.6)の会議録,議事録を統合して,看護教育改革の経緯を明らかにした。さらには,Council on Medical Education(医学教育審議会)の翻訳も進め,両方の会議のあり方,審議内容,その経緯など,関連性を追究してきた。これら会議での決定方針を具現化した,看護のモデルスクールであるTokyo Demonstration school of Nursingにおける設立時の教育内容(カリキュラムを含む)を見出し,占領初期の看護教育改革の実施過程を明らかにした。また,占領当時GHQ/SCAPに関与した看護職や占領期研究者へのインタビューを行った。研究活動の主な成果は,医学・看護系学会の学術集会で発表してきた。そして,従来の日本側の看護改革研究にGHQ/SCAP文書からの視点を加えて,新たな知見を提言した。特に,看護教育の改革構想に影響を与えた参加者名及び発言内容を明らかにしたことで,GHQ/SCAP, PHWが遂行した看護改革の意図,目標及び目的,経緯が明らかになり,今後の研究発展のための基礎資料となった。
著者
嶋村 誠 河野 健二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.2371-2381, 2009-09-15

バッファオーバフロー攻撃に代表されるリモートコードインジェクション攻撃が大きな問題となっている.このような攻撃を検知するため,近年ではメッセージ中に機械語命令列に相当するバイト列が含まれているかどうかを検査するネットワーク侵入検知システム(NIDS)が提案されている.しかし,これらのシステムでは検知した攻撃コードが実際にサーバ上でどのように振る舞うかは分からない.このため,NIDSが攻撃を検知すると,管理者は適切な対策をとるため,人手で攻撃コードの振舞いを調査しなければならない.本論文では攻撃メッセージを解析し,攻撃コードの振舞いを抽出するシステムであるYataglassを提案する.Yataglassでは,NIDSが検知したメッセージを機械語命令列と見なして擬似的に実行し,攻撃が成功したときに実行されるシステムコール列を抽出する.実際にIntel x86アーキテクチャのLinuxおよびWindowsに対する攻撃メッセージを対象としたYataglassのプロトタイプを作成し,実験を行った.実験の結果,Sambaを対象とする攻撃メッセージや,Metasploit Frameworkから生成された攻撃メッセージが実行するシステムコールを抽出することができた.
著者
槙本 裕司 鶴田 浩史 齋藤彰一 上原 哲太郎 松尾 啓志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.6, pp.3-10, 2009-01-21
被引用文献数
2

ゼロデイ攻撃や未知の攻撃から計算機を守る手法として侵入防止システムの研究が多く行われている.既存の侵入防止システムはシステムコール呼び出し時に得られる情報のみに基づいているため,実行時の状態遷移の把握が十分ではなく,true negative あるいは正常な実行であるかのように偽装した攻撃による耐性が十分であるか疑わしい.本研究では,ライブラリ関数呼び出しごとにコールスタックを調べることで,プログラムの実行状態を詳細に把握する手法を提案する.また,ライブラリ関数の呼び出しと終了を把握することで,ライブラリ関数が呼び出されている時のみシステムコールの発行を許可する.提案システムを Linux 上に実装し評価を行った.Some intrusion prevention system has been studied to prevent a zero-day attack and an unknown attack. The existing systems don't hold enough program execution statuses; because the systems use only system call's past record. In this paper, we propose a novel intrusion prevention system, named Belem, by monitoring both a system call and a library function call. Belem checks a call stack before a library function is executing. We implemented Belem on Linux, and evaluated it.
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.454, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
Ullah Arshad 新井 俊彦
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.65-70, 1983
被引用文献数
9 56

病魚から分離されたEdwardsiella tarda株について,病原性に関与しうる生物活性の有無をしらべた。まず,付着性および細胞侵入性をしらべたが特異な活性を決定することはできなかった。ただ,菌体周囲にスライムを作る株の存在が確かめられた。また,すべての菌株は菌体から遊離しない溶血活性をもつことが見出されたが,大腸菌にみられるような腸管毒素や,タンパクやリン脂質を分解する酵素活性はみられなかった。しかし,これらの既知の活性とは別に,機能的に区別できる2つのウサギの皮膚に対し壊死毒性をもつ物質を細胞外に生産していることが見出された。これは,すべての分離株が共通に産生している唯一の強力な組織傷害性外毒素物質であるから,病原因子として働いている可能性が高い。
著者
柿崎 淑郎 吉田 慶章 辻 秀一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.604-612, 2010-02-15

属性情報は個人などの主体が持つ属性,権限,職責,資格,地位などであり,電子商取引やWebサービスなどにおける認可の根拠として用いられる.属性情報は個人情報の一部として厳密に扱われる場合も多く,情報流出時の影響範囲を考慮した管理が必要である.分散管理は集中管理に比べ,情報流出時の影響を抑えることはできるが,管理される情報が複数箇所に分散されるため,情報の利便性は低下する.本提案方式は,分散管理された属性情報を一意に指し示す方法としてURI,属性情報どうしの関係性を示す方法としてRDFを用いることで,属性情報の有効利用と有効性検証を可能とする属性情報の分散管理方式である.分散管理されている属性情報へのアクセス方法をIDプロバイダが集中管理し,アクセスをリダイレクトすることで,属性情報の利用者に対して集中管理と同じ利便性を保ちつつ,分散管理と同じ安全性を実現とする.また,属性情報は分散管理されるため,情報流出が発生した場合の影響を局所化できるとともに,RDFによって分散管理されている属性情報どうしの関係を示すことで,属性情報の検証者はより厳密な属性情報の検証が可能となる.The attribute information of a subject may be an authority, a qualification, a position, etc., and it is used to authorize the e-commerce and the Web service, etc. This attribute information is often treated as part of an individual's identity information, so we should consider about information leakage. In this paper, we propose a decentralized management for attribute information which is able to verify effectiveness using URI and RDF. Our method makes it possible that an identity provider manages URI for authority which manages attribute information, and redirects access to its authority. And it is the same convenience centralized management, and the same security as decentralized management.