著者
塩田 達彦
巻号頁・発行日
2008-03

Supervisor:日比野 靖
著者
手塚 宏史 堀 敦史 O-CarrollFrancis 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.18, pp.25-30, 1998-03-05
参考文献数
20
被引用文献数
8

我々はPentium Pro 200MHzのPC64台をMyrinetギガビットネットワークによって接続したPCクラスタシステム"RWC PC Cluster II"を構築し,その上にマルチユーザの並列プログラミング環境SCoreを開発している.PCC2上の通信ライブラリPMは通常のメッセージ転送だけでなくリモートメモリライトによるゼロコピーデータ転送をサポートしており,約119Mバイト/秒(Kバイトデータ)のメッセージ転送バンド幅と約109Mバイト/秒(同8Kパイト)のリモートメモリライトバンド幅,および約7.5マイクロ秒(同8バイト)の通信レイテンシを持っている.また,PMのこれらの機能を用いたMPI/PMはPCC2上で約104Mバイト(同1Mバイト)のデータ転送バンド幅と約11マイクロ秒(同8バイト)の通信レイテンシを得ている.MPI/PMを用いたNASパラレルベンチマークの結果によって,PCC2の高い性能とスケーラビリティが実証された.We have built a PC cluster "RWC PC Cluster II" consisting 64 Pentium Pro 200MHz PCs connected by a Myrinet giga-bit network, and have been developing a multi-user parallel programming environment SCore on it. A communication library PM on PCC2 supports a message passing and a remote memory write using zero-copy data transfer. PM achieves 119M bytes/s (8K byte data) message passing bandwidth, 109M bytes/s (8K byte data) remote memory write bandwidth and 7.5 micro second communication latency. MPI/PM that uses these PM facilities achieves 104M bytes/s (1M byte data) data transfer bandwidth and 11 micro second communication latency on PCC2. The NAS parallel benchmark results using MPI/PM have shown PCC2's high performance and scalability.
著者
浦辺 徹郎 沖野 郷子 砂村 倫成 石橋 純一郎 高井 研 鈴木 勝彦
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008-11-13

地下・海底下に存在する大量の水は、流域の岩石との反応により、海洋を含む地球表層環境や生命活動に大きな影響を与えると考えられてきた。本研究では、海底下の水の流れを地質学的背景から4種類に分類し(4つの大河仮説)、鉱床形成を含めた物質循環システムと微生物生態系システムが4つの大河に対応して制御されていることを、期間中に実施した33の研究航海と物理・化学・生物・地質の分野横断的手法を通じて明らかにした。
著者
吉永 経和[作詞]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1928-03
著者
柳田 敏雄
出版者
The Biophysical Society of Japan General Incorporated Association
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.116-117, 2010-05-25
被引用文献数
1 1
著者
竹内 秀樹
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.345-354, 2001-09-01

我が国図書館界において資料保存への本格的な取り組みが開始されたのは,酸性紙問題が広く知られるようになった1980年代のことである。近代の抄紙技術を用いて製造された用紙は耐久性に乏しく,紙中の酸の作用により,わずか50〜100年でボロボロになってしまう。短命な酸性紙の問題を我が国で最初に紹介したのは,金谷博雄氏の『本を残す-用紙の酸性問題資料集』(1982年)とされる。この文献が刊行されてからおよそ20年を経て,資料保存問題への認識・方法論は着実に浸透しつつある。また,それを支える技術面においても数々の成果が生み出されている。しかし,全国,地域,個々の図書館,それぞれのレべルにおける組織的・体系的な保存対策の立案・実施という観点からみれば,課題は多い。一方,1990年代以降の情報処理・通信技術のめざましい進展により,図書館においてもCD-ROM形態やインターネットを通じて頒布される電子出版物が多くの図書館で収集・提供されている。これらデジタル技術を用いて記録・頒布される資料をどのように収集・保管し,長期に保存するか,資料保存の分野においても新たな問題領域が出現している。本稿においては,1993年以降の文献をもとに,「酸性紙問題への取り組みの進展」及び「新たな問題領域への対応」という2つの観点から,我が国における資料保存対策の現状を概観してみたい。
著者
木部 徹
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.61-67, 2010-02-01

近代の紙を媒体とした記録物は酸性化,酸化等の化学的な原因により著しい傷みが生じており,図書館やアーカイブに所蔵されている膨大な書籍や文書の多くが,利用できない状態になっている。本稿ではこうした紙媒体記録資料の劣化メカニズムを解説し,現段階での現物を対象にした保存修復技術,特に群としての資料を対象にしたマス・コンサベーションと,傷ませないことを優先させるプリベンティブ・コンサベーションの技術を概観するとともに,こうした技術を図書館等が導入する際の論理的かつ効果的な方策を提示する。
著者
Kenta YOSHIDA Yoshiteru SENGEN Shigeki TSUCHIYA Kouta MINAGAWA Tomoyuki KOBAYASHI Taketoshi MISHIMA Shinji OHSAWA Takao HIRAJIMA
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.164-168, 2011 (Released:2011-07-05)
参考文献数
26
被引用文献数
5 5

A remarkably high Li/B ratio has been recognized from a crush-leached fluid extracted from a foliation-parallel quartz vein, IR27, intercalated with a pelitic schist in the northern proximal to the Western Iratsu body of the Sambagawa metamorphic belt, SW Japan. Thin section observation shows that most quartz grains in the vein are polygonal and rarely show the undulatory extinction. These facts suggest that the quartz grains in the vein could be recrystallized under relatively high-T condition with the stress free environment, and that these fluid inclusions could be trapped during the peak metamorphic stage. Most fluid inclusions in the investigated sample are composed of liquid and vapor. Raman spectroscopy revealed that the liquid phase is aqueous fluid and the vapor is mainly a mixture of CH4 and N2. Their ice melting temperatures determined by microthermometry, ranging from -3.5 to -7.1 °C, show a striking contrast against the data of the fluid inclusions in later stage veins, ranging from -0.6 to -1.7 °C. However, the homogenization temperatures of IR27 are much lower than the peak metamorphic temperature of the host pelitic schist. The partition coefficients between the host rock and released fluid (Drock/fluid) calculated from P-T pseudosection show that DBrock/fluid tends to be higher than DLirock/fluid in a pelitic system, because of generally high modes of white mica in pelitic schists. The calculation suggests that the crush-leached fluid obtained from the quartz vein intercalated with the pelitic schist has higher Li/B ratio than fluids of those intercalated with the metabasite.
著者
志田 基与師
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.2_37-2_50, 1990-11-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
17

「ハムレット」を社会学的に読みといてみよう。社会学者が「ハムレット」の世界にかんするモノグラフを読んだなら、あるいはその世界を訪れたなら、それをどう分析するだろうか。「ハムレット」の世界を規範・役割・地位の体系を備えた制度とみなして分析することにより、その特質を明らかにするだろう。そうすると、ハムレットは弱々しい悩める貴公子でもなく、衝動的な性格の持ち主でもなく、まして分裂した人格の持ち主でもないことが明らかになる。それどころか、「ハムレット」は復讐劇ですらなく、デンマーク王国の危機と再生の物語であり、主人公ハムレットの役割はそのための殉教者であることが明らかになってくる。
著者
前田 大輝 藤井 健作 棟安 実治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.180-189, 2004-02-01
参考文献数
15
被引用文献数
10

マルチチャネルシステムで用いられる参照信号は一般には互いに強い相関をもつ.この相関は適応フィルタの係数推定を難しくすることから,通常は参照信号間の相互相関を減少させる前処理が加えられる.しかし,その前処理は参照信号をひずませることに等しく,そのひずんだ参照信号の未知系への送出はシステム本来の動作に支障を来す.その一方で,適応フィルタの係数推定には参照信号間で無相関となる成分の存在が不可欠であり,その割合を増加させる前処理は収束特性の改善に欠かせない.本論文では,その前処理を加えた参照信号を未知系に送出せず,適応フィルタの係数推定にだけ用いるアルゴリズムを提案し,その実用化に際して必要となる設計条件を明らかにする.すなわち,推定誤差が増大しない条件と,本アルゴリズムを特徴づける,参照信号間の相関を低減する係数の最適値を導き,その有効性をシミュレーションによって確認する.本提案アルゴリズムによれば,システム本来の動作に影響を与えることなく,収束特性の改善を図ることができる.
著者
武藤 憲司 伊藤 幹也 荒井 貴大 高野 邦彦 八木 一夫 江口 健太郎 柴山 秀雄 陳 国躍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.1098-1101, 2008-11-01
参考文献数
4
被引用文献数
1

MRI検査において,被験者は厚い壁の磁気遮へいのための閉鎖空間に長時間おかれる.高磁場のMRI装置の駆動音は100dBを超えることもあり,騒音の不満などが指摘されている.しかし,いくつかの音圧測定結果だけで音の伝搬の様子の報告例はない.本論文では,検査室内のMRI検査の被験者が横たわるテーブル上の空間の音場の可視化を図る.非磁性のプローブを製作して音響インテンシティを測定した結果を用いて音の伝搬の様子を示す.
著者
陳 国躍 安倍 正人 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.851-859, 1999-06-25
参考文献数
23
被引用文献数
10

騒音の能動制御 (Active Noise Control : ANC) を広い空間で実現するためには, 複数の打消しスピーカ及びエラーセンサが必要となり, また, 騒音源が複数存在する場合には, 複数の参照センサを必要とする. そのため, 音響伝達系は複雑になり, 能動制御の性能が劣化する. 本論文では, このような多入力多制御点のANCシステムの複雑な音響伝達系における性能劣化の原因を, 周波数領域での評価法を用いて検討する. その結果, 入力多制御点のANCシステムにおいては, 複数のスピーカから放射された打消し音が, 空間で混じり合うこと(カプリング)と, 参照信号間に相関があることにより, 適応アルゴ.リズムの収束速度が遅くなり, また, 計算誤差が大きく, 打消し量が小さくなることを明らかにする. 更に, 検討結果をもとに, 適応アルゴリズムの収束速度についていくつかの改善法を提案する.
著者
笹原 健夫 五十嵐 弘
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.495-498, 1989-12-01
被引用文献数
2

澱粉無添加区および澱粉を10,20,30,83,167gを加えた6区の還元状態の異なる土壌におけるイネの3生態種の平均出芽率および初期生長の差異を検討した.3生態種の平均出芽率および初期生長とも土壌がある程度還元状態になった状態(20g澱粉添加区)で最大値を示し,還元がさらに進行するように澱粉を加えた区で減少した.20g澱粉添加区で,どの生態種の平均出芽率および初期生長も高い値を示したのは,2-5%の酸素分圧でイネの出芽率が高まること(野口,1937;VLAMIS and DAVIS,1943)と関係していると推察される.どの澱粉添加区でも,日本型品種はインド型およびジャワ型品種よりも高い平均出芽率を示した.なお,ジャワ型品種は日本型品種およびインド型品種の中間の平均出芽率を示した.ジャワ型船種およびインド型品種より日本型品種の還元抵抗性が高いのは,日本型品種が長期にわたって水苗代の還元土壌へ播種されてきたことに対する適応によると推察した.異なる還元土壌での草丈の変動は,生態種間で差異がみられなかった.
著者
高橋 友一 島 則之 岸野 文郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.1-8, 1990-11-15
被引用文献数
21

図表 写真を含むマルチメディアデータベースの検索には テキスト情報による検索に加え画像の内容に言及した内容検索が必要に態ろ著者名といったテキスト情報のほかに「誰々の絵で 富士山が真ん中にあった絵」のように画像のイメージに関する内容検索を行うには 画像データのインデックス情報と書籍による問い合わせ内容を照合することが必要である本論文では 二次元の図形画を対象に 画像に含まれる特徴的な対象の近似多角形の頂点座標を画像インデックスとし 言語による問い合わせに含まれる位直関係を検索キーとする内容検索法を提案する.まず 定性的な関係である位置関係の持つ漠然さの表現方法について述べる次に 頂点座標を用いた位直関係のルール表現とルールを用いた頂点座標と問い合わせに含まれる位置関係の照合方法について述べる.最後に 言語による問い合わせに含まれる位置関係を検索キーとして画像の内容検索を行う画像データベース検索システムSPAエ狸 および浮世絵画像と文書画像データベースの検索結果について述べる.
著者
松村 明 山本 哲哉 熊田 博明 中井 啓 磯部 智範 成相 直
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

神経膠芽腫に対するホウ素中性子捕捉療法の臨床的有用性を証明するための臨床研究を行った。初発神経膠腫例では、無病再発期間14か月、生存期間21か月を得た。再発悪性脳腫瘍、膠芽腫1例、悪性髄膜腫1例の治療を行った。再発膠芽腫はBNCT治療後2年を経て放射線壊死、皮膚壊死あるも腫瘍再発なく生存, 家庭内軽介助。髄膜腫症例は再発の兆候なくKPS90%を維持し2年経過と良好な結果を得ているが、原子炉の利用が制限され、症例の蓄積による分析は中断された。
著者
竹内 崇
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

短時間で風速が増加する突風を受ける構造物においては,同じ風速レベルの一定風速下で作用する風力より大きな非定常風力が作用するが,その現象や非定常風力の特性についての体系的な解明はほとんど行われていない。平成22年度は,立ち上がり時間の短い突風時に構造物に生じる非定常空気力の発生要因と非定常風圧力特性の解明および一定風速からの突風時の非定常風力特性の解明を目的として以下の3項目について研究を実施した。1.立ち上がり時間の短い突風下で生じる流体慣性力が,楕円断面柱に作用する風力のオーバーシュート現象に及ぼす影響を準定常風力式と風洞実験および数値流体計算により検証した。その結果,風速の立ち上がり時間の無次元パラメータである「無次元立ち上がり時間」が非常に小さい場合には慣性力の影響が大きく,オーバーシュート現象の一因になるが,無次元立ち上がり時間が比較的大きい場合には,慣性力の影響は小さく,その他の要因によって引き起こされることを明らかにした。2.立ち上がり時間の短い突風を受ける陸屋根および切妻屋根模型の風圧力特性を突風風洞実験によって検証した。突風生成時に生じる風洞内の静圧勾配の影響を考慮した模型表面圧を計測する工夫を行い,各模型の表面風圧を計測した結果,立ち上がり時間の短い突風時に模型表面の各面において風圧力のオーバーシュート現象が生じ,模型表面各点のピーク風圧係数と無次元立ち上がり時間に強い関連性が見られることなどを明らかにした。3.一定風速から立ち上がり時間の短い突風が生じた時に楕円断面模型に作用する非定常風力の特性について突風風洞実験により検証した。その結果,一定風速からの突風時においても,風力のオーバーシュート現象が現れるが,突風の立ち上がり前の風速が高くなるほど,オーバーシュート現象が小さくなることなどを明らかにした。