著者
大槻 晃 橋本 伸哉 土屋 光太郎 佐藤 博雄 吉田 次郎 和田 俊 石丸 隆 松山 優治 前田 勝 藤田 清 森永 勤 隆島 史夫 春日 功 鎌谷 明善 村野 正昭 多紀 保彦 平野 敏行 白井 隆明 荒川 久幸 兼廣 春之 平山 信夫
出版者
東京水産大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

本研究はROPME-IOCの要請に答えるものとして計画された。本年度の主目的は、調査海域を更に広げて昨年と同様な継続的な観測を行うと共に、ROPME側から要望のあったホルムズ海峡における流向・流速の係留観測を再度試みることであったが、ROPME側で係留流速計の調達が出来なかったこともあり、急きょ底生動物採取等に時間を割り振ることになった。又本年度は、最終年度となるため、ROPME事務局のあるクウェートに入港するこを計画した。本研究グループは、研究練習船「海鷹丸」を利用する海域調査班(研究者7名、研究協力者8名)と車で海岸を調査する陸域調査班(研究者4名)とに分かれて行動した。海域班としては、ROPME事務局が計画した調査航海事前打ち合わせ会(9月26〜27日)に、研究代表者と「海鷹丸」船長2名がクウェートに赴き航海計画、寄港地、ROPME側乗船人数等を伝え、要望事項を聴取した。陸域調査班は、10月28日成田を出発し、バハレーンを経て、クウェートに入り、車を利用して海岸に沿って南東に下り、サウジアラビアのアルジュベールで調査を終了し、11月7日に帰国した。各地点で原油汚染・被害の聞き取り調査、研究試料・魚類試料の収集、水産物の流通・利用の調査を行った。海域調査班は、11月15日に遠洋航海に出発する「海鷹丸」に調査研究器材を積載し、アラブ首長国連邦アブダビ港で乗船すべく12月11日成田を出発した。シンガポールを経て、アブダビに到着、13日には「海鷹丸」に乗船し、器材の配置等研究航海の準備を行った。12月14日ROPME側研究者14名(クウェート4名、サウジアラビア7名、アラブ首長国連邦1名、オマーン1名、ROPME事務局1名。尚、カタールから1名乗船予定であったが出港時間迄に到着しなかった)をアブダビ港で乗船させ、12月15日朝調査を開始するため、出港した。先ず、ホルムズ海峡付近に向かい、1993年に調査した最もホルムズ海峡側の断面から調査を行い、徐々に北上、アラビア湾中部海域に向った。アラブ首長国連邦クワイアン沖からサウジアラビア・アルジュベール沖までの7断面24地点の調査を行い、12月26日予定より1日早くクウェートに入港し、ROPME側研究者及び日本側研究者全員下船した.調査成果の概要は、以下の通りである。1)全ての地点で、湾内水塊移動及び海水鉛直混合調査のためのCTD観測、溶存酸素及び塩検用試料採取と船上分析を行い、観測データを得た。2)全ての地点で、栄養塩測定用試料採取(オルト燐酸イオン、珪酸、アンモニュウムイオン、硝酸塩、亜硝酸塩)を行い、更にそれらの船上分析を行い、観測データを得た。3)海水中の原油由来の溶存微量炭化水素分析用の試料採取、及び船上抽出を行った。4)全ての地点で、底泥の採取に成功した。5)全ての地点で、ボンゴネット及びプランクトンネットによる動・植物プランクトンの採取を行い、幾つかの地点で基礎生産力の測定を行った。6)全ての地点で、海水の光学的特性と懸濁粒子の分布調査を行った。7)全ての停泊地点で、3枚網、籠網、縦縄、釣りによる魚類採取を行う予定であったが、航海後半の悪天候の為、前半に6調査地点に限られた。8)全ての地点で、稚魚ネット引きを行い試料を得た。12月27日には、ROPME事務局関係者2名、日本側研究者7名及び、ROPME研究者7名が参加し、ROPME事務局において、「海鷹丸」による調査結果を主体とした成果発表会をどのように行うか検討会がもたれた。その結果、1995年12月5〜8日まで東京水産大学で行うことが決定した。12月30日クウェート空港を出発し、シンガポール経由で12月31日参者全員帰国した。
著者
片岡 大右
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

19世紀末の象徴主義運動から20世紀初頭の古典主義復興運動を経て1930年代に至るまでの文学状況を、当時の政治状況との絡み合いの中で把握する作業に取り組んだ。文学作品、批評、時事的文章を初めとする多様な文献を渉猟し、基本的な流れを再構成するとともに、注目に値する諸々のテクストの精緻な分析を心掛けながら。また前世紀末のフリードリヒ・ニーチェの仕事がフランスにおいて経験することとなった奇妙な運命にも注目した。公表された業績としては、第一に、日本フランス語フランス文学会秋季大会(於岩手大学)における学会発表「隠遁者、野生人、蛮人--シャトーブリアン『歴史研究』におけるギボンの活用」がある。本研究において重要な位置を占めるこのフランス作家は、19世紀的な文学的感受性の嚆矢とみなしうる。ここではその点が、上記三つの形象が彼の作品において果たす役割に即して論じられた。第二に、『人文学報』第98号に掲載の「「野生」の観念とその両義性--モンテーニュからシャトーブリアンまで」がある。こちらでは、同様の問題関心に立ちつつも、「野生人」あるいはその前提となる「野生的なもの」の観念それ自体に分析対象を絞りつつ、より広い歴史的パースペクティヴを獲得することが目指された。いずれの研究においても基底に横たわるのは、19世紀において勝ち誇ることとなる市民社会=文明に対する異質性の意識が、古典主義とロマン主義をめぐる議論の中でどのように表現されていたか、この点を究明しようとの意図にほかならない。
著者
永井 順也 伊藤将志 渡邊 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.107, pp.39-44, 2008-10-30

地震等の災害時には,被災情報の配信や安否確認などの情報通信の必要性が高まる.混乱している被災者に確実な情報を与え,正しい行動をうながすことは二次災害の防止に役立つ.そのため,破壊されたネットワークの復旧や,新たなネットワークの構築など通信網の早急な整備が必要となる.特に断線による障害はネットワークが有線接続しているために発生する.そこで,被災地に無線メッシュネットワークを構築して,障害に強いインフラ網として利用する方法が研究されている.本研究では公衆無線 LAN の AP 自体に無線メッシュネットワーク機能を追加し,通常時は一般の AP として,高速で安定した有線経路を使い,被災時に有線や AP に障害が起こると AP が必要に応じて無線メッシュネットワークに移行し,即座にネットワークを復旧させる方法を提案する.At the time of disaster, such as an earthquake, the demand of information such as the safety confirmation rises. It is very important of prevention of secondary damage to give disaster victims accurate information and press a correct action. Thus, it is necessary to rebuild a broken network or build a new network immediately. Especially, the trouble by disconnection is caused by cable connection. Therefore, the method of making infrastructure strong for troubles by building the Wireless Mesh Network has been studied. In this paper, we propose a robust wireless LAN system, which can be smoothly recovered from the destruction state when access points or wires connecting access points are broken by the disaster. In this system, we add functions of the Wireless Mesh Network into the access point used as public wireless LAN.
著者
Hayato Tsuji Guillaume Marcel Olivier Favier Chikahiko Mitsui Sunri Lee Daisuke Hashizume Eiichi Nakamura
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.576-578, 2011-06-05 (Released:2011-04-28)
参考文献数
38
被引用文献数
23

2,6-Di(2-pyridyl)benzo[1,2-b:4,5-b′]difuran (2-PyBDF) shows a π–π-stacking packing structure in a single crystal and some intriguing properties: mechanochromism in the solid state, and solvent and concentration dependence of absorption and emission spectra.
著者
中山 恒明 中村 光司
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.460-460, 1967-07-25

東京女子医科大学学会第143回例会 昭和42年4月28日(金) 東京女子医科大学本部講座
著者
福島 靖彦 高田 忠敬 原 征洋 矢崎 浩 中村 光司 浜野 恭一 羽生 富士夫
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.483-483, 1972-06-25

東京女子医科大学学会第175回例会 昭和47年4月28日 東京女子医科大学本部講堂
著者
荒木 仁子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.484-485, 1972-06-25

東京女子医科大学学会第175回例会 昭和47年4月28日 東京女子医科大学本部講堂
著者
森 真理
出版者
(財)生産開発科学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

昨年の我々の報告では、感染症等にかかり易い小児、特に重症心身障害者施設入所者ではカスピ海ヨーグルト(クレモリス乳酸球菌<LCFC>)の摂取により、栄養改善効果やインフルエンザワクチンの抗体価並びに免疫賦活効果を確認した。その他、元気に活躍しているお年よりの集団で同検討を行ったところ、免疫能と関係が深い好中球貪食能でカスピ海ヨーグルト群の有意の増加を認めるなど、ヨーグルト摂取と免疫能には関係があると考えられた。そこで食の乱れから慢性的な野菜不足や極端なダイエットなどで便秘気味な女性が増加傾向にあり、腸内環境が良好でないことが推測され、充分な栄養素を体に取り込みにくい状態が考えられる若い世代で検討を行った。充分な説明に対して同意の得られたS大学在学中の学生77名を対象にカスピ海ヨーグルト200gを毎日摂取してもらった。摂取前後には空腹時採血を含む健康診断、摂取中3回の採便回収と毎日、食事日誌と採便記録を付けてもらった。血液データの所見に特に問題はなく、8週間後の健診でも特に変化はなかった。免疫賦活効果に関わる貪食能もプラセボとの差はみられなかった。採便調査や日誌から「記入漏れ」や、「摂取率70%以下」の者を対象外とした30名(試験群15、プラセボ群15)の検討では、排便日数、排便回数では改善傾向がみられ、排便量で摂取前と比較し有意(p<0.01)な改善がみられた。さらに、便秘傾向者18名(試験群8名、プラセボ群10名)では、同じく排便日数、排便回数では改善傾向がみられ、排便量で摂取前と比較し有意な改善、プラセボ群と比較し3-4週目と7-8週目で有意(p<0.05)の群間差を認めた。回収した便の状態を示すPHではプラセボ群で有意(p<0.05)の悪化を確認し、アンモニア量では試験群の状態が良くプラセボ群と比較し有意なの群間差(p<0.05)を認めた。
著者
井伊 あかり
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

本年度は研究をまり包括的かつ領域横断的なものとするために、問題意識の重なる他分野(歴史学、社会学、美術史、思想など)の文献を収集し、精読する作業を行った。ニューヨーク出張では、ヴィオネ作品に関しては2番目の規模を誇るコレクションを有すメトロポリタン美術館、および諸資料を所蔵するファッション工科大学(FIT)にて資料調査を行い、アメリカにおけるヴィオネ研究の現状を把握、自身の研究の参考とした。国内では関西に出張し、今春ヴィオネに関する展覧会を開催予定の神戸ファッション美術館、およびヴィオネ作品を数多く所有する京都服飾文化研究財団(KCI)にて調査を実施した。これらの資料調査で得たものを土台に論文執筆に取り組んだ(この作業は現在進行中である)。また執筆の作業と平行して、講演をする機会を複数得た。5月17日、IFI財団法人ファッション人材育成機構にて「マドレーヌ・ヴィオネ-身体とモード」という題目の発表を行った。マドレーヌ・ヴィオネの作品を、時代背景を考慮しつつ、おもに身体論の視点から分析するという内容のものである。これは本研究の主眼となるテーマである。さらにロレアル財団主催ロレアル賞連続ワークショップ2005(第1回「東京を色から読む」、11月24日)にて「東京ファッションの色」を発表、東京のストリート・ファッションを社会現象として読み解き、その特質を検証した。これは昨年刊行の著書『ファッション都市論』で展開した論をふまえたものである。またパネラーの森川嘉一郎氏(建築学者)、永山祐子氏(建築家)とともに東京という都市の独自性を色と言う切り口で分析するという内容のディスカッションを行った。
著者
PEZZOTTI Giuseppe (2009) PEZZOTT G (2008) PORPORATI A.Alan PORPORATI A. Alan
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

半導体材料における応力/歪みに関するサブミクロンスケールの定量的解析を海外の様々な研究グループと協力体制のもと研究を実施した。この研究では、応力/歪み印可に伴い、スペクトルバンドの波数変化が生じる現象に基づく、ピエゾ分光法を利用して応力/歪み解析を高空間分解で行った。異なるドーピングレベルを持つ既知の系列である、一連のIII-V族半導体(GaAs,AlGaAs等)の試料におけるカソードルミネッセンスによるバンドギャップ発光は、厳密に分析される必要に応え、発光バンドの形態論におけるキャリア濃度の寄与を研究した。発光スペクトルの特性(半値幅、ピーク位置、強度等)からキャリア濃度及び歪みのそれぞれの測定を行うことに成功した。AlGaAs及びInGaP結晶における応力とカソードルミネッセンス発光を繋ぐケース(歪みポテンシャル)を正確に測定し、発光における歪みの影響を及ぼす電子ディバイスを分析する道を開いた。一方、GaN物質に同じような測定する目的でまず吸収の影響を解明する必要があり、カソードルミネッセンス分光にGaNの独特な吸収現象を定める式を発表した。
著者
鍋屋 剛志 稲田 茂昭 川向 克明 小澤 康男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
茨城講演会講演論文集 : Ibaraki district conference
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.245-246, 2002-08-23
被引用文献数
1

Titanium and silicon were sputtered on the surface of the fiber polymer, using the low-temperature plasma. Tensile tests and hardness test were performed to check the mechanical properties, and these materials will be developed to the products as the high-performance fibers.
著者
大橋 謙策 山崎 美貴子 上野谷 加代子 福山 和女 対馬 節子 本田 芳香
出版者
日本社会事業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

地域ケアシステムにおけるソーシャル・ケア実践の効果、ケアマネジメント及びコーディネイト機能を評価する枠組みとして、ソーシャル・ケア・スタンダードの構築を試みた。1.ソーシャル・ケア・スタンダードの概念及び分析枠組みの構築のために、モデルとして英国の「ソーシャルケアワーカーのための行動規範(2002)」についてカテゴリー分類を行い、1)実践のプロセス2)実践における責任の所在3)サービスの提供方法4)サービス提供の結果5)実践の根幹にあるものという5項目が明確になった。2.日本、米国、英国の特定地域での保健福祉職対象の聞き取り調査結果について、サービス提供管理者及び従事者の専門的行動の意識化の側面から分析し、その結果をもとに日本版ソーシャル・ケア・スタンダード試案を作成した。[管理者のスタンダードの枠組み]1)組織・事業所の業務を遂行する責務2)ソーシャル・ケア従事者による専門性に基づいた業務遂行の保証3)専門職の業務遂行を評価する責務4)ソーシャル・ケア従事者の技能向上促進の責務5)ソーシャル・ケア従事者間のチームアプローチの促進[従事者のスタンダードの枠組み]1]組織・事業所の一員としての業務責任を遂行する責務2)専門性に基づいた業務遂行の責務3)専門職として業務を評価する責務4)自己の技能向上促進の責務5)チームメンバーとしての業務遂行の責務地域ケアシステムの質を担保するには、サービスが適切に提供されているかという評価と、サポート体制が必要である。サービス評価にあたって実践者それぞれの専門性のもとでの実践行動を明確にする意味においては、この試案の実用性を見出せる。地域ケアシステムのサポート体制としては、社会一般の人々の信頼と信任を促進するために、全国レベルでの第三者評価機構設置の必要性が明確になった。
著者
田村 真広 菅井 直也 関矢 貴秋 保正 友子 山本 美香 平野 優 阪野 貢 保住 芳美 矢幅 清司 池田 幸也 大橋 謙策 北本 佳子 阪野 貢 長谷川 豊 馬場 清 原田 正樹 平野 和弘 平野 優 保住 芳美 宮脇 文恵 矢幅 清司 芦川 裕美 岡 多枝子 田中 泰恵 崔 太子
出版者
日本社会事業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

高等学校の専門教科「福祉」の教育改善と教師教育に関する総合的研究である.(1)理KOMI論を活用して介護福祉の基礎から実習教育を一貫させる教材開発、(2)高等学校福祉科の卒業生の就労状況や福祉教育への意識を調査したライフコース研究、(3)での後期中等教育段階にEUおけるケアワーカー養成・教員養成システムを調査した研究、(4)特色ある高校づくりの要に教科「福祉」を位置づけた教育課程改革の実態調査.これらの研究成果をもとに、教科「福祉」の教員教育のあり方について問題提起した.