著者
山田 保
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
no.2, pp.67-70, 1984-11-01

This paper reexamines the change of the institution of the beneficial assessments for sewerage systems in Japan considers, and the inter-relations between this institution, the method of the allocation of the construction cost of sewerage systems between public sector and private one, and the equalization of the share among users on the base of the reexamination above-mentioned. As the results of the considerations, this paper emphasizes it is better to introduce the new method of the evaluation of the benefits obtained by sewerage systems, based on the volume of waste-water discharged instead of the land area owned by users in the case of the sanitary sewerage system.
著者
原田 和典 大宮 喜文 松山 賢 鈴木 圭一 土橋 常登 長岡 勉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

建築物の性能的火災安全設計を行うためには、「設計火源(設計用入力火災)」を設定することから始まる。しかし、建築物内の可燃物の燃焼は、種々の要因により大きなばらつきがあって、告示式で与えられるように一義的なものではない。設計火源は、どのような可燃物を建築設計上考慮すべきか(用途区分別の特性的可燃物配置)という建築計画学としての整理を行った上で、特定された可燃物の燃焼性状を工学的にモデル化することが必要である。本研究においては、建築空間内に存在する可燃物の代表寸法と可燃物間の配置、壁面や柱等の建築要素との位置関係に注目して、建物用途、室用途の組み合わせ毎に、典型的な可燃物の配置パターンを作成すべきことを提案し、例題として事務所の廊下、教育施設の玄関ロビー、鉄道駅などの配置パターンを抽出してモデル化を行った。また、可燃物の燃焼性状に関しては、既往の文献資料を整理して、可燃物の一般的呼称毎に発熱速度曲線を集積して統計処理を行った結果、椅子、ソファ、クリスマスツリーなどの設計火源を提案した。これらを用いて、鉄道駅のプラットホーム構造物の耐火設計ケーススタディを行い、調査結果に基づき可燃物を想定し、燃焼性状の予測を行う標準的方法を提案すると同時に、現時点での知見で不足している点を指摘した。以上の成果は、(社)日本建築学会・防火委員会・火災安全設計小委員会の傘下に設置された「局所火災に対する耐火設計ワーキンググループ」との連携の下に行われ、シンポジウムを開催して成果を公表するとともに、建築設計者の意見を収集した。
著者
近田 政博
巻号頁・発行日
2009-06-22 (Released:2010-06-01)

訳者:近田 政博 発行:株式会社ダイテック
著者
福山 正文 角野 洋二 原 元宣
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.194-198, 2002

ヒトのVero毒素産生性大腸菌(VTEC)感染症における感染源や感染経路を明らかにするため,1997年8月から1998年1月までの期間にハトは相模原市で,カラスは相模原市,川崎市,横浜市および東京都内で害鳥駆除のために捕獲した野鳥の腸管内容物を採材し,VTECの分離を試みたところ,以下の成績が得られた。1)供試した521例中32例(6.1%)からVTECが分離された。その内訳において,ハトでは相模原市262例中25例(9.5%)から,カラスでは相模原市184例中7例(3.8%)からそれぞれ分離されたが,横浜市11例,川崎市4例および東京都内60例からは1例も分離されなかった。2)分離された33株について毒素型別を行ったところ,VT1産生株が4株(6.5%),VT2産生株が27株(88.7%),VT1とVT2両毒素産生株が2株(4.8%)であった。3)分離株の血清型では,O78:H-に10株,次にO152:H-に7株,O153:H19に2株,O164:H-,O128:H-,O164/O143:H-およびO1:HUTに各1株が型別されたが,残り10株は型別不能であった。また,型別不能10株のうち,1株は自家凝集が認められた。4)供試した33株についてeacAを確認したところ,31株(93.9%)が保有していた。以上のことから,ヒト下痢症由来VTECの毒素型や血清型と一致する菌株がハトやカラスから分離されたことや病原性の発現に重要な関与が考えられるeacAを高率に保有していたことから,ヒトVTEC感染症の感染源の一つとしてこれらの鳥類も関与する可能性が考えられた。
著者
宮本 健司 増澤 俊幸 久手堅 みどり
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.221-226, 2000
被引用文献数
2 6

北海道でアカハラとアオジがライム病の病原体保有動物としての役割を演じていることを報告したのに引き続き, 1993-1999年に同様に野鳥30種を調べ3属5種のマダニ(Ixodes persulcatus, I. turdus, Haemaphysalis flava, H. longicornis, Amblyomma testudinarium)を採集した。これらのうち神奈川と大阪産シジュウカラと京都産クロジからのアカコッコマダニおよび盛岡産カシラダカとアオジからのシュルツェマダニからボレリアを検出した。これらのうち1999年度のカシラダカ1個体からの3幼虫より分離した2株とアオジ1個体からの18幼虫よりの15株を精査した結果, いずれもユーラシア型またはアジア型のBorrelia gariniiであった。カシラダカがライム病に関与していることは新記録である。これら分離株はダニ幼虫が鳥類から直接病原体を受け取ったことを示唆するもので, 流行地で感染した野鳥類が本州の東北部で確実に病原体を拡散していることが推測された。
著者
島倉 省吾 葛谷 光隆 鎌数 眞美恵 吉田 徹也 奥田 恭之 津久美 清 福士 秀人 平井 克哉
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.209-216, 1984-12-15

家禽及び野鳥の大腸菌による感染症については多くの報告がある。しかし,愛玩鳥における報告は少ない。著者らは,1982年4月から1983年12月までの間に愛知県内の某卸売業者へ輸入され,輸入後3週間以内に斃死した愛玩鳥911羽を検査した。これらの愛玩鳥は,ヨーロッパ及び北米以外の世界各国から輸入され,特にアジア及びオセアニアからのものが大半を占めていた。大腸菌は,検査した911羽中345羽(38%)の肝臓,肺臓及び肺から純粋に分離された。分離大腸菌191株についてOK血清型別をした。病原大腸菌OK血清では,01:K51に3株,025:K1に4株,0119:K69に2株,0125:K70に7株及び0148:K[○!+]に1株,計17株が,アルカレッセンス・ジスパーOK血清では,01:K1に1株,02:K1に17株及び04:K3に3株,計21株,合計38株(20%)が血清型別された。腸炎毒産生性は,LTを139株及びSTを61株について調べた両画毒素共にその産生性が確認された菌株はなかった。191株について薬剤感受性を調べたが,155株(81%)が耐性で,この155株のうちTC耐性をもつ菌が153株あった。なお,単剤耐性菌は84株,多剤耐性菌は71株で,単剤耐性菌の検出数が多かった。愛玩鳥由来大腸菌の血清型別及び毒素原性について調べた報告は極めて少ない。これらの愛玩鳥は捕獲後,人の生活環境で感染し捕獲,輸送などのストレスが発症,斃死の誘因となったものと考えられた。従来わが国では報告されていない血液型の病原大腸菌が検出され,公衆衛生及び家畜衛生の両面から深く憂慮されるから,今後愛玩鳥の衛生管理に格段の留意を要する。
著者
加藤 久弥 村上 敏明
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.39-PLATE I, 1962-01-25

1959年4月, 定型的リステリア(以下Lと略)脳炎で弊死した羊を剖検し, 偶然, 鼻洞に寄生する羊蝿 Oestrus ovis の幼虫を発見した. 採取した9匹の幼虫の内2匹を試みに培養し, 残り7匹はフォルマリン標本とした. また, 後に同一牧場から得た5頭(健康羊3, 急性鼓張2)から22匹の幼虫を採取してL菌の培養に供した. 各材料は夫々減菌食塩氷で10回洗滌し, 5mlの食塩水乳剤としてその0.2mlを平板に塗抹し, 37℃, 24時間培養した. いづれの場合も虫体の最終洗滌液を培養して無菌なることを確めた. 結果は第1表の如く, L症羊寄生幼虫2匹の内1匹からL菌(K16株)が殆ど純培養状(Fig.1)に分離された. 本株の生物学的性状及び血清学的型別を行い, 1型菌と同定された(Tables 2〜4). 従来L症の自然感染要約については種々の推論があり, 齧歯類, 野獣, 野鳥等, 或はサイレージ等区々として, 未だ確立されていない. 羊蝿とL症の関係について1937年, GILL により示唆されたが, その後これを支持する研究が出なかった. 今回の著者等の報告は GILL に次いで, 羊蝿幼虫からL菌を分離した第2例である. 先に, 著者等は盛岡における羊蝿の生活環を研究した. 一方1951年以降10年間の日本における家畜のL症の発生時期が外国と同じく晩冬初夏の候に限局することを知った. 之等の事実と羊蝿のL症との関係を追及することは興味あるものと考える.
著者
福士 秀人
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.11-17, 2003-03
被引用文献数
1

ヘラジカおよび鳥類を感染源とするクラミジア症の集団発生が2001年に2件報告された。これまでのオウム病の報告例は家族内発生および孤発例を含め,個人の飼育鳥ないし野鳥が原因であり,動物の飼育施設における罹患報告はほとんどなかった。動物園などで感染したオウム病の例は国内では,姫路のサファリパークを感染源とする患者が一名,1996年に報告されている。2001年の11月から12月にかけて鳥類展示施設を感染源とするオウム病の集団発生があった。来園者12名,従業員5名が発病した。この事例は動物飼育施設での感染としては国内2例目,集団発生として1例目である。動物園のヘラジカの出産に関連して出産に立ち会った5名に不明熱が発生した。当初はブルセラはじめ種々の病原体が疑われたが,抗体検索からクラミジア抗体の上昇が見いだされ,最終的にヘラジカからクラミジアが分離された。分離されたクラミジアは鳥類のクラミジアとほぼ同一であった。これはほ乳類から人に鳥類クラミジアが伝播し発生した事例であると考えられた。
著者
小澤 真 大橋 和彦 小沼 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1237-1241, 2005-12-25

ニューカッスル病(ND)はニューカッスル病ウイルス(NDV)により引き起こされる鶏の最も重要な感染症のひとつあり, 生および不活化ワクチンにより制御されている.しかしNDVは多種類の野鳥など, ワクチンされていない鳥に感染し, これらの感染がNDの発生・伝播に重要な役割を果たしているので, 野外での新たなNDの制御法が必要である.ファージディスプレイ法は目的の標的分子に結合するペプチドの検索方法として有用であり, バイオパンニング法によりNDV結合性ペプチド3種類(EVSHPKVG, WVTTSNQW, およびSGGSNRSP)を同定した.ファージ上のこれらのペプチドのNDV結合特異性は抗NDV鶏血清を用いた競合ELISA法により確認された.またこれらのアミノ酸配列をもとに作製した合成ペプチドはin vitroにおいて部分的にNDVを中和した.今回同定したペプチドモチーフは, 免疫系に依存することなくNDV感染を阻止する新規分子の同定へと発展する可能性を有している.
著者
伊藤 壽啓
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.90-95, 2004-08-25
著者
村田 浩一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.785-790, 2002-09-25
被引用文献数
1

1988年から2001年までの13年間に国内で捕獲された701羽の野鳥について血液内寄生虫の保有状況を調査した.供試した野鳥は一部を除いて傷病が原因で神戸市内およびその周辺で保護され,動物園に治療のために持ち込まれた個体であった.総検査羽数の10.6%にあたる74羽に血液内寄生虫の感染が認められ,その内,住血原虫の寄生する個体はPlasmodium spp.が12羽,Haemoproteus spp.が36羽およびLeucocytozoon spp.が32羽であった.ミクロフィラリアがイカル(Coccothraustes personatus)およびツグミ(Turdusnaumanni)の各1羽から検出された.Haemoproteus sp.とLeucocytozoon sp.の混合感染が4種6個体,ミクロフィラリアとLeucocytozoon sp.の混合感染が2種2個体にそれぞれ観察された.住血原虫の感染が比較的多く認められた鳥種は,コノハズク(Otus scops):4羽中3羽,ホンドフクロウ(Strix uralensis):14羽中10羽,ハシブトガラス(Corvusmacrorhynchos):26羽中17羽,ウミネコ(Larus crassirostris):7羽中4羽,アオバズク(Ninox scutulata):9羽中5羽,ハシボソガラス(Corvus corone):39羽中18羽,ゴイサギ(Nycticorax nicticorax):29羽中7羽であった.