著者
吉田 年雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1394-1401, 2010-08-15

本論文では,$x M^{2}_{u}(x)=x\{J_{u}^{2}(x)+Y_{u}^{2}(x)\}$について,変数$x$が大きい場合の能率的な計算法を提案している.ここで,$J_{u}(x)$および$Y_{u}(x)$はベッセル関数である.$xM_{u}^{2}(x)$は$xM_{u}^{2}(x)=(1/\sqrt{t})M_{u}^{2}(1/\sqrt{t})=f_{u}(t)$のように書くことができ,$f_{u}(t)$は,微分方程式$8t^{3}f_{u}'''(t)+36t^{2}f_{u}''(t)+\{(26-8u^{2})t+8\}f_{u}'(t)-(4u^{2}-1)f_{u}(t)=0$を満足する.上式に$\tau$法を適用すると,$f_{u}(t)$の近似式が求められ,式の変形や工夫を行うことより,能率的な計算式が得られる.
著者
桝永 一宏
出版者
滋賀県立琵琶湖博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

淡水から海水にいたる様々な水辺環境への進出に成功した数少ない昆虫である双翅目昆虫のアシナガバエ科Hydrophorinae亜科について、このグループにおけるND5遺伝子の分子時計(0.01D=285万年)を算出した。さらに、海洋性アシナガバエHydrophorinae亜科の海水適応のグループが単系統であり、北大西洋地域に分布するAphrosylus属が一番最初に分化したグループであり、その起原が最も古いことが示唆された。
著者
大久保 弦
出版者
福井工業高等専門学校
雑誌
福井工業高等専門学校研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:05330181)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.130-124, 2005-11-25

Sarashina-nikki, as follows, can divide into four parts. The first is a diary of the travel to Kyoto from east country. The second is a record of life at the Kyoto home. In this, an article of the separation with older sister by death is included. The third is a record of court life. The fourth is an article of visit to various temples and shrine. In these parts, it can recognize that several diaries and essays (Tosa-nikki, Kagerou-nikki, Murasakishikibu-nikki, Makura-no-soushi so on) have an influence on Sarashina-nikki. From this, you can understand that this diary has the various elements. So, what constitutes a characteristic feature on this work? This dissertation discussed mainly it. In the first part of this diary, the travel is written as opposition of the light space and the dark space. In the next place, it is pointed out that Kyoto home belongs to the latter. As for this opposition of two spaces, in the article of court life and worships it exists likewise. And in it, you can see that stories, the moon and dreams have been mediated between two spaces.
著者
岡本 健
巻号頁・発行日
2010-01-24

文部科学省平成20年度組織的な大学院教育推進プログラム「社会の幸福に資するソーシャルリサーチ教育―ソシオリテラシーの涵養―」共同研究プログラム「東アジアのストリートの現在」第8回研究会「アニメ聖地となる<ストリート>」. 平成22年1月24日. TKP大阪梅田ビジネスセンター、大阪府大阪市.
著者
椎葉 富美
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
vol.6, pp.62-49, 2008-03

大半の文学作品においては、作者が描いたりもしくは創り出した人物が登場し、さまざまに表現されている。それらの表現の中で、特に〈人物の指し示し方〉に作者の創意工夫が表れていると考えた。その創意工夫にあたる部分、すなわち「作者の内面的・主観的特性を言語という手段の中で表わそうとする意識」を「表現意識」と名付け、作者がどのような表現意識を持っていたかを、〈人物の指し示し方〉を手がかりに解明しようとする。『土佐日記』『蜻蛉日記』『和泉式部日記』『更級日記』を対象として、登場する人物すべてについて考察した。従来の研究では、「君」「上」などの単一名詞(「1単語」と呼ぶ)のみを扱うことが多かったが、指し示し方を幅広く捉えることが必要であると考え、人物の指し示し方の範囲を「その人物を直接指し示している表現のすべて」とした。例えば、「あづまぢのみちのはてよりも猶おくつかたにおいいでたる」という修飾部分が、「人」に収斂されているような場合、修飾部分を切り離して考えるのではなく、一括した表現(「2単語以上」と呼ぶ)として考察の対象とする。四作品すべての「1単語」「2単語以上」の指し示し方を対照・検討した結果、四作品それぞれに固有の表現意識があることがうかがえた。この方法によって、あらゆる文学作品において、作者が自身もしくは指し示す人物を、どのように位置づけようとしたかを見ることができるのではないかと考えている。
著者
藤井 敏嗣
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山.第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.117-130, 1978
被引用文献数
1

約半世紀にわたる実験岩石学的研究により,主要なマグプの生成に関する物理化学的条件については,かなり解明されたと言ってもよいであろう. しかし,マグマ生成の物理化学的条件が分っただけではマグマの成因を理解したことにはならない. マグマカミ生成し,地表あるいは地殻浅部に到達するまでのメカニズムを理解して,はじめてマグマの成因が分ったと言える. このためにも,マグマの物理的性質についての知識は重要である. 本稿では,マグマの物理的性質のうち,移動現象に関係のある粘性と密度とをとりあげる.
著者
田中 千博 渡邊 寛二
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.13, pp.98-101, 1997-08-08

女子高校生の読書の記録に情報カードを用いることで、読書感想がより活発に述べられるようになった。また、教師が感想からキーワードを抽出し、それらをデータベース化すると、彼女らが読書に求めるものが検出できた。
著者
長谷部 文雄 塩谷 雅人 藤原 正智 西 憲敬 柴田 隆 岩崎 俊樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

熱帯対流圏界層(TTL)内脱水過程を解明し、熱帯成層圏水蒸気の長期トレンドを高精度ゾンデ観測により検出するために、TTL水蒸気量と水平移流に伴う大気の温度履歴との対応を、同一大気塊の複数回観測(match観測)により明らかにすることが本課題の特徴である。これまで蓄積してきた観測データから、ゾンデ観測された水蒸気混合比と移流する大気塊の経験する最小飽和水蒸気混合比との間には、観測点の立地条件、温位高度、季節、ENSOなどの気象条件に特有の脱水効率依存性が見出された。また、個々のゾンデ観測ごとに様々な高度で描かれた後方流跡線により大気塊の起源を求めたところ、相対湿度のジャンプが観測された高度の上下で流跡線が大きく配置を変える例が見出された。この結果は、ゾンデ観測された個々の大気塊ごとに、その大気質の変遷を大気塊の起源と対応させて議論することが可能であることを示す客観的根拠となり、水蒸気matchの信頼性を担保する事実と考えられる。個々の水蒸気分布の特徴をライダー観測された巻雲粒子の存在と対応させたところ、両者に良い対応の認められる例が見出された。これらの結果は、独自に開催した国際研究集会やアメリカ気象学会中層大気会議などの国際会議で発表し、投稿論文を準備中である。米国の予算削減に伴いTC4が中米に場を代えて実施されたため、TC4との同時観測は実現しなかったが、我々の観測データは人工衛星データの検証においても大いに貢献している。さらに、今後の発展を展望した試みとして、Lymana水蒸気計などの飛揚も行った。また、GCMに全球解析場や観測データを同化することにより流跡線解析を精密化する試みを開始した。こうした活動は、熱帯上部対流圏・下部成層圏における水蒸気の長期モニタリングの継続の重要性とともに、脱水過程に関する研究の発展の方向性を示すものである。
著者
高井 政貴 牧 岳彦 高橋 裕一 大ヶ瀬 浩史
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, 2003-04-01

〔はじめに〕EOG滅菌に関しては特定化学物質としての法規制や都条例による排出規制により従来と異なる運用が求められている.一方,現状の滅菌装置では滅菌時間の短縮の目的もあり滅菌時のEOG濃度を700 800mg/Lと比較的高濃度で制御する場合が多い.法規にしたがった安全運用のためにはエアレーションを滅菌器内で実施する必要があり,その際はエアレーションに数時間を要するため,滅菌時間短縮のメリットは少ない.また,滅菌に使用されたEOGは大半が消費されずに大気放出されるため,高濃度のEOGは環境汚染の原因となるばかりでなく,経費面の無駄につながる可能性もある.本研究では以上のような状況を勘案し,低濃度のEOG滅菌を再評価する目的で,滅菌性能の確認を行った.〔方法〕現在医療機関で主流となりつつあり陰圧式の滅菌装置を用い,EOG濃度760および400mg/Lにおいて滅菌処理を行い,指標菌Bacillus subtilis ATCC9372株のD値を測定することにより滅菌性能の評価を行った.市販のストリップ型BI(レーベン社製)を用い,D値の測定は生残曲線法にて行った.また,AAMIのテストパックによる両濃度における滅菌性能の比較も行った.〔結果〕今回の試験より,EOG濃度760mg/Lにおいて得られたD値は2.3分,400mg/LのD値は4.9分であり,EOG濃度と死滅速度定数には正の相関が認められた.また,AAMIのテストパックの結果からも今回求めたD値の信頼性が確認された.〔考察〕今回の研究によりEOG濃度を従来の約1/2に設定しても滅菌時間を2倍にすることにより同等の滅菌性能が得られることが確認された.エアレーションを含めた場合,全行程時間に対し大幅な延長は無く,排出量とランニングコストを50%程度削減できる可能性が示唆された.
著者
平尾 章
出版者
信州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

エコタイプとは同じ種に属しながら、異なる環境に適応して遺伝的分化を遂げたもののことであり、生物多様性を生み出す供給源となる。高山植物ミヤマキンバイでは、風衝地と雪田という対照的な立地環境に適応したエコタイプの分化が、複数の山岳地域で多発的に生じていることが明らかになった。「天空の島々」のように互いに隔離されながらも平行進化的にエコタイプ分化が生じているミヤマキンバイは、生物多様性の創出メカニズムを研究する上で有用なモデル系となる可能性がある。
著者
市川 喜崇
出版者
福島大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

革新自治体期の(1)老人福祉,(2)公害規制,(3)開発規制,(4)自主財政権獲得政策の4分野の政策過程を分析することによって日本の地方自治体のもつ潜在的可能性が顕在化する条件を探ることが長期的な課題であるが,今年度は,その予備作業として,日本の地方自治史に占める革新自治体期の位置づけを明らかにすることに力点を置いた。革新自治体期はいわゆる「新中央集権」といわれる時代に引き続いて現れるので,新中央集権について考察し,その結果を,論文「『新中央集権主義』の再検討」(福島大学『行政社会論集』第9巻第3・4号,1997年3月)にまとめた。ついで,美濃部革新都政の公害規制政策について現在研究をまとめているところである。まだ完成途上にあるが,その概要は以下のようになる予定である。深刻化する公害問題に対応するため,美濃部都政は公害防止条例を制定し,国の法律よりも厳しい基準で公害規制に乗り出した。これに対して国は当初,自治体が法律よりも厳しい基準を条例で定めることはできないとの姿勢で臨んだが,公害問題が深刻極まる中で法律論争をすることは世論の支持を失うと見ると姿勢を転換し,むしろ,法律の基準を都条例なみに厳しくすることによって問題を決着させた。その結果,国は再び法律の優位を取り戻した。これは都の政策が全国化したという意味で美濃部の勝利であったが,国は,政策内容で譲る代りに,法律-条例関係の厳格は解釈権(「先占理論」)を守ったともいえる。都の勝利の要因は,第1に世論の支持とマスコミの注目であり,第2に都が国と同等以上の専門知識を有していることであった。このことは,上記(4)の政策における都の敗北と対比すると一層明らかになるものと思われる。
著者
樋口 直人 町村 敬志 久保田 滋 矢部 拓也 松谷 満
出版者
徳島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

90年代以降の政治を一瞥すると、一見矛盾してみえる諸現象が噴出している(NPOとボランティア、住民投票、改革派知事ブームと無党派知事の当選、ポピュリズムの跋扈、新たなナショナリズムの出現)。これらは第二の近代化を背景とし、55年体制の崩壊をきっかけとして生じた政治変動であり、以下の仮説により整合的に説明できるものと考えられる。客観的条件に基づく安定的な政治的態度は、もはや一部の住民にしか該当しない。代わって、社会的ミリューとその都度の政治状況の共鳴により決定される、不安定な政治的態度が優位になる。そうしたミリューは、個人化の影響を受けて高度に断片化している。上記の諸現象は、断片化したミリューの共鳴により連合が成立した結果と考えられる。本研究の目的は、この仮説の検証により個人の社会的ミリューと政治の関係を解明することになる。今年度行ったのは、東京都でのサーベイ調査である。6区2市の有権者8500人を対象として,「ライフスタイルと政治に関する調査」を実施し、2887票を回収した。この調査は、ドイツにおける社会的ミリュー研究を参考に、日本におけるライフスタイル・ミリューと政治的態度や投票行動の関連に関する分析を行うことを目的としている。具体的には、石原慎太郎・東京都知事など政治家や政党に対する感情温度、2005年衆院選における投票行動に関して設問を用意した。衆院選における投票行動については、郵政民営化の争点効果が独立して認められ、属性の影響が争点効果に吸収されることが確認されている。暫定的な分析の結果については、茨城大学地域総合研究所年報に掲載するとともに、同研究所の研究例会でも報告した。さらに、このデータを用いてエスニック・レストランの利用者像を析出し、多文化主義をめぐる基礎資料として在日外国人に関する論文で使用した。
著者
金本 龍平
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

メチオニンがタンパク質栄養のシグナルとなり肝臓の可欠アミノ酸(セリンとアスパラギン)代謝酵素のタンパク質必要量に応答した発現を制御する可能性が示された。また、新しい栄養環境への適応にはシグナルの継続性(同じ食環境が継続する)が必要であることが示された。さらに、タンパク質栄養への応答性には臓器特異性が有り、可欠アミノ酸の必要量が臓器によって異なることが示された。
著者
阿久津 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.88, pp.27-34, 1993-10-01
被引用文献数
1

文字列の近似マッチング・アルゴリズムとしてLandauとVishkinによるアルゴリズムが良く知られている。本稿では彼らのアルゴリズムを基に開発した、Don't Care記号付き文字列に対する逐次および並列の近似マッチング・アルゴリズムを示す。なお、nをテキスト文字列の長さ、mをパターン文字列の長さ、Σを文字集合、kを許容誤差とした場合に、逐次アルゴリズムはO(√<km> n log|Σ|log^2 m/k log log m/) 時間で動作し、並列アルゴリズムはCRCW?PRAM上でO(√<m/k> n log|Σ|log m/k log log m/)個のプロセッサを用いてO( log )時間で動作する。さらに、より拡張した文字列パターンに対する近似マッチング・アルゴリズムも示す。This paper presents parallel and serial approximate matching algorithms for strings with don't care characters. They are based on the approximate string matching algorithm developed by Landau and Vishkin. The serial algorithm works in O(√<km> n log|Σ|log^2 m/k log log m/k) time and the parallel algorithm works in O(k log m) time using O(√<m/k> n log|Σ|log m/k log log m/k)processors on a CRCW-PRAM, where n denotes the length of a text string, m denotes the length of a pattern string k denotes the maximum number of differences and Σ denotes the alphabet (i.e. the set of characters). Several extensions of algorithms are described, too.
著者
鹿野 清宏 猿渡 洋 川波 弘道
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

H17年度に収録した28人からなり、異なる4時期で発声した非可聴つぶやき声(NAM)個人認証データベースをもとにNAMによる話者認証の研究を進めた。さらに、27人の詐称者のNAMを収録して、NAM個人認証データベースを完成するとともに評価を行った。NAMにより個人認証の研究で、研究を担当した小島麻里子(M2)が、暗号と情報セキュリティシンポジウムSCIS2006論文賞を受賞した。(1)Hl7年度に収録した28名のN削個人認証データベースに加えて、27名の詐称者のN削個人認証データベースの収録し、NAM個人認証データベースを完成した。異なる時期の登録データを利用することが大いに有効であることが分かった。(2)NAM音声データベースを用いて、NAM個人認証アルゴリズムの研究および認証能力の評価を引き続き行う。とくに、発声者の登録の負担を減らすことを目指して、1時期あたりの発声数を減らす効果を調べ、1時期あたり2発声程度まで個人認証率が保たれることを確認した。(3)セグメント情報とSVM(サポートベクターマシン)を用いた個人認証アルゴリズムが、NAM音声の認証において、従来のGMM(ガウス混合分布モデル)などよりも飛躍的に高い個人認証能力を持つことが確かめられた。(4)他人がパスワードを発声した場合のNAMの認証能力、本人がパスワードを忘れた場合の拒絶能力を個人認証実験で調べた。個人のNAMマイクによる体内音も収録して、個人認証実験を行ったが、有効な結果は得られなかった。
著者
坂下 牧子 北坂 孝幸 森 健策 末永 康仁 縄野 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.461, pp.35-42, 2008-01-18
被引用文献数
1

本稿では,異なる4時相において撮影されたCT像から膵臓領域を抽出する手法を提案する.初めに,各CT像に対してメディアンフィルタによる平滑化処理を施した後,非剛体レジストレーションにより4時相のCT像の位置を合わせる.次に早期相像と晩期相像から2次元濃度値ヒストグラムを,また,非造影像から1次元濃度値ヒストグラムを作成し,これらのヒストグラムから膵臓領域に対応するCT値分布を推定する.そしてマハラノビス距離を用いて各画素にラベルを割り当て,膵臓候補領域を粗抽出する.さらに,膵臓領域は,候補領域内の膵臓以外の領域との境界領域に比べてCT値の分散が低いことを利相し,分散情報を用いた領域拡張により膵臓に対応する領域を相出する.提案手法を4時相腹部3次元CT像21例に対して適用した結果,10例において良好な抽出結果が得られたが,8例においては,抽出された膵臓領域の一部に過抽出および抽出不足が存在した.