著者
田上 英一郎 原 成光 西田 民人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008-04-08

海洋有機物プール消長がもたらす地球表層炭素循環へのインパクトを明らかにするために海洋有機物動態の総合的理解を目指した。ハイスループット分析法を用いて溶存有機物の分布を求め、その特徴から溶存有機物動態を明らかにし、分子レベルで有機物プールの詳細に把握することが主題である。本研究課題では、LC-MS/MSを用いたハイスループット分析法を開発し、観測海域から大量の基礎データを採取した。2次元多核種NMR法およびFACE法を用いて溶存および懸濁態有機物の高分子レベル分析法を用いて、海洋有機物の高次構造を明らかにすることで、海洋有機物の化学像を洗い出しを行った。
著者
寺田 勇文
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.426-441, 1982-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
草光 俊雄 大石 和欣 笠原 順路 鈴木 雅之 鈴木 美津子 石幡 直樹 アルヴィ宮本 なほ子
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、イギリス帝国主義(パクス・ブリタニカ)の基盤が築かれた時代において、旅行記や見聞記、探検記を地域ごとに 7 名の研究者で手分けをしながら調査し、それぞれの地域の民族、風物、風俗の描写の背後で、イギリス人としての自意識がどのように働いているかを実証した。帝国の拡張はいわば膨張であり、海外探検は科学・文明の拡張であり、旅行記や探検記にはイギリスの覇権拡張という隠された意図と自負が潜むと同時に、異質の民族・文明との接触を通じて不安定に揺れ動いている意識が浮かび上がっている。「イギリス的なもの」(Britishness)についての意識が変容し、国民の帰属意識が再編され、多様化し、ぐらついていく実体を言説上において捕捉できた。研究遂行の課程では、海外研究者の招聘や国際シンポジウム、国際学会の開催・共催、さらに学会発表や論文のかたちで成果を問うことができた。
著者
加賀谷 良平 宮本 律子 梶 茂樹 湯川 恭敏
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

研究期間の平成11年度〜13年度で、タンザニア、ケニア、ウガンダのバントゥ諸語の内、ほぼ30言語を調査した。この言語数は予定数をやや上回っている。具体的な調査内容について言えば、各言語において,ほぼ2000語におよぶ語彙,音声,音韻,文法等の全般的かつ精密な調査と分析を行った。この3年間の調査自体はほぼ満足すべきものであり,バントゥ諸語の音調研究を中心とした研究から新たな一般言語学的知見が得られ、また、言語変容、消滅の危機に瀕した諸言語の記述研究をとおして、我々の調査隊の成果は世界的に貢献できたと考える。しかし、未だに消滅の危機に瀕しているバントゥ諸語は多数存在し,現在を除いてはその記述・記録が不可能となること,また急激な社会変化により、多くの言語が歴史上かつて見られなかったほどの早さで変化していることなどを考えると,アフリカ諸言語の調査分析から得られる成果は極めて大であり,引き続き精力的かつこれまで増した大規模な調査が必要である。現在のアフリカはいわば壮大な言語実験場であり,幾つかの言語の定点観測を行いつつ,経験の深い優秀な調査者がより精力的に調査を行う必要があると痛感する。この3年間の調査成果は,言語学会,アフリカ学会や多くの学会誌等を通じて発表してきたが、今後も多くの成果発表を予定している。また別途の論文集として出版する予定である。なお、この調査隊には、R.Besha(ダルエスサラーム大学教授)、K.Kahigi(ダルエスサラーム大学教授)、小森淳子(大阪外国語大学非常勤講師)、神谷俊郎(東京外国語大学博士後期過程)、阿部優子(東京外国語大学博士後期過程)が研究協力者として参加・協力した。
著者
細井 修吾
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.97, pp.179-180, 1890-03-26
著者
小西 和信
出版者
筑波大学図書館課
雑誌
つくばね : 筑波大学図書館報 (ISSN:02850117)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, 1999-03-26

去る1月25日(月)、東京大学付属図書館大会議室において、標記フォーラムが開催された。関東地区と東京地区の国立大学図書館協議会共催の本フォーラムには、両地区協議会加盟館とオブザーバー館、来賓の文部省学術情報課と学術情報センター ...
著者
新井 竜治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.93-102, 2009-07-31
被引用文献数
3

天童木工の一般家庭用家具シリーズは住宅の室内を総合的に構成するものであった。また官公庁・公共施設・一般企業向け家具シリーズには、日本で最初に開発されたオフィス・システム家具シリーズであるOFgroup-1とその後続シリーズ、図書館用家具・高齢者福祉用家具・ベンチ・テーブル・大会議テーブル等の各シリーズがあった。そして天童木工は1986年から93年まで官公庁・公共施設・一般企業向け家具に特化していた。次に、60年代の天童木工家具デザインコンクールには、その作品の量産化よりも、家具デザイナーに研鑽の場を提供したという意義があった。また天童木工名作家具のデザイナーの中では、特に剣持勇の貢献が大きかった。それから、天童木工は50・60年代にアメリカ、北欧、ブラジルのモダニズムの影響を受けたミッドセンチュリー・モダニズムの家具を製作した。またジャパニーズ・モダニズムの家具も製作した。更に80年代にはポスト・モダニズムの影響を受けた家具を製作した他、構造体の美を追求する後期モダニズムの影響を受けた家具も製作した。
著者
村川 雅洋 根本 千秋 箱崎 貴大 青木 健一 平間 孝弘 菅野 良子
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

手術患者の予後に重大な影響を与える術後せん妄の神経化学的機序解明を目的として、ラットを用いて麻酔中の侵害刺激と鎮静による脳内神経伝達物質アセチルコリン放出の変化を検討した。その結果、現在一般的に用いられている全身麻酔薬と術後鎮静薬はアセチルコリン放出量に影響を及ぼすことが明らかとなり、大脳皮質のアセチルコリン放出の変化が術後せん妄に影響を与えていることが示唆された。
著者
徳永 智春
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

材料の局所領域の構造をナノスケールで明らかにすることが可能な透過電子顕微鏡により有機材料を観察するための条件を調査した.その結果,加速電圧200kV,照射電流密度2pA/cm^2の条件を用いて短時間のうちに観察する必要があることが判明した.また,有機半導体からなるデバイスの薄膜加工には機械加工が適していることが明らかになった.
著者
小野寺 淳
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.383-406, 1991-12-31
被引用文献数
2

中国の農村工業は, 経済改革が進行するにつれて「郷鎮企業」として急速に発展を遂げ, これまでの都市・農村間の社会経済的格差を解消することが期待されている. 本稿では, 都市・農村関係を変化させてゆく媒体としての農村工業に注目して, 南京郊外の江寧県を例に, 農村工業の立地展開と存立基盤について考察を行った. その結果, 以下のことが明らかになった. 南京郊外の農村工業は農村経済の中で農業に代わり中心的な部門となった. その立地の変化を見ると, 比較的遍在していたものが南京ヘアクセスの良い地域に集積しつつある. さらに業種別にみると, 地元の資源あるいは農業と関連するよりも, 機械, 繊維, 化学など都市企業との連関を求める業種の比重が高まり, 総じて南京との関係を指向する傾向が見られる. このような農村工業の存立基盤として, 第一に都市企業との連合経営関係の形成があげられる. 都市企業の協力によって資金, 技術, 管理方法あるいは市揚との連係を獲得し, 時には下請関係を結ぶことによって生産の拡大, 経営の安定化を図っているが, その一方で農村(郷・鎮)所属の企業として独立性を保とうとする対応も見られる. 第二に戸籍上農民である工業労働者(「農民工」)の存在がある. 都市への移動が制限され, 農業との兼業状態にあり, 食糧・福利厚生面でコストのかからない「農民工」によって農村内部労働市場が形成され, これが農村工業の存立基盤になっている. 第三に郷・鎮政府の関与がある. 農村工業の上納利潤に依存し雇用創出・所得向上に期待する郷・鎮政府は, 工場長責任制の導入, 流動性に乏しい生産要素の確保など農村工業の活性化・発展に積極的である. その努力は, 郷・鎮経済全体にとっての利益を強く意識している.
著者
新田 和宏
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.33-46, 2008-03

政治の世界において、政治の言葉というもののしめる重みが増している。政権担当者や政治指導者から発せられる政治の言葉が大きい意味をもつようになった。とりわけ、5年5ヶ月に及んだ小泉政権と連動するかたちで顕在化した「新しい政治(new politics)」の一つの側面として、「ワンフレーズ・ポリティクス」とも言われる、政治的フレーズを駆使するアイディアの政治の重要性を指摘することができる。本稿は、そのような「新しい政治」としてのアイディアの政治について着目し、その省察を試みる。これまで、政治学は、「政治は何によって決定されるのか?」という問いにこだわってきた。政治的フレーズを用いるアイディアの政治について検討することは、こうした政治学の問いに対して、一定程度の返答を提示することにもなるであろう。本稿は、アイディアの政治に関連する諸概念の定義を踏まえ、小泉政治が問題提起したというべき、「不利益政治」とアイディアの政治、テレポリティクスと「劇場型政治」、インターネット・ポリティクスと「新しい右翼」、並びにアイディアの政治の政治的学習、というアイディアの政治に関する諸論点について検討を行う。こうして、本稿は、政治的フレーズを駆使するアイディアの政治が、一体、どこまで政治を決定することができるか、この点についても確定したいと思う。
著者
[記載無し]
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.201, pp.27-29, 1953-12-21
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
UDC information
巻号頁・発行日
no.48, pp.19-20, 36, 1958-04
著者
戸木田 雅利 松岡 辰郎 姜 聲敏
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

高分子液晶のダイナミクスの特徴を明らかにすることを目的に, 2つのメソゲンをアルキル鎖で連結した二量体液晶分子のネマチック液晶BCBO-m(mはアルキル鎖炭素数)の動的光散乱測定を行った.動的光散乱から,液晶ダイレクターの広がりと曲げのモードの周波数(K/η)を決定することに成功した.それらはmの偶奇に依存する偶奇振動を示した.mが偶数のほうが奇数よりも大きな値を示した.フレデリクス転移挙動から弾性定数を調べたところ,同様な偶奇効果が弾性定数にもみられ,周波数の偶奇効果は弾性定数に支配されるものと結論した.
著者
南部 昌敏 浦野 弘 三橋 功一 小林 稔 井上 久祥 城間 祥子
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

知識伝達型、問題解決型、省察型の研修スタイルを必要に応じて組み合わせた「協働と省察の継続と積み上げによる校内教員研修標準モデル」を構築し、実践した結果、教員の授業力と児童の学力の向上及び学習習慣の習得が明らかとなった。校内教員研修の効果は、全ての教員の行動変容として表れ(レベル3)、教職員一丸となって学校組織全体の自律的な取り組みも実現した(レベル4)。また、ニーズに応じた多様な集合型研修を行った結果、どの研修でもワークショップ型研修は好意的に受け止められ、授業力の向上に向けた改善点の明確化に寄与したことが確かめられた。
著者
田口 聡 細川 敬祐 小川 泰信 田口 真 塩川 和夫 青木 猛 鈴木 臣 田原 篤史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

極域電離圏のプラズマは,様々な物理過程によって水平方向に10 kmから100 km のメソスケール構造を作ることが多い.本研究では,そのような構造と,さらにその構造の生成に関わるメソスケールのオーロラ構造を高い時間分解能で捉えることのできる全天イメージャーを構築して,その装置によって得られたデータを解析した.極冠域で生じている現象については,その出現特性と構造化の特徴を見出した.また,カスプ域については,磁気圏からの粒子降下が,これまでに同定されていない時間空間特性をもつことを明らかにした.