著者
朝田 隆
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.224-226, 2018-03-16 (Released:2018-04-20)
参考文献数
8

高齢化社会の進行とともに認知症,特にアルツハイマー病(AD)の問題がクローズアップされる.特に,近年その予防が注目されるようになり,多くの研究報告がなされている.これまでの認知症予防法研究において,最大のエビデンスをもつものが運動の習慣であり,特に有酸素運動の効果が強調されてきた.また,最近ではその効果のメカニズムについても示されつつある.こうしたところから,2018年初頭にアメリカから軽度認知障害(MCI)についての新たなガイドラインが示され,規則的な運動を週に2回程度,6カ月以上にわたって続ければ有効とする良質な報告が相当数存在するとも強調されている.
著者
白砂 恭子 渕田 英津子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20190716061, (Released:2019-11-08)
参考文献数
26

目的:日本における高齢者が健康に独居生活を送れる条件を検討する。方法:『医中誌Web』で検索し,18件を分析対象文献とした。結果:高齢者自身の条件である〔個人の特性〕〔意図した活動〕〔日常生活活動の維持〕と,高齢者を取り巻く条件である〔孤独との向き合い方〕〔安心できる生活環境〕が抽出された。高齢者が健康に独居生活を送る記述内容は,19の身体的健康,20の精神的健康,27の社会的健康に分類された。結論:高齢者自身の条件は,生活習慣や価値観などは個々で大きく異なるため,高齢者自身が物事を能動的に決定できることが健康な生活の継続に関係していると推察された。また,高齢者を取り巻く条件は,他者との関係性や生活環境が要因になると考えられた。さらに,社会的健康が多く分類されたことから,高齢者が健康に独居生活を送るためには人や社会とのつながりが重要であることが示唆された。
著者
村社 卓
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.32-45, 2018-02-28 (Released:2018-06-22)
参考文献数
29

本稿の研究目的は,高齢者の孤立予防に関わるボランティアの継続特性について,実証的,構造的に明らかにすることである.特に,ボランティアの「楽しさ」に焦点を当てている.研究方法は定性的研究法である.データ収集は3年以上にわたる参与観察とインタビューにより行った.データ分析には定性的コーディングを用いた.分析の結果,ボランティアの継続は推進と維持の2機能によって可能となり,両者は相補的な関係にあった.継続の推進は「双方向の体験によって生じる活動への没頭と意欲的な試み」,継続の維持は「無理のない姿勢によって生じる活動での気楽さと自己管理による改善」と定義できた.推進と維持の内容は,「要因」「感情」「行動」の視点からそれぞれ明らかにした.さらに,「フロー理論」との比較検討による継続特性も提示した.本研究の成果は,高齢者の孤立予防に関わるボランティアへの支援内容の提示および研修プログラム作成に貢献するものである.
著者
小林 美亜 石川 翔吾 上野 秀樹 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.248-253, 2019-07-25 (Released:2019-07-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年,人工知能(AI)やロボット技術の発展に伴い,ヘルスケア領域の研究が盛んにおこなわれている.そして,高齢者の身体機能・認知機能を維持・改善するためのアプローチにも,AIが搭載されたコミュニケーションロボットなどが活用されるようになった.しかし,「意味」を理解したり,「状況」を考慮したり,「人間のように」思考することのモデル化を目指したAI研究は,依然として発展途上である.そこで,人工知能学に基づき,認知機能が低下した方々に対する「見立て知」のモデルを構造化し,介護者等がその知を習得し,活用できる環境を整えることによって,適切な治療やケアにつなげたいと考える.
著者
久郷 昌夫 栗林 浩
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.9, pp.928-929,a1, 1967-09-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1

固体リン酸触媒を用いてエチレンの水和によるエタノールを合成する際の反応速度式について検討した結果. 理想温度操作経路と同様に理想モル比 (H2O/C2H4) 操作経路も存在することを知り, 冷エチレン注入式反応器を提案し, さらに一般的な冷ガス導入式における理論的最適条件式を導出した。この式は, 反応物の一成分である冷注入物によって温度と生成物濃度のみならず原料モル比も変化し, この三者が三様の影響を反応速度におよぼしていることを考慮してある。
著者
佐藤 亜紀
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.2057, 2020-03-31 (Released:2020-03-04)

本稿は,2019年9 月に訪問したシドニー大学図書館(University of Sydney Library),ニューサウスウェールズ大学図書館(University of New South Wales Library), メルボルン大学図書館(University of Melbourne Library),モナシュ大学図書館(Monash University Library),でのインタビュー調査に基づきオーストラリアの大学図書館における研究データ管理支援サービスについて報告する。調査から,大学によって使用しているツールや重点を置いているサービスは違うが,研究データのライフサイクルに即したサービスを展開していることがわかった。
著者
熊谷 仁 熊谷 日登美
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオレオロジー学会
雑誌
日本バイオレオロジー学会誌 (ISSN:09134778)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-15, 2007-03-25 (Released:2012-09-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The glass transition has attracted great interest from food scientists in recent years, because many phenomena related to food manufacturing and preservation could be systematically explained with a concept of glass transition: for example, food materials maintain their physical and chemical stability better in a glassy state than in a rubbery state. However, it is often difficult to apply the methodology in polymer science to the analysis of glass transition for foods. In this review, the availability of the concept of glass transition in food science and engineering was explained. Such phenomena as reaction rate of non-enzymatic browning, powder caking, and in freeze drying can be described by glass transition.In addition, the analysis of the glass transition of foods by electrical methods in our research was also reviewed. The dielectric relaxation, i.e., the peak of the dielectric loss, ε”, was observed for glassy gelatin of low moisture contents and ascribed to the local motion of molecules. However, when the ionic conductivity dominated the electrical properties, the ε” peak was masked. For analyzing such a system, the electric modulus, M* was an effective tool.
著者
渡邉 真 阿部 浩明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11687, (Released:2020-03-30)
参考文献数
20

【目的】随意運動機能と歩行能力に乖離がみられた前頭葉内側面損傷例に対し,本現象の背景に運動開始困難例があると推察し外的刺激を用いたアプローチを試み,症状の改善を認め屋内歩行自立を獲得したため報告する。【対象】右前大脳動脈閉塞により左下肢の随意運動が著しく困難となったものの,移乗動作や歩行時には明らかな支持性の低下がみられなかった70 歳代の女性である。【方法】視覚情報や聴覚情報を活用した外的刺激を用いた理学療法を実施した。【結果】外的刺激の提供によって運動開始困難には改善がみられ,各種起居動作時の随意運動障害は改善し,歩行時の運動開始困難の改善が図れ,退院時には屋内歩行自立までに至った。【結論】前頭葉内側面損傷後に随意運動機能と歩行能力に乖離が生じた症例に対して,外的刺激を用いた理学療法を実践することは,運動機能を改善させるうえで有効な一治療手段となる可能性があるものと思われた。
著者
古庄 啓太郎 服部 励治 李 相根
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 35.4 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.103-106, 2011-01-21 (Released:2017-09-21)
参考文献数
6

有機半導体における電気伝導機構を明らかとするため,有機半導体単層構造素子における電流電圧理論式の導出と実際の素子における測定結果との一致の評価を行った.電流電圧理論式として移動度の電界依存性を含めた注入制限および空間電荷制限電流に基づく2種類を導出し,作製した素子がどちらの理論式に基づくかを評価した.また,電流電圧特性の温度依存性および膜厚依存性の実験結果との一致も評価した.
著者
窪田 和雄
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.112-115, 2015 (Released:2015-09-02)
参考文献数
11

ソマトスタチン受容体に結合する標識オクトレオチドを用いたPET/CTおよびSPECT/CTは,膵・消化管の神経内分泌腫瘍(NET)の病巣診断・転移診断に有用である。また,ペプチド受容体放射性核種治療の適応判定や,オクトレオチド製剤の治療効果予測にも利用される。ソマトスタチン受容体イメージングがNETの高分化な特質を評価するのに対し,FDGPET/CTはNETの増殖や悪性度を評価するのに有用であり,相補的な機能画像情報を提供する。
著者
楠 博 新村 健
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.107-114, 2019-04-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
41

フレイルは高齢者において全身の生理的予備能が様々な要因により低下することで,ストレスに対する脆弱性が増加し,要介護状態におちいりやすい状態と定義されている.心不全患者では主に心拍出量の低下による筋肉量,筋力の低下から身体的フレイルの構成要素であるサルコぺニアを来たしやすいことが報告され,心不全とフレイルとの相互作用が注目されてきている.一方で,共通の病態生理学的基盤のもと認知機能低下と身体的フレイルが同時に発症する病態として,コグニティブ・フレイルという概念が提唱されている.心不全,フレイル,認知機能障害はそれぞれ独立した病態に見えるが,低栄養,炎症,神経内分泌異常などの共通した基盤の上に成り立っており,相互に影響しあいながら悪循環を形成している.その悪循環を断ち切るためには,まだ可逆的と考えられるプレフレイルや軽度認知機能障害(MCI)の段階で適切な介入をするべきである.介入方法としては心不全に対する薬剤治療のほかに,運動療法,栄養療法がフレイル,認知機能障害に対して有効であることが明らかになってきた.高齢の心不全は時に根治が望めない進行性かつ致死性の病態であるため,終末期医療を視野に入れた意思決定の支援を行う必要がある.超高齢心不全患者がさらに増加していくことが予想されるなか,プレフレイルやMCIの段階で早期に発見し,心不全に対する薬物治療の他に,適切な運動療法,栄養療法を行い,身体機能,認知機能の維持を目指すことは意義が大きい.ADLレベルの維持・向上に努めるために医療職だけでなく多職種の協力体制を構築した全人的かつ包括的な医療の提供が求められている.
著者
篠永 哲 加納 六郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.279-287, 1983-12-15 (Released:2016-09-02)
被引用文献数
1

日本産トゲアシメマトイ属のハエについては, 篠永・加納(1971)が8種記録している。その後, 岩佐(1980)は, シラホシトゲアシメマトイ(H. albipuncta)とキリガクレメマトイ(H. meteorica)の3令幼虫の形態について報告した。このうち, 前種は日本末記録の種であった。著者らは, 日本各地の牧場などで動物糞上から採集されるハエ類のうちに, トゲアシメマトイ属の4新種。ダイセツトゲアシメマトイ(H. daisetsuzana), ケブカトゲアシメマトイ(H. multipilosa), チビトゲアシメマトイ(H. exigua)とオンタケトゲアシメマトイ(H. ontakensis)を見いだしたので記載した。このほかに4新記録種を追加し, これら17種についての検索表を付した。
著者
中村 智幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.18-00050, (Released:2019-06-20)
参考文献数
34
被引用文献数
13

インターネットアンケート調査により,2015年の日本の釣り人数を推定した。釣り人数は海面487.5万人,内水面336.0万人,釣り堀・管理釣り場177.7万人であった。釣り堀・管理釣り場を除く自然水面についてみると,釣り人の割合は海面59.2%,内水面40.8%であった。内水面の上位8魚種の釣り人数はヤマメ・アマゴ118.8万人,イワナ88.7万人,ニジマス82.4万人,アユ77.6万人,フナ76.7万人,ブラックバス66.6万人,コイ56.1万人,ウグイ35.5万人であった。
著者
橋本 達一郎
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.329-334, 1982 (Released:2011-05-24)
参考文献数
52
著者
樫野 いく子 溝上 哲也 由田 克士 上西 一弘 長谷川 祐子 斉藤 裕子 青柳 清治 倉貫 早智 中村 丁次
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.445-450, 2018 (Released:2018-07-26)
参考文献数
12

国民一人ひとりが健康的な食品を特定し、選択することは容易ではない。近年、栄養素密度に基づき食品をランク付けする栄養プロファイリングモデルが各国で開発されている。しかし、わが国ではこのような概念による食品の評価は十分に行われていない。そこで、日本食品標準成分表2015年版に掲載された食品を対象に食品のランク付けを行った。積極的な摂取が推奨される9つの栄養素と、摂取量を制限すべき3つの栄養素を用いて高栄養素食品指数9.3 Nutrient-rich food index 9.3(NRF9.3)を各食品100kcal当たりで算出した。その結果、藻類、野菜類、きのこ類、豆類の食品群順にNRF9.3が高かった。また、同食品群内でも栄養価の高い食品と栄養価の低い食品を区別することができた。食品を購入する際に、栄養価のより高い食品を選択する、あるいは同食品群内で代替食品を選択するにあたり、本指数を参照することは有用であるかもしれない。

2 0 0 0 OA 木材の特性

著者
島地 謙
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.28, no.310, pp.671-677, 1979-07-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
12