著者
柴田 美恵
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. 第2部 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.291-305, 1974-12

今日的概念におけるボタンは, 本来西欧服飾に備わった留め具であって, 深い打ち合わせを持ち, 帯を締めて着付けるタイプの多い東洋服には, さほど目立ったあらわれをしていない.ボタンの西欧服への採用については, 東洋からの導入であると言われているが, しかしボタンが衣服自体と密接に関わり, その変遷と共に, その表現も, その働きも変容を重ねたのは, 西欧服においてであった.ボタンの定義は, 「機能性と装飾性とを兼ねた, 手近かで不可欠の留め具」とされ, その使い方1つが, 服の印象を左右するという.このことは, 我々が衣服をデザインする際, また選択する際に, 念頭においておかねばならないことであろう.では一体, ボタンの装飾性とはどのようなものであるのか.1個のボタンは, どのようにして衣服の性格を決定し得るのか.この澗題について, 以下では, 過去の服飾の中で, 衣服とボタンとの関わりが, いかに現われているかを観察し, 現代モ-ドにおけるボタンについても, 若干の考察を試みた.

4 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1922年04月20日, 1922-04-20
著者
小山 照夫 影浦峡 竹内 孔一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.124, pp.55-60, 2006-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
8

テキストコーパスからの用語抽出は、自然言語処理技術の重要な応用である。従来テキストコーパスから用語候補を抽出する方法として、主として候補出現に関わる統計的指標を用いて用語性を判定する方法が採用されて来たが、統計的手法では出現頻度の低い候補についての判定が困難であった。今回の発表では、複合語に注目し、用語性を損なう形態素出現パターンを排除する形での用語候補抽出を行うことにより、高い精度で複合語用語抽出が可能となることを示す。Term extraction is one of the most important application of natural language processing technologies. Statistic criteria are widely adopted to evaluate the termhood of the extracted candidates. However, it is difficult to evaluate the termhood of less frequent candidates. In this study we propose a method for Japanese composite term extraction in which unproper morpheme patterns are eliminated. Using the new method, high precision of term extraction can be attained for Japanese composite terms.
著者
服部 茂幸
出版者
経済学史学会
雑誌
経済学史学会年報 (ISSN:04534786)
巻号頁・発行日
no.37, pp.95-106, 1999-11
著者
山中 英明
出版者
東京水産大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

ペル-およびメキシコ沖で漁獲後凍結保存されたアメリカオオアカイカの胴肉を試料とし,異味異臭の強いもの及び正常なものをそれぞれ用いた。まず,生肉及び加熱について官能検査を行った。その結果,異味とは強い塩から味,酸味,苦味,生ぐさ味であることが明らかとなった。異味のために生肉の嗜好性は低かった。70℃および100℃加熱によっても改善されなかった。アメリカオオアカイカの呈味は漁獲場所,魚体の大きさによって異なることがわかった。とくに魚体が大きくなると異味の発現が大きかった。揮発性塩基窒素(VBN),NH_3-Nは異常肉で極めて高かった。しかし,トリメチルアミンやポリアミンは低く,腐敗ではなかった。遊離アミノ酸は異味のあるアメリカオオアカイカでは,正常のイカあるいはスルメイカに比較して総量が50%以下と極めて低かった。甘味に関与するグリシン,プロリン,アラニンも異味のある肉で低含量であった。ATP関連化合物についてはアメカリオオアカイカではいずれの試料もヒポキサンチン(Hx)量が最も高く,次いでADPであった。Hxは苦味物質として知られているが,スルメイカ中のHx量と同程度であり,アメリカオオアカイカの苦味には関与しないと考えられた。また,旨味がスルメイカより弱いのはIMPとAMPが少ないことに起因すると考えられた。無機成分を測定したところ,陽イオンとしてK^+,Na^+が多く含まれた。陰イオンとしてはPO_4^<3->が低く,一方,Cl^-が高かった。従って,異味のあるアメリカオオアカイカに多量含まれるアンモニアは肉のpHが低いことから塩素イオンと結合して塩化アンモニウム(NH_4Cl)として存在し,塩から味,苦味を呈するNH_4Clがアメリカオオアカイカの異味の原因と結論した。これは官能検査の結果ともよく一致していた。さらに,上述の異常肉で遊離アミノ酸が極めて低いことも異味発現に関与すると考えられた。
著者
山本 浩一 大和谷 厚
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.132, no.2, pp.83-88, 2008 (Released:2008-08-08)
参考文献数
20
被引用文献数
3

ラットやマウスなどの齧歯類動物には嘔吐反射はないが,抗がん薬の投与や回転刺激,放射線照射など催吐作用のある刺激を与えると,カオリンなどの通常の餌としては異常な物に対して食欲を示すパイカ行動(異味症)が現れる.催吐刺激により現れるこの行動はそれぞれの刺激に特異的な制吐薬の前処置によって抑制でき,われわれはパイカ行動を指標とすれば齧歯類を悪心・嘔吐の研究に応用できることを報告してきた.齧歯類でも特にマウスは遺伝子改変動物を用いることができるなど利点も多いが,催吐刺激によるカオリン摂取量は,ラットに比べて非常に少ないことや,カオリンペレットをあちこちに食べ散らかすために摂取量の正確な測定は困難であった.そこで,われわれは経口摂取しても消化管から吸収されず糞便中に排出される赤色色素のカルミンを添加して作成したカオリンペレットを用い,催吐刺激後2日間の糞便を回収し,糞便中から抽出したカルミンを比色定量することにより精度よくマウスのカオリン摂取量を定量する方法を開発した.これまではイヌ・フェレット・ネコ・ブタ・サルなどの中型から大型の比較的高価で遺伝的なバックグラウンドが一定していない動物を用いざるを得ず,多大な労力と費用のかかっていた悪心・嘔吐の実験を,齧歯類動物のパイカ行動を利用することによって簡便化することができ,悪心・嘔吐の発症機構そのものの研究に加え,新規薬物の有害作用としての悪心・嘔吐のスクリーニングにも広く応用できるものと期待している.
著者
池田 和彦
出版者
九州大学
雑誌
Comparatio (ISSN:13474286)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.xxvi-xxxvi, 2004

ドストエフスキイの『地下室の手記』が現代文学の始原の一つに位置付けられ、この作品の画期的性格を喧伝したシェストフの『悲劇の哲学』を介して、昭和文学に大きな影響を与えたことはつとに知られている。本稿はシェストフ論争に至るまでの『地下室の手記』の初期の紹介について、森田草平の翻案『霙』を中心に概観し、ついで『悲劇の哲学』の翻訳者阿部六郎がこの翻訳を行った背景について述べる。また、あわせてもう一人の共訳者河上徹太郎がシェストフの流行をどのように見ていたか、簡単に紹介したい。
著者
西村 武正
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.366-370, 2001-07-01

24時間開館の図書館が誕生するまでの経過と開館の実態について報告する。1) 24時間開館の図書館ができるまでの経過, 2) 24時間開館のシステム, 3) 開館後の経過, 4)今後の課題 町民の要望に応えることで誕生した須佐町立図書館は, いつでも, 自由に自分で処理して本が貸りられる図書館であり, 町民のため, 子ども達のための図書館をめざしている。
著者
鬼倉 徳雄 川本 朋慶
出版者
Japan Society on Water Environment
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.99-106, 2013
被引用文献数
2

九州北部の主要な一級河川の水文水質および水辺の国勢調査データに,九州大学が保有する魚類相データを加えて,水質と純淡水魚類との関係を解析した。流水性魚類の種数はBODと負に相関した一方,止水性魚類の種数は相関を示さなかった。Receiver operating characteristic curve解析を行ったところ,幾つかの魚種の出現/非出現がBODに左右されていた。2001-2010年の期間は1991-2000年よりもBODが低く,魚類の出現種数が多かったことから,近年の水質改善が魚類の多様性回復に貢献したと評価される。
著者
横田 樹広
出版者
土木技術社
雑誌
土木技術 (ISSN:02855046)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.69-73, 2013-12
著者
佐原 六郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1-46, 1968

まえがき(1) 白魚と文学(2) 有栖川宮熾仁親王と佃島(3) 川柳と佃島(4) 佃島関係の絵画(5) 住吉神社の建築(6) 住吉神社境内の木彫(7) 佃島の民俗 (a) 住吉の祭 (b) 佃ことば (c) 元日の初詣 (d) 盆踊佃島関係資料目録(試作)Various kinds of small unique communities existed in Tokyo till the end of the World War II. They were unique because the inhabitants of these communities had a consciousness of kind, special traditions and dialects of their own which were different from those of surrounding societies. They were also small as the land occupied by the inhabitants had comparatively narrow boundaries, and moreover, the population in them did not increase beyond a certain limit. Such communities in Tokyo had seen better days and had clearly shown their uniqueness in both Edo and Meiji eras. But almost all of these small unique communities in this large city were disorganized, one after another, before and after the World War II except Tsukudajima (once a fishing village in a small island at the mouth of the River Sumida) in which some characteristic qualities still remain. The uniqueness of Tsukudajima, however, is now being gradually lost and the differences between this community and other parts of Tokyo is disappearing under the influence of the remarkable social fluctuation and industrialization in Japan, especially after the World War II. Thus I intended to inspect and make clear the factors causing the spiritual and material changes of this community. For this purpose, I have tried in these papers to describe traditional characteristics of Tsukudajima, inquiring into the seven selected items listed below. (1) Shirauo (white bait) and literature (2) Prince Takahito Arisugawa (3) Senryu (witty epigrammatic poem) (4) Pictures (5) Architecture of Sumiyoshi-Shrine (6) Carvings (7) Folklore (a) Festivals (b) Dialects (c) The New Year's Day (d) Bon-odori (folk dance).
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
巻号頁・発行日
2010-02

Web 2.0 はWeb 上における情報の双方向性を強化し,新たなWeb サービスを生み出した.そのWeb サービスの一種としてTwitter をはじめとするマイクロブロギング・サービスが挙げられる.マイクロブロギング・サービスはオンライン・ソーシャル・ネットワーキング・サービスの一種であり,個人の情報プラットフォームとして機能する.本論文では,代表的なマイクロブロギング・サービスであるTwitter のリンクを含むつぶやきに着目し,その特徴を調査した.その結果,人間による投稿とボットによる投稿では投稿文字列長に顕著な差があること,ユニークユーザ数の多いニュースサイトがTwitter ではあまり注目されていないことなどが明らかになった.
著者
佐藤 裕幸 近山 隆 石橋 弘義 吉田 かおる 内田 俊一
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.65(1986-DPS-031), pp.1-8, 1986-09-29

SIMPOSは、ICOTで開発された個人使用向逐次型推論マシンPSIのオペレーティング/プログラミング・システムであり、以下のような特徴を持っている。・論理型言語にオブジェクト指向機能を付け加えたプログラミング言詔ESPによりすべて記述されており、ESPの提供する継承の機能を用いることにより、ユーザはOSの機能を自由に活用することができる。・ウィンドウ・システムを中心とした高度なマンマシン・インタフェースとESPに適した豊富なデバッグ機能を提供している。・個人使用向のワークステーションの弱点を補うためにネットワーク機能を強化しており、資源の共有化を促進している。SIMPOSは1983年5月から開発が開始され、現在、約40人のメンバーで第3.0版を開発中であるが、その規模はソース・プログラムの行数にして20万行を越えるものになっている。また、PSIはICOT 関連メーカ 大学等で利用されており、その数は今年度中に100台を越えようとしている。本報告では、SIMPOSの提供する機能の概要及びユーザ・インタフェース,ネットワーク機能を中心に報告する。
著者
半沢 康 武田 拓 加藤 正信 小林 初夫 本多 真史
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

同一のインフォーマントに同じ方言調査を繰り返し実施した場合,その調査結果はどの程度安定するのだろうか。本研究は方言調査データの「信頼性」(調査データがどの程度安定するのか)を明らかにすることを目的とする。宮城県角田市と伊具郡丸森町および福島県田村郡小野町において実験的調査を実施し,方言調査データの信頼性を把握した。伊具地方の調査では,多くの項目の安定性(2回の調査の一致度)は80%程度との結果が得られた。他のデータについても今後も分析を進め,結果を公表する予定である。