著者
久保 暁子 山本 清龍 中村 和彦 下村 彰男
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.33(2019年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.181-186, 2019-11-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
9

本研究では,ストレス軽減のためデジタル機器から一定期間離れる取り組みであるデジタルデトックスの基盤的な研究を企図して,①回答者の属性とデジタル機器の使用状況,デジタル機器の依存性を把握し,それらの関係性を明らかにすること,②平日・休日の過ごし方,デジタルデトックスへの意向を把握し,デジタルデトックスの可能性を考察すること,の2点を目的とした。その結果,約半数の学生がデジタル機器を4時間以上使用し,一部の学生は機器の使用によって学生生活に問題を抱えていた。学生の意向をふまえれば,日常の機器使用制限や自然豊かな場所への外出はデジタルデトックスに有効と考えられた。
著者
柿澤 亮三
巻号頁・発行日
vol.31, pp.13-21, 1995 (Released:2011-03-05)
著者
渡辺 愛子 坂口 博信
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.20-31, 2006-01-30 (Released:2007-10-05)
参考文献数
93

スズメ目の鳴禽類, オウム目, ハチドリ目に属する鳥は, 音声学習によってさえずり (歌) を発達させ, 種内のコミュニケーションに用いている。鳴禽類の雄の幼鳥は, 成長期に手本となる鳥の歌を聞いて記憶し練習することで歌を完成させる。この練習時には, 自分のさえずる歌が学習目標となる歌の手本にどれだけ近づいたかを常にモニターするために, 聴覚フィードバックが必要であることが明らかにされている。さらに, 成鳥が完成後の歌を維持するためにも, 同じ理由で聴覚フィードバックが必要であることが, 筆者等の研究も含めた近年の報告により明らかになってきた。成鳥での聴覚フィードバックの重要性については, 鳴禽類の種で異なる結果が報告され, いまだに不明な点が多い。そこで本稿では, 筆者等の研究結果を交え, まず行動レベルで聴覚剥奪後の歌の特徴を比較して, 成鳥の歌の維持における聴覚フィードバックの必要性について検討した。次に, 聴覚剥奪によって成鳥の歌が変化する時に起こる脳内の変化を調べ, 聴覚フィードバックによって制御される成鳥の歌維持の脳内機構についても考察した。
著者
Takahiro Sekikawa Yuki Kizawa Yanmei Li Tsuyoshi Takara
出版者
SOCIETY FOR FREE RADICAL RESEARCH JAPAN
雑誌
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (ISSN:09120009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.307-316, 2020 (Released:2020-11-01)
参考文献数
40
被引用文献数
4 24

We examined the effects of the mixed ingestion of astaxanthin derived from Haematococcus pluvialis and tocotrienols on the cognitive function of healthy Japanese adults who feel a memory decline. Forty-four subjects were randomly but equally assigned to the astaxanthin-tocotrienols or placebo group. An astaxanthin-tocotrienols or placebo capsule was taken once daily before or after breakfast for a 12-week intervention period. The primary outcome was composite memory from the Cognitrax cognitive test, and the secondary outcomes were other cognitive functions and subjective symptoms for memory. Each group included 18 subjects in the efficacy analysis (astaxanthin-tocotrienols group, 55.4 ± 7.9 years; placebo group, 54.6 ± 6.9 years). The astaxanthin-tocotrienols group showed a significant improvement in composite memory and verbal memory in Cognitrax at Δ12 weeks compared with the placebo group. Additionally, the astaxanthin-tocotrienols group showed a significant improvement in the subjective symptom of ”During the last week, have you had trouble remembering people’s names or the names of things?” compared with the placebo group after 12 weeks. No adverse events were observed in this study. The results demonstrated that taking an astaxanthin-tocotrienols combination improves the composite memory and verbal memory of Japanese adults who feel a memory decline (UMIN 000031758).
著者
阿部 廣二 山本 敦 古山 宣洋
出版者
日本生態心理学会
雑誌
生態心理学研究 (ISSN:13490443)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.27-30, 2018-07-01 (Released:2020-12-01)
参考文献数
8

往復の旅程において,往路よりも復路のほうが短いと感じる,リターントリップエフェクトと呼ばれる現象がある.本稿では,まずリターントリップエフェクトの発生メカニズムについて,先行研究のレビューを行った.その後,先行研究の問題点を指摘した上で,生態心理学を理論仮説として,リターントリップエフェクトの生成メカニズムを理論的に検討した.その結果,1)往路と復路において同一対象であっても知覚される面が異なる可能性があること,2)表面/裏面のどちらからでも同一対象であることが特定できる付着対象であるランドマークの探索が失敗したとき,”もうここか/まだここか”といった経験をする可能性があること,3)視角の制約や環境内の対象によってもたらされるランドマークの遮蔽のタイミングが,往路と復路で違う可能性があり,復路において早期の段階でスタート付近のランドマークが知覚されたとき”もうここか”といった経験をする可能性があることが示唆された.最後に今後の実証研究の方向性として定性的分析,および実験研究の可能性が示された.
著者
的場 成紀 古賀 雅樹 大塚 基広 小林 一郎 平 博順
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.1N4J904, 2019 (Released:2019-06-01)

日本の自動車免許試験のためのソルバーを開発します。 このテストは、交通ルール、運転方法、自動車の構造、自動車に関連する物理法則に関する約100の真偽の質問で構成されています。 合格点は90%ですが、これまでのアプローチでの最高点は約65%です。 このアプローチは、テスト文と最も類似した文との間の文の類似性と、ソルバーのデータベースにあるゴールドスタンダードの回答に基づいています。 テストに合格するシステムに向けて、テストの語彙と文章スタイルを分析しました。 分析の結果、語彙は比較的少なく、100個の問題に対して約300語であり、文にはゼロ代名詞が多く含まれているため、ソルバーの精度が低くなります。 さらに、我々は以前の照応解析システムを使用して前件を解決しようとしました。 各問題は一文のみで構成され、代名詞を解決する手がかりは非常に少なく、標準的な記事よりも解決するのが難しいため、結果はシステムがテストで照応を解決できないことを示しました。 分析の結果、高性能システムでは、ドメイン固有の知識に基づいた照応解析が必要であることが明らかになりました。
著者
顧 国達 濱崎 實 宇山 満
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.349-357, 1993-10-27 (Released:2010-07-01)
参考文献数
23

生糸世界市場の展開を主な生糸需給国の蚕糸絹業の発展と国際政治経済的諸条件に規定されたものと見る立場から, 1842年「南京条約」の成立から1945年第二次世界大戦の終結までの103年間を世界生糸貿易史の近代として時代区分する。本稿は近代生糸世界市場の成立に関わる諸要因を概括的に検討した上で, 成立期 (1842~72年の31年間) における生糸世界市場の需給関係を, 主な生糸需給国の蚕糸絹業の展開との関連を中心に, 生糸貿易統計をベースにして数量的に明確なものにした。
著者
村林 直樹 上野 慶介 梅垣 敦紀 西村 拓士
出版者
山形大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

主偏極CM型アーベル多様体がある代数曲線のヤコビ多様体となるための必要十分条件を対応するCM体の言葉で書き下すことが本研究のテーマである。そのために、京都大学の塩田氏により証明されたKP方程式に関するNovikov予想に着目し、KP方程式と虚数乗法論の関連を探ろうというのがアイデアである。本年度の目標は、引き続きコンピューターを使ってCM体からつくられるデータ関数のフーリエ係数を高い次数まで計算し、この計算結果とこれまで文献調査を通じて学んだ4つの事:「(1)代数曲線とKP方程式の関係を論じたKricheverの理論;(2)微分方程式の知識を駆使しNovikov予想を解決した塩田の理論;(3)塩田の理論から微分方程式に関するテクニックを極力排除し幾何的な証明を試みたArbarello, Concini, Mariniの理論;(4)KP方程式の解全体が普遍グラスマン多様体を形成するという佐藤理論」を用いて、KP方程式と虚数乗法論の関連、特にKP方程式とアーベル多様体の自己準同形写像との関連に関して深く考察する事であった。この目標についてはあまり著しい結果が得られなかったが、この考察の課程で新たな二つの研究課題:「(A)CM型楕円曲線のmodularityの定義体とその応用;(B)QM型アーベル曲面の場合のclass polynomial」が見つかった。(A)に関しては、「代数体上定義されたCM型楕円曲線はある等分点の座標を添加した体まで係数拡大すると、そこ上必ずmodularとなる」という結果が得られ、現在、それをまとめた論文:「Modularity of CM elliptic curves over division fields」を、Journal of Number Theoryに投稿中である。(B)に関しては、このテーマで平成18年度の基盤研究(C)(一般)に申請中である。
著者
上薗 紗映
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.47, pp.K-9-K-9, 2020

<p> 「ブラック企業」「働き方改革」「やりがい搾取」といったような,働き方や,働く姿勢,人間らしい生活とはなにか,という話が大きく話題になっている。理学療法士は,半数が女性で,なおかつ40歳代未満で8割程度という非常に若い年齢層で構成されている。20歳代~40歳代は結婚出産子育てといったライフイベントも多く,働き方や,自分のキャリアについて多くの女性が悩む時期となっている。また40歳代以降は更年期障害等加齢に伴う自分の身体機能の衰えと,親の介護問題に直面するタイミングであるといえる。今までの日本であれば,これは女性特有の問題であったと思われるが,これからの時代は,男性にとっても取り組むべき課題であり,いかに組織の力を落とさずに,良い医療サービス・福祉サービスを国民に届けられるかは喫緊の課題である。今回の話題提供では,自分自身の経験を例示しながら,陥りやすいジレンマについて話題提供を行いたい。</p>
著者
藤井 可
出版者
熊本大学
雑誌
先端倫理研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.42-56, 2008-03

In 1979, International Association for the Study of Pain (IASP) defined pain as "an unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage." Generally, pains are regarded as special senses of human and other higher vertebrates. However, I think that pains are not special.\All organisms have some nociceptor and abilitys to react to noxious stimulus. Algesthesia is a merely subtype of nociceptor equally.
著者
市村 宏
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症は代表的な性感染症であり、子宮頚癌を起こす。HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。米国や豪州では、男性HPV感染者の追跡調査結果を基に、若年男性に対するHPV感染予防ワクチン接種が開始されている。一方、アジアにおける男性HPV感染症研究は少なく、男性でのHPV感染症の流行状況やHPV関連がん発生率は十分に解明されていない。本研究では、性感染症外来を受診したベトナム人男性を対象に、尿・尿道スワブ・陰茎スワブ・口腔洗浄液を用いた長期追跡調査を行なうことにより、アジア人男性のHPV感染症の疫学や自然経過(HPV消失率/獲得率)を明らかにすることを目的とした。6ヶ月ごとに最低2回追跡が可能であった男性性感染症(STI)患者146名(16-67歳、追跡期間中央値14.6ヶ月)から検体(陰茎スワブ・尿道スワブ・尿・口腔洗浄液)を採取し、HPV DNAの検出ならびに感染遺伝子型の推移を統計学的(κ値、McNemar検定、χ2テストなどを使用)に解析した。外陰部に比べ、口腔では、高リスクHPV(hrHPV)の感染率が有意に低く(10.1% vs. 21.5%, P = 0.008)、hrHPVクリアランスまでの期間が有意に短く(6.2 vs. 11.3月、P = 0.001)、また罹患率は有意に高かった(15.6 vs. 9.5/1000人月, P = 0.001)。外陰部に比べ、口腔ではhrHPVが有意に高率に罹患するにもかかわらず、感染率が有意に低いことは、クリアランスが有意に早いことが原因と考えられた。また、hrHPV感染は、外陰部と口腔では独立して生じることが示唆された。これまでの結果をもとに、論文作成し、投稿中である。
著者
池口 裕昭 庄内 孝春 渡部 智仁 縄手 満 矢野 竜太朗
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.1256-1265, 2020 (Released:2020-12-20)
参考文献数
14

T2 fluid-attenuated inversion recovery (FLAIR) using inversion recovery pulse to suppress cerebrospinal fluid signal needs adequate T1 recovery time after data acquisition, otherwise, the T2-weighted contrast in brain tissue will get lower. Over 10000 ms of repetition time (TR) is recommended for the 1.5 T MR scanner, so it is difficult to shorten the imaging time. We verified whether T2 FLAIR combined with the magnetization transfer contrast (MTC) pulse shows better gray-to-white matter (GM/WM) and lesion-to-normal tissue contrasts even when the TR is shortened compared to the conventional T2 FLAIR. Optimal parameters of the MTC pulse were determined with a self-produced phantom, which modeled on cerebral cortical gray and white matters. GM/WM contrasts of the phantom were measured in T2 FLAIR with the MTC pulse while decreasing TR gradually from 10000 ms to 6500 ms. Although GM/WM contrast of the phantom in T2 FLAIR with the MTC pulse gradually decreased as the TR got shortened, the T2 FLAIR with the MTC pulse of 6500 ms of TR still showed 27% higher contrast than the conventional T2 FLAIR (TR 10000 ms). GM/WM contrast in T2 FLAIR with the MTC pulse was improved also in healthy volunteers, but improvement in thalamo-medullary contrast was less than that of cerebral cortico-medullary and putamino-medullary contrasts. It seems to be because thalamus, which is a deep gray matter, shows a higher MTC effect than other gray matters. Thus, it is necessary to note that the tissue contrast might differ between T2 FLAIR with the MTC pulse and the conventional T2 FLAIR. Because general lesions with an elongated T2 value show lower MTC effect compared to the normal brain tissue, a clinical case with thalamic lesion showed that the lesion-to-normal tissue contrast improved in T2 FLAIR with the MTC pulse of 6500 ms of TR. Although it is necessary to note the difference in contrast between some tissues, T2 FLAIR with the MTC pulse improves GM/WM and lesion-to-normal tissue contrasts even when the TR is shortened compared to the conventional T2 FLAIR, and it enables to shorten the imaging time.
著者
茂木 肇 仲村 翔太郎 荻原 政彦 齋藤 耕一 木村 光利
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.142-150, 2019 (Released:2019-10-04)
参考文献数
12

要 旨:本研究では,高血圧治療薬であるジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(dCCB)による逆流性食道炎(RE)の発症リスクに関する明確なエビデンスを構築するため,dCCB のタイプ別(L 型,N 型,T 型),用量別および服用期間別におけるRE の発症率の違いをアンギオテンシンII 受容体遮断薬(ARB)と比較することにより評価した.その結果,アムロジピンやニフェジピンのようなL 型dCCB は,低用量からRE 発症率が有意に高く,投与期間に依存してRE 発症率の有意な上昇が認められた.これに対し,交感神経終末膜のN 型カルシウムチャネルの遮断作用を有するシルニジピン,ベニジピンや反射性交感神経増強作用が弱いアゼルニジピンは,用量別,投与期間別におけるRE 発症率の有意な上昇を示さなかった.これらの薬物は,RE の発症に深く関係する下部食道括約筋の弛緩を抑制するため,L 型に特異性が高いアムロジピンやニフェジピンよりもRE 発症率が低かったものと考えられる.

3 0 0 0 OA 雀の生活

著者
北原白秋 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1920