著者
廣田 未来
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.489-494, 2011-12-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

お茶の水女子大学附属図書館では,2007年から「ラーニング・コモンズ」「キャリアカフェ」といった学生のための学習空間の創出に取り組んできた。全学的な教育改革の動きに連動したこの取り組みにより,学生支援のための学内の各部署の連携が促進されている。また,学生と図書館職員の協働「LiSA(リサ):Library Student Assistantプログラム」を通して,学生の「学習支援」「キャリア形成支援」にも取り組んでいる。小規模図書館であるお茶の水女子大学図書館が学内の他の部署との連携や学生との協働によって,どのように学習空間と学生支援の充実に取り組んできたかを報告する。
著者
松本 亮介 川原 将司 松岡 輝夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1077-1086, 2013-03-15

近年,AmazonEC2に代表されるクラウドの台頭にともない,ホスティングサービスの低価格化が進んでいる.そこで,我々はリソースを必要最小限に抑えるために,アクセスのあったホスト名でコンテンツを区別し,単一のプロセスで複数のホストを処理する方式であるApacheのVirtualHost機能を用いて,ホスト高集積型のWebホスティング基盤を構築した.しかし,その基盤運用は困難で,運用技術の改善とパフォーマンス劣化の少ないセキュリティ機構の設計が課題であった.本稿では,VirtualHost採用と大規模対応にともなって生じる運用面とセキュリティ上の課題を明確化し,新しいApacheモジュールの開発とsuEXECの改修によって,それらを解決する手法を提案する.本手法によって,信頼性と運用性の高い大規模Webホスティング基盤を構築できる.As the recent deployment of Cloud Computing like AmazonEC2, the price of hosting services is falling rapidly. Therefore, we had developed the Web based hosting system to handle huge number of hosts (about 2,000 hosts by a server) using Apache VirtualHost that single process manages multiple hosts and distinguish contents by the hostname with the access for minimizing the use of resources. However, it was difficult to manage the Web based hosting system, and the problems of the system were improvement of operation technology and designing the security mechanism with little performance degradation. In this paper, we clarify the problems of security and operation technology with installing VirtualHost for building a large-scale system, and we propose the approach solving them by developing the new Apache modules and enhancing suEXEC. This approach is help to building a large-scale, reliable and operationally-effective Web based hosting system.
著者
石田 博幸
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.220-223, 1983

大学生はもちろん,小中学校の児童生徒も音が有限の速度を持って伝播してゆくということを花火大会の花火,雷等を通し体験しており,多くの教師も改めてこのことを見せる必要はないと考えている.しかしこれらの経験は,全てワンポイントの現象,即ち一点から発した光と音の知覚される時間の差なのであって,音の伝播の有限の速さは,その「くいちがい」への説明として納得しているに過ぎない.この報告では,数mおきに並んだ学生がピストルの音を聞くと同時に旗を振り上げるという実験を通して,音の波頭が移動してゆくのを直接観測した結果を示し,その物理(理科)教育への意義を考察する.
著者
保田 和美 菅谷 愛子 津田 整 佐々木 好久 永沼 正道 内村 久美子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.409-414, 1986
被引用文献数
7

埼玉県坂戸市におけるスギおよびヒノキ花粉の飛散状態をDurham型花粉補集器を用い1981年から1985年の5年間調査し, スギ花粉症患者との相関および気象条件との相関について検討した.1.ヒノキ花粉は3月下旬から4月上旬のスギ花粉飛散期の終り頃にoverlapして飛び始める.1985年にはスギ花粉数(4122)の約2倍(8862)のヒノキ花粉が観察された.2.スギ花粉症患者数は, スギ花粉のみよりも, スギとヒノキの合計花粉数により高い相関関係がみられた.このことから, スギ花粉飛散数の予想のみでなく, ヒノキ花粉飛散の予想も行う必要があると思われる.3.スギ花粉の飛散総数は, 前年の7月11日から8月10日までの平均湿度および日照時間に有意な相関がみられた.しかし, ヒノキ花粉は前年の7月および8月の平均気温と日照時間, さらに当年の2月と3月の日照時間との相関がみられた.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.126-131, 2009-05-16
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

本研究では村上春樹の初期三部作を用いて,語彙の出現頻度や語彙同士の関係性に着目し,単語の計量分析からネットワークを作成した.主として,三部作に共通して登場する人物である「鼠」がネットワークの中心を占めていることに着目し,共起単語より「鼠」の役割を分析した.その結果,三部作中の第二作途中をさかいに,物語の中心に位置していた「鼠」の出現頻度が落ち,中心から周辺に移行していく構造が見出された.また,従来の文学批評でなされてきた言説と計量的分析を比較することで,本研究の文学的解釈における有効性が確認された.
著者
鈴木 秀史
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.47-61, 2012-03-25
参考文献数
75

本論において,中期中新世の横尾層と伊勢山層の泥岩から産出した,深海性サメ類であるツノザメ目3科4属の歯化石を形態的特徴をもとに記載した.これまでの研究と合わせるとツノザメ目5科8属の化石がこの地層から産出したことになる.中新統の地層では,同一の産出地点から同類化石が集中して産出することは極めて珍しい.産状として注目されるのは,最も深い生息域に棲むカラスザメ属,ユメザメ属,フンナガユメザメ属の,生存時に近いと考えられる数本の歯が接合した形で産出したことと,ヨロイザメでは上下顎歯群と皮小歯群が一塊として産出したことである.これらの発見は,サメの接合歯や皮小歯が生存時か死後直後に体から離れ,速やかに泥が被覆し化石化したことを示す.また,これらの化石は中期中新世の北部フォッサマグナ地域の古海況を考察するうえで重要な情報となる.本論により,横尾層上部から伊勢山層下部の地層は,陸棚斜面から深海平原へと連続的に深海化が進んでいったことが明らかとなった.
著者
青柳 昌宏
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.122-126, 1957

ドクガ幼虫の天敵モモクロサムライコマユバチApanteles conspersae FiskeおよびドクガヤドリバエSturmia picta Baranoffについて記録すべき2, 3の観察を報じる.1.モモクロサムライコマユバチ-1)本種の幼虫は2, 3の例を除いてドクガn-3齢幼虫(n齢=終齢)の体表から脱出し, 幼虫体上に営繭, 蛹化する.2)脱出を受けたドクガ幼虫は尚17〜18日間生きつづける.3)ドクガ幼虫1頭から脱出する幼虫数は1〜11頭である.5)寄生率は15%, 羽化率は94%である.5)前蛹期+蛹期間は7〜12日で, 羽化は5月11日〜6月9日に行われた.2.ドクガヤドリバエ-1)本種の幼虫はドクガn-2齢幼虫の体表から脱出して蛹化する.2)寄生を受けているドクガ幼虫はn-2齢で営繭し, 本種幼虫の脱出によつて死ぬ.3)ドクガ幼虫1頭に対する寄生数は1頭である.4)寄生率は8%, 羽化率は67%である.5)前蛹期+蛹期間は12〜16日で, 羽化は5月30日〜6月2日に行われた.
著者
長谷川 哲也 内田 良
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教育創造開発機構紀要 (ISSN:21860793)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-9, 2011-03-31

高等教育研究と図書館研究において長らく続いてきた研究上の分断は、大学図書館の研究を自己完結的なものへと押しやってきた。「大学図書館の社会学」の構想は、大学図書館を大学あるいは社会全体のなかに位置づけること、また単純集計にとどまらない統計分析を用いることから、大学図書館の諸相を全体関連的に描出することを企図する。本研究の主題「高等教育機関における図書館評価」は、「大学図書館を大学あるいは社会全体のなかに位置づけること」に重点を置きながら、大学図書館の評価について考察する。とくに「誰が評価するのか」という評価主体の視点から評価の力学を読み解き、評価の構造を体系的に整理していく。その整理からは、今日の認証評価制度のもとで、第一に、図書館界が先導してきた自己点検・評価の議論が一定の落ち着きをみせるなか、図書館評価が大学評価の一部としての性格を強めてきたこと、そして第二に、基礎的データに評価の関心が絞られ、さらにその限られたデータが大学本体の存続と関わって重大な意味をもつようになったことが見出された。
著者
近藤 雅之
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.14-16, 1992-07-01
著者
佐々木 真一
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.431-440, 1997-12-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。講義
著者
藤川 和男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-171, 2007-03-05
参考文献数
24

量子力学における幾何学的位相をわかりにくくしている原因の一つとして,幾何学的位相という概念が十分精密に定義されていないことがあげられる.本解説では,まずゆっくり動くパラメターの関与したエネルギー準位の交差とその断熱近似による記述に現れる断熱的位相(これはベリー位相とも呼ばれる)は有効ハミルトニアンの近似的な対角化として純粋に力学的に理解されることを説明する.より一般の非断熱的あるいは混合状態に対する幾何学的位相は,正確なシュレーディンガー方程式の解に自動的に含まれており,隠れたゲージ対称性とそれに付随したホロノミーとして理解できることを説明する.これらの幾何学的位相はすべてトポロジー的にはトリビアルである.
著者
村上 修一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.2-9, 2007-01-05
参考文献数
55
被引用文献数
2

試料に電場をかけるとそれに垂直にスピン流か誘起される効果をスピンホール効果と呼ぶ,これが不純物散乱で起こることば以前より知られていたか,2003年にこの効果か不純物散乱によらずに起こることか著者らにより提唱されたこれは固体のバンド構造に起因したヘリー位相により起こる.その後実験ての報告例もいくつかあり,スピンホール効果の基本的性質については理解か深まってきている他方,スピン流の測定法や試料端でのスピン蓄積との関係なと,未解決の重要な問題も多く,また量子スピンホール効果なと興味深い問題も出てきている本稿ではこの数年でのスピンホール効果の理論・実験における発展について解説する.
著者
永野 昌博 畑田 彩 澤畠 拓夫
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.456-465, 2005
参考文献数
17
被引用文献数
9

里山科学館越後松之山「森の学校」キョロロは、人口約3,000人の農村地域において地域住民と共に地域に根ざした研究-等身大の科学-の実践による地域の活性化を目指して、里山保全、社会教育、産業支援、農村と都市との交流活動など幅広い事業を展開している博物館である。本稿では、学芸員としての使命と地域住民からの期待との間で試行錯誤しながら進めている「教育・普及活動」、「里山保全活動」、「住民参加型GISデータベースの活用」の活動事例を紹介する。また、それらの活動を通じて考えられた都市、都市近郊とは異なる農村地域の現状とニーズに基づいた地域固有の里山保全活動の方向性ならびに農村地域の博物館が地域社会や生態学分野に果たす意義や役割、課題や可能性について提案する。