著者
小島 邦生 唐澤 達史 上月 豊隆 黒岩 英則 柚木崎 創 岩石 智志 石川 達矢 小山 遼 野田 晋太朗 植田 亮平 菅井 文仁 野沢 峻一 垣内 洋平 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.458-467, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2

This paper presents the development of high-speed and high-power humanoid robot research platform JAXON. Researchers have studied humanoid robots widely and people expect humanoid robots to help various tasks such as housework, entertainment, and disaster-relief. Therefore it is important to develop humanoid research platform available in various fields. We considered the following as design requirements necessary to utilize humanoids for various uses. 1) Robots have humanlike body proportion to work in infrastructure matched to human body structure. 2) Robots have the same degree of physical performance as humans. 3) Robots have energy sources such as batteries and act without tethers. 4) Robots walk with two legs or four limbs and continue to work without fatal damage in unexpected rollover. JAXON satisfied these requirements. Then we demonstrates the performance of JAXON through the experiment of getting out of a vehicle, stepping over walls, squatting with heavy barbels, walking with four limbs, and operating on batteries. Further more, we assesses the performance of the strong armor and the shock absorbing structure through a backward over-turning accident.
著者
菅野 摂子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.91-108, 2013 (Released:2014-09-10)
参考文献数
28
被引用文献数
1

胎児を独立して検査できる出生前検査の出現により, 胎児の疾患や障害のため中絶する, いわゆる選択的中絶が問題として浮上している. 通常の中絶に対してフェミニストはその正当性を確保するために ‹自己決定› を主張してきたが, 優生思想への危機感から選択的中絶を ‹自己決定› としては認めず, 中絶の特異点と措定した.本稿では, 筆者がこれまでに行ったフィールド調査から, 女性たちの出生前検査および選択的中絶の経験を記述し, 選択的中絶と日本のフェミニズム理論との関連を考察した. その結果, フィールドでの選択的中絶の問題点は望んだ妊娠にもかかわらず中絶への回路が開かれてしまうというところにあった. その際, 自分のためというより胎児のため, という母性的な言説が使われており, それは出生前検査の受検の際にも使われていた. 超音波検査によって胎児への愛情が喚起されたり, 思わぬアクシデントがある中で, その選択は状況依存的な決定にならざるをえない. そうした決定を支える, ‹自己決定› 概念の創出がフェミニズムにもとめられる. ここでいう ‹自己決定› は, 自分で決めたからという理由で無条件に選択的中絶を正当化するものではなく, 母性に収奪されがちな文化と優生思想に対する批判の双方を捉えながら, 可変で多様な「自己」に対応可能な概念である.
著者
中野 暁 残間 大地
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.129-140, 2017 (Released:2018-04-26)
参考文献数
23

Self-reported surveys in media usage behavior have been conducted by many companies and institutions. However, whether such surveys accurately reflect the actual usage has rarely been discussed. In this study, we revealed the difference between self-reported survey and automatically collected behavior log for smartphone usage duration, and investigated the relationship of individual attributes to the difference. Though past studies focused on measures (frequency versus duration) or question formats (open-ended versus closed), we successfully reduced the difference by adopting questioning methodologies, i.e., recall aids and timetable. We found that; (1) smartphone usage duration tends to be underreported, (2) when reported results highly deviate from the log, applying recall aids and timetable questionnaire reduces the difference, and (3) the difference is affected by age, gender, full-time job, and leisure time.
著者
池田 まこと
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.37, 2016 (Released:2017-07-18)

Language crisis occurred mainly in Germany and Austria of the early 20th century. It means the Situation that a language losts a function of the reality recognition. R. M. Rilke (1875-1926) is one of poets who experienced the language crisis. His crisis has been often compared with that of Hofmannsthal (1874-1929) conventionally. However, the comparisons were intended to rather give the common points of both. Therefore, this article tries to make their difference clear, and throw light on the originality of Rilke’s crisis. This report compares Rilke with Hofmannsthal with following three points: (1) the aspect of the crisis, (2) the factor of the crisis, (3) the way to solve the crisis. In conclusion, the aspect of Rilke’s crisis is more existential than that of Hofmannsthal’s crisis. The crisis of Rilke occurs on a road establishing the view of the world of own, and, for it, the crisis of Hofmannsthal produces it to defeat a view of the world that was already established. The former tries to solve his crisis through verbal expression, and, for it, the latter pursues nonverbal expression.
著者
財津 亘
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.29-41, 2016-01-31 (Released:2017-03-23)
参考文献数
22

本研究は,最近10年間の放火事件を対象に,単一ならびに連続放火犯が述べた動機をテキストマイニングによって分類することを目的とした。研究1では,まず単一放火犯が供述した動機に関する文章(文字列)を対象に名詞を抽出し,放火犯ごとで名詞の出現度数を算出した。これにより作成されたデータセット(253名×67名詞)について,古典的多次元尺度法(重み付きユークリッド距離)による分析を行い,名詞を2次元上に布置した。つづいて,2次元上に布置された名詞の座標データを基に,階層的クラスター分析(Ward法,ユークリッド距離)を実施し,放火動機を分類した。その結果,単一放火に関する7類型が見出された(①怨恨型,②自殺型,③不満の発散型,④犯罪副次型,⑤保険金詐取型,⑥火遊び型,⑦人生悲観型)。続く研究2では,連続放火犯127名の供述における44の名詞を変数として,研究1と同様の分析を行ったところ,連続放火に関する5類型が抽出された(①不満の発散(雑多要因)型:ギャンブルの負けなど,②不満の発散(就業要因)型:仕事や就職活動の失敗など,③火事騒ぎ型,④逆恨み型,⑤犯罪副次型)。加えて,単一放火の中心となる動機が“怨恨”であり,連続放火の動機の中心は“不満の発散”であることを示唆した。
著者
三波 千穂美
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.128-138, 2001-03-31 (Released:2017-05-04)
被引用文献数
2

歴史学分野の学協会誌における投稿規定の整備状況を,記載された項目に着目し,調査を行った。まず雑誌を発行している学協会を抽出し,その雑誌に掲載されている投稿規定を収集した。次にそこに記載されている項目を列挙し,分類および考察を行い,さらに科学技術分野における調査との比較を行った。その結果,以下の点が明らかとなった: (1)項目の内容には,科学技術分野における調査結果との大きな違いは見られない; (2) 項目の記載率は多様である; (3) いくつかの項目の記載率が,科学技術分野における調査結果とは非常に異なっていた。
著者
小塩 真司
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-44, 2001-10-31 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
3 8

本研究では, 自己愛傾向と自己像の不安定性, 日常の自尊感情レベルおよび変動性との関連, ならびに自己愛傾向が自己像の不安定性を媒介して自尊感情の高さおよび変動性に与える影響について検討した.184名の大学生に対し, 調査1として自己愛人格目録短縮版(NPI-S), 自己像の不安定性尺度を実施し, 調査2として1日の出来事, その出来事の評価, 自尊感情尺度を6日間連続で記入する日記法による調査を実施した.結果から, 自己愛傾向のうち「優越感・有能感」「自己主張性」が日常の自尊感情の高さに関連し, 「注目・賞賛欲求」が自己像の不安定性および自尊感情の変動性に関連することが示された.またパス解析の結果から, 「優越感・有能感」「自己主張性」が自尊感情のレベルに正の影響を与えること, 「注目・賞賛欲求」が自己像の不安定性を媒介して自尊感情の変動性に正の影響を与え, 自尊感情のレベルに負の影響を与えることが示された.
著者
宮城 正行 内田 健太郎 中脇 充章 川久保 歩 井上 玄 高相 晶士
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.878-882, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
19

椎間板は非特異的腰痛の一因となる.腰痛のほとんどは自然に改善するが,臨床上問題となるのは腰痛が慢性化する病態である.腰痛の慢性化の機序については,急性腰痛が遷延化した病態と,持続的にトリガーとなる損傷が繰り返し起こる病態の可能性がある.これらの病態に,椎間板内への神経伸長,椎間板内に発現する炎症性サイトカインや神経成長因子といった疼痛関連物質とその発現に関与するマクロファージ,椎間板に持続的に加わるメカニカルストレスが関与している可能性がある.
著者
藤山 雅美
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.P_56-P_63, 2010 (Released:2010-04-10)
被引用文献数
1
著者
河野 修一 江崎 次夫 原 浩之 村上 博光 木原 辰之 中山 累 寺本 行芳 金 錫宇 全 槿雨 松本 淳一 土居 幹治 村上 尚哉
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.119-122, 2020-08-31 (Released:2020-12-25)
参考文献数
4

集中豪雨で山腹斜面が崩壊した跡地に施工された筋工の平坦部に3年生のヒノキを植栽する際に,活着率の向上とその後の旺盛な成長を期待して,植え穴に「くらげチップ」約100 gを施した。10年後の施用区の樹高は722 cm,根元直径は112.2 mmあった。これに対し,無施用区のそれらは,それぞれ547 cm,84.8 mmであった。施用区と無施用区との間に枯損率,樹高および根元直径共に,0.1%レベルの有意差が認められた。このような相違が認められたのは,土壌改良材の持つ水分保持能力と分解後の栄養分が効果的に作用したことによるものと判断された。しかし,樹高と根元直径の伸長率は10年目で,ほぼ0に近い値となり,その効果の持続期間は10年程度と考えられた。
著者
大神 正道
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.141-168, 2009-04-25 (Released:2018-02-26)
参考文献数
18

本稿は、板ガラス成形技術に焦点を当て、1900年代初頭から1981年までに登場する七つの成形法を概説する。次に、それらを四つの系統に分け、1981年までにどの技術がどのように台頭し、そして競合し、棲み分け、あるいは駆逐されたかを明らかにする。そして、イノベーション論の観点から板ガラス成形技術の変遷を検討し、技術の棲み分けが生じる要因に関してディスカッションを行う。