著者
佐藤 滋一
出版者
宇都宮共和大学
雑誌
那須大学都市経済研究年報 = Nasu University the annual report of urban and regional economic studies (ISSN:13475002)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.75-88, 2003

ドイツ語圏のオペラハウスヘの公的助成の分析を始めるに当たり、まず前提となる基本的な分析を行う。ドイツ語圏ではオペラハウスを含む公的な劇場は都市の構成要素として重要な役割を果たしており、多額の公的支出が行われている。ドイツでは、主として州や自治体の助成が行われており、入場券の収入をはるかに上回る額が助成されている。支出のうち、最も大きいのは、人件費である。オーストリアにおいてはドイツと異なり、主要な劇場では連邦政府が援助を行っている。スイスでは連邦政府が補助を行っておらず、所在地の自治体の援助が行われている。
著者
高橋 大輔 檜澤 伸之 前田 由起子 福居 嘉信 西村 正治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.1071-1078, 2004
被引用文献数
8

喘息における抗原特異的IgE反応性の意義を検討する目的で, 喘息患者275名と非喘息健常者265名を対象とし, 血清総IgE値及び複数の吸入抗原に対する特異的IgE値を測定した. 少なくとも一つ以上の抗原に対する特異的IgEが陽性の場合にアトピーありと定義し, アトピーやそれぞれの抗原に特異的なIgE抗体陽性者の頻度などを比較検討した. 若年齢(41歳未満)及び中高年齢(41歳以上)健常者の76.5%, 35.7%, 喘息患者の92.1%, 53.4%が, それぞれアトピーと判定された. ダニに対する特異的IgE抗体価は喘息患者で有意に高かった. 一方, アトピーのない対象者でも健常人に比べ血清総IgE値は喘息患者が有意に高値であった. ダニなどの抗原に対するIgE応答(アトピー)は喘息発症のリスクと考えられる. しかし, 喘息病態に伴った抗原非特異的なIgE反応性の亢進が, 喘息患者に見られる種々の抗原に対する特異的IgE抗体の上昇に寄与している可能性も考えられた.
著者
北 研二 川端 豪 斎藤 博昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.472-480, 1990-03-15
被引用文献数
32

高精度の連続音声認識システムを構築するためには 言語情報の利用が不可欠であり これまでにも 統計的言語モデル 正規文法 文脈自由文法等を用いて音声認識システムの認識率を向上させる方法が提案されている.本論文では これらとは異なる新しい方法HMM-LR法を提案する.HMM-LR法は 拡張LR構文解析法で用いられる構文解析動作表から入力音声データ中の音韻を予測し 予測された音韻の尤度をHMM音韻照合で調べることにより 音声認識と言語処理を同時進行させる.この方式では 音声認識と言語処理の間に音韻ラティス等の中間的なデータを介する必要がなく 高精度のかつ効率的な認識処理系を構成することができる.また HMM-LR法に基づく日本語の文節認識システムを作成し 評価を行った.評価には 日本語の一般的な文節構造を扱うことのできる一般的文法(語彙数約1 000語)と認識対象となるタスクに現れる現象のみを扱うタスク向き文法(語彙数約270語)の2種類の文法を用いた.一般的文法に対する第1位での正答率は72.0% 第5位までで95.3%の正答率を達成した.タスク向き文法に対しては それぞれ79.9% 98.6%の正答率を達成した.
著者
田村 匡嗣 小川 幸春 井川 憲明
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.19-23, 2010-03

ブラックチョコレート作製におけるより好ましいカカオバター量の割合や適切なヤシ油の添加割合を検討した。カカオバター量を調製した6条件(30.3から49.2%)、およびヤシ油を添加した2条件(0.5%、 1.0%)に対し粘度、破断エネルギ、色差の物理的測定と官能検査を行った。物理的測定の結果はカカオバター量の割合により大きく変化し、色彩に対する官能検査ではカカオバター量割合37.0%の試料が他と比較して有意に好まれた。口どけ、歯応えに対する官能試験の結果に顕著な差はみられなかったが、37.0%の試料が比較的好まれる傾向を示した。以上の結果を踏まえてカカオバター量割合37.0%の試料を基準にヤシ油の添加割合を変えて試料を試作した。ヤシ油添加試料の口どけ、歯応えに対する官能検査の結果に有意差はみられなかったが、口どけは添加量が多いほど好まれる傾向がみられた。色彩はヤシ油を添加した試料の方が有意に好まれた。以上より、ヤシ油はカカオバターの代用油脂となるだけではなく、0.5から1.0%程度添加することでチョコレートの食感を向上させ得ることが示唆された。
著者
山野 清二郎
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.20, pp.66-58, 2013-03-31

日本最古の漢詩集である 『懐風藻』 には、 「元日」 の題を持つ詩として、 藤原不比等と長屋王の作品が載せられている。 また、 その二首に加えて、 大伴旅人の 「初春侍宴」 という詩も、 同じく元日の作として認めてよいだろう。 しかし、 いずれの詩も、 制作された年代や情況などは明らかでなかった。 そこで、 改めて詩の内容を検討して、 作者の置かれた立場や、 同時代の史書 『続日本紀』 などを探ってみると、 不比等と旅人の詩が和銅三年正月、 長屋王の詩が同八年正月に作られたと判断できる。 これらの詩は、 官人のみならず、 異族とされる隼人や蝦夷の人々をも交えて盛大に催された元日の宴において詠じられたものであり、 その場の雰囲気や宴の変化の様相などを窺わせる貴重な作品群として評価できるだろう。
著者
宮田 彬 YONG Hoi Sen 池田 八果穂 長谷川 英男
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.47-67, 2003-01-10

この論文では鱗翅類の交尾形式を総括・整理した.鱗翅類が垂直面あるいは斜面で交尾する時の体位は,常に雌が上に位置し,雄は下向きに静止する.この現象を「雌上位」と呼び,同一種でも希に逆位つまり「雄上位」がある.「雄上位」は滅多に見られず,蛾類では「雌上位」が基本である.また尾端でつながり雌雄の頭が反対方向を向く交尾中のペアの翅が左右に傾斜し,典型的な場合胴部が屋根の下に隠れているので「屋根型交尾」と呼ぶことにした.もちろん翅の面積,長さが変化すれば胴部が露出し屋根のようでなくなるが,尾端でつながり雌雄が反対方向を向く交尾形式は広義の「屋根型交尾」とする.この場合,雌の翅が雄の翅を覆う「雌上翅」と,その逆の「雄上翅」があり,基本形は「雌上翅」である.しかし,翅の重ね方については雌も妥協的で「雄上翅」が時々見られる.屋根型交尾では,以上の2点を確認することが望ましい.また写真は必ず上下関係がはっきり分かるように撮影するべきである.わざわざ写真を横向きにして発表したと思われる例があるが困ったことである.次に屋根型交尾から由来する二大系列がある.一つは交尾中の雌雄の頭部が同じ方向を向く場合である.垂直面での交尾では両性の頭部はどちらも上を向く.これは食樹上の繭または茂みに羽化直後の雌が止まって雄を迎える場合で,雄は雌の側面から翅を背中で畳んで接近しそのまま結合する.V字状になるので「V字状交尾」と呼ぶ.結合後,雄が雌の腹面に回り翅を開いて静止すると「対面交尾」となる.V字状交尾から対面交尾に移行するためには雌雄の間に葉や枝など,夾雑物がないことが条件である.もしあればV字状交尾のまま交尾を終わる.この両型は,ヤママユガ科のほとんど全部とドクガ科,カレハガ科の一部で観察されている.またヒトリガ科の一部でも見られるかも知れない.第二の変化は,屋根型交尾の屋根の傾斜が翅の面積増大と胴が細くなった結果,屋根の勾配が次第に緩やかになり,ほとんど水平になった蛾類で見られ,「水平翅型交尾」と呼ぶ.シャクガ科,ヤガ科と蝶類で見られる.この型はさらに進むと背中で翅の表面と表面を合わせて閉じる「蝶型交尾」になる.シャクガ科では上の両型が一つの種または属で見られる場合がある.しかし種によってどちらか一型に落ち着くことが多い.ヤガ科のアツバ類には水平翅型交尾は見られるが,この科では「蝶型交尾」はまったく見られない.蝶でしばしば問題になる交尾飛翔は,雌雄が共同しないと成立しない.夜行性の蛾の場合,飛行が観察された例はない.はっきりと一方向へある距離飛んだことが分かっているのは蝶の一部と蛾ではオニベニシタバである.この蛾は昼間樹幹から樹幹に飛んだという.昼行性のカノコガやスカシバガ科は刺激されると雌雄が混乱し,強い側か強引に引っ張ることが観察されている.オオスカシバは右へ飛んだり左へ飛んだり,右往左往し一方向へスムーズに飛翔できなかった.蝶の交尾飛翔も無理に刺激し飛ばした報告が含まれているが,これはまったく無意味な観察である.もし蝶との間に距離をおいてじっくり観察すれば蝶は交尾中決して飛ばない.また雌雄が驚いて落下した場合,どちらかが少し翅を開閉したとしても交尾飛翔したとは言えない.蝶の交尾飛翔も本当に飛んだと言える例がどれほどあるか,再吟味が必要であろう.
著者
Polutov Andrey V.
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.699, pp.156-161, 2008-12
著者
Polutov Andrey V.
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.639, pp.154-161, 2005-03
著者
山本 景子 橋本 光平 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.211-216, 2012-05-15

創造的な活動において,制作者は対象に集中して作業を行っているため,その後の活動において有用な情報を付与する機会を失っている.そのため,自身の制作物に対してPVR(Post-Valued Recall)の問題が発生する.この問題を解決するために再発見(re-finding)に効果的なインタフェースを構築する必要があるが,創作の作業自体を妨害しないよう,活動プロセスにおける情報を充実させる必要がある.個人的活動の記録である日記においても,作成時に自身の感情をデータとして付与できれば,後の振り返り時に有用であるが,意図的にそれを行うことは感情の性質から困難である.そこで本稿では,日記作成時のキーボードの打鍵間隔時間から感情を推定する手法を提案する.感情ごとの打鍵情報の特徴を評価した結果,悲しみ・怒り・喜び・諦めの4感情のうち悲しみの感情を約7割の精度で推定することが可能であることがわかった.