著者
高橋 龍ノ介 井上 光平 原 健二 平岡 透
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.597-600, 2020 (Released:2020-04-27)
参考文献数
7

高解像度の画像から低解像度のピクセルアートを生成する方法を提案する.まず,高解像度画像上に正方形のブロックをすき間や重なりなく敷き詰めるようにして,高解像度画像をブロック分割する.次に,各ブロックをピクセルアートのピクセルとみなし,そこに単一の色を割り当てることによってピクセルアートを構成する.各ブロックの色を決定するために,計算効率のよい非反復アルゴリズムを提案する.提案法によって,従来法よりも対象の形状の崩れやぼけが少ないピクセルアートが得られることを実験で確認する.
著者
高尾 千津子 鶴見 太郎 野村 真理 武井 彩佳 宮崎 悠 井出 匠 小森 宏美 Wolff David 重松 尚
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

独ソ戦によってナチの支配下におかれた地域のホロコーストの特徴は、ユダヤ人の殺害が現地で執行されたこと、ナチによる占領の初期段階で、現地住民の一部がユダヤ人に対するポグロムに関与したことに求められる。本研究は、ソ連・東欧におけるホロコーストの事例研究に取り組み、現地住民のナチ協力に関しては、新たにソ連の支配下に入ったバルト3国やポーランド東部地域とソ連本国内の東ベラルーシ等とで相違があることを明らかにした。
著者
橋爪 和夫 山地 啓司
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.297_1, 2019

<p> 【目的】本研究は、体育科で学習される運動技術の確かな定着が児童の運動有能感を育むという仮説を検証することである。【方法】2016年度から3年間富山県K小学校に在籍する全児童を調査し3年間の縦断的データを解析した。新体力テストの合計点と岡澤らによる運動有能感の合計点が3年間学年の平均値以下で、かつ、「逆上がりができる・練習すればできる、練習してもできない」という調査に「練習してもできない」と回答し続けた児童を抽出した。小学校教員を志望している大学4年生を1人、抽出した3年生の児童5人と5年生の児童4人の正課体育学習支援者として学校長の許可を得て体育科の授業に参加させた。【結果】体育学習支援者は、抽出児童を専属的に支援するのではなくて、児童全員に対する学習支援者として授業に参画した。そのために抽出児童に対しては、十分な技能獲得の成果をあげるまでには至らなかった。【考察】調査対象者の観察と学習支援の記録から、体力と運動有能感に継続的な悪化傾向を示す児童には、運動学習支援者が必要であることが示唆された。また、体力の向上に関する支援は困難であるが運動有能感を向上させるための支援の可能性が示唆された。</p>
著者
日名 淳裕
出版者
東京大学大学院ドイツ語ドイツ文学研究会
雑誌
詩・言語 (ISSN:09120041)
巻号頁・発行日
no.80, pp.143-163, 2014-09

本稿は2013年12月13日にウィーン大学ドイツ学科で行われたドクター・コロキウムでの発表原稿を日本語に訳し加筆したものである。なおオリジナルのドイツ語原稿は2014年6月25日にウィーン大学文学部に提出された博士論文Zur Rezeption Georg Trakls nach dem Zweiten Weltkrieg. Produktive Rezeption, Intertextualität, Strukturanalogie, Fortschreibenの一章をなすものである。今回はオーストリアの詩人インゲボルク・バッハマンによるトラークル受容について調査した。その際、第一詩集『猶予された時』(1953)出版にいたる、パウル・ツェランの影響下にフィッカーとのコンタクトを模索した第一期、第二詩集『大熊座の呼びかけ』(1956)を準備していた頃の作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェおよび詩人マリー・ルイーゼ・カシュニッツとの交流から詩作品の質的発展を求めた第二期、バッハマンによるトラークル受容をこの二つの時期に分けて考察した。また比較的その詩風にトラークルの影響が指摘されることの少ない印象を与えてきたバッハマンの研究史を丹念に辿りなおすことで、二人の接点を多角的に示そうとする二次文献を複数見つけることができた。その成果は本論中に図表としてまとめてある。経済的必要を動機として指摘できたり、他の詩人の影響という間接的な受容であったり、大枠として当時の文学的モードに収まるものであったり、バッハマンによるトラークル受容の本質は見極めにくい。その上で本論は、バッハマンの第二詩集に顕著な「言葉の音楽化」をバッハマンによるトラークル受容の結果として提起し、説明を試みた。(ドイツ語要約あり)
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1084, pp.40-43, 2001-03-26

「高木さん、一消費者のご意見として承っておきますよ」。3月5日、東京・浜松町にあるダイエー本社ビル14階の会議室は、衣料品を担当する取締役、高橋和男のこの一言で爆笑の渦に包まれた。幹部20人ほどが集まった会議で、社長の高木邦夫が衣料品開発について高橋に意見を述べた時のことだ。
著者
赤井田 健造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.486, pp.9-12, 2009-03-16
被引用文献数
3

詐欺に対する社会の監視とターゲットを守る環境が必要だ.
著者
奥田 潤
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.78-82, 2020 (Released:2020-08-02)

In this report, the author proposes the phrase, Philosophy of Pharmacy. In Japan, such a phrase has scarcely been used by pharmacists because they have considered medicines and drugs as materials and have not focused on their patients enough. As a way for pharmacists to consider their patients more, the author recommends the following two philosophies: 1. Revision of the Pharmacists Act Article 1: A pharmacist is to contribute to the improvement and promotion of public health by dispensing of medicine, and supplying medicines and other pharmaceutical health and sanitation services, thereby ensuring citizens lead healthy lives. The above, Article 1, needs to be revised by adding the following sentence. In addition, pharmacists should observe the new code of ethics for pharmacists introduced in 2018, and sympathize with patients to contribute to their medication. 2. Fully Consider Patients' Needs The author made a figure illustrating the relations between natural science(pharmacy),cultural science, social science and cultural art with care taken to fully consider the needs of the patient.
著者
徳永 幹雄 橋本 公雄
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.79-87, 1987-03-28
被引用文献数
1

全国大会を控えた高校テニス選手を対象にして, 皮膚温バイオフィードバックによるリラクセーション・トレーニングとイメージ・トレーニングを組み合わせたメンタル・トレーニングを10日間実施した。その主な結果を要約すると, 次のとおりである。1. リラクセーション・トレーニングについて 1) 1日に2〜3回のセッションでは第1セッションで最も皮膚温の上昇が顕著であった。2) 10回のうち, 5回目から平均して1℃以上の皮膚温の上昇がみられた。3) 平均皮膚温は第3セッションで上昇していた。4) 個人別にみると各セッションで皮膚温が3℃以上を示す者が6名中5名みられた。残りの1名は2℃以上を示すことはなかった。また, 平均皮膚温が10回のトレーニングの中で半分以上32℃以上を示すものは, 6名中4名であった。5) リラクセーション・トレーニング中に皮膚温と筋電を測定した結果, 皮膚温が上昇し筋電が下降した。2. イメージ・トレーニングについて 1) 全国大会を前にして, 6日間のイメージ・トレーニングを実施することができた。 2) イメージ・トレーニング中に皮膚温の低下傾向がみられた。 3) イメージ・トレーニング中には皮膚温と筋電を測定した結果, 皮膚温が低下した時.筋電は向上した。3. 大会前の状態不安は試合が近づくにしたがって, 認知的不安や身体的不安が高まり, 自信が低下した。4. 試合はダブルスで2勝したが, シングルスで3敗して, 逆転負けであった。しかし.No.1ダブルスはその後の大会で優秀な成績をおさめるまでに成長した。
著者
青木 奈穂 笠原 帆乃佳 佐藤 吉朗
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.175-179, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
16

食品には,本来感じられないにおいが感じられることがある.我々はこのにおいをオフフレーバーと呼んでいる.牛乳においても,餌あるいは乳牛の体調によりヘキサナールのようなオフフレーバーが感じられることはよく知られている.我々はすでに市販牛乳からオフフレーバー物質として2-ヨード-4-メチルフェノール(以後2I4MPと略称する)を初めて発見し,その構造を明らかにした.今回,以下の3点について検討した.第一にどのような化合物を出発物質として2I4MPが生成されたのか.この問題は有機合成手法を用いて推定し,候補物質としてp-クレゾールを挙げた.第二に牛舎内でどのようにして2I4MPが発生したのか.牛から排泄された牛糞にヨウ素を作用させることによって2I4MPが発生のすることを確認した.第三に,2I4MPがどのようにして生乳に移行したのか.デシケーターを用いたモデルを作成して移行推定を実施し,2I4MPが牛舎内で生乳に移行する可能性を示した.この結果から,2I4MPを牛乳中に混入させないための方策を提案した.すなわち,搾乳時に乳房殺菌に使用されるヨウ素系殺菌剤を他の殺菌剤に代替する,あるいはヨウ素系殺菌剤を牛糞や床敷きに落下させないようにする.以上を守ることが重要である.
著者
高 継芬
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 = The Journal of Kyushu University of Nursing and Social Welfare
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.35-45, 2017-03

上代、東国出身の防人やその家族が詠んだ歌が防人歌である。父母・妻子・恋人との別離の悲しみや望郷・旅情などが素朴に歌われていて、読む人の心を打つ歌が多い。《万葉集》中に収められた防人および防人の家族たちの歌〈東歌(あずまうた)〉とともに,古代東国の民衆の歌として貴重な作品群である。 中国にも『詩経』や『唐詩選』の中に万葉集の防人歌と似ている歌がある。小雅の「采薇」は詩経の中でも最も美しい詩とされているが、「出車」、 と並んで従来の解釈では、これは という遊牧民の侵入によって、西周が衰亡したことを嘆いた歌とされてきた。まさしく防人の歌である。 中国・唐代の玄宗皇帝の治世(8世紀)は盛唐と呼ばれて国力も充実し、その支配は東北辺境の幽州(まだ中華の中心ではなかった現在の北京一帯)から西北のタクラマカン砂漠周辺にまで及んでいた。「辺塞詩」とはこれら都から遠く離れた「辺塞」での異民族との戦いを舞台にした「防人歌」のことで、家族や友人との別れ、過酷な自然、望郷、出征の悲しみなどが歌われている。 国が違っても、同じ人間であり、その気持ちを日本の「防人歌」のような歌に託したかった心情は同じなのではないだろうか。このような観点から今後、日本の「防人歌」と紀元前に中国を治めた古代王朝「周」の時代の「詩経」及び漢詩や文選との比較研究を行いたいと考えている。その研究を行うためにも「防人」という語の由来について考察する必要があり、本稿は「防人」という語、中国の防人、日本の防人について論じる。