著者
奥村 優子
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

乳児を取り巻く環境は、情報に満ちあふれた複雑な世界である。そうであるにもかかわらず、乳児は驚くべき速さで、そして効率的に、世界の仕組みを学習する。乳児はどのようにして、複雑な世界から有益な情報を獲得していくのだろうか。本研究は、乳児が他者からいかに効率的に情報を獲得するかといった社会的学習のメカニズムを実証的に検討することを目的とした。研究1では、社会的学習の対象となるエージェントそれ自体が乳児の学習にもたらす影響を検討するために、12ヶ月児を対象として、ヒトとロポットの視線が乳児の物体学習に与える影響を比較した。乳児は両エージェントの視線方向を追従したが、ヒトの視線を追従するときのみ物体学習が促進されることが示された。本研究の結果から、ヒトの視線は、乳児の物体学習において強力な影響をもつことが明らかにされた。これは、発達初期におけるヒトからの学習の特異性を示唆している。研究2では、ロボットにコミュニカティブな手がかりとして音声発話を付与することによって、乳児がロポットの視線を学習に利用する可能性を検証した。その結果、乳児は音声発話といったコミュニカティプな手がかりを付与されたロポットの視線を、物体学習に利用できることが示唆された。今後教師役のロボットの設計原理を考えるうえで、この結果は一つの指針を与え、新しい学習戦略への道を開くであろう。研究3では、ヒトが情報源であったとしても、乳児が他者からの情報を区別し、特に、文化的集団のメンバーから選択的な情報獲得を行うかどうかを検討した。生後一年目までに、乳児は話者の方言を手がかりとしてコミュニティメンバーを特定し、自身の養育環境にある方言話者に対して社会的選好を示した。このような選好は、所属する文化的集団メンバーから選択的に情報を獲得する社会的、文化的学習を支えている一つの要因であるかもしれない。
著者
中里 和彦 竹石 恭知 國井 浩行 坂本 信雄
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

急性冠症候群の早期診断に役立つ可能性のあるバイオマーカーとして、ネオプテリン、レクチン様酸化LDL受容体-1(LOX-1)、テネイシンC、COヘモグロビン、アクロレイン、RAGE(receptor for AGE: advanced glycation end products)およびHMGB-1(high mobility group box 1)について、その血中濃度を急性冠症候群患者の採血サンプルと安定狭心症患者のものを比較することで検討した。このうち、LOX-1およびテネイシンCの血中濃度は急性冠症候群患者で有意に上昇しており、その早期診断に役立つ可能性が示された。
著者
佐見 由紀子
出版者
東京学芸大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

幼児期は、心身の発育発達が盛んで、自分の体に関心を持ち、基本的な生活習慣を確立する重要な時期である。そのため、この時期に、幼児自身が健康な生活を送る必要性を理解し、健康行動を実践する力を育てる健康教育は重要である。しかし、(1)幼児の生活実態調査が十分行われておらず、(2)担任や養護教諭が実施している健康教育内容や保護者の求める健康教育内容について調査が行われていない。そこで、本研究では、保護者から幼児の生活実態および指導を望む健康教育内容を把握し、また担任や養護教諭が実践している健康教育内容を把握することを目的としてアンケート調査を行った。調査方法は、平成24年7月、全国の国立大学附属幼稚園49園のうち、了解の得られた園にアンケート用紙を郵送し、5歳児学年の幼児をもつ保護者およびその担任、養護教諭に配布し、回収・返送してもらった。その結果、計43園から返送があり、有効回答は、保護者1757件、担任77件、養護教諭43件であった。調査の結果、次のようなことがわかった。幼児の生活実態として、(1)食物の好き嫌がある62.4%、(2)通園時間30分未満が83.7%、さらに戸外遊びの時間は30分~1時間が34.8%であり、園外で体を動かす時間が少ない傾向が見られた。(3)習い事に通っている90.5%、習い事の時間は週に2時間以上が50.9%であった。実際に担任が実施している健康教育内容は、(1)手洗いうがい96.2%(2)道路の歩き方94。9%(3)体を動かして遊ぶ91%(4)友達との仲直り84.6%・プールあそびの注意84.6%であり、園生活での健康安全に関わる内容が多かった。養護教諭では(1)手洗いうがい84,1%(2)歯のブラッシング63.6%(3)早寝早起き61.4%・鼻かみ咳エチケット61.4%(5)睡眠・栄養56.8%の順に実施が多く、病気の予防の視点での内容が中心だった。また、保護者が望んでいる内容は、(1)手洗いうがい75」%(2)体を動かして遊ぶ72.9%(3)知らない人についていかない66.1%(4)困った時、つらい時の対処法645%(5)病気や障害のある人への理解62.1%の順に多く、日常の生活習慣だけでなく、心理的な考え方や行動についての理解も求めている傾向が認められた。
著者
大松 亨介
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、分子内にキラルアンモニウムイオン部位を有するホスフィン配位子、「キラルアンモニウムホスフィン複合型配位子」を新たに創製し、そのパラジウム錯体を触媒とする不斉環化付加反応を用いて二連続不斉四級炭素構築法を開拓することに成功した。本法では、パラジウムとアンモニウムイオン及びハロゲン化物イオンの協働作用が鍵であり、配位子の同一分子内にキラルアンモニウムイオンを組み込むことで、複数の絶対立体化学を独立にかつほぼ完璧に制御し得る強力な不斉触媒システムを開発した。また、本触媒システムを応用することで、光学活性イミダゾリジン類縁体の効率的不斉合成を達成した。
著者
戸前 壽夫 山田 幸三 于 琳
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

岡山県にあるオンリーワン型中小企業に対してヒアリング調査を行い、その特徴について研究を行った。特定のセグメントに特化することで技術的な強みを築き上げ、セグメント内での高いシェアを有することで寡占的な供給者になっていて、規模の経済を活かしている。地方立地の中小企業であるため、取引先との距離は離れているが、さまざまな工夫で克服していた。地方立地の中小企業の可能性を見出すことができた。
著者
碓井 みちこ
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では物語るメディアとしての写し絵の表現の特徴について考察した。まず、写し絵と西洋の幻燈との違いを明確化した。次いで、写し絵の種板を、それが車人形をいかに参照したかという観点から検討した。車人形は、仏教の法談・唱導が芸能化したされる説経節を地語りとする人形芝居である。さらに写し絵と浮世絵との密接な関わりについても検討した。本研究の成果は、論文や口頭発表だけでなく、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館における企画展でも公表された。
著者
志賀 充
出版者
東京女子体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、女性における片脚連続跳躍の動作的特徴と疾走に対する影響を検討するものであった。本研究の結果は、片脚連続跳躍における助走の距離を伸ばすことにより、接地時間は短縮する傾向を示し、速度、跳躍距離は増大した。また助走が長くなるに従い跳躍中の滞空期に脚を引きつける力(トルク)が高められた。トレーニング期間を設け片脚連続跳躍を実施したことによって、疾走タイムは短縮する結果を得た。5段跳びや他の体力要素も、向上することが認められた。よって、片脚連続跳躍は疾走パフォーマンスに対して、有効なトレーニング手段であると考えられた。
著者
岩本 テルヨ 田中 愛子 小田 日出子 梶原 江美 小野 聡子 末光 順子
出版者
西南女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、看護師の日常の看護ケアに潜む「やわらかい暴力」の顕在化を目的に、入院経験のある53名と看護師19名を対象に看護師の対応に関する思いや考え方について語ってもらい、質的帰納的に分析した。入院経験者は傷つけられた、不愉快等の対応として、看護師としての【節度がなく上から目線】、一人一人に配慮しない【組織優先で、決まりきった対応】や【気持を配慮しない】関わり、【未熟な技術】、看護師からの【言葉や説明がない】ことをあげた。さらに看護師の【関わりが少ない】状況で、看護師が【ニーズに気づかない】ために自分でなんとかするしかないとの思いを抱いていた。これらのカテゴリーは看護師自身がよくないと考える対応とほぼ重なり合っており「やわらかい暴力」の具体が示唆された。
著者
伊東 範尚 樂木 宏実 大石 充
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の結果により閉塞性睡眠時無呼吸を有する高齢患者において、その重症度が筋力や身体能力に関連することが示された。左室拡張能低下などとも相関を認めた。認知機能に関しては横断研究では強い相関を認めなかった。認知機能は個人差が大きいため横断研究では結果が出にくかったと考え、各患者の認知機能を経時的に評価している。また、持続陽圧呼吸(CPAP)療法により、筋力や身体機能、左室拡張能の進行を抑制・改善できるかを前向きに観察している。さらにこの機序についてDNAメチル化などの情報などから検討を続けていく。
著者
木村 力央
出版者
立命館アジア太平洋大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究は、カンボジアのNGOリーダーはフォロワーによりよく仕えるために、どのようにリーダーシップを変革するかを考察し、以下のような発見があった。リーダーは、危機的な出来事やその他の経験を受け入れる用意があり、またそのような経験を進んで省察する態度が必要である。特に、これまで当然と考えてきた仮定や前提を吟味することが要求される。そのような振り返りから生まれた新しいリーダーシップのモデルを、自分が置かれている状況のなかで実験的に試みることにより、どのモデルがフォロワーに仕えるのに適しているかを判断することができる。
著者
森脇 健夫
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本では、学校の教師が参加し、研修を積む場として校内の研究会がある。筆者は、ある中学校において校内研究がどう組織され、そこにそれぞれの役割を担った管理職、研究主任、教員がどのようにかかわっているか、また教員がそこでどんな学びをしているか明らかにした。まず、校長がどのようなビジョンのもとに専門家共同体を作っていくかが重要である。教師たちは自らの来歴の中で授業スタイルを形成しているが、校内研究によって、自らの授業スタイルを自覚し、必要ならば自己変革をする。自己変革の一つの契機が子どもたちの声である。校内研究は教師たちに研鑽と自己変革の場を与えるが、それを実質化するのが、同僚性の構築である。
著者
松本 健一 中村 匡秀 水野 修 森崎 修司 大平 雅雄 門田 暁人
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,高い専門性を要するソフトウェア開発作業を,不特定多数の個人にインターネット技術を使って外注する「クラウドソーシング」と,それら個人間での「群集知形成」を支援する超分散開発基盤技術を開発した.具体的には,「多言語対応コミュニケーション・知識形成基盤」と「Lightweight & Massive PDCAサイクル基盤」の2つを開発し,実証実験によってその妥当性,有用性を評価した.個人を単位とした新たな超分散開発形態は,ソフトウェア開発における多重請負構造を解消し,開発リスク低減とソフトウェア品質向上をもたらす.
著者
長嶋 洋治 秋本 和憲 石黒 斉 青木 一郎 稲山 嘉明 上村 博司 佐藤 美紀子 谷口 多美代 水島 大一 泉澤 裕介 加藤 真吾
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

細胞極性の異常はがん細胞の主要な性質の一つである。本研究では細胞極性制御因子細胞極性制御因子atypicalprotein kinaseλ/ι(aPKCλ/ι)の各種癌組織、がん細胞における発現と局在を免疫組織化学的に検討した。また、前立腺癌においてaPKCλ/ιの下流に存在し、再発に促進的に働くことが細胞レベルで確認されたインターロイキン6(IL6)の発現についても検討した。これにより、胃癌、メラノーマ,膵臓癌,口腔癌,子宮頸癌についてもaPKCの過剰発現と転移や前癌状態からの進行との臨床的な相関を認めている。我々は前立腺癌ではaPKCとIL6の過剰発現との相関性を臨床検体で証明した。
著者
福ヶ迫 善彦
出版者
流通経済大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2012年から2014年にかけて,大学院課程における体育教師養成プログラムの開発を行った。プログラムの目的は,教師の意図した学習成果を保証するための実践力と知識の獲得である。プログラムは3種類ある。1つ目のプログラムは,1年間を通じて,理論と実践を行う。2つ目は,映像コンテンツを活用して行う。3つ目は,反転授業である。すべてのプログラムは,実践的知識と実践的思考を育成することができた。1年間をかけて行うプログラムは,より実践力を育成することができた。半年間かけて行うプログラムは,知識の獲得に大きな影響を及ぼした。3年間の研究によって,対象と期間に応じた効果的なプログラムを示すことができた。
著者
高橋 克 清水 章 菅井 学
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

我々は、新規BMP拮抗分子USAG-1欠損マウスにおいて、歯数が増加するphenotypeを見出した。歯数増加は上顎切歯において解析したUSAG-1欠損マウス25例中全例で認められたため、以下の解析は、上顎切歯部において行った。胎生13週から生後3日まで、同部位をHE標本を用いて、組織学的評価を行った。野生型では、痕跡的な乳切歯が胎生15週まで発生が進むが、以後縮小、消失して行くのに対し、USAG-1欠損マウスでは、胎生15週以降も発生が進み、一部エナメル質形成を伴った歯牙の形成を認めた。胎生15週でTUNEL法にてApoptosisを比較したところ歯間葉細胞おいて多く認められ、過剰歯は、同部でUSAG-1欠損によりBMPの機能が亢進されたため歯間葉細胞のApoptosisが抑制されたためと考えられた。痕跡的な乳切歯の歯上皮細胞ではBMP2,BMP4,BMP6、また歯間葉細胞ではBMP4,BMP6の発現が認められた。また同部の歯間葉細胞ではリン酸化smad1/5/8抗体陽性細胞数がUSAG-1欠損マウスで有意に多く、whole mount in situ hybridization法ではBMPシグナリングの下流の分子であるMsx1とDlx2の発現の充進が認められた。USAG-1欠損マウスの上顎切歯部の器官培養において歯数増加を認めたが、BMP拮抗分子の一つであるnogginを添加したところ、歯数増加のphenotypeはrescueされ正常な歯数となった。以上の結果より過剰歯の形成は、同部でUSAG-1欠損によりBMPの機能が亢進されたためと考えられた。ヒトにおいても痕跡的な第3歯堤の存在が報告されており、USAG-1を標的分子として歯牙再生を目指す新しいアプローチとなる可能性を示唆した。
著者
欅田 尚樹 牛山 明 TIN・TIN Win・shwe
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

家庭用IH 調理機器が普及する中、その使用における電磁界曝露の生 体影響を懸念する声がある。ここでは、Merritt type coil を用いた成獣マウスあるいは妊娠 マウスへの電磁界曝露を行い、種々の生体影響評価を行った。その結果、国際非電離放射線防 護委員会が定める国際ガイドラインを越える磁界強度で電磁界曝露を行った際に、何らかの中枢神経系へのリバーシブルな刺激作用を有する可能性が示唆されたが、器質的な変化は観察さ れなかった。
著者
鈴木 琢雄
出版者
国立医薬品食品衛生研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

新生児型Fc受容体(FcRn)との親和性の違いが、Fcドメイン含有医薬品の体内分布や分解に与える影響を明らかにすることを目的とし、FcRn親和性が異なる抗体やFcドメイン融合タンパク質のFRET型蛍光標識体をマウスに投与し、臓器の蛍光を測定した。その結果、FcRn親和性を大幅に低下させた場合、肝臓や肺への蓄積率に差が認められた。通常の抗体と比較してFcRn親和性が大幅に異なるFcドメイン含有医薬品(例えば薬物結合抗体等)を開発する場合には、体内分布が通常の抗体とは異なる可能性があることを考慮する必要があると考えられる。
著者
田上 亮太
出版者
熊本大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

2次元高分子ナノ構造の自己組織的構築のための方法論として、芳香族Schiff base反応を分子間のカップリング反応として用いた「固液界面平衡重合法」を検討している。芳香族Schiff base反応の反応平衡をpHで制御することで、均一溶液中では反応かぎりぎり進行しないにもかかわらず、モノマーの濃縮と疎水効果による反応促進効果が働く固液界面では選択的に平衡重合が進行する。固液界面で起こる自発的なカップリング反応と自己組織化により、分子レベルで配列した構造が形成することをプローブ顕微鏡による観察により明らかにしている。前年度の成果としてのベンゼン骨格をベースとした最小のユニット同士の組み合わせから、ベンゼンユニットがアゾメチン結合によってハニカム状につながれた構造を構築することに成功している。π共役的に繋がれた最もシンプルなベンゼンユニットからなるポーラスハニカムネットワーク構造は、グラフェン、グラフェン状窒化炭素(g-CN)に続く第三の共有結合性2次元ネットワーク状モノレイヤとしての展開が大いに展開される。この成果を受けて本年度は2次元ハニカム状メッシュ構造性薄膜の基板成長の検討を柱に検討を行った。本年度の成果としてモノレイヤに対するこれまでのプローブ顕微鏡による観察に加えて、光電気化学測定によって可視光領域での光電流の発生を確認することに成功した。このことはプローブ顕微鏡での視覚的知見に加えて表面での重合による共役系の延長を裏付ける非常に有力な証拠となり得る。さらに、研究室が持つ基板選択的な重縮合反応に基づく多層薄膜成長のノウハウを組み合わせることで、ポーラスハニカムメッシュ構造を基板上で連続的に自発成長させることで、π共役系がネットワーク状に広がった有機薄膜のその場構築にも成功した。モノレイヤと同様、多層薄膜においても可視光領域における光電流の発生が確認された。
著者
松尾 ひとみ
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

心臓外科術後のこどもの飲水行動は、治療による一日飲水量の制限だけではなく、入院生活で出会う見知らぬ人や自宅と違う生活(例:ナースコールを押して水をもらう、配分された水を飲水する等)への馴染めなさに左右されていた。飲水量の制限に関わらず、こどもが快適に、適切に飲水するためには、医療者がこどもの飲水行動を管理する「治療としての飲水」ではなく、こどもの「生活としての飲水」ができるシステムの必要性が示唆された。
著者
野原 理子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

1年間の追跡調査により、保育園の遅刻・欠席・早退の頻度およびその際の保護者の対応方法が明らかとなった。子どもの体調不良等による保育園の欠席日数は、入園から1年間が最も多く、2年目には半減し、3年目以降はほぼ10日以内であった。保育園への呼び出しの回数は年間数回程度であり、これも入園後1 年を経過すると減少していた。保育園への迎えや欠席の際の対応は母親・祖母・父親など家族が主であった。これら結果より、保育施設入所後1年間の柔軟な勤務体制の整備が必要であることがわかった。