著者
内野 篤
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.318-324, 1991

<p><tt><b>危険物輸送に用いられる容器については,「陸,海,空共通の危険物輸送に係る国連勧告」第9章に容器の性能基準などが規定されている. わが国においても船舶および航空輸送は条約に基づく法制化,陸上輸送においては消防法,毒物および劇物取締法が国際整合性を図るためこれを採り入れているので,第9章の内容と国内における対応を </b></tt><tt><b>紹介する. </b></tt></p>
著者
竹ノ山 圭二郎 原岡 一馬
出版者
久留米大学大学院心理学研究科
雑誌
久留米大学心理学研究 (ISSN:13481029)
巻号頁・発行日
no.2, pp.49-61, 2003

本研究の目的は,いじめ状況における被害者と周囲の者とのいじめ判断がどのように違うのかを明らかにすることであった。実験1では,被験者は被害者または傍観者条件にランダムに割りふられた。そして,いじめについての判断の違いが検討された。その結果,被害者よりも傍観者条件の被験者の方が,よりその状況はいじめであると判断する傾向があった。実験2では,被害者-傍観者という観点によるいじめ判断の差違に加えて,初めのいじめ判断が後の判断に影響するかどうかが検討された。シナリオは,いじめ場面(エピソード1)と,他の人達からの援助的介入を被害者が拒絶するという場面(エピソード2)を含んでいた。被験者の半数はエピソード1-エピソード2の順に回答し,他の被験者は逆の順序で回答した。その結果,被害者より傍観者は,よりいじめと判断していた。そして,エピソード1における判断は,エピソード2における判断に影響していた。実験3では,集団の数人の成員から被害者が無視されるとき,被害者が仲間はずれにされているという被験者の判断の程度が検討された。実験の要因は,被害者一加害者の立場,被害者への原因帰属,および加害者数に関する判断基準であった。予備調査の結果,3種類の判断基準がみいだされた。それは,(1)数人,(2)半分,および(3)ほとんどの仲間から無視されたときに,被害者が仲間はずれにされたと判断するという基準である。その結果,加害者の方が被害者よりも仲間はずれと判断し,また1番目の基準(数人の加害者)を持つ被験者の方が,より被害者は仲間はずれにされていると判断していた。しかし,どの条件でも,疎外の原因が被害者にあると,その被害者が仲間はずれにされているという判断は低下した。一連の実験を通じて,被害者に対するいじめに関する判断の程度において,被害者条件の方が他の条件よりも低かった。これらの結果は,いじめを否定する被害者の傾向を反映するものと解釈された。なぜなら,いじめの被害者であると認識することが自尊心への脅威となるからである。

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著者
林元美 (爛柯堂) 著
出版者
日新館
巻号頁・発行日
vol.1, 1882
著者
横越 英彦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.394-397, 2011-08-20 (Released:2017-06-30)

食品を何故摂取するか?従来の栄養学では,食品成分が身体に取り込まれ,その後の栄養素の役割,あるいは,食品成分の生理機能に関する研究が中心であった。しかし,美味しそうな料理を目にし,香りを嗅いだだけでお腹が鳴るし,食事をとれば気分がよく,幸福感に満たされる。すなわち,食品には,喜怒哀楽といった情動に関与する機能もありそうだ。
著者
青木 隆治
出版者
日本食品衛生協会
雑誌
食品衛生研究 (ISSN:05598974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.13-17, 2007-09
被引用文献数
2
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.699, pp.16-22, 2001-08-20

ねる屋根と,それを突き通して建つ4本の柱が目を引く。7月21日にオープンした豊田スタジアムは,サッカーやラグビーなどの球技専用に計画された競技場だ。豊田市の市制50周年を記念して建設された。 敷地は周囲を道路や河川に挟まれており,スタンドや屋根を支える構造をスタジアムの外側に計画することが困難だった。そこで考え出されたのが,柱で屋根を吊る方法だ。
著者
井上 栄一 本間 貴司 佐々木 道康 郷内 武 霞 正一
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.199-203, 2012 (Released:2012-07-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1

クリの自家不結実性は,他の果樹のようには完全でないと報告されているが,その自家結実性の程度については明らかになっていない.そこで本論文では,花粉遮断試験とSSR遺伝子座の遺伝解析によって,品種間における自家結実性の変異を明らかにした.花粉遮断試験の結果,調査した51品種・系統の約47%にあたる24種類において結実が確認された.そのうちの5品種とその自家結実実生13個体について,SSR遺伝子座の遺伝を確認したところ‘伊吹’,‘大峰’および‘豊多摩早生’由来の8個体が自殖実生であると推察された.特に,‘豊多摩早生’に関しては着毬率(62.5%)と結果率(33.3%)も他の品種・系統と比較して極めて高く,調査した6個体すべてが自殖実生であることが確認された.一方,‘笠原早生’,‘丹沢’および‘大峰’に由来する5個体は,他家受粉に由来すると考えられた.以上の結果より,クリにおいては品種によっては自家結実が可能であるが,それはごく低頻度であり,基本的には自家不結実であると結論した.しかし,今回用いた品種・系統のうち,‘豊多摩早生’だけは自家結実性と判断した.
著者
長崎 慶三
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Soil Microbiology / Taiwan Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Plant Microbe Interactions / Japanese Society for Extremophiles
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.109-113, 1998-06-30 (Released:2009-10-05)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

To develop a practical countermeasure for eliminating harmful algal blooms (HABs), microbiological algicidity has recently been highlighted. In 1996, a virus (HaV) specifically infectious to a representative harmful bloom causing microalga, Heterosigma akashiwo, was isolated from the natural seawater. The virus has at least 4 characteristics required for biological agents to prevent H. akashiwo blooms in the natural environment: (1) HaV was isolated from “natural seawater” and experienced no artificial operation for its DNA, (2) HaV attacks H. akashiwo quite specifically, (3) HaV reproduces itself only by infecting to the host, H. akashiwo, (4) production of a small amount of HaV at a moderate price has been succeeded.
著者
横井 弘 菊地 毅光 花木 昭
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1594-1600, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
45
被引用文献数
2

pH10の水溶液中のトリグリシン(グリシルグリシルグリシン),テトラグリシン,ペンタグリシン,ヘキサグリシン,オクタグリシンの1:1銅(II)錯体は,どれもよく似た状況で,単量体との平衡系として,二量体生成をすることがESR法で明らかとなった。さらに,グリシンアミド,グリシルグリシンアミド,ビウレットの銅(II)錯体もpH12で二量体を生成することがわかった。テトラグリシン錯体について,単量体と二量体のESRシグナル強度比の濃度依存性から,単量体と二量体問の平衡定数(0℃付近)が460mol・dm-3と求まった。また,二量体ESRスペクトルのΔM=2遷移強度の温度依存性から,これら二量体のスピン交換相互作用エネルギーは,ほぼ-1cm-1程度であることが推定できた。観測した二量体ESRスペクトルのすべては計算機シミュレーション法で解析し,平行平衝型二量体の構造パラメーターのr(Cu-Cu距離)とξ(Cu--Cu軸と分子面垂線とのなす角度)を推定した。ゆそれによれば,トリグリシン錯体の二量体(r=3.3Å;ξ=40°)は,結晶内の二量体構造と同一であるゆこと,しかし,ほかの錯体の二量体(r=4.0-4.3Å;ξ ≦15°)は,結晶内のものとは一致せず,配位面を真上近くでたがいに重ね合わせたような二量体構造をもつことがわかった。また,この種の錯体が二量化能をもつためには,分子内に2個以上の脱プロトンしたペプチド(アミド基)窒素原子の配位が必要であり,金属イオンとこれら脱プロトンしたアミド基がπ-電子系を構成し,そのような二つの錯体分子間にはたらくいわゆるπ-π 相互作用が,二量化の主要な駆動力と考えられる。
著者
野田 文香
出版者
独立行政法人大学改革支援・学位授与機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

東京規約の発効に伴い、国内外の高等教育資格情報を発信するナショナル・インフォメーションセンターが2019年に立ち上げられた日本において、資格承認の公平性・透明性を確保するための参照ツールとなるNQFの構築の検討が急務となっている。本研究は、学術・実践の両面から日本版NQFの策定可能性に係る議論に資する示唆を得るため、ASEAN Qualifications Reference Framework (AQRF)に関わる各国NQFの策定プロセスや枠組みを横断的に分析し、人的モビリティ促進の観点からNQFの運用状況を類型化し、課題を明らかにすることを目的とする。
著者
栗山 容子
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.79-96, 1989-02

前回の報告(1987)では,過去8年間のICUに於ける教育実習生の成績評価の資料分析を通して,実態調査の結果を報告した。本報告では,問題をさらに明確にするために,次の視点から検討を加える。第一に,教育実習生の教授スキルに関する評価項目の検討である。従来の評価項目は,実習校の指導教諭に記入してもらう評価項目が9項目(Q1.勤務状態,Q2.児童生徒に対する理解・愛情,Q3.児童生徒の取り扱い・評価の公平さ,Q4.学習指導の計画する能力,Q5.学習指導技術,Q6.研究的態度,Q7.学級・ホームルーム管理能力,Q8.学校ならびに教師に対する協力的態度,Q9.教師としての適性)である。前回の報告にあるように,これらの評価項目の因子分析の結果,1因子のみが抽出され,いずれの項目においても因子負荷量が高かった。特に,教師としての適性の因子負荷量が最も大きく,相対的に勤務状態のそれが最も小さいことから,教師の適性に関する一般因子と考えられた。これらの評価項目は教師としての適性の一面を捉らえているにしても,個々の項目が概念的レベルで記述されているために教育実習生に対する具体的なフィードバックとなりにくく,評価項目の検討の必要性が示唆された。また,9項目のうち,Q5.学習指導能力はQ7.学級・ホームルーム管理能力に次いで実習校教諭の評価が低かった。Q7.学級・ホームルーム管理能力については,実習生に学級を任せないケースが多いことからその理由を述べた。しかし,Q5.学習指導技術については,大学における各教科教授法等で指導が行われているが,この評価項目だけでは具体的にどのような点において教育実習生の指導技術に問題があるのか,その内容が明確になっていないので,指導に生かしにくい。そこで,一つの試みとして,教授スキルに観点を絞って,より具体的な行動のレベルでの評価を可能にする評価項目を作成し,これらを用いて教育実習生と実習生を指導した実習校教諭のそれぞれに実際の授業の結果を評価してもらい,評価項目の検討を加える。同時に,これらの結果から教授スキルの具体的内容を検討する。その際,各教科にはそれぞれ独自のスキルが必要とされるが,ここではどの教科にも必要とされる基本的な教授スキルを問題にする。また,教授スキルの内容が明らかになったところで,教育実習生の自己評価と指導教諭の評価の違いについて検討する。第二に,前回の報告で実習校が中学校の場合と高校の場合で指導教諭の評価に違いが見られ,中学教諭の方が9項目すべてにおいて有意に評価が低いという傾向があった。しかし,学習指導技術については,他の項目と比べると,実習校間の評価の差は最小であり,ともに評価が低いという傾向もみられた。そこで,教授スキルに関する具体的な行動レベルでの評価では,どのような違いがあるか,またその具体的内容を検討する。第三に,教授スキルに関する新しい評価項目と従来の評価項目の関連を検討する。いずれも,教育実習生の授業の事後評価を狙ったものであり,特に,従来の評価項目のQ5.学習指導技術,Q9.教師としての適性と教授スキル項目とは強い関連があると考えられる。
著者
田中 稔 梅村 太 長岡 聡紀 岡 竜巳 高島 里奈 高橋 拓哉 平山 和哉
出版者
メジカルビュー社
巻号頁・発行日
pp.1020-1031, 2021-10-19

野球肩の効果的な運動療法を行うためには,投球動作で必要とされる運動機能の理解と機能的な問題点の把握が必須であり,それらの問題点の機能的な改善と投球動作を念頭に置いた運動連鎖と投球動作の再構築を行うことが最も有効な運動療法といえる。本稿では,痛みの出現する頻度が高いコッキング期とボールリリース・フォロースルー期での評価法と効果的な運動療法の詳細について解説する。