著者
三谷 文栄
出版者
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所
雑誌
メディア・コミュニケーション : 慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要 (ISSN:13441094)
巻号頁・発行日
no.64, pp.75-84, 2014-03

1 はじめに2 国際問題への関心の高まり : 第一次世界大戦と『外交の重要性』3 14か条の平和原則の宣伝とヴェルサイユ条約の「失敗」4 リップマンにおける外交政策, メディア, 世論の関係5 まとめ
著者
清家 庸佑 野口 卓也
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.548-556, 2020-10-15 (Released:2020-10-15)
参考文献数
32

要旨:本研究の目的は,ポジティブ作業に根ざした実践(以下,POBP)が高齢者サロン利用者のWell-Being(以下,幸福)に与える効果を予備的に検討することであった.方法は,高齢者サロンの利用者21名を対象に,介入期間は5週間,介入デザインは前後比較試験でPOBPの効果を検討した.効果指標は,改訂版PGCモラールスケール,ポジティブ作業評価などを使用した.解析は,介入効果に影響を与える変量効果を考慮した結果が推定できるよう一般化線形混合モデルで検討した.その結果,POBPはPGCモラールスケール(合計得点)で介入効果を認めた.POBPは,高齢者サロン利用者の幸福の促進に貢献できる可能性を示唆した.
著者
進藤 浩子 深澤 光晴 飯嶋 哲也 高野 伸一 門倉 信 高橋 英 横田 雄大 廣瀬 純穂 佐藤 公 榎本 信幸
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.2389-2398, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
22

【目的】ベンゾジアゼピンを用いた従来のERCP鎮静ではしばしば脱抑制による体動を認める.安定した鎮静を得られる方法としてドロペリドール,フェンタニル,ケタミンを用いた静脈麻酔による鎮静法の安全性と有効性を評価した.【方法】対象はERCPの鎮静にミダゾラムとペンタゾシンを用いた従来法群42例とドロペリドール,フェンタニル,ケタミン(DFK法)群17例.評価項目は鎮静関連偶発症および鎮静効果とした.【結果】SpO2 90%未満を認めた症例は従来法で4例(10%),DFK法で1例(6%)と有意差は認めなかった.体動により処置継続に支障があった症例は従来法で8例(19%),DFK法で0例とDFK法で良好な鎮静効果を得られる傾向を認めた(p=0.09).鎮静困難ハイリスク症例である飲酒習慣を有する21例では,鎮静不良となる症例はDFK群で有意に少なかった(従来法 50% vs DFK法 0%,p=0.02).【結論】DFK法は従来法と比較して同等な安全性で施行可能であった.飲酒習慣を有する症例ではDKF法の方が有効な鎮静が得られた.
著者
岩田 久道
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.436-439, 2017-09-20 (Released:2018-03-01)
参考文献数
5

無機物質の自発的な変化である酸化還元反応や酸塩基反応は,水を中心として安定物質に落ち着く。熱化学的な安定性のもと,縦軸を酸化数,横軸をpHでおいた物質間の変化を反応式で表す系統図を描くと同時に,外部からエネルギーを必要とする工業的な製法の反応を重ねると自然界・工業界の物質循環が理解できる。
著者
上田 悦範 山中 博之 於勢 貴美子 今堀 義洋 Wendakoon S.K.
出版者
日本食品保蔵科学会
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.73-84, 2019 (Released:2019-08-07)

果実中のアルコール含量を測ることはその果実の香気評価に重要である。果実(バナナ,パイナップル,メロン,トマト,キウイフルーツおよびイチゴ)の未熟果,完熟果,過熟果からカットフルーツを作り,カット直後および3℃,24時間後のエタノールおよびメタノールの含量を測った。過熟のバナナおよびパイナップルから作ったカットフルーツは高いエタノール含量と酢酸エチルの生成も多く,オフフレーバーが発生していた。過熟のメロンからカットしたものも酢酸エチルの生成が多く,やはりオフフレーバーが発生した。一方トマトはカットすることにより3℃,24時間後,急激にメタノール含量が増え,エタノール含量もまたある程度増加し新鮮さが無くなった。イチゴは使用した栽培品種の内,1品種は24時間後および老化後(3℃,2日間)では高いエタノール含量を示し,酢酸エチルの生成も多くオフフレーバーが感じられた。キウイフルーツは熟度やカットにかかわらずエタノール,メタノールが低含量でそのエステル生成もみられなかった。完熟果におけるアルコールデヒドロゲナーゼ活性を調べたところ,高い活性を示す果実は,キウイフルーツを除き,アルコール含量も高かった。ペクチンメチルエステラーゼの活性はトマトが他に比べて非常に高く,トマトカット後のメタノール急増の原因と考えられる。エステルの生成能力はすべての果実で認められ(キウイフルーツは極低活性),過熟果実のオフフレーバーを加速していると考えられる。カット後すぐに供給され,消費される業種形態もあるので,室温でカット後,2時間までのアルコール含量変化を完熟のバナナ,トマト,イチゴで調べたところ,これらの果実は24時間冷蔵の結果と同じ傾向であった。完熟イチゴおよびトマトをカット後,直ちに測った場合,それぞれエタノールおよびメタノールは極少量検出されたのみであった。イチゴは両品種とも急激なエタノールの増加が起こり,オフフレーバーが認められた。一方,トマトでは遅れてエタノールが増加し始めたが,2時間までは新鮮さが保たれていた。
著者
立石 浩一
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.34-43, 2002-04-30 (Released:2017-08-31)

Lexical strata as a part of grammar have been assumed to account for various phonotactic (un)markedness in certain groups of lexical items. In particular, the reranking hypothesis of Ito and Mester (1995a,b) and the indexed FAITH hypothesis of Fukazawa (1998) had triggered disputes and discussions among scholars on the fundamental organization of phonological grammar. This article will examine approaches to the sublexicon, and show problems with the aforementioned studies. In particular, the emergence of the unmarked patterns in the marked vocabulary classes presents a serious problem.
著者
興津 舜也 金光 香保子 浅野 聡
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.66, pp.937-942, 2021-06-20 (Released:2021-06-20)
参考文献数
14

The report introduces the present condition and problem of descriptions about the treatment of disaster hazard areas in basic guideline for urban renaissance and guideline for city planning. The targets are 4 prefectures in Tokai region. As the result of analysis, it has become clear that treatments of disaster hazard areas were different from each municipality because of directionality about the exclusion of guideline for city planning and kinds of disasters. In the future, not excluded areas need to be considered excluding and if impossible, disaster prevention measures need to be set in location normalization plan.
著者
埴淵 知哉 川口 慎介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.137-155, 2020
被引用文献数
3

<p>近年,学術研究団体(学会)における会員数の減少が懸念されている.本稿では,日本学術会議が指定する協力学術研究団体を対象として,日本の学会組織の現状および変化を定量的に俯瞰することを試みた.集計の結果,学会のおよそ3分の2は会員数1,000人未満であり,人文社会系を中心に小規模な学会が多数を占める現状が示された.過去10年余りの間に個人会員数が減少した学会は3分の2にのぼるものの,それは理工系,中小規模,歴史の長い学会で顕著であり,医学系や大規模学会ではむしろ会員数を増加させていた.また,学会の新設に対して,解散は少数にとどまっていた.結果として,既存学会の維持および会員数の選択的な増減,そして新設学会の増加が交錯している状況が示された.そして,地理学関連学会は学術界全体の平均以上に会員減少が進んでおり,連合体や地方学会を含めてそのあり方を検討する必要性が指摘された.</p>
著者
篠原 信之 田中 博 斉藤 健 出口 順子 近藤 玲子 曽田 研二 鈴木 賢
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Medical Science and Biology (ISSN:00215112)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.385-392, 1981 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
4 5

Since periodical survey of the sewage entering the sewage-farm in Matsuyama City revealed a high incidence of Salmonella typhi of different phage types, attempts were made to trace the upstream reservoir. It was found that S. typhi was drained into a particular manhole at a distance of about 5 km from the sewage-farm. Two members of two families were found to be carriers. Further investigation detected other 25 carriers. The 27 carriers were all pupils of the same primary school. Ten of them showed mild symptoms such as fever, abdominal pain and diarrhea; the remaining 17 were asymptomatic. The phage type of 24 isolates was of Vi degraded approaching phage type A [degraded Vi (A) ] and that of the other three was of type 53. The results coincided with those of the isolates from sewage.
著者
鈴木 正昭 テップンポン マリーワン モラクン ポンレック 五十嵐 孝典
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.55-62, 1982-06-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
7

タイ国の河川に繁茂するホテイアオイ (Eichhornia cyassipes, Solms) の実用的な堆肥化方法を検討した.すなわち, ホテイアオイ, 野草, 稲わら, 水牛糞などを主な材料とした各種の堆肥を製造し, その性状を経時的に調べて, 品質や熟度等を論じた.得られた結果は以下のように要約される.1.ホテイアオイだけを材料として堆肥を製造すると, 品温は42℃に達しただけであったが, 水牛糞や稲わらを混じて堆肥を製造すると容易に50℃以上の高温を得ることができた.2.ホテイアオイは窒素, リン酸, カリ等の養分に富むため, これを他の資材と混用することにより堆肥の品質が向上した.3.稲わらを堆肥化する場合にホテイアオイを混用すると, 水牛糞や石灰窒素を用いるのと同等の効果を発揮した.4.ホテイアオイは堆肥資材として良好であり, タイ国の農民に勧めうる.また, その適切な製造法について述べた.5. (付録) タイの中央平原と東北部で集めたホテイアオイを比較すると, 前者は後者よりも植物養分の含量が高い傾向を示した.茎葉部と根部について養分含量を比較すると, 茎葉部では窒素, リン酸, カリ, カルシウム, マグネシウム, 銅などが根部よりも高かったが, マンガンや亜鉛は根部の方が高かった.