著者
本城 勇介 諸岡 博史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-13, 2010 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18

社会基盤施設に関連した事故に関する判例などが報道されると,工学で考えられている設計問題の枠組みと,法律で規定されている枠組みに差があることを感じることがある.本研究はこのような法律の考え方と,設計の考え方の関係を明確にし,社会基盤施設に求められる安全性や技術者の責任を明らかにすることを目的とする.判例を検討していると,瑕疵に関する考え方も,徐々に安全性が相対的なものであるという認識に変化していると思われる.判例は依然通説である「客観説」をとっているが,その判断にあたり,予見可能性,回避可能性など技術的見識を加え,結果の重大性や構造物の重要性などを多面的に勘案するようになってきていると思われる.
著者
橋立 博幸 内山 靖
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.367-374, 2007 (Released:2007-06-18)
参考文献数
34
被引用文献数
7 10

目的 本研究では,地域在住高齢者における応用歩行の予備能の定量的な評価指標を開発し,その有用性と日常生活活動(ADL)や生活範囲を含んだ生活機能との関連性を検討することを目的とした.方法 対象は地域在住高齢者107人(平均年齢72.6±5.0)とした.歩行機能検査としてTimed"Up and Go"Test(TUG),10m歩行時間,6分間歩行距離(6MD),Physiological Cost Index(PCI),Rating of Perceived Exertion(RPE)を実施した.また,日常生活活動の指標として老研式活動能力指標(TMIG-IC)を調査した.TUGは至適速度(TUGcom),最大速度(TUGmax)にて計測し,TUGmaxに対するTUGcomとTUGmaxの差の割合(TUG-R)を応用歩行の予備能の指標とした.結果 TUG-Rは級内相関係数ICC(1, 2)=0.82と高い再現性を示した.TUG-Rは6MD, PCI, RPEと有意な関連を示し,歩行の持久性および安楽性を反映していると考えられた.TUG-RはTMIG-IC手段的自立に障害のある高齢者では有意に低下しており,高い移動機能を要するADLへの関連性が示唆された.ロジスティック回帰分析の結果,屋外活動の遂行にはTUG-Rが有意に関連した.結論 応用歩行の予備能を示すTUG-Rは,指標の再現性が高く,歩行の持久性,および生活範囲等の生活機能と密接に関連する高齢者において重要な臨床指標であると考えられた.
著者
鈴木 優
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.46-58, 2013-09-27

本論文は,Wikipediaに記述されている情報の質に関する研究のサーベイである.Wikipediaは,不特定多数の利用者によって容易に編集を行うことができるという特徴から,従来の紙媒体による百科事典と比較して速報性が高いことや,広範囲な情報が得られる利点がある一方で,質が低い情報が含まれるという欠点も存在する.利用者は,必ずしもすべての情報に対して質が高い情報かどうかを適切に判定することができないため,Wikipediaに対して質の高さを測定しようという試みが数多く行われている.本論文では,質の定義についての議論を行ったうえで,現在までに行われているWikipediaに関する調査について紹介し,Wikipediaに含まれる情報に対して,情報の質を測定する研究について紹介する.Wikipedia is one of the most successful and well-known User Generated Content (UGC) websites. Because any user can edit any article, Wikipedia has more and fresher information than existing paper-based encyclopedias. Many experts submit texts to Wikipedia, and the texts should be informative for readers. However, these texts are not reviewed by experts, then the number of poor quality texts are also dramatically increase. On the other hand, many readers cannot easily identify texts which are good quality or not, because not all readers are experts. In this paper, we survey the studies for assessing a quality of Wikipedia articles.
著者
田口 淳
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.305-324, 2001-06-01
参考文献数
23
被引用文献数
3

日本の都市問題の中でもとくに深刻な職住分離による通勤の高負担をもたらす一因に,大規模な住宅開発と通勤交通網の整備とのアンバランスがあげられる.本稿では,鉄道が段階的に整備されてきた千葉ニュータウンを対象として住宅供給と交通網整備の関係を分析した.北総開発鉄道の都心直通前後の入居者を比較すると,前住地の分布は近隣市町村のみならず外延的に拡大したことから,交通体系の変化や都心との時間距離の短縮が世帯の居住地選択の範囲を変化させることが明らかになった.また就業地の分布にも変化がみられ,北総線の直通する沿線に就業地分布が拡大したほか,都心3区就業者の千葉ニュータウンへの入居が加速した.さらに,鉄道を利用した通勤流動は鉄道網の整備状況を反映し,所要時間が最短になるような通勤ルートが選択され,対都心の絶対的な交通路を持ったことで通勤ルートの一本化が進んだ.
著者
奥富 弘樹 永野 征男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.60, 2006

<B>〔1〕研究目的</B>:近年,首都圏の通勤流動は大きく変化し,とくに郊外においては,区部を境に東・西部でその流動が異なる.なかでも鉄道整備を契機に郊外化が進み,その現象の発生時期は,西部地域から約10年遅れて東部地域が追随したと考えられる.<BR>そこで,類似した地理的条件をもつ首都圏の西部地域(多摩市) ,東部地域(印西市)を選定し,その変遷を比較した.<BR><B>〔2〕研究方法</B>:対象地における関係圏の圏域設定を行うために,通勤流動に着目した.そこで流出入のデータと交通網の発展を指標に,時系列変化を分析した.また,交通の発展が通勤者に与える影響をみるために,対象地域内の中心駅(印西市:千葉NT中央駅,多摩市:多摩センター駅)を発地とする等時間通勤圏に関して検討を加えた.<BR><B>〔3〕首都圏西部(多摩市)の事例</B>:首都圏では,1960年以降,郊外から区部への通勤者は増加傾向にあったが,1990年代後半から減少に転じた.なかでも多摩地域は,高い減少傾向がみられた.このことは,東京都の人口重心の移動が,1990年代中頃まで西進していることから,居住者が増加しても区部への通勤率が下がっていることになる.つまり,近年の多摩地域は,かつての区部通勤者の居住地から,周辺域や区外への通勤者の比重が高まりつつある.<BR>本発表では,多摩地域から多摩NTを含む多摩市を選定し,業務核都市の指定(2002),多摩センター駅の開設(1974),京王線の橋本駅まで延長(1990),多摩都市モノレールの全通(2000)を背景に,周辺地域との関係を考察した.<BR><B>a.多摩市からの流出入人口の変化</B>:1990年以降,多摩市からの通勤者数は鈍化している.流出先としては,多摩市およびその周辺域と区部に分かれ,前者は増加傾向にある.一方,流入は増加傾向にあり,80/90年では60%増を示し,90/00年は微増である.多摩市民の市内従業率は,1975年の約60%から,2000年の42%と減少し,東京周辺部に拡散する市外通勤者の増加がみられる.<BR><B>b.中心駅からの等時間通勤圏</B>:通勤者の交通手段の約60%が鉄道であることから,「多摩センター駅」について等時間通勤圏(30分/60分/90分圏)を作成した.これらの圏域は,東・南部方面に広がりを示し,一般的には,郊外都市の鉄道網は大都市方向へ充実,郊外の都市間では乗換え,迂回による所要時間を要する形状となる.<BR><B>〔4〕首都圏東部(印西市)の事例</B>:ここでは千葉県北総地域の中心都市:印西市を選定し,通勤の発地には「千葉NT中央駅」を対象とした.<BR>千葉NTは,首都圏の宅地需要に対処した多摩市と同じ目的で開発され,千葉県の企画(1966),事業開始(1969),入居開始(1979)である.事業スタートは多摩NTと同時期ながら,入居が遅れたために,期間延長となり,宅地開発公団も参画(1978)した.<BR>印西市には計画の約60%が含まれ,中央駅は住宅整備公団鉄道により開設(1984),また北総開発鉄道の都心延伸(1991)により,京成線,都営浅草線,京浜急行線による直通運転が実施された.<BR><B>a.印西市の流出入人口の変化</B>:NT内の鉄道未開通時は,JR成田線,常磐線沿線に通勤者の流出が多く,1985年以降は,新線の開通と都心へのルートが確立したことから,区部の通勤率が増大した.この関係は1995年以降に強まり,都心南部へも拡大した.<BR>流入人口は,流出人口と同様に成田線沿線の我孫子・成田市方面から多くみられたが,1985年以降は県内に拡散した.そして,中央駅周辺の業務街の始動とともに,1995年以降は船橋市などの印西市以西からの高い通勤率がみられるようになった.<BR><B>b.中心駅からの等時間通勤圏</B>:この広がりは,南西から北西方向で大きい.その要因としては,鉄道アクセスの良い西方向と,郊外都市を結ぶ路線の発達による南北方向によるものである.<BR><B>〔5〕要約</B>:以上のように,千葉NT中央駅における等時間通勤圏の広がりと,西部地域の多摩センター駅と比較すると,都心方面へ伸びる圏域の広がりと,それとは反対方向へ伸びる圏域の狭さに共通点がある.<BR>一方,郊外都市間の結びつきでは,鉄道網の形態,また運行状況の変遷が要因となり,横浜・川崎方面のへ広がりに特色があった多摩センター駅と異なり,NT中央駅では松戸・船橋・千葉市方面への郊外都市との結びつきにその特色をみることができる.
著者
本山 秀明
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.247-255, 2010 (Released:2010-10-20)
参考文献数
21
被引用文献数
1

The accumulation rate, aerosol flux, and air temperature fluctuation can be determined from the study of ice cores drilled through ice sheets and glaciers. The aerosol which gives climate and environmental information is accumulated on the surface of ice sheet. In order to elucidate the climate and environmental changes, it is necessary to find the changes in concentration, composition, and isotope ratio of impurities in accumulated particles after the deposition on the snow surface. This study revealed that the global climate and environmental changes have occurred on various time scales in the past million years. The characteristics of aerosol particles deposited on the Antarctic ice sheet are investigated. Furthermore, the history of solar activity and associated geomagnetic fields is clarified by analyzing the cosmogenic nuclides in ice cores. An interdisciplinary study on ice cores is also carried out to elucidate the evolution mechanisms of microorganisms in the ice cores.
著者
鈴木 元子 スズキ モトコ Motoko SUZUKI
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.5, pp.31-39, 2005-03-31

エチオピア北部の山奥に独自のユダヤ教を遵守しながら、数千年間にわたって、自らを地球最後のユダヤ人と信じて暮らしてきた「ファラシャ」と呼ばれる黒人ユダヤ教徒たちがいた。 1991年5月、メンギスツ・ハイレ・マリアムの独裁主義政権が崩壊する直前、1万4千人のエチオピア・ユダヤ人をたった25時間で、(35機の飛行機が41回飛行)、イスラエルに空輸する、という大脱出が行われた。「ソロモン作戦」と名づけられたこの大規模かつ短期間の内に実施された帰還(アリヤー)は、いったい誰が交渉をすすめ、またどのように準備され、実行に移されていったのか。これまで「奇跡」という一言ですまされてきたこの歴史的偉業の詳細について研究した。
著者
野田 知子 伊深 祥子 菅野 久実子 石川 勝江
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.92, 2008

<b>はじめに</b> 2008年1月に発覚した「中国製冷凍餃子農薬混入事件」は、日本人に大きな衝撃を与えた。それは中国の問題のみならず、日本の食の在り方が浮き彫りにされた事件であるからである。私たちの毎日の食のあり方、食料生産と日本の農業の問題、食料と環境、消費者の権利と責任など様々な問題が内在している。食生活と消費のあり方を食の現代的課題から学ぶには「中国餃子事件」は適切な教材だと判断し、大学生対象に授業をした。<br><b>目的</b> 1どのような授業を行なうか、学生の認識から出発し、学生の意見を採り入れて編成する方法を探る。2知識だけではなく、意識・行動の変革へつながる学びの方法を検証する。これまでの共同研究*で、「各自が個人として意見をもつこと・批判的な思考を導入すること、グループ討議等で自分の意見を発表し他者との考えをすりあわせること」の3つの方法を授業に取り入れることが有効であることあきらかになっている。その方法を取り入れる。<br><b>方法</b> 「中国餃子事件」を授業の切り口として、「消費」の学習に位置づけて大学生を対象の授業をおこなう。事前事後の学生の記述をもとに学生の意識の変容を探り、授業の有効性を検討する。授業展開 対象は社会福祉学部の「家政学」受講生3年生68名。<br>1.中国餃子事件に関して、自分の認識を明らかにし、他の人の意見を知る(自分の意見を書いてから小グループで意見交換後発表)。<br>2.事件の概要を知るため、VTR「食のチャイナショック」(『ガイアの夜明け』2008年3月18日)を見る。感想・思ったことを書く。<br>3.何が問題か、何を学ぶ必要があるか、話し合う。<br>4.学習内容の提示 学生の意見を基に授業者の意見も加えて提示。<br>(1)価格のもつ意味-値段には理由がある (2)表示の見方-ジャム2種の食べ比べから (3)日本の食料事情 (4)食の安全性(「食料の価格は社会情勢・気候などにより変動する」ことを知る、に変更)(5)消費者の権利と責任-ロールフ゜レー「エコ買い」(6)食と環境-フート゛マイレーシ゛買い物ゲーム(輸送機関によるCO2排出量換算データ付カード使用)(7)公正貿易(チョコレートのフェアトレード)(8)世界的視野から日本の食の現状を見る (9)地元産小麦で餃子をつくる。<br><b>結果</b> _I_.「中国の問題」という授業前の意識が「日本の問題である」という意識に変わった。_II_.「他人の責任」という意識が「自分の問題」として捉えるようになった。<br> 授業前は、「中国の生産・衛生管理の不備」「中国人の食に対する意識の低さ」「中国の事実隠蔽体質」など「中国の問題」の記述が一番多く、次いで「輸入管理体制の不備」「外国の生産管理体制の把握に責任を負っていない企業」「事件発生後の企業の対応のまずさ」など輸入管理体制や企業の問題に関する記述が多かった。<br> 授業後の「授業を受けた現在、何が問題か」の問に対する記述を、記述数の多い順に次に示す。1日本の自給率の低さが問題・自給率を上げるべき 2日本人が輸入食品に頼りすぎている 3消費者の食に対する意識が低かった 4業の責任感のなさ・管理の甘さ 5企業が利益ばかりを追求しすぎる 6食に対して見分けられる目・安全の判断のできる目を養い選ばなくてはいけない 7環境に対して関心を持つ必要がある 8自給率が低いのは日本の農業政策が問題等の記述があった。<br> 食生活や消費のあり方など、意識・行動の変容が問われる授業では、視野を広め、物事を多面的に考えられるようになることが必要である。その為の授業方法として、学ぶ内容に学生が意見を言えること、「自分の意見を表明し他者の意見と摺り合せること」を組み込んだ授業は有効であると言えよう。*「魚の調理から始める循環型社会を志向する授業」「子どもの食生活の現状からどう学びをつくるのか―授業「なぜひとりで食べるの」」など
著者
西尾 久美子
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 = Contemporary society bulletin : 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-14, 2020-03

The main purpose of this research is to contribute to the literature related to management studies and studies on performing arts education by shedding light on the collaboration creation value to customers and performers. The research compares the process of career development for Kyoto Hanamachi and the Takarazuka Revue to illuminate respective characteristics and developmental patterns. The Japanese cases show the process of a century long educational modernization based on Kyoto hanamachi school models for the sake of social advancement of female students and better management of high Takarazuka performance quality. The career path of those cases performers is clearly defined. Personnel training is by a system based on career development. They are members of their developmental networks including customers. As a result, their skills and technique level become clear in their community. In conclusion, the research shows how the result can provide a useful analytical framework for future research in the related field.
著者
坂部 裕美子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.199-202, 2020

<p>宝塚歌劇団から、「虹の橋 渡りつづけて」という過去の在団者および主催公演のデータを完全網羅したアーカイブ本が発行されている。これの「人物編」掲載データのうち、1961年以降の入団者について、デジタルデータ化を行った上で、在団期間や各年次の退団者数の推移を集計した。2014年時点の既退団者の平均在団期間は7.92年だが、在団年数のヒストグラムを描くと最頻値は5である。歌劇団には入団後5~7年頃に退団を考えさせるような各種施策があり、実際にこの時期までに退団する者が多い。また、退団は自己判断で決められるため、各年次別の退団者総数にも多寡がある。この年次推移を見ると、ブームの到来や記念行事の開催といった歌劇団全体の動向が、各々の退団の判断に影響を及ぼしている、と考えられるような数値変動もある。このような、宝塚歌劇団の公演データ分析の、今後のさらなる進展を希望している。</p>
著者
伊藤 宗元 大黒 久子 篠田 孝司 佐藤 桃子 渡部 健次
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.764-770, 1969 (Released:2011-10-19)
参考文献数
10

We observed alteration of the behavior of coagulation factors during menstrual cycle by examination of nine kinds of test every week upon 12 healthy single females. At the same time we examined 5 healthy males in same way as a cotrast.The items of test are platelet count, bleeding time, coagulation time, capillary fragility (negative pressure), clot retraction, prothrombin time, recalcification time, partial thromboplastin time and serum fibrinogen.We obtained the following results;After period, there are definite increase of platelet count, prolongation of bleeding time, slight prolongation of recalcification time and prothrombin time. During period, coagulation time is shortened slightly and clot retraction became stable as 40∼50%. There is temporal decrease of capillary resistence after period, partial thromboplastin time much prolonged in one to two weeks after period. Serum fibrinogen increased slightly after period.The alteration of the behavior of coagulation factors during menstmal cycle are supposed to be affected by the age, marriage, delivery, amount of bleeding at period and length of menstrual cycle, because of which we should interpret results in consideration of the alteration during menstrual cycle in laboratory study.
著者
Yuto SANO Kanae SEKI Kenjirou MIYOSHI Toshikazu SAKAI Tsuyoshi KADOSAWA Kazuya MATSUDA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.20-0518, (Released:2021-04-05)
被引用文献数
2

Mediastinal masses in dogs were diagnosed as basaloid carcinoma associated with multiple thymic cysts (MTCs). The masses were composed of MTCs and proliferating intracystic neoplastic basaloid cells, which immunohistochemically diffusely expressed p63 and cytokeratin 19. A gradual transition from the basal cell layers lining the cysts walls to the neoplastic cells was seen, and it was indicated that the neoplastic cells had originated from the basal cell layers of the cysts. To the best of our knowledge, this is the first report of basaloid carcinoma occurring in the mediastinal cavity in dogs. Although these tumors were demonstrated to be rare origins, basaloid carcinoma should be included in the differential diagnoses for canine mediastinal tumors.
著者
徳田 幸雄
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

当該年度は、一般に「回心」という語で括られる宗教的な新生あるいは再生の体験、具体的にはタウバ(イスラーム)とコンバージョン(キリスト教)、廻心(仏教)を、それぞれクルアーン、聖書(ヘブライ語旧約聖書、ギリシャ語新約聖書、ラテン語訳聖書)、『浄土真宗聖典』に基づいて比較考察し、そこに宗教の相互理解に資するような共通構造を取り出すことに取り組んだ。結論を先取りして言えば、その共通構造とは、人(自力)の転換と神(他力)の転換とが同時に成り立ち、そこにおいて人(自力)と神(他力)とが相互に回帰し、両者が逆説的に接するという構造である。これを明らかにするために、アラビア語のタウバと英語のコンバージョンの共通の語源であるヘブライ語のシューブやギリシャ語のエピストレフォーにまで遡って考究した。およそ一千か所にも及ぶ膨大な参照個所をふまえつつ、先の共通構造を浮き彫りにさせたことは、これらがいずれも各宗教の核心部分を構成するがゆえに、宗教一般を理解するうえでも大きな意義をもつ。とりわけ、宗教をもっぱら人間側の現象としてのみ捉えることの限界を示唆したことは、従来の宗教研究のあり方に一石を投じることになろう。なおこの研究成果は、『東北宗教学』第6号に掲載予定の論文「イスラームにおけるタウバとキリスト教におけるコンバージョン、そして仏教における廻心-各聖典を中心とする比較考察-」において発表することになっている。