著者
大野 寿子 石田 仁志 河地 修 木村 一 千艘 秋男 高橋 吉文 竹原 威滋 中山 尚夫 野呂 香 溝井 裕一 山田 山田 山本 まり子 渡辺 学 早川 芳枝 藤澤 紫 池原 陽斉 松岡 芳恵
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

「異界」を、「死後世界」および「時間的空間的に異なった領域」をも指し示す、古来より現代に至る人間の精神生活の「影」、「裏」、「奥」に存在しうる空間領域と定義し、その射程をクロスジャンル的に比較考察した。文字テクストのみならず、音楽・図像における「異界」表現、精神生活内の「異空間」としての「異界」、仮想空間、コミュニケーション上の他者としての「異界」等、「異界」という語と定義の広がりとその広義の「異界」に潜む、何でも「異界」にしてしまう現代日本語の危険性を考察した
著者
古在 由秀 黒田 和明 藤本 眞克 坪野 公夫 中村 卓史 神田 展行 齊藤 芳男
出版者
国立天文台
雑誌
創成的基礎研究費
巻号頁・発行日
1995

人類がまだ果たしていない重力波検出を実現して「重力波天文学」を創成するためには、巨大なレーザー干渉計を長時間安定にかつ超高感度で動かす技術を開発する必要がある。本研究では基線長300mの高感度レーザー干渉計(TAMA300)を開発・製作し観測運転を試み、(1)世界の同様な干渉計計画に先駆けてTAMA300の運転開始(1999年夏)、(2)世界最高感度の更新(2000年夏)、(3)50日間で1000時間以上の観測データ取得(2001年夏)、(4)リサイクリング動作の成功(2002年1月)など、着々と感度と安定度を向上させ、重力波観測装置としての成熟を示す成果を挙げた。さらに干渉計の建設過程で行われた要素技術の開発研究でも、(5)単一周波数連続10W発振の高出力・超高安定レーザー実現、(6)広い面で均一で低損失な超高性能ミラーの評価法の確立とミラーの実現、(7)リサイクリングを適用した干渉計の新しい制御方式の発明と実験的証明、(8)位相変調光を透過する光共振器での付加雑音の原因究明と抑制、(9)波面検出法による長基線光共振器の光軸制御の実現、(10)光共振器の基線長の絶対値計測法の考案・実測と地球物理学への応用可能性示唆、(11)プロトタイプ干渉計を用いたリサイクリング動作の世界初の実証など、世界初や世界最高レベルの独創的で発展性のある成果がいくつも生まれた。本研究をさらに発展させるべく平成14年度より特定領域研究(重力波の新展開)が始まり、TAMA300のさらなる感度と安定度向上を図りながら、外国で動き出す巨大レーザー干渉計との同時観測によって銀河系周辺で発生する重力波の探査観測を行う計画である。
著者
西 恭宏 今井崎 太一 長岡 英一
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

食品の硬さなどの物性を示すテクスチャーは、飲み込みやすさと関連し、かたさ応力や凝集性が上がるにつれて飲み込みにくさを示した。しかし、テクスチャーの小さな変化では、嚥下時の筋活動は影響を受けなかった。テクスチャーのかたさ応力や凝集性の値が十分に大きい食品の場合には、無歯顎者の咀嚼自由嚥下時の筋活動は大きくなり、強い舌圧を長く生じ、義歯の人工歯列がある方が筋活動が大きく速く生じた。
著者
東 達也 西井 龍一 加川 信也 大桃 義朗
出版者
滋賀県立成人病センター(研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

1)MeAIBの18F標識体である[18F]NMeFAMPの合成は、収率約20%、合成時間約90分、放射化学的純度99.9%以上で順調だったが、品質検定、急性毒性試験等までは行えていない。2)従来法であるオンカラム加水分解法に比し、我々の導入したtwo-pot蒸留法やone-pot蒸留法を用いた新しい固相抽出技術による18F標識体FACE合成法は高品位で安価で簡便な合成法として高い評価を得た。倫理委員会承認後、健常ボランティアおよび担癌患者で実施し、肝腫瘍患者でのFDGとFACEを併用したPET検査の結果は日本核医学会の英文誌Annals of Nuclear Medicineに掲載された。
著者
木庭 康樹
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、21世紀の新たな教育文化の創造に向けて、まず、身体彫刻やボディアート,スポーツ映像や身体文学、伝統舞踊などの身体表現に見られる感性教育的効果を考察し、それらの身体文化が学習者の感情表現を豊かにするだけでなく、生活世界におけるポジティブな身体認識にも寄与することが明らかとなった。また、現在最もポピュラーな身体運動文化であるスポーツについては、スポーツ運動とスポーツ行為の区別およびスポーツ文化の教材化の方法について、それらの全体像を提示することができた。
著者
大迫 一史
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

マアジ鱗ゼラチンから高い物性を有する可食性フィルムを調製する方法について検討した。マアジ鱗から抽出温度および抽出時間を変えて得られたゼラチン溶液に可塑剤としてグリセロールを添加して,これを一定の湿度および温度下で乾燥させることによりフィルムを調製した。70℃で1時間抽出したものが歩留まりが高く(2.5%),また,それから調製したフィルムが最も高い引っ張り強度と引っ張り伸び率を示した。また,フィルムの物性はゼラチン溶液の乾燥温度にも影響され,低温で乾燥させたものの方が,高温で乾燥させたものよりも高い物性を示した。これら物性の違いは,ゼラチン中のα-ヘリックスの含量に依存することが推察された。
著者
佐村 敏治 西村 治彦 成枝 秀介
出版者
明石工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

現在、スマートフォンの利用者は年々増加しており、それに伴い不正利用や情報漏洩の危険性も増大しつつある。本研究ではスマートフォンを対象としたPIN (Personal Identification Number)入力及びフリック入力時のタッチスクリーンバイオメトリクスを扱う。スマートフォンを対象とすることにより、従来のキーストローク認証では得られなかったタッチスクリーンからの情報を利用した新たな特徴量の導入が可能となる。本研究では、スマートフォンでのPIN入力及びフリック入力のデータを収集、分析した実証実験を通して個人識別の有効性を示した。
著者
米田 忠弘 道祖尾 恭之 高岡 毅
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

分子の組織化とそれによる機能創製の土台となる表面の設計と計測・物性制御が目標とし、特に分子スピンと分子電流の相互作用の学理探求と、その応用展開を目指し研究を行った。成果として、磁性分子における単一スピン物性評価手法として、近藤共鳴を用いた検出手法を開発、脱水素化による2層ポルフィリン・テルビウム錯体を用いた単一分子磁石特性のON/OFFに成功し、また銅コロール分子のスピンの空間分布を可視化した。原子レベルで磁気特性を測定可能なスピン偏極走査トンネル顕微鏡(SP-STM)の手法を開発、ナノ磁性材料に関する最も重要な特性である磁気異方性エネルギー(MAE)をナノ構造と同時に可視化・測定に成功した。
著者
佐藤 滋
出版者
東北学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

1920 年アイルランド統治法の施行によって、北アイルランド政府・議会は独自の立法権限、財政権限などを獲得し、イギリスは実態として「連邦制国家」となった。法施行直後は、これを機能させようとした勢力もいたが、第二次世界大戦を経て、1920 年法は形骸化するに至る。本研究は、この間の経緯を、財政権限委譲論議を中心に分析することで、イギリスおよびイギリス帝国における統合と分離の力学を明らかにする。
著者
福島 E.文彦
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

世界で最も地雷の埋設量と種類が多いとされているアンゴラ共和国において、現地機関の協力の下でフィールド調査を実施し、地雷や金属片の埋設深さ、姿勢、種類や隣接状態等の観測、およびロボットシステムに搭載された金属探知機を用いた高精度空間位置・姿勢制御された自動操作による信号収集と信号解析を行った。本海外学術調査により、電磁誘導方式地雷センサ(いわゆる金属探知機)による地雷と金属片の判別技術の研究開発を推進することにより、人道的な観点からの地雷探知除去作業の効率向上の可能性を示した。
著者
上野 修一
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

直交半直線交差グラフ(平面上の水平あるいは垂直な半直線の集合を点集合とする交差グラフ)の理論を発展させました.この理論に基づいて,次世代集積回路の革新的な技術として注目を集めているナノ回路の耐故障設計において重要な役割を果たす「直交半直線交差グラフの部分グラフ同型問題」とその特別な場合である「直交半直線交差グラフの均衡完全2部部分グラフ問題」に関するアルゴリズムを発展させました.すなわち,直交半直線交差木に対して前者を解く従来よりも高速なアルゴリズムを提案すると共に,直交半直線交差グラフの特別な場合である2部置換グラフに対して後者を解く従来よりも高速なアルゴリズムを提案しています.
著者
湯浦 克彦 石川 博
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

高度IT人材の活躍、成長過程などと、その人材像の持つスキルの育成に関連する授業や課外活動の関係を、共通キャリアスキルフレームワークというIT分野の標準化知識体系に基づいて収納した知識ベースシステムを、ITpost(IT Professionals Guidepost)と名付けて開発した。情報系学生に公開し感想を回収したところ、過半数の学生から将来目標の設定や履修科目の選択に役立つという評価を得た。また、ITPostの将来的な普及に必要となる、対話型演習支援機能、行動特性評価方法および知識ベース構築技術に関して試作評価を行った。
著者
日比谷 紀之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、深層海洋大循環モデルを構築する上で不可欠な情報でありながら、観測の困難さもあり、未解明なまま残されてきた海底地形の凹凸から上方に広がる乱流ホットスポットに注目し、その鉛直構造を理論的および観測的に調べた。特に、海底地形の凹凸から上方に伝播していく内部波と深海の平衡内部波場との非線形相互干渉に関するアイコナル・シミュレーションを通じて、超深海乱流強度が、海底地形の凹凸の卓越波数、海底地形の高さ、潮流の強さ、密度成層などの物理量とどのように関連しているのかを力学的に明らかにし、海底地形の凹凸上で実際に観測された乱流混合強度の鉛直分布を定性的に再現することができた。
著者
赤木 將男
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

トレッドミルを用いてC57/BL6マウスおよびつくば高血圧マウス(THM)を強制走行させた。走行開始後2、4、6、8週にて左膝関節を摘出し組織学的に評価した。THMのOAスコアは4週以降有意に高く、8週後にはOAマーカー発現の有意な亢進が認められた。また、THMではRASコンポーネントであるアンギオテンシンII1型受容体(AT1R)、AT2R、ACE、アンギオテンシノーゲンの発現が認められ、AT1R、AT2Rは走行開始後経時的な発現亢進が認められた。RAS系の亢進しているTHMは運動負荷によるOAを発症しやすく、OAの発症と進展には局所RASが関与していることが示唆された。
著者
関 実 山田 真澄
出版者
千葉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

マイクロ流体工学技術を駆使することで,複数種の細胞の位置を正確に制御しつつ,異方的なハイドロゲル材料に導入する技術開発を目指した。主に肝組織をターゲットとし,個別の単位材料を複合化することで,潅流培養可能な機能的組織を作製した。また同時に,細胞選抜技術,細胞外基質の加工技術などの周辺技術の開発を行い,3次元生体組織構築における基盤技術の確立を目指して研究開発を行った。
著者
望月 雅光 関田 一彦 山﨑 めぐみ 金子 徹哉
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

国内の大学を対象にeポートフォリオの利用状況を調査した。また、学内のシステムの利用状況を調査すると、授業に深く関連づけたキャリアポートフォリオは、年間を通して利用されているが、その結果を踏まえつつ、eポートフォリオの大学での活用促進方法について研究を行った。教職履修カルテの必要な資質能力について5段階による自己評価を例にして、アドバイザーの支援環境のための自己評価の検証方法について研究を行った。履修科目のシラバスの到達目標と同指標を紐付けることにより、成績と自己評価を対比させることで自己評価の検証を半自動的した。また学習ポートフォリオから自動生成する教職履修カルテの精度も検証した。
著者
深澤 太郎
出版者
高知大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

Tumor Necrosis Factor-α(TNF-α)/RelAダブルノックアウト(TA-KO)マウスは出生後自己免疫様病態を呈し生後3週までに致死となる。このTA-KOマウスでは、胸腺においては制御性T細胞(Treg)分画を認めるが、脾臓・末梢血中でのTreg分画は痕跡程度の非常に微弱なものとなっており、我々はこれまでにこの表現型は胸腺からの成熟Tregの流出不全に因ること、またこの流出不全はTreg側ではなく胸腺環境側の細胞でのRelA欠損に因ることを見出した。これより成熟Tregの流出が胸腺環境側に制御されていると考え、この流出に関与する胸腺環境側機構の解析を行った。本研究では、胸腺からのT細胞の流出に関わることが既知であるSphingosine-1-phosphate に対する走化性はTA-KO Tregにおいても正常であることを見出した。次に、胸腺環境側のどの細胞種がTreg流出におけるRelA依存性を示すのか絞込むため、デオキシグアノシン処理TA-KO胎児胸腺の、ヌードマウス腎皮膜下への移植を行った。このマウスではTregの流出不全は再現されなかったことから、RelA依存性を示す細胞種は胸腺ストロマのうちの胸腺上皮以外の細胞種であることがわかった。そこでTA-KO胸腺ストロマを(1)胸腺上皮細胞と(2)その他の細胞とに分け発現遺伝子プロファイルを作成したところ、TA-KO胸腺では(2)において形質細胞様樹状細胞(pDC)に特徴的な遺伝子群の発現低下が見られ、実際にTA-KO胸腺ではpDC分画の著しい減少が観察された。TA-KO胎児肝移植による血球系キメラマウスでは胸腺Treg流出は観察されるが、このとき胸腺pDC分画も認められることから、現時点ではTreg流出不全とpDC不在は相関しており、pDCがこの過程に関わる可能性を考えている。
著者
塩谷 光彦
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、炭素やケイ素を鋳型とし、パーメタレーションにより金属多核クラスターを構築することを目指した。具体的には、炭素一原子を鋳型とする金属クラスター合成、およびベンゼン環をコアとする金(I)多核錯体合成を行った。その結果、N-ヘテロ環状カルベンを外部配位子とする炭素中心型金(I) 6核錯体の合成法、およびジフェニルメチルホスフィンを外部配位子とするベンゼン環の隣合う二つの炭素に金(I)イオンが結合した2核錯体の合成法を確立した。前者の合成研究において、6個の金(I)のうちいくつかが銀(I)や銅(I)イオンと交換し、ヘテロ金属クラスターを与えることを見いだした。
著者
村田 潤
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

若年者と高齢者の手指感覚識別時の手指循環動態,および手指感覚閾値を測定し,加齢による手指循環調節能と手指感覚機能変化について検討した.その結果,手指の感覚情報処理にともなう手指血流量変動量が加齢により減少することを明らかにした.さらに,この手指血流変動の応答は感覚機能減弱にも関連していた.また,手指体積変動により手指感覚閾値が影響を受けることが判明したことから,感覚識別時の手指循環変動は手指体積変化に反映し,皮膚物性値に作用して体性感覚感度を変調させていることが示唆された.
著者
加藤 美保子
出版者
北海道大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

2006年以降、ロシアは政治・経済関係を多角化することによって、中国中心のアジア戦略から「太平洋のロシア」戦略へ移行しつつある。本研究は、米国のアジア・シフトと中国による南シナ海や北極海への進出によるサブリージョン・レベルの緊張の高まりによって、ロシアの地政学的関心が大陸から沿岸・海洋へ拡大しつつあると同時に、日本やベトナムなどの地域諸国がロシアの戦略的価値を再認識している点も指摘した。