著者
堀 智彰 木下 奏 小林 映里奈 村尾 真由子 渡邉 朋子 兼松 泰文 辻 慶太 宇陀 則彦
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.189-196, 2014
被引用文献数
2

「知の探検法」は文献の調べ方を中心とした情報リテラシーの授業である。平成24年度から文献探索に対する理解・目的意識の向上を目的として「文献探索ゲーム」を実施している。文献探索ゲームはゲーム形式で文献探索を行うことで文献探索に目的意識を持たせ、基本手順について学ぶことを目的としている。本稿では平成25年度に実施した文献探索ゲームの評価実験について報告する。評価実験では学生の文献探索に関する知識構造の変化を計るため、コンセプトマップを用いた。分析の結果、文献探索ゲームの前後で学生の知識構造が変化しており、文献探索に対する理解が深まっていることが明らかになった。
著者
西森 哲也
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.22-33, 2015

<p>海外,特にアメリカの大学図書館では情報リテラシー教育にゲームの手法を用いる事例が数多く見られる。その背景として,図書館におけるゲームの普及と,教育とゲームを結び付ける研究と実践の蓄積が挙げられる。加えて,従来の講義形式にとどまらない,能動的な教育手法が求められていることが大きく影響している。ゲームの手法は作成に一定の技術を要するなどの問題点があるが,日本の大学図書館における情報リテラシー教育にも応用できる可能性がある。</p>
著者
川端 博子 松本 あゆみ 吉澤 知佐
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.139-146, 2007
参考文献数
7

セミフレアスカートにおける裏地の効果について,着用評価とスカートの裾線形状から追究した.3種の裏地(キュプラ,差別化ポリエステル,ポリエステル一般裏地)に,2種の異なるパターン(スカートと同型でフレア状に裁断したものと脇スリット入りのストレートな形状のもの)を組み合わせた6枚のスカートについてテストした.13人の女子学生が着用評価を行った結果,フレア形状の裏地をつけたスカートは快適と感じられ,中でも動作性に優れていた.また,キュプラ裏地のものは肌ざわりにおいて他より優れていた.動作分析法により,マネキンに着せたスカートの裾線の形状を静的・動的状態で観察した.静的状態においてフレア形状の裏地のスカートの裾面積は大きく,かつ裾線形状は左右対称であった.スカートの動きの観察から,フレア形状の裏地のスカートは裾面積および裾の移動距離が大きかった.また,フレア形状の裏地のスカートでは表地と裏地の間隙が少なく,一体となって動く様子が捉えられておりこのことも動作性を高める要因と考えられる.キュプラ裏地のものは裾面積が小さく広がりの少ない形状を呈したが,もっとも移動量が多く躍動感のある動きを示していた.このことは裏地のかたさと動的振動係数とかかわると推察される.これらのことから,スカートの快適性と形状は裏地のパターンと種類の両方から影響を受けることが明らかとなった.

2 0 0 0 冥加訓 5巻

著者
関一樂[著]
出版者
西村市郎右衛門
巻号頁・発行日
1724
著者
フィチーノ マルシリオ 野村 昌章
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷哲学論集 (ISSN:09176284)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.101-124, 2005-01-31
著者
佐藤 浩一 中里 拓也
出版者
The Japanese Society for Cognitive Psychology
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-11, 2012
被引用文献数
2

本研究では口頭説明の場面を設定し,被説明者(聞き手)が自由に質問や確認をできるという状況のもとで,説明者は実験者から提示された幾何学図形の形状を口頭で被説明者に伝え,被説明者はその説明に基づいて図形を描いた.説明者(話し手)の説明経験(現職教員,教育実習経験済みの大学4年生,教育実習未経験の大学1年生)により説明の伝わりやすさが変わるか,正しく伝わった説明とそうでない説明にはどのような違いがあるかを検討した.その結果,多くの説明経験を有する説明者のほうが適切な説明をし,被説明者は正しく描画ができた.正しく伝わった説明ではそうでない説明に比べると,説明者による描画指示,メタ説明,状況確認が多く,被説明者による自己状況報告,「はい」が多かった.教員は大学生に比べると,メタ説明を多用した.口頭説明における説明者と被説明者の発話の機能が論じられた.
著者
野呂 幾久子 邑本 俊亮 山岡 章浩
出版者
The Japanese Society for Cognitive Psychology
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.81-93, 2012

本研究は,IC口頭説明場面における患者の理解,情緒,意思決定に,医師の説明表現のわかりやすさと態度のあたたかさがどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的に行った.その中で年齢との関連についても検討した.髄液検査のIC口頭説明場面について,説明表現2種類(わかりにくい/わかりやすい),態度2種類(冷たい/あたたかい)を組み合わせ,4種類のビデオを作成した.そのいずれか一つを642名の健康な協力者(若年層237名,中年層200名,高年層205名)に見せ,理解度や評価を調べた.その結果,1) 患者の情緒は医師の態度から影響を受け,態度があたたかいと評価が上昇するが,説明表現からも影響を受けており,説明表現がわかりやすいと安心感や満足度が高まった,2) 患者の理解は医師の説明表現のわかりやすさによって影響を受けるが,態度も関係しており,説明表現がわかりにくいうえに態度が冷たいと理解度が低下した,3) 意思決定に及ぼす説明表現や態度の影響は患者の年齢層によって異なり,若年層は説明表現のわかりやすさが,中高年層では態度のあたたかさがより大きな影響を与えていた,4) 年齢による差は理解や情緒にも見られ,若年層は説明表現に,中高年層は態度により大きな影響を受ける傾向が見られた,などの結果を報告した.ここから,ICにおける医師の口頭説明には,説明表現のわかりやすさと態度のあたたかさがともに重要であると考えられた.
著者
茂住 和世 モズミ カズヨ Kazuyo Mozumi
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.63-69, 2006-02-20

日本人大学生に、就職模擬面接というフォーマルな場面で彼らが過去に参加したプロジェクトについての説明を求めた。それを録音したものを書き起こし、その話し方のわかりにくい部分を抽出し、それらを言語的要因ごとに分析した。その結果、聞き手の理解を妨げる要因は19項目見つかり、それらは大きく、語彙・文法・表現・内容という4つのグループに分けられた。これらのわかりにくさの諸相の背景には、話すことが音声による情報伝達であること、及び、聞き手が知らない内容についてわかりやすく説明することの難しさがあると思われる。このように明らかになった彼らの話し方の問題点は、就職活動を控えた学生たちの話し方の訓練のために有用な情報であると言えよう。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, pp.54-57, 2011-06-21

ある会社のスポーツサークルに入っている部員にアンケートを取ったところ、以下の結果が得られました。 「野球が得意な部員はバスケットボールが好きである。テニスが得意な部員は卓球が好きで、かつ野球が得意である。バスケットボールが好きな部員はサッカーが得意である」以上の結果から言えることは、次のうちどれですか。 野球が得意な部員は卓球が好きである。
著者
樋口 正信 有川 智己
出版者
日本蘚苔類学会
雑誌
蘚苔類研究 (ISSN:13430254)
巻号頁・発行日
vol.8, no.12, pp.400-401, 2005-07
参考文献数
5
被引用文献数
3
著者
竹内 亮
出版者
奈良大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、長門国に置かれた古代日本の官営銭貨鋳造組織である鋳銭司を主たる研究対象とし、その実態や他の生産組織との比較を文献史学と考古学の双方の視点から研究することにより、古代日本における官営工房の運営システムの解明を目指した。その結果、長門鋳銭司では他の古代官営工房(飛鳥池工房、長登銅山)と同様の工人管理システムが採用されており、このシステムが古代日本の官営工房で一般的であったことが明らかになった。
著者
吉村 エリ
出版者
神戸女学院大学
雑誌
女性学評論 (ISSN:09136630)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.147-162, 2011-03

George Eliot was a woman writer active in the Victorian period when women writers were not favorably accepted. So Eliot masked herself as a male in order to become a novelist. The Mill on the Floss is often regarded as an autobiographical novel in which readers can appreciate something of Eliot's own experience through its heroine, Maggie Tulliver. Many critics have pointed out that Maggie finally returns to "the past represented by her brother Tom because Tom symbolizes the patriarchal system. However, feminist criticism insists that Maggie takes "unconscious" revenge on Tom at the end of the narrative, through causing their accidental deaths by drowning. The purpose of this paper is to show that this novel can be read as Maggie's rebellion against Victorian society by comparing Maggie with the idealized images of Victorian womanhood. First, I examine how Maggie satisfies her thirst for knowledge which was restricted for women through her relationship with Philip Wakem. Second, I analyze Maggie's defiance toward puritanical aspirations such as innocence and the repression of sexual passion. Maggie expresses her sexual passion when she falls in love with Stephen Guest, the fiance of her cousin Lucy, and she is labeled a "fallen woman" due to her escapade with Stephen. Third, I discuss Maggie's refusal to marry even though marriage was considered the safest way for women to choose at that time. Stephen proposes to Maggie on their escapade, but she rejects him searching instead for a life of independence. In the last chapter, Maggie received the letter from Stephen who still cannot give up marrying her and again she suffers ,In the middle of her suffering, she is killed by the sudden flood. This conclusion implies that she struggles with Victorian convention to the end. The Mill on the Floss can be read as the novel which Eliot offers a challenge to the ideal images of Victorian woman through the extraordinary behaviour of the heroine,Maggie Tulliver.
著者
松田 泰治 大塚 久哲 池田 征司 宇野 州彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.801, pp.801_51-801_68, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
15

1999年に発生した台湾集集地震により, 我国では例の無い送電鉄塔の地震被害が発生した. 本研究では, まず超高圧送電鉄塔に関する最新の被害調査結果をまとめた. 次に, 架渉線-連成系の影響を簡易に考慮した鉄塔の単体モデルを提案した. 更に, 台湾で最大の345kV鉄塔で唯一完全倒壊した#203鉄塔が片継脚鉄塔であることに着目し, 地震時の振動により倒壊した可能性を解析的に検討した. その結果, 付近で観測された地震波を入力した場合, #203鉄塔は脚部に全体座屈が発生する可能性が高いとの知見が得られた. 最後に, #203鉄塔の復旧時において基礎形式がつなぎばり基礎に変更されたことを受けて, 基礎の不同沈下時の鉄塔の耐震性向上策として, つなぎばり基礎の有効性を示した.
著者
太田 珠代 妹尾 翼 布野 優香 加藤 勇輝 江草 典政
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101461, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 我々は,島根県内でのスポーツ傷害の予防や外傷からの復帰の積極的支援を目的として,島根大学医学部整形外科学教室と近隣の病院・養成校が協力し島根スポーツ医学&リハビリテーション研究会を組織した.その活動の一環として,2012年夏季に島根県隠岐の島町の中学生に対してスポーツ傷害の予防,成長期障害の早期発見のため運動器検診を行った.スポーツ傷害の原因として,overuse,柔軟性の低下,過負荷,アライメント・パフォーマンス不良,低栄養等が報告されている.運動器検診を通して,成長期スポーツ傷害の実態,スポーツ障害と関節柔軟性の低下との関連を明らかにし,今後の継続した支援に向けて様々な視点から検討したので以下に報告する.【方法】 島根県隠岐の島町の4中学校の1~2年生240名(男子:112名,女子:128名)に対して,関節可動域(ROM),柔軟性の指標として,股関節外旋(HER)・内旋(HIR),膝屈曲位での足関節背屈(DKF),膝伸展位での足関節背屈(DKE),指床間距離(FFD),下肢伸展拳上(SLR),踵臀部間距離(HBD)を計測した.成長期では大腿骨前捻角の個人差が大きく股関節回旋角度への影響があると考え,HERとHIR合計し孤として可動域を評価した(tHR).また,マークシートを用いた運動器疾患の一次スクリーニングを実施し,運動器疾患の疑いがあると判定された71名について,整形外科医が診察を行い,54名が運動器疾患有りと診断された.この内,急性外傷,側弯症,先天性疾患を除いた31名(男子:19名,女子:12名)をスポーツ障害有り群とし,残りの209名から急性外傷を除いた205名(男子:90名,女子:115名)をスポーツ障害無し群とし柔軟性を比較した.スポーツ障害の部位は上肢7名(男子:4名,女子:3名),下肢20名(男子:12名,女子8名),腰部4名(男子:3名,女子:1名)であり,各部位ごとに障害の有り群と無し群で柔軟性の比較・検討を行った.統計学的検定にてtHRは,正規分布していたためスチューデントのt検定を使用し,その他の項目は正規分布していなかったため,マン・ホイットニーのU検定を用いた.危険率5%未満を統計学的有意差有りとした.【倫理的配慮、説明と同意】 事前に各学校に検診の意義と方法について説明し,同意を得て実施した.なお収集したデータは個人が特定できないよう匿名化した.【結果】 スポーツ障害有り群では右HERが[障害有り/無し] 60.6°/65.1°と有意に低下していた.障害部位別では上肢障害有り群では,右tHRが[障害有り/無し] 105°/123.5°と有意に低下しており,腰部障害有り群では,左HBDが[障害有り/無し] 3.1 cm/0.7 cm,DKFが[障害有り/無し] 17.5°/24.2°と有意に柔軟性が低下していた.下肢障害有り群では,柔軟性に有意差はなかった.他の検査項目では統計学的有意差は認めなかったが,障害有り群で柔軟性が低い傾向があった.【考察】 上肢障害は下肢柔軟性の低下に起因することが知られており,本研究においても上肢障害と股関節内外旋の合計角度が関係している事が示唆された.また,成長期においては股関節外旋・内旋の個々の柔軟性のみではなく,股関節内外旋の合計角度を観察していく事が必要であると考えられる.腰部障害では,足関節の柔軟性,ヒラメ筋,大腿四頭筋のタイトネスが関係している事が示唆された.一方,下肢障害では各測定項目との関連が見られなかった.これは,下肢障害の発生原因として,柔軟性だけではなく,overuse,アライメント・パフォーマンス不良の影響も大きいためと考えた.今回,各中学校でストレッチの指導を行っており,今後柔軟性の改善とともにスポーツ傷害の発生率が低下するかを明らかにするため,調査を継続していくことが重要である.【理学療法学研究としての意義】 学校単位での運動器に焦点をあてた検診は全国でも少なく,小学生・中学生の成長期におけるスポーツ障害、外傷とROM,柔軟性と因果関係のある因子を見つける事で,早期にスポーツ傷害の予防指導ができ,スポーツ傷害が減り,長期間スポーツに関われる子どもを増やせるのではないかと考えられる.