著者
浅野 泰仁
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,集合知をさらなる発展段階に導くための基盤技術として,(1) 集合知の情報構造を利用してウェブから集合知を補完する手法と,(2) 得られた知識を整理して提示する手法を構築することを目指した.成果は,(1)としては,Wikipediaに不足しているテキスト情報をウェブから取得する手法,Wikipediaに不足している画像情報、特にエンティティ間の関係を説明するものをウェブから取得する方法,などの提案であり,(2)としてはウェブから取得した、エンティティ間の関係を説明するような画像をWikipediaの知識と合わせて提示する方法などの提案である.
著者
糸山 浩 大田 武志 吉岡 礼治
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

2010年度の本課題研究者達の独創的研究を継続し、2d-4d connection(AGT対応)関係でさらに成果をあげた。特にq冪根の場合のparafermion blockの出現に関する考察は著しい。丸と協力して、D termによる超対称性の力学的破れのメカニズムをHartree-Fock近似に基づき確立した。その他に、弦理論における超対称性の破れ、Colored HOMFLY polynomialで成果を挙げた。
著者
曽根 雅紀 田村 拓也 岡澤 均
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、細胞内タンパク質輸送に生じた異常が神経変性・神経変性疾患の発症にいかなる役割を果たすのかを、ショウジョウバエ遺伝学を用いた研究手法によって解析した。われわれが発見したyata遺伝子は、アルツハイマー病の原因分子であるアミロイド前駆体タンパク質の輸送調節に必要とされる。われわれはyata遺伝子およびその関連分子について遺伝学的解析および分子機能解析を行い、細胞内タンパク質輸送異常がいかなる細胞メカニズムの異常を介して神経変性を引き起こすのかを明らかにし、神経変性疾患の治療法開発に結びつく手がかりを得た。
著者
松原 斎樹 石田 正浩 森下 正修 飛田 国人 松原 小夜子 藏澄 美仁 烏雲 巴根 柴田 祥江 白澤 ちあき 池田 佳奈
出版者
京都府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

温暖化対策には技術面だけでなく,人々の環境配慮意識・行動を促進するアプローチも重要である。本研究ではラジオ放送の涼しい音楽企画と学生祭典が,人々の環境配慮意識や行動を促進する効果について考察することを目的としている。研究の結果,1)当初から環境配慮意識の高い人はこれらの企画に参加することで更に環境配慮意識の向上が見られた。2)環境配慮意識があまり高くない人でも,これらの企画に参加することで環境配慮意識が向上し,環境配慮行動促進に繋がる可能性が示唆された。
著者
村田 順子 田中 智子 藤平 眞紀子
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、高齢者の在宅生活を地域の住民活動がサポートし得るのか、その可能性について検討し、在宅生活を支える地域における生活支援システムの構築について考察することを目的としている。調査対象地域は歴史的街道を有し、住民主体のまちづくり活動を行っている。住民たちはまちづくり活動を通して地域に対する理解や愛着を深め、地域の問題に関心を持ち、問題解決に取り組みたいと考えるようになっている人が多いことから、まちづくり活動が助け合い活動につながる関係構築に寄与しているといえる。
著者
LANGAGER Mark 北原 和夫 吉野 輝雄
出版者
国際基督教大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

シンポジウム、オープンフォーラム、ワークショップを通じて、水と教育に関する専門家のコミュニティが形成された。有効的に教育するための知識と方法に関して、建設的な討論はいまも継続中である。本研究では、水に関する基礎的知識(ウォーターリテラシー)評価ツールを開発し、それは様々な地域で妥当性の検討のために試験的に導入された。その結果、水に関する知識、スキル、そして開発しやすい性質の文化的で環境的に適切な側面は社会全体に認識されたといえる。
著者
鈴木 賢 高見澤 磨 宇田川 幸則 崔 光日 石井 知章 坂口 一成
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

2009年段階で正式に登記された社会組織は43万1069団体(うち社会団体23万7847、民営非企業事業体19 万479、基金会1843)に上るが、これを遙かに上回る未登記の団体が闇で活動しており、不安定な法的状態にある。設立に当たっての業務主管部門での設立許可と民政部門における登記という二重の管理体制を取ることにより、法人格取得へのハードルを高くしていることがその背景にある。結社については「許されていないことは、禁止される」というのが実態であり、憲法の結社の自由規定とは裏腹に「結社禁止」が原則となっている。目下、社会団体法制の整備に向けて議論が続いているが、いかに社会団体の活性化を図りつつ、他方でその反体制化を避けるべく上からの政治的統制も緩めないという二律背反を具体的な制度に表現するかは容易な課題ではない。厳しい法制環境、共産党組織による統制のなかでもすでに民間団体は、市場経済化のなかで多元化しつつある利益の調整機能、社会の自律調整機能、行政には困難なサービス提供機能、ある種の政治的「参加」機能、社会的公益機能を果たすことによって、政治の民主化を欠く中国で一種の緊張放散的効果をもたらしている。
著者
八月朔日 泰和 後藤 薫 渡辺 雅彦
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

野生型に比してDGKβ欠失マウスの線条体投射ニューロンの棘突起数が減少していることが明らかとなった。また、DGKβとAMPA型グルタミン酸受容体のサブユニットであるGluR2の結合が見出された。DGKεについてはDGKεが小脳プルキンエ細胞樹状突起に発現すること、またsubsurface cisterns内に局在することが明らかとなった。内分泌細胞については、ラット副腎にはmRNAレベルでDGKβおよびDGKεの発現が認められたが、DGKβは蛋白レベルでは副腎には発現していないと考えられた。一方DGKεは、副腎皮質球状帯細胞の形質膜に局在する可能性が明らかになった。
著者
箕越 靖彦 岡本 士毅 志内 哲也
出版者
生理学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

摂食行動の発現・調節機構を理解するためには、摂食に関わる神経回路網を明らかにするだけでなく、生体のエネルギーレベルを脳がどのように感受し、その情報を神経活動および摂食行動にどう変換するかを解明する必要がある。我々は、本研究において、室傍核CRHニューロンのAMPKが、絶食後の高炭水化物食と高脂肪食の食物選択行動を調節することをマウスを用いて見出した。室傍核CRHニューロンのAMPKが活性化することは、高炭水化物食の選択行動を引き起こす必要かつ十分であった。この実験結果は、生理学的、病態生理学的な食物選択行動の調節に室傍核CRHニューロンのAMPKが関与することを示す重要な発見である。
著者
西田 隆義
出版者
滋賀県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

食植性昆虫であるマダラテントウ類の3種、ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、ヤマトアザミテントウについて、野外分布調査と繁殖干渉についての室内実験を行った。同じ寄主植物を利用するニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウの分布境界は、年平均気温の上昇にもかかわらず滋賀県では過去と比較してほとんど移動しておらず、両種間には繁殖干渉があることが分かった。異なる寄主植物を利用するオオニジュウヤホシとヤマトアザミの間にも強い繁殖干渉が生じていた。いずれの現象も繁殖干渉により合理的に説明可能であった。
著者
赤津 裕康
出版者
医療法人さわらび会福祉村病院長寿医学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アンギオテンシン変換酵素(ACE)がAβ1-42を1-40に切断する事をヒト、マウスで明らかにした。ACEには遺伝子多型(Isoleucine; I/Aspartic acid; D)が存在しI typeが発症リスクとされている。神経病理診断を行った488例でACE I/D多型とAlzheimer病(AD)との関連を検討した。165例がADと診断されACE多型はAD群DD 25(15%)/ID 73(44%)/II 67(41%)に対しnon AD 群がDD 42(13%)/ID 141(44%)/II 140(43%)となりカイ二乗検定では統計的有意差はなかった。
著者
神田 和幸 原 大介 木村 勉 片岡 由美子
出版者
中京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

平成16年度:国内外の公的広報資料収集と統計資料整理、既成資料の調査、各種施設調査を実施。平成17年度:協力要請及び調査打ち合わせをした下記各機関の協力により調査を実施し、各資料を統合的に分析し、提言作成の基礎資料をえた。研究協力機関1. 特定非営利活動法人 手話技能検定協会本部、名古屋支部、大阪支部2. 名古屋身体障害者福祉連合会、名古屋身体障害者情報文化センター3. 名古屋聴覚言語障害者協会調査内容(主として面談調査)1. 現在の福祉・情報サービスへの不満2. 望まれる支援機器、支援システム、支援制度また実験調査遠隔通信による手話通訳サービスの実験を行った。平成18年度:前年度の聴覚障害者側のニード調査に対しサービス側はそれらをどのように受けとめているかを調査した。全国の上場非上場企業8,000社に郵便アンケートのよる企業側の意識を調査した結果、回収率は7%、578社から回答を得た。結果分析概要は(1)障害者雇用促進法の存在は90%が知っていた、実際に聴覚障害者を雇用している企業28%。今後の雇用予定もない企業がほとんどである。社員として雇用していないので、対策も何も採られていない。顧客としての聴覚障害者についても、ほとんど認識がない。客とのトラブルが何もないという回答が93%、聴覚障害者側のニードと大きな差があり、障害者側が一方的に我慢している実態がわかった。緊急時の対応も何もなされておらず、対策もとられていない。これは事故などにおける聴覚障害者の罹災率が高いことが世間に認識されておらず、緊急に改善を要する事柄である。聴覚障害者のニード調査で救急車やパトカーの音の区別ができる装置の希望が多かったが、こうした具体的な機器開発は当該研究グループ(聴覚班)内の会合で情報を交換しており、医療現場でのディスプレイの研究として発表され、また緊急音識別装置への研究へとつながった。
著者
久保田 雅久
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

海上での海洋気象パラメータの日内変動について研究した。研究には海上ブイによる観測データと衛星観測データを使用した。ブイデータに対してDaily mean march dataの作成、調和解析、あるいはスペクトル解析を行い、各観測点におけるいろいろな海上気象パラメータに対して、その振幅の大きさや位相変化を明らかにした。さらには、複数の衛星データを利用して、高時間解像度の海上気象パラメータプロダクトの構築に関する研究を行った。
著者
齊藤 真也
出版者
静岡県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々は皮膚血管では電位依存性Caに対する依存度が他の血管よりも低いため、温度低下に対する耐性が高く、収縮が維持されることを見出した。一方神経損傷モデルラットでは交感神経の損傷に伴い、細胞内Ca排出が減った結果血管の収縮応答性が亢進し、少ない刺激で大きく収縮することが明らかとなった。これらのことを合わせて考えると、神経損傷モデル動物の皮膚血管では弱い収縮刺激を受けて、すでに血管が収縮している状態にあることが示唆された。そこで、血管を拡張させる薬を投与したところ、血流が回復するとともに、痛みに対する感受性が下がった。以上のことから血管を拡張させることが神経因性疼痛治療になりうることを見出した。
著者
前納 弘武 炭谷 晃男 飯田 良明
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

1996年4月1目、東京都小笠原村は新たな歴史の1ページを開くこととなった。これまでテレビ放送と言えば、NHK衛星放送2局しか視聴できなかった小笠原に、民間放送8局の地上波が導入され、東京23区と同じように合計10局のテレビ放送を享受することができるようになったのである。そこで、本研究はテレビ地上波導入をはさんで、「事前調査」と「事後調査」を行い、この2つの結果を比較分析することによって、テレビというマス・メディアが小笠原祉会に与える影響を実証的に明らかにしようとする点にあった。その研究成果については、『メディアの多様化と小笠原社会の変容』と題する調査報告書にとりまとめたが、そのうちの一部のみあげれば、先ず、テレビ視聴時間については、明らかに地上波導入以後の方が長くなるという結果であった。すなわち、事前調査では、2時間以内の視聴が6割程度に達していたが、事後調査では、3時間視聴が23.0%、4時間以上の視聴が29.1%という結果であり、長時間視聴者の増加はまことに顕著であった。しかし小笠原では、新聞の購読が習慣化されていないために、テレビ情報だけでは、これまでの「情報格差」からの脱却は不可能であることを指摘した。また、テレビ視聴時間の増大は、「家族や近隣での会話を少なくする」方向に作用していることが明らかになった。小笠原において、テレビ地上波の導入は人々の会話のチャンスを奪い取るという結果になっていることが判明した。ほかに、テレビの社会的な影響として、小笠原住民が懸念している事柄は、生活様式や思考様式の画一化作用、青少年の非行化作用、風俗や習慣の流動化作用などであった。これらの詳細な分析については、上記「調査報告書」のほか、別途、研究成果として刊行物を予定しているところである。
著者
山崎 泰広
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

肝毛細胆管膜に存在するコレステロールトランスポーター・Abcg5/Abcg8の機能亢進は、コレステロール胆石症を引き起こすと考えられている。我々はこれまでに過栄養状態が肝毛細胆管膜におけるAbcg5/Abcg8の機能、および発現を顕著に増加させることを見出したが、その機構に関しては不明であった。本研究では、過栄養状態がAbcg5/Abcg8のトラフィキング、および機能発現に与える影響について解析した。その結果、肝臓にコレステロールが蓄積した状態では、細胞内小胞に蓄えられたこれらトランスポーターの毛細胆管膜への移行が促進すること、その機構にcAMPシグナルが関与することを明らかにした。
著者
中溝 和弥
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究においては、民主制の下で社会集団間の暴力的対立を解決する条件を探ることを目的とした。手法として、宗教暴動、カースト間対立、階級対立の激しさで知られるインドのビハール州、グジャラート州、アーンドラ・プラデーシュ州の比較分析を行った。その結果、次の三点が明らかになった。第一に、暴力的対立が起こる要因として社会・経済的格差の存在が重要であること、第二に、暴力的対立を克服するために、NGOなどの市民社会のアクターが重要な役割を担っていること、最後に、暴力の克服のためには、市民社会の活動に頼るばかりではなく、暴力的対立を防ぐための制度改革が必要であることである。
著者
谷藤 学 佐藤 多加之 内田 豪 大橋 一徳
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

本研究は、物体像表現の空間構造の解明(課題1)、物体像表現の空間構造と時間構造の統合理解(課題2)、脳における物体像のスパース表現の意味を解明する(課題3)の3課題から成る。そのそれぞれについて以下の進展があった。(課題1)前年の実績報告にある初期視覚野の3次元機能構造の可視化について、さらに、解析に検討を加え、論文として発表した。(課題2)物体像表現の時間構造の理解に関係した課題として、注視課題でトレーニングしたサルから様々な位置に提示した視覚刺激の対する高次視覚野の応答を記録し、視野のどこに提示されるかによって、応答の潜時が異なることを発見した。同様の記録を初期視覚に関連する領域でも行った結果、このような物体像の提示位置による潜時の違いは見られなかった。これらのことから、物体像の提示位置によって、異なる神経回路メカニズムで情報が低次から高次に送られていることが示唆された。この成果は論文として公表された。(課題3)自然画像の断片の中から高次視覚野の物体像応答を説明できる図形特徴を抽出するアルゴリズムについて交差検定など様々な方向から検討を行い、妥当性を明らかにした。研究の過程で大きな問題となったのは神経細胞の応答の試行毎のゆらぎである。一般にゆらぎの影響を除くためには、多くの試行について記録する必要がある。しかし、慣れによって試行を繰り返すと応答が次第に減弱するという問題点がある。我々は試行回数を増やす代わりに、より多くの物体像の応答を計測することで問題の解決をはかることができた。
著者
大久保 達也 下嶋 敦 鳴瀧 彩絵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

我々は以前、50nm以下のサイズ領域で粒子径の制御が可能な単分散球状シリカナノ粒子をグラムオーダーで合成する手法を確立した。この粒子はコロイド分散液として得られ、ボトムアッププロセスによる材料開発における優れたナノビルディングユニット(NBU)となり得る。本研究では、単分散球状シリカナノ粒子のさらに簡便な合成法を開発するとともに、粒子の組成、形状、内部構造などを多様化し、種々のNBUを得ることに成功した。さらに、液相中でNBU間に働く相互作用を制御し、NBUを一次元から三次元の各種次元へと自己集合させる方法を確立した。
著者
柴田 祥一 高丸 尚教 大嶋 晃敏 小島 浩司 土屋 晴文 渡邉 恭子
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,太陽フレア時にイオンがいかにして高エネルギーにまで加速されるかを調べるため,そのイオンが太陽大気中で作る中性子のエネルギー分布や生成量の時間変化を観測することを目的とする.中性子を測るのは,太陽地球間の磁場の影響を受けずに直進してくるので,イオンの加速時の情報を保持しているからである.本科研費では,加速器実験で使用された粒子飛跡検出装置(SciBar)を,上記の目的のための観測装置として改良後,メキシコのシェラネグラ山頂(4600 m)に設置するため,小型試作装置で予備観測を行った.そして,観測結果を計算機シミュレーションと比較・検討し観測システム(SciCRT)を構築・稼働させた.