著者
中山 健二郎 松尾 哲矢
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.79_2, 2018

<p> メディアによる伝達を通じて歴史的に生成されてきた高校野球の「物語」は、人々の高校野球に対する解釈を規定しているとされ、主に神話論的アプローチによって、その構造を捉える試みがなされてきた。しかしながら、高校野球の「物語」は固定的な構造というよりも、種々の力学関係の中で流動的に再生産されているものとみられ、その変動を読み解く研究が求められているといえる。そこで本研究は、朝日放送テレビのドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』を対象として、特に投手を主題化した映像および言説を分析することで、高校野球の「物語」が変動する過程について考察することを目的とした。</p><p> 競技特性上、「物語」の中心として主題化されやすい投手に関して、甲子園大会の戦術は近年、「先発完投型」から「継投型」へとシフトしてきている。分析の結果、『熱闘甲子園』ではこうした戦術の変化によって、投手を描く主題を「精神力」から「友情」へと置き換えていく様相がみられるなど、メディアに具現化される「物語」の変化が看取された。この結果から、高校野球の「物語」が、実践における変化によって変容しつつ構造化される過程の一側面が示唆された。</p>
著者
及川 一摩 物部 浩達 中山 健一 木許 崇寿 土屋 和彦 ハインリッヒ べノア ギヨン ダニエル 清水 洋 横山 正明
出版者
THE JAPANESE LIQUID CRYSTAL SOCIETY
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.223-223, 2006

液晶相、あるいはその異方的な高次の秩序構造を反映した固体結晶相を含有する液晶性半導体は、電子材料として有望と期待される。我々は、カラミティック液晶の液晶相、およびその固体結晶相に着目し、チオフェンをベースとした高移動度液晶系の構築を行っている。今回高いドリフト移動度を示す8-TNAT-8の結晶性薄膜を用いて電界効果トランジスタの試作と測定、そして薄膜の分析を行い、FET特性と薄膜の秩序構造について考察した。
著者
佐々木 順一 北澤 京子 中山 健夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.5, pp.631-635, 2018-05-01 (Released:2018-05-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

This research aimed to clarify the present status and challenges of evidence-based medicine (EBM) education in schools of pharmacy. We sent a questionnaire to 268 faculty members in August 2015, and a total of 192 were completed. The educational contents by respondents differed considerably. Only about 30% of respondents self-assessed the current EBM courses they taught as “fulfilling”. Challenges such as “time deficits”, “lack of exercise lessons and practical training”, “limited awareness and skills of teachers”, “lack of appropriate educational tools”, and “insufficient academic ability of students” were mentioned.
著者
今 法子 藤本 修平 中山 健夫
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.18-24, 2016 (Released:2017-06-23)

医療上の治療方針の決定やその評価の際に、患者の価値観への配慮は不可欠である。診療上で、患者の価値観を尊重して合意を形成する方法に、Informed Consent(IC)とShared decision making(SDM)がある。両者は患者と医療者のコミュニケーションに基づくという点で共通だが、SDMは意思決定過程を共有することが重視される。しかし、両者が混同され、SDMのもつ本来の意義が明確にされていない場合も少なくない。そこで、リハビリテーション分野の論文で、ICに対する言及とSDMの定義を比較することで、SDMの意義を明確にすることを目的に文献レビューを実施した。文献の検索には、7つのデータベース(MEDLINEのPubMed、 Cochrane database、 Web of Science、Physiotherapy Evidence Database(PEDro)、Occupational Therapy Systematic Evaluation of Evidence(OT seeker)、Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature(CINAHL)、医中誌Web(医中誌)を用いた。検索式は、ICをタイトルに含み、リハビリテーションの語を本文中に含む文献(英文・和文)とした。データ検索日は、2014年10月31日とし、その時点で各データベースの最新の文献までを対象とした。包含基準は、1)全文が入手可能であること、2)記載言語が英語または日本語であること、3)原著論文であることとした。除外基準は、1)総説、レビュー論文、症例報告、レター論文、会議録であること、2)ICについての記載がないこと、3)研究倫理についての内容であることとした。対象文献に記載されたICの定義にCharlesの示すSDMの必須4要素1)少なくとも医師と患者が参加する、2)医師と患者が情報を共有する、3)医師と患者が希望の治療について同意を形成するステップをふむ、4)医師と患者が実施する治療についての合意に達するが含まれているか否かを2名の評価者が独立に評価した。ICの定義にSDMのどの側面が含まれているかを検討するために、それぞれの項目が含まれる数とその割合、ならびにどの項目が含まれていたかを記述した。データベースの検索により、65件の文献が抽出された。そのうち、包含基準を満たした論文は54件であり、除外基準に従い選択をした結果、9件が選択されたこの中にSDMの言葉を含む文献はなかった。ICの定義にSDMの必須4要素のいずれかが含まれているか評価した結果、全ての文献で1)少なくとも医師と患者が参加すること、が含まれた。2)医師と患者が情報を共有すること、が含まれた文献は6件(67%)、3)両者が希望の治療について同意を形成するステップをふむこと、が含まれた文献は2件(22%)、4)実施する治療についての合意に達すること、が含まれた文献は2件(22%)であった。この9件のうち、4要素全てを含む論文は1件(11%)、3要素を含む論文は2件(22%)、2つを含む論文は3件(33%)、1つのみ含む論文は3件(33%)であった。ICを主題とし、SDMの言葉は含んでいないにもかかわらず、1/3の文献でSDMの必須4要素のうち3要素以上を含んでおり、両者の明確に使い分けられていないことが示唆された。
著者
矢島 太郎 松本 泰三 吉岡 謙 中山 健
出版者
資源地質学会
雑誌
資源地質
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.45-58, 1997

勢多の低硫化系浅熱水性金鉱床は日本において最も最近に発見された金鉱床である.現地性シリカシンター,カオリン鉱床,水銀鉱床,熱水爆発角礫岩等の熱水活動の地表近くの兆候がよく保存されており,これらが金鉱床発見の手がかりとなった.主鉱化帯は現地表面下約250m付近に位置しており,比較的浅所で金の沈殿が生じたと考えられる.<BR>鉱化作用は(i)所々角礫化した白色の縞状石英脈,(ii)黒色の硫化物に富む熱水角礫岩に分けられ,いずれも主として凝灰角礫岩や安山岩中に発達している.前者は掘進長で最大19mの幅を有し,部分的にAu50g以上の高品位部を伴う.これは中性熱水の湧昇によって形成されたと考えられる.脈は調査地域の北部では急傾斜で北西―南東に連続するが,南部~南西部では不規則な細脈群となり,さらに南部では水平脈に移行する.このことから,北部から南部に向かう導水勾配に規制された熱水の流れが示唆される.後者は,北西一南東方向の規制を受けた4列の雁行配列をなして産出し,最大幅25mに達するところがあるが金品位は一般に低い.これはH2Sの酸化により生成した酸性水と上昇する中性熱水が混合するところに形成されたものであり,地下水位の低下を反映しているものと考えられる.
著者
藤本 修平 大高 洋平 高杉 潤 小向 佳奈子 中山 健夫
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.38-47, 2017 (Released:2018-02-20)
参考文献数
27

【目的】理学療法士(以下,PT)の診療ガイドラインの利用,重要度の認識とエビデンスに基づいた実践(以下,EBP)への態度,知識,行動との関連性を明らかにすることとした。【方法】対象は千葉県のPT1,000 名としEBP や診療ガイドラインの利用,重要性の認識の項目を含む無記名自記式質問紙を用いた郵送調査を行った。統計解析は診療ガイドラインの利用,重要性の認識に関連するEBP の関連項目を明らかにするために多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】診療ガイドラインの利用,診療ガイドラインの重要性の認識と関連が強いものは「EBP に関する必要な知識や技術を学びたいと思いますか」(OR = 10.32, 95%CI: 1.82–197.16) であった。【結論】千葉県のPT において診療ガイドラインの利用は十分ではなく診療ガイドラインの利用や重要性の認識に関連する要因は,EBP の必要性の認識とEBP を行ううえで必要な行動であった。
著者
大寺 祥佑 金沢 星慶 金沢 奈津子 木内 隆裕 中山 健夫
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.596-603, 2015 (Released:2015-12-20)
参考文献数
28

【目的】本研究の目的は理学療法診療ガイドライン第1版の質を評価し,今後の改訂に向けて検討すべき課題を提示することである。【方法】AGREE II を用いて4人の理学療法士が独立にガイドラインを評価し,各ガイドラインの質の最終評価について合意を形成した。【結果】16件のガイドラインが評価の対象となった。領域別スコアの中央値(範囲:最小値~最大値)は,「対象と目的」54%(32~65%),「利害関係者の参加」38%(32~51%),「作成の厳密さ」35%(32~51%),「提示の明確さ」31%(26~47%),「適用可能性」9%(6~17%),「編集の独立性」19%(17~19%)であった。重要な推奨の明示に関する評価は,7段階リッカートスケールで中央値が3.0点(2.5~3.5点)であった。【結論】今後の改訂では,推奨の明確な提示や臨床における適用方法,利益相反の明示に留意するべきである。
著者
有村 保次 西田 俊彦 南 麻弥 横山 葉子 三品 浩基 山崎 新 石崎 達郎 川上 浩司 中山 健夫 今中 雄一 川村 孝 福原 俊一
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.259-265, 2010

我が国の臨床研究の推進には,臨床と研究手法に精通した臨床研究医(clinical investigator)の養成が必要である.我が国初の臨床研究の系統的な教育を行う臨床研究者養成(MCR)コースが京都大学に開設された.今回,本コースの卒業生が臨床研究を実施する上で直面している問題点を調査し,今後の改善策を検討した.<br>1) MCRコース3期生までの全履修者28名を対象に,履修後の臨床研究実施に関する現状や将来像等について自己記入式質問紙調査を行った.<br>2) 回答者24名中(回収率86%),臨床研究を行う上で,「時間がない」,あるいは,「研究協力者がいない」といった問題を挙げる者は,それぞれ40%程度いた.<br>3) 「臨床研究を進めるために職場や周囲への働きかけ」を行った者は20名(83%)いたが,職場において臨床研究の支援が得られたのは1名のみであった.<br>4) このような状況下,自らの10年後の将来像として「病院で臨床研究を行う臨床医」と回答した者が半数以上いた(54%).また,「臨床研究を行う医師のキャリアパスを想像できる」と回答した者は42%であった.<br>5) MCRコースは改善の余地があるものの人材育成の具体的なモデルを呈示した.臨床研究のさらなる発展のため,医療現場における支援体制や人的・物的インフラ整備の必要性が示唆された.
著者
中山 健 市川 幹郎 山口 裕国 野中 洋 鈴木 俊 粉川 顕仲
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.14-25, 1989-01-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
28

胃ポリープ122例について5年以上平均7年10カ月間経過観察を行なった.そのうち87例(71.3%)に何らかの形態変化を認めた.ポリープの伸長33例(27.0%),膨大44例(36.1%),脱落21例(17.2%),新生20例(16.4%),胃癌の発生7例(5.7%)であった.胃癌発生例のうち1例はポリープそのものの癌の発生であったが,6例は経過観察中に胃癌が併発した. 胃ポリープ症例は胃癌の併発に注意して経過観察を行なう必要がある.
著者
中山 健夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.3, pp.367-370, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
16

Academic detailing, interactive information services by pharmacists for clinicians, has been getting interests in the US and European countries. A systematic review of randomized controlled trials supported the effectiveness of academic detailing. Knowledge of evidence-based medicine and clinical practice guidelines is one of the essential bases for pharmacists to promote these activities. In addition, pharmacists need to understand attitudes and ways of thinking of clinicians toward medicines. Through communications and information sharing between clinicians and pharmacists, collaborations to modify and improve the use of medicines should be facilitated. On these grounds, academic detailing will be able to play an important role in real healthcare circumstances.
著者
宮下 清 丹野 勲 中山 健 山本 寛 薄上 二郎 杉浦 正和 櫻木 晃裕 細海 昌一郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果として、資格を中心にホワイトカラー人材の育成、評価について日米英の比較から、新たな知見を見出すことができた。まず仕事に使えるよう知識や経験を応用・適用する力であることが重要とされた。日本にホワイトカラー資格は存在しないし、今後も浸透の可能性は低い。英米でも実務経験、OJTが重要で、企業で求められる専門性とは仕事をする力であり、職場・仕事こそが最高の人材育成の場であることが確認できた。
著者
松永 浩昌 中野 秀樹 石橋 陽一郎 中山 健平
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.178-184, 277, 2003-03-15
被引用文献数
1 5

日本におけるサメ類の種別・漁法別水揚量を明らかにする目的で,主要な漁港で市場伝票整理に基づくサメ類の水揚量調査を行なった。製品重量では1992-98年の漁法全体で年平均19,600卜ン,延縄で15,000卜ンの内,ヨシキリザメが11,600トン(59%),11,000卜ン(73%)であった。更に生体重量に換算した結果,全漁法で年平均28,700卜ン,延縄23,400トンとなり,同様にヨシキリザメが18,800卜ン(66%),17,800卜ン(76%)であり,何れの場合も6〜8割程度がヨシキリザメで占められていた。ヨシキリザメ以外ではネズミザメ,アオザメが10%前後,オナガザメ類が5%程度と,比較的多く水揚されていた。また,これら主要種の水揚量が減少しているような傾向は見られなかった。
著者
清水 信義 寺本 滋 人見 滋樹 伊藤 元彦 和田 洋巳 渡辺 洋宇 岩 喬 山田 哲司 山本 恵一 龍村 俊樹 山口 敏之 岡田 慶夫 森 渥視 加藤 弘文 安田 雄司 三上 理一郎 成田 亘啓 堅田 均 鴻池 義純 福岡 和也 草川 實 並河 尚二 木村 誠 井上 権治 門田 康正 露口 勝 宇山 正 木村 秀 香川 輝正 斉藤 幸人 武内 敦郎 森本 英夫 垣内 成泰 横山 和敏 副島 林造 矢木 晋 西本 幸男 山木戸 道郎 上綱 昭光 長谷川 健司 山田 公彌 岡本 好史 中山 健吾 山内 正信 佐々木 哲也 毛利 平 江里 健輔 宮本 正樹 森田 耕一郎 平山 雄 中川 準平 吉松 博 村上 勝 永田 真人 溝口 義人 大田 満夫 原 信之 掛川 暉夫 枝国 信三 足達 明 富田 正雄 綾部 公懿 川原 克信 西 満正 島津 久明 三谷 惟章 馬場 国昭 岡田 浪速 内藤 泰顯 櫻井 武雄 岡田 一男 西村 治 前部屋 進自 前田 昌純 南城 悟
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1011-1019, 1991-12-20
被引用文献数
1

西日本地区30施設の共同研究により,肺癌の治癒切除例に対する補助化学療法の有用性を検討した.このtrialが終了した後5年の観察期間が経過したのでその成績を報告する.対象は絶対的治癒切除,相対的治癒切除となった肺腺癌であり,A群はMMC(20+10mg)+tegafur600mg1年間経口投与,B群はMMC(20+10mg)+UFT400-600mg1年間経口投与とした.1982年11月から1985年11月までにA群113例,B群111例の計224例が集積された.不適格例が43例であり,A群88例,B群93例を解析対象とした.背景因子には差は認めなかった.成績は5年生存率および5年健存率で検討した.両群の全症例の5年生存率はA群64.3%,B群55.6%で有意差は認めず,健存率でも差はなかった.後層別解析で,N2症例において5年生存率および5年健存率とも,B群が良好であった(p=0.029,p=0.048).