著者
中村 秀明 王 桂萱 江本 久雄 宮本 文穂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.107-118, 2006

コンクリート構造物に発生するひび割れを予測するためには,まず始めに温度解析を行い,その結果をもとに温度応力解析が行われる.これら数値解析の精度は,入力する材料特性値によるところが大きく,正確な材料特性値を入力しなければ,正確な解析結果は得られない.本研究では,鳥の群れや魚の群泳など群れを成して移動する生物の行動パターンを最適化に応用した Particle Swarm Optimization (PSO) を用いて,現場での温度計測結果から熱特性値を推定する熱伝導逆解析手法を提案した.PSO による逆解析で求めたれた熱特性値は,一般的に用いられている値とは若干異なっているものの,複数の熱特性値が比較的容易に同定できる.
著者
安部 諭 佐藤 聡 竹田 武司 中村 秀夫
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

LSTFを用いたPWRコールドレグ中口径破断冷却材損失事故(LOCA)模擬実験に関して、熱水力最適評価コードRELAP5を用いて解析を行った。炉心を1PIPEでノーディングして解析を行った結果、被覆管表面温度の上昇は、上部プレナムから炉心への下降流の流量に大きく依存することが明らかになった。本発表では、その下降流と炉心の温度上昇の関連についてさらに詳しく調べるために、炉心を高出力、中出力、低出力部分の3つに分割したモデルを用いた解析結果について述べる。
著者
永井 泉治 吉武 勇 中村 秀明 浜田 純夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.665, pp.183-188, 2000-12-20
参考文献数
2
被引用文献数
3

本研究は, 山岳トンネル坑口部の橋梁における車輌の積雪スリップ事故防止策として, 山岳トンネル特有の湧水を利用した温水パイプ式ロードヒーティング実験を実施し, 検討を試みたものである. またその基礎実験として, 熱伝導特性の異なるコンクリートについて熱伝導試験を行うとともに, その融雪効果を調べた. トンネル湧水を用いた現場実験より29cm/dayの降雪量に対しても, 無雪状態にすることができたため, 温水パイプ式ロードヒーティングへのトンネル湧水適用の有効性が確認できた.
著者
中村 秀樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.556, 2012-11-26

コストダウンの要請、慢性的な人手不足、厳しさ増す近隣対応など、工事現場の担当者に求められる負荷は増える一方だ。「ヒト・モノ・カネ」それぞれに限られた条件のなかで可能性を最大限に引き出して、効率良く回転する現場にすることが、どんな工事でもますます欠かせなくなってきた。効率化のためにまず重要なのは、隠れた問題点の解消だ。
著者
中村 秀明
出版者
崇城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ピラルビシン(THP)は他のアントラサイクリン系薬物と比較し高い細胞内取り込み、細胞傷害性を示した。さらにHPMAポリマーを用い高分子化し、P-THPを作成し検討したところ、他の高分子化アントラサイクリンと比較し、P-THPは細胞内取り込みおよび細胞傷害性とも優れていた。P-THPは高い腫瘍集積性、抗腫瘍効果を示し、重篤な副作用を起こさず、S-180腫瘍の完全消失、ヒトすい臓がんモデルの腫瘍縮小をもたらした。これらの結果より、P-THPは腫瘍への選択的集積性、高い細胞傷害性を示すことが示され、すい臓がんなどの固形癌に有効であると考えられる。
著者
中村 秀
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学研究紀要 (ISSN:02853744)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-17, 1987-12-25

本稿では,わが国においては今まで殆ど述べられていなかったゲシタルト心理学の創唱者Max Wertheimerの生涯につき,詳しく述べた。1)彼は1880年のプラーグのユダヤ系の家庭に生れた。母方の祖父が大きな影響を与え,10才のときこと祖父はすでにSpinozaの書物を与えている。幼時から彼はピアノに優れた才能を示し,母もバイオリンに巧みであった。父は独学で実学的な研究を積み,商業学校を経営して大いに成功をおさめ,その蓄えた財力が後に彼が永年にわたる各地への遊学を支えたと思われる。2)彼は学業にすぐれ,ギナジゥムでも,はじめ4年間はすばらしい成績を示したが,その後複雑な社会情勢の影響もあって学業が急に悪化し,家庭でも宗教的なしきたりに反撥して両親を怒らせ悲しませたこともある。この間,急進的なグループとも交ったらしい。3)大学はプラーグ大学,ベルリン大学,そしてヴュルツブルグ大学へと転々とした。この間,心理学,哲学,論理学,認識論のほか,広く音楽,数学などの研鑽を積んでおり,その範囲の広いことは驚くばかりである。その中でも彼にとってベルリンでの生活は最良のものであった。4)彼は父の要望もあって,早くPh.D.を取ろうとしてヴュルツブルグ大学に移り,直ちに1904年最優等の成績でPh.D.を得たが,その論文は,言語連想法を含んだ「事実診断学について」であり,その後もこの方面の研究を続行したがついに公刊を見なかった。彼はPh.D.取得後,就職するまでの間,各地の大学,研究所で生理学,精神病学の分野も含めて広く研究していたことは,何れもその結果が在来の理論への不満や批判となり,やがて新しいゲシタルト理論を醸成するのに与って力あったと思われる。5)早くから彼は音楽に関心があって,ベルリンの原始民族の音楽集録に関心をもっていた。またEhrenfelsやMarty教授の言及するところに影響をうけて,インドの哲学,論理学にも関心を抱いていたらしい。セイロンのVedda族の音楽や原始民族の数概念についての研究は早くからまとめていたらしいが,それらにはゲシタルトの考想が十分に認められる。しかし彼はこれをHabilitationのために用いなかった。大学教授資格認定の論文には適当でないと考えたからである。6)それよりも彼は科学的手法を用いて,誰もが納得せざるを得ない決定的な現象として運動視の実験的研究を行い,ゲシタルト説の根本理念を確立した。これによって彼はゲシタルト心理学の創唱者と呼ばれるに至った。7)彼はその初期の画期的研究があるにも拘らず,ベルリン大学の正教授には,彼より年少のKohlerが就任し,自分はその年1922年,員外教授に昇進しただけである。これは彼の寡作の故にということのほかに,反セミ主義その他が影響したといわれる。彼はフランクフルト大学で,おそらく1929年,教授となった。8)彼は1933年,ナチスの圧迫を逃れてアメリカに渡り,ニューヨークの新社会調査学校に迎えられ,1943年死去するまでそこで教え,生産的,鼓吹的な講義を行った。

1 0 0 0 仏和辞書

著者
中村秀穂 編訳
出版者
日進堂等
巻号頁・発行日
1886
著者
中村 秀
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学研究紀要 (ISSN:02853744)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-12, 1988-12-25

1)Max W.は1933年9月13日アメリカに到着してから間もなく家族はNew RochelleのThe Circle 12番地に落付いた。その秋から彼は新社会調査学校、別名「亡命者大学」Univ. in Exileの教授として講義した。それはドイツ語で行ったが早くも1934年春には英語で行った。最初2年間は英語で大いに苦労し、wholeとholeのちがいは発音で示すことができないので,いつもwholeという語を黒板に綴って示すほどであった。2)「新学校」では図書,設備,実験器具が不十分なため,それを補う努力をし,また研究方面もドイツにおけるよりも多方面に拡げた。しかし彼の教授態度にはドイツにおけると同じものがあった。彼に接する研究者,大学院生は彼からinspireされるものが少くなかった。彼の家には研究者,大学院生がよく集まり議論をよく行った。家庭では彼はこどもに献身的な父親であった。3)彼は真理,社会的正義,デモクラシー,自由に対して強い関心をもち,彼がアメリカで出したpaperは何れもこれらを扱ったものである。彼は解職された学者をアメリカで職につけるために,その方面の委員会に積極的に働きかけて努力したが,一般の空気は反ユダヤであり,経済的不況の影響もあった,十分な成果は見られなかった。4)彼は「新学校」の他に,コロンビヤ大学と密接な関係をもち,そこで講義もし,指導審査も行った。彼はアメリカ東部の諸大学のみでなく,中部,西部の諸大学にも出かけて講義し,亡命者の再就職への努力や学生への指導推薦にも力を致した。彼のこのような旅行,講演はゲシタルト心理学の理解に大きな助けとなり,彼は学者として,また鼓吹的教師としての名声を得た。そして1943年10月12日New Rochelleで死去した。63才であり,渡米以来10年の教授生活を送ったわけである。
著者
高木 和幸 中村 秀紀 米沢 千尋 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.209-210, 1991-02-25

近年、ネットワークセキュリティに対する関心が高まっているがその実際的な応用面については、理論的なものにとどまっている傾向がある。暗号化の技法はネットワークセキュリティの中心となるもので、現在最も急速に発展している分野の一つでもある。メッセージを暗号化して複合鍵を持っていない者には解読できないようにするという機能は暗号の基本的機能であるが、そこから鍵の配送、相手の認証などの新たな研究課題が生まれており、特に認証に関する研究は活発に行われているのが現状である。一方、ネットワーク網が発達するにつれて、それにともなう分散的処理に対する研究も現在活発に行われており、遠隔会議システムはその具体的な応用例の一つである。このような会議システムにおいては会議を円滑にすすめるためにはどのような環境を設定すれば良いのかという研究は行われていても、そのセキュリティに関する研究はほとんど行われていない状態である。そこで我々は、会議システムにおけるセキュリティ機能の必要性を議論し、実際の応用例としてUNIX上に構築したシステムを提示する。
著者
原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 中富 昌夫 浅井 貞宏 水兼 隆介 奥野 一裕 福島 喜代康 伊藤 直美 井上 祐一 小池 隆夫 大西 勝憲 大道 光秀 山田 玄 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 武内 健一 新妻 一直 柳瀬 賢次 友池 仁暢 中村 秀範 加藤 修一 佐田 誠 池田 英樹 板坂 美代子 荒川 正昭 和田 光一 原口 通比古 星野 重幸 五十嵐 謙一 嶋津 芳典 近 幸吉 瀬賀 弘行 関根 理 鈴木 康稔 青木 信樹 滝沢 敬夫 兼村 俊範 竹村 尚志 長尾 光修 濱島 吉男 坂本 芳雄 坂田 憲史 豊田 丈夫 大角 光彦 小林 宏行 河合 伸 酒寄 享 杉浦 宏詩 押谷 浩 島田 馨 佐野 靖之 荒井 康男 北條 貴子 小川 忠平 柴 孝也 吉田 正樹 岡田 和久 佐藤 哲夫 古田島 太 林 泉 宍戸 春美 松本 文夫 桜井 磐 小田切 繁樹 鈴木 周雄 綿貫 祐司 高橋 健一 吉池 保博 山本 俊幸 鈴木 幹三 下方 薫 川端 原 長谷川 好規 齋藤 英彦 酒井 秀造 西脇 敬祐 山本 雅史 小笠原 智彦 岩田 全充 斉藤 博 三木 文雄 成田 亘啓 三笠 桂一 二木 芳人 河端 聡 松島 敏春 副島 林造 澤江 義郎 高木 宏治 大泉 耕太郎 木下 正治 光武 良幸 川原 正士 竹田 圭介 永正 毅 宇都宮 嘉明 秋山 盛登司 真崎 宏則 渡辺 浩 那須 勝 橋本 敦郎 後藤 純 河野 宏 松倉 茂 平谷 一人 松本 亮 斎藤 厚 健山 正男 新里 敬 伊志嶺 朝彦 上地 博之 比嘉 太 仲本 敦 我謝 道弘 中島 光好
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.901-922, 1997-11-25
参考文献数
20
被引用文献数
19
著者
中正 恵二 大山 秀樹 寺田 信行 山田 直子 山根木 康嗣 中村 秀次 浦出 雅裕
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

非アルコール性脂肪性肝炎発症(NASH)患者および脂肪肝(FLD)患者のそれぞれの歯周病に関わる臨床パラメーターを比較した結果,FLD患者に比べてNASH患者において,歯周病の病状の悪化が見られた。また,歯周病細菌に対する血清抗体価においてもFLD患者に比べNASH患者の方が高い傾向を示した。以上の結果から,歯周病が脂肪性肝炎の病態に関与することの可能性が示された。
著者
樋出 守世 中村 秀男 井上 一彦 今井 奨
出版者
一般社団法人 日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.244-250, 1990-04-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
34

1) Strontium-90 level was determined in May 1989 in 40 sample groups of Japanese teeth, for a total of 1022 third molars, obtained from donors born in 1900-1970.2) The teeth from donors born in 1925-1931, and which were extracted in the donors' twenties did not contain detectable strontium-90.3) Strontium-90 level of the teeth from donors born in and after 1942 suddenly increased, and reached peak value of 62.8 to 72.8mBq/g Ca in 1953. It abruptly decreased after 1954 and reached approximately 20mBq/g Ca by 1970.4) In the teeth obtained from donors born in 1900-1924, and which were extracted at the age of 30 to 69, a small amount of strontium-90 was detected.
著者
久野 靖 佐藤 直樹 鈴木 友峰 中村 秀男 二瓶 勝敏 明石 修 関 啓一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.966-974, 1988-10

高性能個人用計算機向けOSを,データ抽象機能を持つ言語CLUを用いて開発した.本システムの基本設計は1985年秋に開始され,現在NEC PC-98XA/XL計算機上で中核部分(記憶域管理,プロセス管理,モジュール管理),ファイルシステム,CLUコンパイラ,ウィンドシステム,ネットワークモジュールおよびいくつかの応用プログラムが動作している.本システムは単一言語系の考え方を採用することにより,コンパクトで見通しのよいシステムにできた.またCLU言語のデータ抽象機能は,モジュール間の独立性を高め,分かりやすく構造化されたシステムとする上で効果があった.
著者
池永 誠 大島 行彦 清水 正夫 後藤 紀夫 渡辺 龍彦 吉田 勝明 宮内 邦浩 中村 秀夫 朝永 哲弥 比企 能樹
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.1116-1120, 1990-05-01
被引用文献数
15

大腸穿孔21例を対象とし, 穿孔部位, 原因, 臨床症状, 手術時期, 手術術式, 術後経過より検討した. これは虫垂炎を除く消化管穿孔例97例の 21.6%, 大腸手術例173例の 12.1% にあたった. 大腸穿孔の確定診断は, 遊離ガス像の出現率が 33.3% と低い事もあり必ずしも容易ではないが, われわれは発症6時間以内に11例 (52.4%) と早期に手術を施行し全例救命しえた. 大腸癌穿孔は8例にみられ大腸癌手術の 6.1% にあたり, 全例に治癒切除を施行した. 累積生存率は Kaplan-Meier 法にて2年生存率 100%, 5年生存率 75.0% であった. 同期間の全大腸癌例の5年生存率は 65.1%, 治癒切除例の5年生存率は 79.8% であり, 穿孔例, 非穿孔例の間に差異は認められなかった. 穿孔例といえども癌に対する積極的な治療を行うべきと考えられた.
著者
秋山 朝子 今井 かおり 石田 幸子 伊藤 健司 小林 正志 中村 秀男 野瀬 和利 津田 孝雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.787-792, 2006 (Released:2006-11-17)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

An analytical method for the determination of aromatic compounds exhalated from hand skin has been proposed. The sampling of exhalated aromatic compounds was performed as follows: after the intake of aromatic compounds included in chewing gum or a capsule, exhalated skin gas was collected from a hand. The hand was covered with a sampling bag of poly vinyl fluoride (PVF) for 30 min. Then, the inner space of the sampling bag was sprayed with a 25% of ethanol aqueous solution. After removing the hand from the bag, the trapped solution containing skin gas was collected. The aromatic compounds in the trapped solution were extracted to the solid phase as Twister® (stir bar coated with poly dimethyl siloxane, Gerstel). Extracts were determined by gas-chromatograph mass spectrometry using a thermo desorption system and a selective ion mode. Linalool, citronellol and geraniol, which are the main components of rose essential oil, were detected from the skin of a hand after an oral intake of rose oil. The exhalated absolute amount of linalool, citronellol and geraniol increased in 30 to 60 min, and then decreased after intake. The recoveries of linalool, citronellol and geraniol were 53.5%, 66.7% and 55.1%, respectively. The correlation coefficient of the standard curves for linalool, citronellol and geraniol were 0.9977, 0.9994 and 0.9987, respectively. Each compound exahalated from the skin of a human body during 6 hours after intake was estimated to be, according to the amount of intake, 0.39%, 0.09% and 0.25%, respectively, for one subject. The absolute amount of geraniol exhalated from a hand increased significantly after oral intake for 8 subjects (P<0.025). This is the first report to present hard proof that an aromatic compound was exhalated from human skin after its intake as food.