著者
鈴木 裕之 中村 達也 宮浦 誠治 猪岡 京子 八木 朋美 我妻 恭行 鈴木 常義 髙村 千津子 鈴木 幹子 村井 ユリ子 中村 仁
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.503-509, 2018-10-10 (Released:2019-10-10)
参考文献数
17

Panvitan® powder for prescription (PP) administrated in combination with pemetrexed sodium hydrate (PEM) for the purposes of folic acid supplementation is significantly degraded by exposure to humidity or light. Hence, we investigated the influence of humidity and light on the color of the powder and concentration of folic acid in PP. We prepared samples by placing 1 g of PP into separate bags and stored them for 28 d under normal delivery conditions, intermediate humidity, high humidity, and light exposure. The amount of folic acid was quantified by high-performance liquid chromatography, where the percentage was calculated assuming the initial amount was 100%. Under normal delivery conditions (room temperature, 50% RH, shielded light) and intermediate humidity conditions (25℃, 75% RH, shielded light), no significant changes in appearance or folic acid content were observed. The sample stored under high humidity conditions (25℃, 91% RH, shielded light) changed in color from yellow to brown. The decrease in folic acid content was time dependent, and decreased to 47.1% after 28 d. Under light exposure (room temperature, 50% RH, 5,000 lux, 0.56 W/m2), the yellow color of PP becomes thin with time, while the folic acid content decreased to 73.2% after 28 d. The amount of folic acid may have decreased without any concomitant visible changes in the powder. The results of this study are expected to facilitate the management of adverse effects of PEM.
著者
中村 八重
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第45回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.43, 2011 (Released:2011-05-20)

本報告は韓国人による対馬観光を取り上げる。国境を超える韓国人の対馬観光はどのような行為であるか観光の動機と実態を探ることを目的とする。国境の島としての対馬のアイデンティティはむしろ、近接性や経済性そして韓国で広く共有されている「対馬は韓国の領土であった」という認識のもとに理解されて、韓国人観光客が対馬を訪れる動機になっていることを指摘する。
著者
中村喬著
出版者
朋友書店 (發賣)
巻号頁・発行日
2000
著者
長友 朋子 中村 大介
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

これまで共同研究を行ってきた研究協力者とともに、焼成温度分析を行い、土器や瓦から窯技術の差異を示す。また、胎土分析と考古学的分析により流通範囲を解明することで、技術拡散か器物流通かの区分を明確にする。朝鮮半島では初期窯の事例が少ないので、窯と窯焼成陶器が判明する中国資料を参考に、焼成温度から窯構造を推定したい。一方、窯構造や土器の研究は、日韓両国でそれぞれ蓄積されているものの、専業化と政体との関係については、陶邑窯や新羅の慶州など、大規模な窯群で考慮されるのみで希薄である。窯を単なる技術伝播ととらえるのではなく、政体との関連に注目し、窯技術拡散と土器生産体制の変質を解明する。
著者
中村 正
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.55-63, 2019-03-30 (Released:2019-07-03)
参考文献数
15

リウマチ性多発筋痛症(PMR)は高齢者に好発する炎症性リウマチ疾患で,全世界的に地域差や遺伝的相違があり白色人種,特に北欧に多い.肩甲帯,骨盤帯の近位筋群痛やこわばりを主症状とし,筋痛はあるが筋力低下や筋萎縮はなく,肩・股関節痛を伴うことが多い.炎症の主座である滑液包炎の原因は不明であり,診断に結び付くような特異項目はなく炎症指標の増高を認め,血清筋原性酵素値上昇や筋電図・筋生検での異常はなく,抗核抗体,リウマトイド因子,抗シトルリン化ペプチド抗体も通常陰性である. 大型血管炎に分類され肉芽腫性血管炎である巨細胞性血管炎(GCA)を合併することがあり,PMRとGCAとは共通の,あるいは連続的な病因を持つ関連性の深い病態を有していると推測される.頭痛,浅側頭動脈の怒張,蛇行,発赤,圧痛,特に,顎跛行や上肢跛行は特徴的で,視神経領域への血管炎の影響で視野・視力異常を来たし,失明は不可逆的で治療は急を要する. 超音波検査やmagnetic resonance imaging,fluoro-deoxy-glucose positoron-emission-tomographyなどの画像検査の進歩で,早期診断,早期治療が可能になり,ステロイド剤が著効することが特徴で,炎症指標の陰性化と症状の軽快を確認しながら比較的早めに通常減量するが,その後はごく少量ずつの漸減が望ましく再燃例では再増量やメトトレキサートなどを追加する.Interleukin-6阻害療法の有効性が報告され,免疫チェックポイント阻害療法に伴うPMR発症が報告されている. 画像診断の進歩や治療法の工夫でPMRとGCAへの臨床的方策は深まったものの,疫学的解明や病態生理の進展など,新たな課題が挙がってきた.
著者
西山 宗六 中村 俊郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

基礎疾患を有さない貧血女性37名(年齢22.3±4.3歳)を対象に種々の貧血マーカーと亜鉛動態との関連を検討した結果、女性の亜鉛欠乏性貧血の診断基準は、(1)ヘモグロビン12.0g/dl以下、赤血球数380×10^4/mm^3以下、総鉄結合能(TIBC)380μg/dl未満の正球性正色素性貧血、(2)血清亜鉛の低下は必ずしも認めない、(3)正球性正色素性貧血を呈する他の疾患を除外する、(4)亜鉛欠乏と同時に鉄欠乏を伴うことが多い、とすることが妥当であると考えられた。つぎに上記診断基準を満たす中年女性の貧血患者への亜鉛投与による結果から、亜鉛欠乏性貧血の頻度と治療法を検討した。農村地区住民15,459名(男性7487名、女性7972名)に貧血検査を行ったところ、男性でヘモグロビン13g/dl以下、女性でヘモグロビン12g/dl以下の貧血患者は男性の7.0%、女性の14.1%であった。上記診断基準を満たす亜鉛欠乏性貧血が疑われる患者は貧血者男性の54.2%(全体の3.8%)、女性の41.1%(全体の5.8%)であった。これらの貧血患者を鉄投与群(n=15)、亜鉛投与群(n=21)、鉄と亜鉛投与群(n=16)に分けて8週間治療したところ、鉄と亜鉛投与群のみ有意の貧血の改善を認めた。亜鉛投与群では血清鉄100μg/dl以上、フェリチン40ng/dl以上を有したものは亜鉛単独での貧血の改善が見られた。したがって亜鉛欠乏性貧血の治療は(1)フェリチン40ng/dl以上の患者では亜鉛製剤34mg/日、(2)フェリチン40ng/dl未満では亜鉛製剤34mg/日、鉄製剤100mg/日の投与が妥当であると考えられた。
著者
中村 通子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.660-662, 2008-07-01 (Released:2018-08-26)
参考文献数
3

予防接種に対する市民の関心を,新聞に掲載された投書から考えた.関心は,2000年代前半から大きく高まっていることが分かった.その一方で,市民に届く情報は十分ではなく,関係学会の社会的責務は大きくなっている.市民が納得し,受け入れる予防接種にするためには,双方向型の情報提供の努力と,新しいワクチン開発,そして社会経済学的な見地を含めた合意作りに向けた議論が必要だ.
著者
中村笙子 廣森聡仁 山口弘純 東野輝夫 山口容平 下田吉之
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1995-2007, 2013-07-03

各世帯における節電やピークシフトの達成のため,電力の売買や蓄積,生成が可能なスマートホームが導入されつつあり,電力消費を伴う家庭行動を効率化することで,電力コストの削減が期待できる.しかし,居住者の都合を無視し,電力コストを削減するためだけにピークシフトを強いると居住者の生活の質を下げかねない.そのため,電力コストの削減と生活の質の維持を両立できるような節電方法を居住者に提示し,無理のない節電を実現できることが望ましい.本研究では,スマートホーム一世帯を対象とし,そこに居住する人や配置された家電の電力消費モデルを提案する.さらに,このモデルを利用し,人の行動と家電の稼働に対し,電力コストと生活満足度を最適化するような行動スケジューリング手法を提案する.加えて,ユーザの嗜好をより詳細に反映するためのフィードバックシステムと,ユーザが行った操作から,スケジュールに対する要望を汲み取るためのユーザインタフェースも提案する.評価実験では,電力コストを抑え,かつ生活満足度の高いスケジュールを導出した.また,フィードバック操作により,ユーザの意図を反映したスケジュールが導出されることを確認した.
著者
藤盛 寿一 遠藤 俊毅 田澤 泰 中村 起也 渡辺 みか 冨永 悌二
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.495-500, 2011 (Released:2011-09-27)
参考文献数
10

脊髄出血にて発症した脊髄海綿状血管腫の2例を経験した.症例1は72歳の男性で左下肢近位筋の筋力低下,左第2~3腰髄(L)領域の感覚障害および左膝蓋腱反射の亢進を認めた.MRIにて第11胸椎(Th)レベル傍正中左側の海綿状血管腫および第9-10胸椎レベルの脊髄出血を認めた.39病日目に血管腫摘出術が施行され神経症状の回復は良好であった.症例2は65歳の女性で,上腕内側,側胸部,背部の体動時の痛みを左側優位に認めたが他覚的神経学的異常を認めなかった.MRIでは第1胸椎レベル傍正中左側の海綿状血管腫および第6頸椎(C)から第4胸椎(Th)レベルの脊髄出血を認めた.疼痛は半減したが残存した.他覚的異常に乏しいことから経過観察の上,再出血を認める場合には積極的に手術を検討する方針とした.脊髄海綿状血管腫は稀な疾患で,脊髄出血により急性発症する場合があり,個々の症例に応じた治療方針決定が重要となる.
著者
渡辺 宏久 陸 雄一 中村 友彦 原 一洋 伊藤 瑞規 平山 正昭 吉田 眞理 勝野 雅央 祖父江 元
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.457-464, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
69
被引用文献数
4 8

多系統萎縮症(multiple system atrophy; MSA)は進行性の神経変性疾患で,パーキンソニズム,小脳失調,自律神経不全,錐体路徴候を経過中に種々の程度で認める.孤発性が圧倒的に多いが,主として常染色体劣性を示す家系も報告されている.パーキンソニズムが優位な臨床病型はMSA-P(multiple system atrophy, parkinsonian variant),小脳失調が優位な臨床病型はMSA-C(multiple system atrophy, cerebellar variant)と呼ばれ,欧米ではMSA-Pが多く,日本ではMSA-Cが多い.平均発症年令は55~60歳,予後は6年から10年で,15年以上生存する症例もある.早期から高度に出現する自律神経不全は重要な予後不良因子の一つである.発症時には,運動症状もしくは自律神経不全のいずれか一方のみを有する症例が多く,いずれの症状も出現するまでの期間の中央値は自験例では2年である.現在広く用いられている診断基準は,運動症状と自律神経不全をともに認めることが必須であるため,運動症状もしくは自律神経不全のみを呈している段階では診断が出来ない.しかし,自律神経不全のみを呈する段階で突然死する症例もあることを念頭に置く必要がある.MSAに伴う自律神経不全の特徴の理解と病態に基づいた責任病巣の特定は,早期診断に有用な情報をもたらすと考えられる.従来は稀とされてきた認知症もMSAにおける重要な問題である.前頭葉機能低下はMSAでしばしば認め,MRIやCTにて進行とともに前頭側頭葉を中心とする大脳萎縮も明らかとなる.最近では,前頭側頭型認知症の病型を示す症例も報告されている.MSAの病態と症候の広がりを踏まえた,早期診断方法開発は,病態抑止治療展開の上でも極めて重要である.
著者
田中 琢三 高橋 愛 中村 翠 福田 美雪
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は前年度に引き続きエミール・ゾラの作品におけるモニュメントの表象の分析を行うとともに、ゾラ以外の作家とモニュメントの関係について検討した。研究分担者の高橋は、パリのヴァンドーム広場にあるナポレオン円柱に着目し、ゾラの『ルーゴン・マッカール叢書』の小説、具体的には『獲物の分け前』『居酒屋』『壊滅』『愛の一ページ』における登場人物たちと、ナポレオン伝説のモニュメントといえるこの円柱との関わりに注目して、ナポレオン円柱に対する作中人物の多様な視線の意味を政治的、社会的な観点から検討し、その成果を学術雑誌に論文として発表した。そして平成29年10月29日に名古屋大学東山キャンパスで開催された日本フランス語フランス文学会2017年度秋季大会において、北海道大学准教授の竹内修一氏をコーディネーター、研究代表者の田中と研究分担者の福田をパネリストするワークショップ「パンテオンと作家たち」を実施した。このワークショップでは、第三共和政以降にパリを代表するモニュメントのひとつであるパンテオンで行われる国葬、つまりパンテオン葬を取り上げ、田中がヴィクトル・ユゴーの、福田がゾラの、竹内氏がアンドレ・マルローとアレクサンドル・デュマのパンテオン葬について報告した。これらのパンテオン葬の検討によって、フランスという国家と文学が取り結ぶ関係の変遷について明らかにした。その成果を踏まえたうえで、田中と福田はそれぞれ異なった視点からゾラのパンテオン葬を検討した論文を学術雑誌に発表した。
著者
伊藤 徹魯 中村 一恵
出版者
生物研究社
雑誌
海洋と生物 (ISSN:02854376)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.p373-393, 1994-10
被引用文献数
2
著者
篠原 裕之 石黒 達治 中村 遵介 山崎 俊彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3N4J1002, 2019 (Released:2019-06-01)

企業において商品を上市する際には、パッケージデザインに関する好意度調査を行い、良好な結果が得られたデザインを採用する事が多い。しかし、十分な消費者パネルを集めた調査には多額の費用が必要である、一度の調査にかけられるパッケージデザインの数に上限があるという課題がある。そこで、未調査のパッケージデザインを好意度調査に供した結果を畳み込みニューラルネットワークを用いて予測する事、その際にパッケージデザインの中で好意度に対して好影響を及ぼすと予測される要素と悪影響を及ぼすと予測される要素をClass Activation Mappingを用いて可視化する事、を目的に研究を行った。その結果、パッケージデザインのプレスクリーニングテストや調査においてデザイン上重要であると予測される要素をデザイナーにフィードバックすることが可能になった。