著者
中村 覚
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.178, pp.178_58-178_72, 2014-11-10 (Released:2015-11-30)
参考文献数
56

This study aims to examine the real goal of the regional policy in Saudi Arabia, particularly whether it is designed to counter external threat (derived from the international system) or internal threat (aiming at regime change). A case study that delves into the Saudi Arabian policy toward the Syrian Crisis after 2011 is used. This research applies omnibalance theory, which explains the pattern by which the regimes of Third World states react to threats that arise both within and outside the state. Saudi Arabian policy is analyzed through a comparison of several security situations faced by the kingdom with the use of a method combining within-case analysis and process tracing. Omnibalance theory serves as the main research framework because it can provide a coherent explanation of the foreign policy and international security strategies adopted by the Saudi Arabian government. This study hypothesizes that the Saudi Arabian policy toward the Syrian crisis is strongly constrained by its primary security goal of countering any sign of linkage between internal and external threats. The Saudi Arabian commitment to the Syrian crisis cannot be explained simply in relation to an external threat: no foreign country has pressured Saudi Arabia to be involved, and the Assad regime is not a threat to Saudi Arabia. Rather, the Saudi Arabian government recognized the signs of a linkage developing between the internal and external threats it confronts. The government responded to the clamor of its people who advocate humanistic support to the oppressed in Syria, as well took precaution against the risk of a coalition by Iran, the Assad regime, and Hizbullah, which the Saudi Arabian government feared would penetrate the Shia activists in the Eastern region of the kingdom. The concern of the Saudi Arabian government over domestic security constrained its Syrian policy in the following ways: (1) prohibition of participation in both the conflict and in charity activities initiated by Saudi citizens, (2) necessity to maintain moral and humanistic legitimacy of Saudi foreign policies, (3) selection of its allies who will maintain non-intervention in Saudi internal affairs, (4) and prohibition on the Saudi government to provide support to terrorist groups. Therefore, omnibalance theory is a more appropriate concept to explain the Saudi Arabian policy toward the Syrian crisis than the theories of balance of power and balance of threat, both of which claim that the international involvement was the main motivation behind the foreign policy applied to the state.
著者
大野 直紀 土屋 駿貴 中村 聡史 山本 岳洋
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.929-940, 2018-03-15

音楽動画の印象に基づく検索や推薦,音楽動画の類似判定のためには,音楽動画の印象推定に関する技術が必須となる.しかし,音楽に対する印象評価や映像に対する印象評価に関する研究は多数なされている一方で,音楽と映像が組み合わされた音楽動画に対する印象評価の研究は十分になされていない.我々は,音楽と映像の印象がどのように音楽動画の印象に影響するのかを調べるため,「音楽のみ」「映像のみ」「音楽動画」の3つの関係性に着目し,これらに対する8印象軸の印象評価データセットを構築した.また,それらを分析することで,音楽と映像の印象評価の組合せによる音楽動画の印象推定の可能性について検討を行った.またデータセット内の音楽動画の音楽と映像を任意に合成した音楽動画を生成し,印象評価を行ってもらうことで,音楽印象と映像印象の組合せが音楽動画の印象とどのように関係しているのかの分析を行った.その結果,音楽と映像の印象を組み合わせることによる印象推定の可能性があること,また各印象によって印象の組合せ方が異なることを明らかにした.
著者
中村 慎吾
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1068-1070, 2019 (Released:2019-11-01)
参考文献数
1

Veritas In Silicoは、あらゆるmRNAに対し効率的に分子標的創薬を実現する機会をパートナー製薬会社へ提供する。この創薬事業の根幹の一つは、mRNAの部分構造を高速に予測・解析・評価するコンピュータ技術である。適切な作業仮説をおいた上で仮想的な測定器として用い、部分構造の存在確率を計算することで標的として利用可能な部分構造を特定する。これにより、標的が枯渇しつつある低分子創薬事業へ大量の新規な優良標的を供給でき、First in Classの創出に貢献する。
著者
大塚 美智子 森 由紀 持丸 正明 渡邊 敬子 小山 京子 石垣 理子 雙田 珠己 田中 早苗 中村 邦子 土肥 麻佐子 原田 妙子 小柴 朋子 滝澤 愛 布施谷 節子 鳴海 多恵子 高部 啓子 河内 真紀子 増田 智恵 川端 博子 薩本 弥生 猪又 美栄子 川上 梅 渡部 旬子 倉 みゆき 丸田 直美 十一 玲子 伊藤 海織 角田 千枝 森下 あおい 上西 朋子 武本 歩未
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2014~2016年に関東、関西、中部、中国、九州地区で3200名、約50項目の日本人成人男女の人体計測を行い、マルチン計測による3200名と三次元計測による2000名のデータベースを構築した。これにより、アパレル市場の活性化と国際化が期待でき、JIS改訂の根拠データが得られた。人体計測データの分析の結果、現代日本人は20年前に比べ身長が高く、四肢が長いことが明らかになった。また、若年男子のヒップの減少と中高年成人女子におけるBMIの減少が顕著であった。
著者
南角 学 神先 秀人 石倉 隆 川那辺 圭一 中村 孝志
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.121-125, 2005 (Released:2005-07-27)
参考文献数
17
被引用文献数
1 4

本研究の目的は,人工股関節置換術術後早期での歩行中の股関節伸展角度の減少が重心移動に与える影響について検討することである。対象は片側THA術後4週が経過した女性9名と健常女性11名であった。床反力計,3次元動作解析装置を用いて歩行速度,股・膝関節の屈曲-伸展運動,重心移動,各両脚支持期における正の仕事量,一歩行周期及び体重1 kg・進行距離1 m当りの重心の仕事量を算出した。THA群で股関節伸展角度の減少を示し,立脚期での膝の屈曲-伸展運動が認められなかった。また,THA群の各両脚支持期における正の仕事量は,非術側の踵接地後の正の仕事量が術側と比較して有意に低い値を示した。重心移動に関しては,術側の立脚中期の重心位置が非術側と比較して有意に高い値を示した。一歩行周期及び体重1 kg・進行距離1 m当りの重心の仕事量の値から効率良い重心移動が行われていないことを示した。THA術後患者の歩行中における股関節伸展角度の減少は,蹴り出しによる上方への推進力を低下させるとともに,術側立脚期での膝関節のコントロールを阻害し,円滑な重心移動を阻害する一因となることが示唆された。
著者
斉藤 賢爾 中村 俊介 黒澤 伸一郎 緒方 大輔 南 政樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1P2OS9a8, 2012

<p>「アカデミーキャンプ」は、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の影響を受け、心身ともにストレスを受けて生活している福島県の小中学生を対象に、静岡県御殿場市にて実施しているキャンプ型の遊びと学びのプログラムである。この報告では、2011年夏および2012年冬に実施したキャンプを通して、参加したこどもたちのみならず、ボランティアとして参加した大学生等に生じた心的・行動的変化を述べ、評価を試みる。</p>
著者
清水 義雄 中村 雅彦
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.17-30,64, 2000-07-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
26

鳥類の混群形成の意義には,相利共生,片利共生,寄生の3種類がある.カモ類の採餌混群では,随伴種は中核種の採餌行動により利用可能となった餌を採餌することで採餌効率を上げ,中核種は随伴種による明確な悪影響を受けないことから,混群形成の機能的な意義は片利共生とされてきた.渉禽類やスズメ目鳥類の混群では,混群サイズの増加にともない餌をめぐる競争や攻撃頻度が増大するため,随伴種のみならず中核種も採餌効率が下がること,人為給餌による餌量の増加は混群形成を抑制することがわかっている.しかしカモ類では,実験的に餌量を操作し,餌量の違いが混群形成の様式,混群サイズ,種間順位,各構成種の採餌行動に与える影響を明らかにした研究はない.そこで本研究は,非繁殖期に混群を形成するコハクチョウ,ホシハジロ,オナガガモに人為給餌を施し,人為給餌前後の混群形成の様式,採食行動,社会行動を比較することにより,餌量が混群形成の機能的意義に与える影響を明らかにすることを目的とした.調査は1996年10月15日から12月28日まで長野県南安曇郡豊科町の犀川貯水池で行なった.貯水池の一部に実験区を設定し,約30kgのイネの種子やもみがらを1日3回与え,餌量を操作した.群れは,単独,同種群,コハクチョウとホシハジロの2種混群,コハクチョウとオナガガモの2種混群,ホシハジロとオナガガモの2種混群,3種混群の6つのタイプに分け,人為給餌前後で各群れタイプの個体数を記録した.人為給餌前後の追従関係,混群タイプの構成割合,採餌割合,攻撃頻度を比較するため,コハクチョウ25個体,ホシハジロ22個体,オナガガモ21個体を一個体当たり8~13分間連続してビデオカメラで録画し,行動を分析した.各種の採餌テクニックや採餌頻度は,群れタイプで異なることが予想されたので,各群れタイプに属するコハクチョウ109個体,ホシハジロ91個体,オナガガモ79個体を一個体につき約5分間ビデオ録画し,人為給餌前後で採餌テクニックと採餌頻度を分析した.採餌混群は,人為給餌前後とも,コハクチョウが首入れ採餌をする前に水中を脚で頻繁にかき回すときに形成された.脚のかき回しにより水底に沈むイネやぬかがわき上がり,ホシハジロはコハクチョウの直下に潜水採餌,オナガガモはわき上がった餌を両種の周囲で採餌した.各種の追従行動から,3種混群の中核種はコハクチョウ,追従種がホシハジロとオナガガモであり,オナガガモはコハクチョウに追従するホシハジロに追従することがわかった.追従頻度は人為給餌後に増加し,その結果3種混群の混群形成率が増加し,群れサイズは約2倍に上昇した.この時,構成種の76%がホシハジロだった.採餌割合は,人為給餌後の3種混群時に3種とも増加した.人為給餌前のコハクチョウの首入れ採餌頻度は3種混群時が最も高く,ホシハジロも3種混群時及びコハクチョウとの混群時に潜水時間を短縮することで潜水採餌の頻度を高めた.オナガガモは3種混群時のみ,ついばみ採餌,首入れ採餌,こしとり採餌の3種類の採餌テクニックを併用し,こしとり採餌では移動距離を短くすることにより採餌頻度を高めた.人為給餌前は3種とも3種混群において採餌頻度を高めているため,採餌混群の機能的意義は相利共生といえる.人為給餌後の3種混群では,コハクチョウだけが採餌頻度を下げ,ホシハジロに対する攻撃頻度を増加させた.これに対しホシハジロとオナガガモは人為給餌前と同様に採餌頻度を高めていた.したがって人為給餌後の採餌混群の機能的意義は,宿主がコハクチョウ,寄主がホシハジロ,オナガガモの寄生関係といえる.3種混群のコハクチョウにとって,ホシハジロの適度な個体数は,自らの採餌頻度を高めるのに有効だが,人為給餌による過度の群れサイズの増加はコハクチョウの採餌行動の混乱,攻撃頻度の増加をもたらし,採餌頻度は減少する.このことから,随伴種であるホシハジロの個体数が採餌混群の適応的意義を決定する主因と考えた.人為給餌の餌は3分以内に水中に沈み,沈んだ餌はコハクチョウが脚でかき回すことではじめてホシハジロ,オナガガモが利用可能となる.それゆえ,カモ類の混群では,与えた餌の絶対量ではなく,中核種により開発され随伴種が利用可能になった餌量が混群形成に影響を与えると考えた.
著者
中村 元
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.223-231, 1954-09-25 (Released:2010-03-09)
被引用文献数
1
著者
刀祢 和樹 都澤 拓 工藤 謙輔 佐々木 幾星 WEI-CHUAN CHIANG HSIN-MING YEH 中村 乙水 米山 和良 坂本 崇 阪倉 良孝 菊池 潔 河邊 玲
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.22-00026, (Released:2022-12-29)
参考文献数
25

薩南海域におけるカンパチ成魚の遊泳行動を取得し,台湾東部海域の既往知見と比較した。薩南海域の個体は台湾東部の個体よりも移動範囲が狭く,放流した海域の近傍に留まり続けていた。海域間で滞在深度は異なっていたが経験水温は同程度であった。核DNAのITS領域とmtDNAのcytochrome b領域の塩基配列情報を用いて標識個体の種判別を試みたところ,形態的にはカンパチであるにも関わらず,ヒレナガカンパチと同様のcytochrome b領域のPCR-RFLPパターンを示す個体が見られた。
著者
藤井 博英 伊藤 治幸 角濱 春美 清水 健史 村松 仁 森 千鶴 石井 秀宗 中村 恵子 田崎 博一
雑誌
青森県立保健大学雑誌 = Journal of Aomori University of Health and Welfare (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.27-34, 2009-06

今日、精神科医療においては、これまでの入院中心の精神医療から地域での生活を支えるための支援が行われている。なかでも精神科訪問看護は、精神障がい者の地域生活をサポートする上で重要な役割を果たしている。そこで、本研究では、質問紙開発のために、精神科訪問看護師が認知する精神科訪問看護のアウトカムを明らかにすることを目的とし、文献概観および北東北3県で訪問看護を実施している施設で訪問看護に従事する看護師49名を対象に半構造化面接を実施し内容分析を行った。面接の内容は、1)患者の観察点、2)実施した看護内容、3)患者の変化や効果、4)症状悪化のサインについてである。精神科訪問看護師が認知する訪問看護のアウトカムを文献概観および内容分析の結果をカテゴリー分類した結果59項目23カテゴリーに分類された。本研究の結果と文献検索から得られたアイテムとはほとんど整合していた。本研究の特徴的な事としては、利用者本人のケアだけではなく、家族ケアにも視点を置かれていた。centered mind medical care. Above all, the psychiatric home visiting an important role when there is it, and mentally-handicapped persons supports the local life of the person. Therefore, in this study, I was aimed at clarifying the outcome of the psychiatry home visiting at home that community mentally psychiatric visiting nurses visit recognized and I carried out a half posture Creator interview for 49 nurses who engaged in documents general view and the temporary nursing at home of the institution which carried out temporary nursing at home in three prefectures of North Tohoku and performed a content analysis. The contents of the interview about 1)the patient of the observation 2)practice content 3) a change and the effect patients, 4) a sign of symptom aggravation. Documents surveyed the outcome of the temporary nursing at home that nurse psychiatry visit recognized and it was classified the results of the content analysis in 23result 59 items categories that were similar for a category. I almost adjusted it with the item provided from document retrieval as a result of this study. When it is decided that this study is characteristic, the knowledge at the action level that I compare it with there being the thing which put a viewpoint for the family care as well as the care of the user person himself, an existing study and depend, and is concrete is a provided point.