著者
椿 真 中川 博樹 岩浪 正典 中野 弘伸
出版者
日本火災学会
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.33-39, 2005-06-29
参考文献数
4
被引用文献数
3

毎年,電気火災によって人命が失われる事故が多く発生している。この原因の一つとして配線器具の差込みプラグやコンセント部からの発火が挙げられている。発火原因は,電源と配線器具との接続部の過熱による場合と,配線器具の絶縁破壊による短絡,いわゆるトラッキング現象による場合がある。本論文では,トラッキング現象のプロセスを解明することを目的として,差込みプラグの絶縁材料として主に使用されているポリ塩化ビニル樹脂と,コンセント用の絶縁材料であるユリア樹脂について,熱的な影響と電解液の濃度条件を変えて耐トラッキング性について検討を行った。この結果,測定された漏れ電流の挙動からトラッキング現象の発生メカニズムについて考察した。<br>(オンラインのみ掲載)
著者
田中 勤 馬場 一成 小原 智香子 鈴木 覚 山崎 大樹 朝烏 邦昭 関内 久美子 中野 清子 黒川 千恵 島嵜 紀子 佐藤 裕子
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.1101-1107, 2000-07-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
9

透析患者では日常生活上の制限等のストレスから心因反応としての精神症状や身体的愁訴を呈する患者が少なくない. 様々な症状を呈する患者に対しては包括的治療の観点から生活指導のほかに薬物治療も有効なアプローチとなる. 【目的】透析患者の不安や抑うつ等の精神症状やその他の不定愁訴に対する新規セロトニン作動性抗不安薬Tandospirone (TAN) の有効性および安全性を検討する. 【対象・方法】当院に通院する透析患者29例に心理テストの一つSTAIを施行し, 神経症, 抑うつ状態の領域にあった5例に対しTAN 30mg/日を投与した. 投与4週目にSTAIを指標として有効性について検討し, 安全性については, 透析開始時のダイアライザー通過前後および透析終了時のTAN血清中濃度を測定することで, 蓄積性とダイアライザー除去率を検討した. 【結果】 (有効性) STAIの得点から投与5例中3例に改善が認められた. 特にイライラ感等の自覚症状の改善が認められ, 透析療法の受容が向上した. (安全性) 副作用は全例において認められなかった. 血清中濃度は投与4週目においても健常者の血清中濃度と殆ど変わらず蓄積性は少ないと考えられた. ダイアライザーによる除去は投与開始時の除去率16.9%, 透析4時間による最終的な除去率80.4%であった. 【結語】TANは抗不安・抗うつ作用を併せ持つ新しいタイプの抗不安薬であり, 透析患者の精神症状や不定愁訴を改善する. 従来のBZ系抗不安薬と異なり筋弛緩作用がないことから透析後ふらつきを呈しやすい症例に用いやすく, 特に依存性のない点は長期フォローが必要な透析患者のストレスマネージメントに有用と考えられる.
著者
山岸 益夫 中村 英生 鈴木 正治 長谷川 聡 中野 雄一
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.383-390, 1990-03-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

Morphological and immunohistochemical examinations were performed on the olfactory mucosa of eight patients with olfactory disturbances caused by the common cold (viral infection). The results of olfactory testing and of follow-up examinations were analyzed.H. E. staining revealed three patterns of degeneration. In Group 1 (3 patients) the olfactory epithelium had adequate thickness and a basic arrangement of supporting cells, olfactory receptor cells, and basal cells, but slightly fewer than normal receptor cells. In Group 2 (3 patients) olfactory receptor cells were greatly decreased. Group 3 (2 patients) had olfactory epithelium which was thin and atrophic with no receptor cells or olfactory vesicles, and only the supporting and basal cells remained. Group 1 patients had Grade 2, Group 2 patients Grade 3, and Group 3 patients Grade 4 damage according to our classification of degeneration proposed in 1988.Immunohistochemically, neuron-specific enolase (NSE) immunoreactivity was found in a number of receptor cells in Group 1 with Grade 2 damage and in some in Group 2 with Grade 3 damage. In Group 3 with Grade 4 damage, there was no NSE-immunoreactivity in the epithelium. Glia-specific S-100 protein immunoreactivity was found in Bowman's glands and olfactory nerve bundles in the lamina propria of Group 1 and 2 patients with Grade 2 and 3 damage. Cytokeratin immunoreactivity was found in the basal cells on the basement membrane in all three groups.Seven patients were found to be anosmic with T & T olfactometry, but the three patients in Group 1 responded well to Alinamin- intravenous injection test, and two of them recovered.These results indicate that there is a strong relationship among the appearance of the olfactory epithelium, results of the Alinamin- test and the outcome of olfactory disturbance caused by the common cold. When an olfactory mucosall biopsy performed at the first visit of the patient shows enough functional receptor cells and the Alinamin- test is positive, it is possible that the olfactory disturbance may improve.

1 0 0 0 OA 鍋島直正公伝

著者
中野礼四郎 編
出版者
侯爵鍋島家編纂所
巻号頁・発行日
vol.第1編, 1921
著者
熊野 純彦 木村 純二 横山 聡子 古田 徹也 池松 辰男 岡田 安芸子 吉田 真樹 荒谷 大輔 中野 裕考 佐々木 雄大 麻生 博之 岡田 大助 山蔦 真之 朴 倍暎 三重野 清顕 宮村 悠介 頼住 光子 板東 洋介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度は、本研究の主要達成課題のうち、「各層(家族・経済・超越)の各思想の内在的理解」を中心とする研究がなされた。近現代日本の共同体論を再検証するにあたっては、2017年度で取り組まれた「和辻共同体論の参照軸化」に加え、家族・経済・超越それぞれの層に関連する思想を巡る形成の背景に対しても、テクストに内在した読解を通じて光を当て直す必要がある。以下、そうした問題意識のもとに取り組まれた、2018年度の関連実績のうち主要なものを列挙する。(1)研究代表者の熊野純彦は、著書『本居宣長』において、近世から現代に至るまでの代表的な思想家たちによる宣長の思想の受容過程を丹念に整理・検証することで、それを近代日本の精神史の一齣として提示することを試みた。それを踏まえたうえで改めて宣長のテクストの読解を行い、今日の時代のなかでその思想の全体像を捉えかえそうとしたところに、本業績の特徴がある。(2)研究分担者宮村悠介は、主に本研究の研究分担者からなる研究会(2018年9月)にて、研究報告「家族は人格ではない 和辻共同体論のコンテクスト」を行い、和辻倫理学の形成過程におけるシェーラーの影響と対話の形跡を、具体的にテクストをあげつつ剔抉した。これは、翌年度の課題である「思想交錯実態の解明」にとってもモデルケースとなる試みである。(3)超越部会では台湾の徐興慶氏(中国文化大学教授)を招聘、大陸朱子学と、幕末から近代に至るまで様々な思想に陰に陽に影響を及ぼしてきた水戸学の影響関係について知見をあおいだ(「「中期水戸学」を如何に読み解くべきか 徳川ミュージアム所蔵の関係資料を視野に」2018年)。これにより、広く東アジアの思想伝統と近世以降現代に至るまでの日本思想の受容・対話の形跡を実証的に検証することの重要性を改めて共有できたことは、本研究の趣旨に照らしても重要な意義を持つと思われる。
著者
中野城水著
出版者
銀鈴社
巻号頁・発行日
1923
著者
三嶋 智之 中野 純子 唐沢 泉 澤田 未緒 伊佐 保香 柴田 克己
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.27-31, 2014 (Released:2014-03-03)
参考文献数
20

本研究では母乳中の葉酸濃度の経時的変化について縦断的に調べた。25名の授乳婦より提供された産後1週目から8週目までの母乳中の葉酸濃度をバイオアッセイにより定量した。授乳婦の食事調査は行っていないため葉酸の摂取量は不明であった。本研究で分析した200検体の母乳中葉酸濃度は54.2±31.9 μg/L (平均±標準偏差) , 中央値が46.6 (4.9-161.9) μg/Lであり, 被験者全体の葉酸濃度は5週目まで上昇し, 1週目と比較して3週目から8週目の各週では有意に高値を示した (p<0.05) 。また, 1週目の葉酸濃度の中央値にて2群に分けて解析を行ったところ, 高値群の母乳中葉酸濃度は低値群に対してすべての週において有意に高値を示した (p<0.05) 。
著者
中野 東禅
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.156-164, 1991-04-20 (Released:2017-04-27)

1.仏教における生命の見方は四大縁起と五蘊縁起,命根等にみることができる。2.生の始まりについては,胎内五位に,生命の終りについては寿・煖・識の消滅としてとらえられている。3.死に対する態度は,生命と死に対する智恵と,事実の受容と,迷いと恐怖を輪廻しない解脱が求められる。したがって脳死を死と認められるのも,臓器提供も智と解脱においてなりたつといえる。4.こだわりか,解脱かは,恐怖心や関わり方によって異ってくる。民俗仏教はこだわりを再生するが,仏教的視点を成り立たせる諸条件がそろえば,解脱としての脳死の受容,臓器提供はなりたちうるといえる。
著者
中野 和司
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.122, no.11, pp.775-778, 2002-11-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
6