著者
小久保 康之
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、ヨーロッパの小国がEU統合に対してどのように向き合っているかと検証した。非EU加盟のノルウェー、アイスランドはEEA(欧州経済領域)の枠組みを通じて、スイスはEUとの分野別双務協定を通じて、EUとの密接な関係を維持することでEU統合と共存する道を探っていることを明らかにした。その中で、アイスランドはEU加盟も検討しているが、世論が2分している状況も精査した。また、ベルギーはEU統合を更に深化させることが同国の国益に繋がると考えており、マルタも忠実な加盟国としての姿勢を見せることで、EU統合の枠組みを活用しようとしている様を明らかにすることができた。
著者
加藤 斉史 土屋 江里 久保田 壮一 宮川 謹至
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.42-46, 2012

JSTが中心となって現在開発中のジャパンリンクセンター(JaLC)は,国内の各機関が保有する電子的学術コンテンツ(雑誌論文,書籍,学位論文等)の書誌・所在情報を一元的に整備・管理し,国際的なデジタルオブジェクト識別子であるDOIの付与機能も備える日本の情報機関が共同で運営するシステムである。国内外の学術コンテンツとのリンクや引用・被引用情報を提供することで,日本の情報サービスの機能向上と学術情報の発信力強化に資するものである。ジャパンリンクセンターは,日本で発行される情報コンテンツにDOIを付与するため国際DOI財団(IDF)から9番目のDOI登録機関(RA)として認定を受ける予定である。
著者
岩永 喜久子 小板橋 喜久代 神田 清子 二渡 玉枝 常盤 洋子 岡 美智代 牛久保 美津子 小泉 美佐子 前田 三枝子
出版者
群馬大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

A大学附属病院に9領域の教育-臨床連携による看護専門外来を開設し、看護のイノベーションとして看護役割拡大モデルを提示した。9領域の看護専門外来は、リラクセーションマッサージ、リラクセーション外来、リンパ浮腫外来、がん看護相談外来、乳腺看護外来、糖尿病療養相談・フットケア外来、母性看護外来、神経内科看護相談外来、母乳外来である。従来の診療体制の医学モデルに看護独自の専門性を加えて、キュアとケアを融合させた。
著者
井上 奈良彦 蓮見 二郎 山形 伸二 青木 滋之 金子 晃介 是澤 克哉 筧 一彦 上條 純恵 諏訪 昭宏 久保 健治 竹中 野歩 加藤 彰 ZOMPETTI Joseph CARLSON Shanna KIPP Peter
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ジェネリック・スキルやアカデミック・スキルとしての議論教育は、近年ますますその重要性を高めている。本研究は、これまでの研究の不備を埋めるべく、議論教育用eラーニング・コンテンツを作成するための基礎的研究を行った。具体的には、(1)議論教育関係の文献レビュー、(2)議論教育の効果測定テストを作成と検証、(3)議論モデルの開発検証、(4)議論教育支援サイトの作成と検証、(5)議論教育とディベートの教材作成、等を行った。
著者
桑久保 綾香 濱田 浩美 Kuwakubo Ayaka 濱田 浩美 ハマダ ヒロミ Hamada Hiromi
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.447-455, 2013-03

本研究では,大谷資料館の地下採石場跡の温度をデータロガーによって連続的にデータ収集し,その結果から,温度変化の特性を明らかにした。年間の温度変化は,地下空間にもかかわらず,温度変化が大きく,夏季は冷涼だが冬季は外気温に近い温度を示した。掘削穴からは空気の流入,流出があるため,冬季は密度の大きい冷気が流入し,温度を低下させる。しかし,夏季は冷気が流出しにくいため,温度変化は小さいことがわかった。In this study, we collected data continuously by data logger and revealed the characteristics of the varied temperature at subterranean quarry ruin of Oya Museum. Alteration of annual temperature made a large change despite the underground space and it shows cool in summer but a close to the ambient temperature in winter. Due to the inflow and outflow of air from the excavation, cold air with greater density is flowed and reduced temperature in winter, however; we found that small changes in temperature since cooling air is less likely to escape from the excavation.
著者
若松 孝志 高橋 章 佐藤 一男 久保井 喬 柴田 英昭
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.169-178, 2004-04-05
被引用文献数
6

アカマツ林の林床に^<15>NH_4^+を添加し,70日後までの林床植生,有機質・無機質土層への^<15>Nの移行量を調べた.さらに,室内培養実験により窒素の形態変化速度を測定し,^<15>Nの動態と微生物による窒素代謝との関係を調べた.^<15>N添加30日後の各プールヘの15N移行量は,林床植生5%,有機質上層56%,無機質土層44%であった.70日後には,無機質土層への移行量が増大したが,37%の^<15>Nが有機質土層に保持されていた.土壌水の観測結果から,無機質土層へ浸透する窒素の95%をNO_3^-が占めることが分かった.また,^<15>NH_4^+を添加したにもかかわらず,添加初期には土壌表層のNO_3^-のδ^<15>N値が著しく上昇し,またそのピークは時間の経過とともに下層に移動した.このことから,林床に沈着したNH_4^+のほとんどは,有機質土層で硝化によりNO_3^-に変化した後に,下層土壌へ移行することが裏付けられた.室内培養実験の結果,有機質土層(Oe-Oa層)における硝化速度(20mg N kg^<-1> d^<-1>)は,微生物の代謝によるNH_4^+の有機化と窒素無機化の速度(145mg N kg^<-1> d^<-1>)の1/7程度であった.このことから,大気由来のNH_4^+は林床に沈着した後,すべてが硝化に向うのではなく,微生物の窒素代謝のサイクルに取り込まれることが推察された.このことが,70日経週後も,添加した^<15>Nの4割が有機質土層に保持された主要な要因と考えられた.本調査地の有機質土層における窒素の形態変化速度は,ほぼ同量の窒素が大気から負荷されているオランダの森林よりも1桁程度大きかった.これには本調査地における温暖多雨な気候条件と酸性度の低い土壌条件が関与していることが推察された.
著者
松根 彰志 黒野 祐一 砂塚 敏明 大久保 公裕 吾妻 安良太 藤倉 輝道 後藤 穣 吉福 孝介 大堀 純一郎
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

マクロライドは本来抗菌薬としての作用があるが、慢性副鼻腔炎治療の分野では抗炎症作用としての働きが期待され、近年「マクロライド少量長期投与療法」が確立された。しかし、鼻茸や副鼻腔粘膜に好酸球浸潤が著明に認められ、アスピリン喘息を含む気管支喘息の合併が高頻度に認められる成人での難治性、易再発性の慢性副鼻腔炎には効果がない。経口ステロイドの漸減療法や長期使用に頼らざるをえないのが現状である。一方マクロライドには、過剰な免疫反応の抑制、調整作用やあることも分かってきていることから、直接の治療効果がなくてもステロイドのいわゆる増強する作用(primingeffect、プライミング効果)が期待でき、本疾患治療におけるステロイド使用の減量が期待できると考えられた。手術で得られた鼻茸粘膜の培養系や、術後症例に対するマクロライド少量長期投与とステロイド点鼻の併用効果から、期待されたプライミング効果はすべての症例に対して認められたわけではなかったが、程度の差はあるものの症例によっては認められた。どのような症例で認められるかについては今後の検討課題である。ただし副作用の点などから、術後の内服ステロイドの30~40mg/dayからの漸減療法2週間終了後、マクロライドの少量長期投与にステロイド点鼻(鼻噴霧用ステロイドよりはベタメタゾン点鼻)の併用でとりあえず様子を見ることは意義のあることであり、今回の重要な研究の成果と考えられる。更なる症例の蓄積による検討が必要である。
著者
Kuboyama Takeshi クボヤマ タケシ 久保山 健

ピッツバーグ大学図書館の館内勉強会(Brown bag talk)
著者
小久保 秀之 山本 幹男 河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.30-39, 2007-03-01

手かざしや祈りになどの非接触ヒーリングの作用を、極微弱生物光で評価する方法を研究した。超高感度カメラにて植物切片(白いぼきゅうり)の試料対(実験試料と対照試料)を18時間測定し、実験試料から生じる生物光の発光強度を対照試料の発光強度と比較した。測定は、実験試料に全く処理を行わない無処理群、手かざし等を行うヒーリング群、40℃の熱源にさらす熱処理群について行った。結果、無処理群と熱処理群では実験試料と対照試料の発光強度に差は無く、ヒーリング群でのみ実験試料と対照試料の発光強度に有意差が見られた(p=0.002,両側,paired t-test)。また、実験試料と対照試料の発光強度の比の対数を効果量の指標とすることで、非接触ヒーリング作用の定量的評価が可能となった。
著者
田村 淳 北口 和彦 崎久保 守人 上村 良 大江 秀明 吉川 明 石上 俊一 馬場 信雄 小川 博暉 坂梨 四郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.1565-1572, 2008 (Released:2009-01-06)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

当院外科入院患者において,腸炎症状を発症した症例に偽膜性腸炎またはMRSA腸炎を疑ってバンコマイシンの経口投与を行ったのでその投与状況と効果について検討した.2001年1月から2005年4月までの外科入院患者4867例のうちバンコマイシンの経口投与を受けた症例は41例で,約9割が手術症例であった.その内訳はCD抗原陽性で偽膜性腸炎と診断された症例が10例,便培養検査にてMRSA腸炎と診断された症例が10例,これらを疑ってバンコマイシンを投与したが検査結果により否定された症例が21例で,臨床症状からの正診率は49%であった.治療により全例において症状は軽快し,腸炎による死亡例は認められなかった.腸炎発症前に投与された抗菌薬をセフェム系とカルバペネム系に分けて検討すると,後者の方が腸炎発症リスクが高いと考えられた.手術部位別の比較では,MRSA腸炎は上部消化管手術後に多く発症する傾向がみられた.バンコマイシンはこれらの腸炎の標準的治療薬であるが,腸内細菌叢を攪乱することによりVRE等の新たな耐性菌感染症の発症リスクとなるため,適正な投与基準を設ける必要があると思われる.
著者
吉田 聖 中島 寅彦 中川 尚志 久保 和彦 小宗 静男
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.193-198, 2005-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

Lemierre症候群は扁桃炎、咽頭炎より波及する血栓性内頸静脈炎から重症の敗血症、多発性転移性感染症などの重篤な全身症状を呈する感染症である。今回われわれはLemierre症候群の1症例を経験した。症例は32歳男性。主訴は発熱、咽頭痛。CRP 22mg/dlと高度の炎症反応、血小板40,000/Mm3と低下を認めたため敗血症によるDIC を疑い入院となった。血液培養にてグラム陰性桿菌であるporphyromonas asaccharoliticaが検出された。CT、MRI、超音波検査において、肺野に空洞を伴う病変および胸水、頸部リンパ節腫大、内頸静脈内腔の血栓形成を認めた。クリンダマイシン、メロペネムなどの抗生剤投与と、ワーファリンによる抗凝固療法による保存的治療により軽快した。急性扁桃炎重症例においては、本症候群への進展を念頭におくべきである。そして本症候群と診断された場合、迅速で適切な治療が必要である。
著者
谷山 茂人 高谷 智裕 反町 太樹 相良 剛史 久保 弘文 大城 直雅 小野 要 肖 寧 橘 勝康 荒川 修
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.49-55, 2013-02-25 (Released:2013-03-08)
参考文献数
37
被引用文献数
1 5

2009年1~6月に沖縄県沿岸で採集した小型巻貝8科15種計64個体のうち,5種にマウス毒性が認められた.このうち,キンシバイの毒力は総じて高く,筋肉で最高461 MU/gに達した.その他の4種(サツマビナ,ヘコミマクラ,イボヨフバイ,カゲロウヨフバイ)の毒力はおおむね10 MU/g前後であった.LC-MS分析により,有毒個体の毒の主体はいずれもTTXで,キンシバイではこれに加えて4,9-anhydroTTX,4-epiTTX,11-oxoTTXを含むことが示された.また,アワムシロの可食部からもTTX(5.08 MU/g)が検出された.一方,残りの9種には,マウス毒性もTTXも全く認められなかった.
著者
榎本 ヒカル 久保 博子 磯田 憲生
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.56, pp.69-76, 1994-10-25
被引用文献数
1

高齢者の好ましい温熱環境条件を導き出す研究の一環として,夏服着用,椅座安静状態の高齢者男性および青年男性に,高齢者は28,30,32℃,青年は26,28,30℃のそれぞれ3段階の気温において,最も快適な温熱環境になるように気流速度を調節させた.その結果,各気温での選択気流速度の平均値は高齢者男性群は気温28℃で0.41m/s,30℃で0.80m/s,32℃で1.08m/sで,青年男性群の気温26℃で0.46m/s,28℃で0.84m/s,30℃で1.37m/sに比べ同じ気温で約0.4m/s遅く,高齢者男性は青年男性と比べて気流暴露後の皮膚温や熱流量,温冷感に違いがみられた.
著者
久保田 ひろい
出版者
千葉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では、英語発話に見られる"語尾上げ口調(High rising terminals:以下HRT)"の多用の拡大という言語現象を対象とし、その機能を解明することを目的とする。1.映像資料への非言語情報および韻律のラベリング作業統計的な分析に向けデータ量を増やすため、昨年度に引き続き、収集したチュートリアル形式の説明談話の映像資料に対し、動画編集ソフト上で、動作・視線・句末音調のラベリングを行った。2.節・発話・談話情報のラベリング作業1.で統語的・語用論的境界によって分割した「発話」をさらに、韻律的境界で「節」に分割し、発話と節の関係性を表現するために、それぞれにIDを付与した。さらに談話構造との関係性も変数として取り入れるために、談話境界の認定を行い、談話IDも追加した。これによりどの発話がいくつの節から構成され、どの談話のどの位置にあるのかというような情報を分析に取り入れられるようにした。3.データベースの分析1.2.により作成したデータベースを用い、昨年度の事例分析で示唆された「新しいトピックへの移行段階でのHRTの生起とそれに同期する指さし、視線の切り替え」という傾向を統計的に検討した。これにより、HRTの生起はそれぞれの工程の冒頭部に集中し、多くの場合、指さし、視線の切り替えという順番で生じていることが確認された。また、上記の結果について「視点の操作」という観点から考察を行った。新情報を導入する際に、視線と指さしによって聞き手との間に視覚の共有状態を作り出した上で、それを共有基盤に追加したという確認の合図としてHRTのような音調が使用されているだけでなく、非言語情報・発話・それに伴う韻律が協働して新たな工程へ移行する場面が定型化されることにより、結果として全体の談話の構造化が促されていると考えられる。