著者
岩佐 麻未 高沢 百香 伊藤 晃 牧野 七々美 城 由起子 松原 貴子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0425, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】疼痛に対する理学療法の有効性に関して1990年代より系統的な取りまとめが各国でなされ,その中でも運動は強く推奨されている。そのエビデンスは,近年の運動による疼痛緩和(exercise-induced hypoalgesia:EIH)に関する報告で示されているが,いずれも高強度・長時間の運動による効果であり(Julie 2010),疼痛患者に処方することは難しい。また,疼痛に対する理学療法を想定すれば低負荷の有酸素運動が適するが,歩行やランニング,自転車運動など有酸素運動の方法による効果の違いは明らかにされていない。一方,これまで我々は3METs程度の歩行,自転車エルゴメーターによる下肢運動,クランクエルゴメーターによる上肢運動の低負荷有酸素運動により広汎なEIHが得られる可能性について報告した(山形2013)。しかし,個人の運動耐性能により身体へ負荷される運動強度は異なることから,運動強度を統一したうえで運動方法の違いによるEIH効果を厳密に比較するまでには至っていない。そこで本研究では,個々の運動耐性能をもとに運動強度を統一し,歩行,下肢運動,上肢運動といった運動方法の違いによるEIH効果について比較検討した。【方法】対象は,健常成人45名(男性22名,女性23名,年齢21.4±0.7歳)とし,全身運動群,下肢運動群,上肢運動群の3群(各群15名)に無作為に振り分けた。全身運動群はトレッドミル(STM-1250,日本光電)による歩行,下肢運動群は自転車エルゴメーター(Ergociser EC-1200,キャットアイ)による下肢ペダリング運動,上肢運動群はクランクエルゴメーター(881E,Monark)による上肢ペダリング運動を各20分間行わせた。また,運動強度は予測最大心拍数を算出し,Karvonen法を用いて40%heart rate reserve(HRR)に設定した。評価項目は,圧痛閾値,心拍変動,および主観的運動強度の指標であるBorg scaleとした。圧痛閾値はデジタルプッシュプルゲージ(RX-20,AIKOH)を用い,僧帽筋,上腕二頭筋,前脛骨筋にて運動前(pre),運動終了直後(post 0)および15分後(post 15)に測定し,pre値で除した変化率を測定値とした。心拍変動は携帯型心拍変動記録装置(AC-301A,GMS)にて心電図を実験中経時的に記録し,心拍数,および心電図R-R間隔の周波数解析から低周波数成分(LF:0.04~0.15 Hz),高周波数成分(HF:0.15~0.40 Hz,副交感神経活動指標)とLF/HF比(LF/HF,交感神経活動指標)を算出し,圧痛閾値の測定に対応した時点のそれぞれ前1分間の平均値を測定値とした。統計学的解析は,経時的変化にはFriedman検定およびTukey-typeの多重比較検定,群間比較にはKruskal-Wallis検定およびDunn's法による多重比較検定を用い,いずれも有意水準は5%とした。【結果】圧痛閾値は,3群とも全ての測定部位にてpreに比べpost 0で上昇し,全身運動群では全ての測定部位,下肢運動群では上腕二頭筋と前脛骨筋,上肢運動群では前脛骨筋でpost 15においても上昇を示した。また,全身運動群は他群に比べ僧帽筋のpost 15で高値を示した。心拍変動は,3群ともpreに比べ運動中にHFが減衰,心拍数とLF/HFが増大し,群間に差はなかった。またBorg scaleも群間に差はなかった。【考察】すべての運動方法で,運動中の心拍数,自律神経活動,主観的疲労感は同程度であったことから,個々に負荷された運動強度は同一であった。運動方法にかかわらず非運動部を含め広汎な痛覚感受性の低下,およびその持続効果を認め,さらにその効果は全身運動で最も顕著であった。有酸素運動に関する先行研究では,60%HRR以上の高強度負荷によりEIHが生じ,さらに30分~2時間の負荷でその効果は大きいとされている(Kodesh 2014, Naugle 2014, Hoffman 2004)。しかし今回,低負荷・短時間の運動であっても,その方法にかかわらずEIHが生じた。さらに,歩行のようなより広範部の運動の方がEIH効果は大きかったことから,有酸素運動のEIHは全身性の運動で効果が増大する可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】有酸素運動は低負荷であっても疼痛を緩和させ,特に,誰もが簡便かつ安全に行える歩行のような全身性の運動がより大きなEIH効果をもたらす可能性が示されたことは,疼痛マネジメントとしての運動療法を確立する一助となる意義深い結果である。
著者
小泉 政利 安永 大地 木山 幸子 大塚 祐子 遊佐 典昭 酒井 弘 大滝 宏一 杉崎 鉱司 Jeong Hyeonjeong 新国 佳祐 玉岡 賀津雄 伊藤 彰則 金 情浩 那須川 訓也 里 麻奈美 矢野 雅貴 小野 創
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順がその逆のOS語順に比べて処理負荷が低く母語話者に好まれる傾向があることが報告されている。しかし,従来の研究はSO語順を基本語順にもつSO言語を対象にしているため,SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか,あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分からない。この2種類の要因の影響を峻別するためには,OS語順を基本語順に持つOS言語で検証を行う必要がある。そこで,本研究では,SO言語とOS言語を比較対照することによって,人間言語における語順選好を決定する要因ならびに,「言語の語順」と「思考の順序」との関係を明らかにする。
著者
伊藤 俊樹 松永 泉
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P10, 2009

大阪人(関西人)と東京人の間では気質の違いがあると一般に言われているが、そのことを実証的に研究したものは少ない。本研究では、臨床心理学で用いられる投影法の技法を応用して、大阪人と東京人の人間関係の持ち方の違いを明らかにすることを目的とした。具体的には、なんらかの人間関係(特に何らかの葛藤あるいはネガティブな状況を推測させるもの)を投影できるような場面を4 場面(カフェ、コンビニ、電車の車内、店内)設定し、図版を4 枚作成した。被験者にはその図版を見て、過去、現在、未来に渡る物語を作ってもらい、その物語の違いを大阪人と東京人の間で比較検討した。被験者は大阪環状線の内側に位置する6 区に所在する事業所(30 名以上)に勤務する18 ~ 59 才の男女37 名(女性12 名、男性25名 平均年齢34.7 才)。東京山手線の内側に位置する12 区に所在する事業所(30 名以上)に勤務する18 ~ 59 才の男女36名(女性15 名、男性21名 平均年齢34.4 才)である。結果は、大阪人の方が東京人より人と人との間に何らかの人間関係をみることが多く、感情表現がよりはっきりしており、大阪には東京よりも物語が生まれやすい土壌があることが分かった。
著者
田實 直也 山田 浩昭 石川 一博 伊藤 祐 鈴木 和広 近藤 国和
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.199, 2008

〈緒言〉当院の電子カルテシステムは、効率的で安全な医療提供を追求するために2002年に紙カルテから全面移行した。稼動後6年が経過したが、不慮のトラブルは極めて稀で、半年に1回の保守停止以外はほぼ不眠不休で機能してきた。しかし、今回は更新に伴う停止時間が約27時間と算出された。このような長期停止は当院にとって前代未聞の出来事であり、様々な対策が必要となった。ここでは、今回のような病院機能の停止状態に対し、どのような対策を行ったかを報告する。<BR>〈方法〉院内では長時間停止が判明して、即管理職を中心に対応策を検討した。当初は三次救急医療を担う病院としての対応を模索したが、システム停止により情報網が寸断された状態では、求められる医療の提供が出来ないのは確実であることや、1日の救急外来患者が350名を越すため、処理が追いつかず飽和状態になることが予想されるなどから、対策として、最低限の患者数へ絞り込みを行い、この急場を乗り切るという苦渋の決断を強いられた。このため受け入れ先の確保や住民周知という難題に直面した。特に、地域住民の周知については短期的ながら患者の受療行動を抑制することになり、市民と近隣病院へ強く協力を働きかける方法を検討した。以下が行った対策である。<BR>1_県に救急の受診制限が問題ないか確認<BR>2_他病院への協力を要請<BR>3_救急隊へ搬送停止協力の依頼<BR>4_市広報へ掲載依頼<BR>5_周辺医師会へ連絡<BR>6_自院のホームページへ掲載<BR>7_地域の回覧板に依頼<BR>8_院内掲示・配布<BR>院内の対応は、停止中の職員を通常より増員し、今回の停止にあわせて臨時運用マニュアルを作成し、職員周知会を開催した。また、不測の事態に備えて定期的に行われているダウン時シミュレーションも運用参考とした。<BR>〈結果〉当日に電話や窓口でお断りする患者もいたが、対策が功を奏し、停止中の救急外来受診者数は期間中143人(前々週同期間374人、システム停止時間中実患者24人)となり、一定の効果を得ることが出来た。期間中救急の現場に大きな混乱もなく、停止時間も予定より6時間短く終了し、無事乗り切ることが出来た。今回行った対策の結果については、概ね以下の通りである(番号は前述〈方法〉欄記載に対応する)。<BR>1_医療圏内で十分な協力体制を敷くことができれば問題ないとの回答であった。<BR>2_近隣病院長会議や救急医療ネットワーク会議にて全面的な協力が得られ、他院の一部では期間中に増員体制で臨む協力が得られた。<BR>3_他院が救急搬送を受け入れてくれたため、特に問題はなかった。<BR>4_医療圏内12市町の広報へ掲載を依頼したが、断られる市もあった。<BR>7_安城市内の回覧板にて回覧協力を得た。<BR>8_院内数箇所に看板、ポスターを設置し、救急外来では、全患者に1ヶ月間リーフレット配布を行った。<BR>〈まとめ〉今回の試みは、早期に電子カルテを導入した当院が、更新作業をどのように行い、どのような対応策を検討したかという点以外にも、近年救急外来のコンビニ化が叫ばれる中、短期的ながら受け入れ先を明確化して明示すれば、患者の受療行動はかなりの確立でコントロールできるという二つの結果を導き出すことになった。通常業務における電子カルテの有用性を改めて実感するとともに、病院も行政との連携体制を強化し、地域を巻き込んだ広報周知活動を行うことによって、在るべき医療提供体制の機能分担体制構築に望みを見出す結果となった。
著者
岡田 成生 上野 泰宏 星 健太郎 伊藤 弘人 神部 芳則 草間 幹夫 小林 馨
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.8-11, 2008

We report a patient with jaw trismus demonstrating Square-Mandible face.<BR>Clinically, the patient had a square face with prominent masseter muscles and mandibular angles. The interincisal opening was 26mm, with limited lateral and anteroposterior mobility.<BR>The clinical diagnosis was restricted mouth opening due to bilateral hyperplasia of the masseter muscle aponeuorses. Masseter muscle myotomy with aponeurectomy was performed bilaterally by an intraoral approach. Mouth opening improved to 40mm after incision of the aponeuroses.<BR>An examination of the patient one year after surgery demonstrated an interincisal opening of 37mm without strain.
著者
伊藤 宗元 猿田 栄助 渡部 健次 吉田 君江 渡辺 チョ
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.448-452, 1965

Recently it has been recognized again that importance of fibrinogen on clinical field, while the method of fibrinogen assay required a lot of time and skillful work, which disturbed to get quick results on clinical use.<br>Authors have been measuring plasma fibrinogen upon several diseases by a turbidimetric method using ammonium sulfate according to Fowell who first described in 1955 and we followed up their changes related with the age, menstruation and course of diseases.<br>The average value of plasma fibrinogen among 10 healthy male (age between 23-41) was 362.2mg%, and 10 healthy female (age between 17-32) was 388.5mg%. During premenstrual and menstrual period of healthy female showed apparent increase of that value.<br>Nineteen cases of lung cancer was high as much as average 907.4mg%, while 15 cases of the other part of cancer (gastric, hepatic and uterine) showed average 590.3mg% of fibrinogen.<br>The far advanced pulmonary tuberculosis showed apparent increased value than the mild cases. Pleurisy revealed highest value among tuberculosis, while it decreased to normal value by adequate treatment.<br>Unfortunately we have not experienced any case of afibrinogenemia (both of the congenital and secondary), which has been noted to be the most frequent cause of massive hemorrhage during delivery.<br>The plasma fibrinogen among the other diseases were as follows: 1) normal value in acute leucemia and aplastic anemia, 2) slight increase in allergic purpura, 3) apparent increase in multiple myeloma, 4) increase or decrease in hepatitis, different by the type of disease, 5) slight increase in hypertensives and and diabetics.
著者
伊藤 弘
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture = Landscape Research Japan Online (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.763-766, 2004-03-31
被引用文献数
4

This paper is aim to clarify the relation between a landowner and a conversion method in the conversion process of the un-intensive & unused land into pocket park, and to clarify an effect and a problem of having converted such land into pocket park in Adachi-ku. The administration appeals to the landowner for offer of un-intensive & unused land actively, and is undertaking the project secure such land as a pocket park site. It is cleared that Petit-Terrace system has the effect complemented in the arrangement of the park in a built-up area by consulting a map and questionnaire, and that conversion methods differ according to the category of landowner such as individual, corporation and administration, and management organizations differ according to conversion methods by interview to the person in charge. When an un-intensive & unused land is converted into pocket park by inhabitant' s suggestion such as a part of the community design activities, it comes to manage by the organization, which can cope with the problem to generate flexibly. It was examined that defining the role of Petit-Terrace in the whole area was the effective means to cope with various problems after conversion.
著者
伊藤 龍星 原 朋之 樋下 雄一 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 阿部 真比古 吉田 吾郎 菊地 則雄
出版者
大分県農林水産研究指導センター水産研究部
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. 水産研究部編 = Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (Fisheries Research Division) (ISSN:2186098X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-22, 2014-07

国東半島及び別府湾の沿岸で、アサクサノリほか希少アマノリ類の分布について調査した。1. 採集した葉状体は形態観察を行い、アサクサノリと思われるものはさらにPCR-RFLP分析による種同定を行った。2. 調査を行った46地点のうち、国東半島10地点、別府湾2地点の計12地点で採集したアマノリ葉状体がアサクサノリと判断された。3. 国東半島の1地点で採集したアマノリ葉状体がイチマツノリと判断された。4. 国東半島の3地点で採集したアマノリ葉状体がソメワケアマノリと判断された。5. アサクサノリは環境省の「絶滅危惧I類」、水産庁の「絶滅危惧種」に、イチマツノリは水産庁の「絶滅危惧種」に、ソメワケアマノリは環境省の「準絶滅危惧種」、水産庁の「絶滅危惧種」に選定されており、国東半島及び別府湾には、貴重な絶滅危惧種アマノリ類が分布していることが判明した。
著者
佐藤 裕紀 伊藤 毅志
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.59(2008-GI-020), pp.37-43, 2008-06-20

カードゲーム「大貧民」では、ローカルルールに応じて、プレースタイルのバリエーションが増える。本研究では、電気通信大学で開催されている UECda2007 の基本的なローカルルールをもとに、考えうるプレースタイルを想定したプログラムを作成し、それぞれのプレースタイル間の相性を詳細に調べた。その結果、階段処理を行い、単体とペアを最弱縛りで縛るのが最も強いアルゴリズムであることが明らかになった。
著者
伊藤美津子
雑誌
BIO Clinica
巻号頁・発行日
vol.21, pp.926-931, 2006
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 精巣捻転症

著者
伊藤 秀明 並木 幹夫
出版者
日本思春期学会
雑誌
思春期学 = ADOLESCENTOLOGY (ISSN:0287637X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.471-474, 2002-12-25

金沢大学医薬保健研究域医学系
著者
伊藤 敞敏 菅原 弘 北澤 春樹
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

発酵乳用乳酸菌のもつ免疫賦活化能を調べる目的で実験を行った。まず、乳酸菌細胞壁の特徴を明らかにするため、L.bulgaricusとL.acidophilusの細胞壁成分を酵素的に可溶化させ、分画し、構成成分を調べることにより、両菌株の細胞壁の特徴を明らかにしました。次に、L.acidophilus グループ乳酸菌は、腸内で生育し、種々の生理的効果を示すことが知られているので、その生理的効果を追求する目的で、L.acidophilusとL.gasseriについて、マクロファージの腫瘍細胞障害活性に対する高揚効果およびインターフェロン誘起能について調べた。L.acidophilus9菌株の全菌体で刺激した場合、細胞障害活性は2菌株において高い値を示し、さらに4菌株に有意の活性がみられた。インターフェロン誘起能は、細胞障害活性の高かった2菌株を含む4菌株で高い値を示した。一方、L.gasseri13菌株のインターフェロン誘起能を調べたところ、5菌株が比較的高い値を示した。L.acidophilus9菌株については、有効成分を明らかにする目的で、菌体および細胞壁成分の免疫賦活化能を、マウス脾臓リンパ球に対する幼若化作用を指標として調べた。菌体全体を用いた場合は、有効性のみられたのは1菌株のみであったが、細胞壁成分では6菌株に有効性が認められた。そこで、特に活性の高かった1菌株の細胞壁成分をイオン交換クロマトグラフィーで分画し、各成分のリンパ球幼若化活性と組成の特性を調べた。有効成分はグルコース、N-アセチルグルコサミン、グリセロール、リンおよびムラミン酸を含んでおり、グルコースに対するN-アセチルグルコサミンの割合の高い画分の活性が高かった。これらの結果、L.acidophilusグループ乳酸菌の中には、腸内において免疫賦活やインターフェロン誘起などの生理活性を示すもののあることが示唆された。