著者
田口 喜一郎 菊川 正人 石山 哲也 伊藤 和也 上條 豊
出版者
耳鼻臨床
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.38, pp.1-6, 1990
被引用文献数
1

We devised a series of tasks as therapy for some types of vertigo. The task are as follows: 1) keeping the head in a position that elicits vertigo,2) head movements beginning in the sitting position,3) a short rest,4) body trunk movements,5) clockwise and counterclockwise body rotations while standing with eyes closed,7) walking forwards and backwards with eyes closed.<BR>We obtained favo r able results with this therapy in one of ten patients with Meniere's disease, all seven patients with benign paroxysmal positional vertigo and six of ten patients with vertebro-basilar artery insufficiency. Our home therapy is recommended for all patients with benign paroxysmal positional vertigo and selected patients with vertebrobasilar artery insufficiency.
著者
島津 和彦 清水 健 金戸 善之 坂本 滋 入山 正 岩波 洋 会田 博 伊藤 芳和 加藤 茂雄
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.1298-1301, 1985

体気中の0圧でわずかな隙間を有する閉鎖位をとる様固定されているMitroflow&reg;牛心膜弁の臨床的機能評価を行う目的で術中有効弁口面積計測, 術後心房ペーシング負荷心拍出量計測, および弁口造影を施行した。対象は4例, 6弁(大動脈弁位2, 僧帽弁位4)である。<br>有効弁口面積測定の結果, 21A弁2.28cm<sup>2</sup>, 23A弁277cm<sup>2</sup>, 27M弁3.12cm<sup>2</sup>, 29M弁でそれぞれ3.24, 3.52, 3.6cm<sup>2</sup>であった。この有効弁口面積測定結果は梅津(2)のIn Vitroのデーターと近似していた。<br>術後心房ペーシング負荷では毎分170心拍まで心拍出量の増加を認めた。<br>術後弁口造影では3弁尖の均等な開放, 閉鎖運動を認め, 開放中期では最大開放位までの弁尖の開放を認めた。<br>以上より本弁は3葉が均等に開閉し, 比較的大きい有効弁口面積を有し, 頻脈追従性が比較的良好な弁である事が結論された。
著者
矢野 博明 伊藤 誠 山口 佳樹 井上 和哉 北原 格 原田 悦子 澁谷 長史
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では歩車混在空間において人および移動体それぞれが安全かつ安心して移動するために、自身の情報を発信する外向きヒューマンマシンインタフェース(外向きHMI)の評価のために、人が歩行する空間と車両が走行する空間を物理的に別々に構築し、バーチャルリアリティ技術や拡張現実感技術を用いて両者を統合するシステムを開発する。このシステムを用いて、歩車混在空間での人と移動体の間の情報のやり取りの特徴や、機械学習による行動予測に基づく外向きHMIを人や移動体に重畳してバーチャルに実装する。その時の反応や通行リスクの変化を比較することで、外向きHMIの開発・評価システムや外向きHMIの必要要件を明らかにする。
著者
稲垣 宏之 杉谷 政則 瀬戸口 裕子 伊藤 良一 織谷 幸太 西村 栄作 佐藤 進 加藤 正俊 齋 政彦 山本(前田) 万里 亀井 優徳
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.403-411, 2009-07-15 (Released:2009-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
6 6

エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCG3″Me)を始めとするメチル化カテキンを含有する茶品種「べにふうき」と,国内流通量の大半を占め,かつメチル化カテキンを含まない茶品種「やぶきた」の抗肥満効果を比較検討した.12週齢のC57BL/6J雄性マウス(n=10/群)に低脂肪飼料,高脂肪飼料,高脂肪飼料に2%「べにふうき」茶葉または2%「やぶきた」茶葉を添加した飼料を与えて5週間飼育した.2%「べにふうき」茶葉高脂肪飼料を摂取した群は,高脂肪対照群に対し,体重,皮下および内臓脂肪組織重量,血中レプチン濃度が有意に低減した.一方,2%「やぶきた」茶葉高脂肪飼料を摂取した群では有意な抗肥満効果は皮下脂肪組織重量のみで観察され,相対的に抗肥満効果が弱かった.また工業的利用性の高い「べにふうき」熱水抽出エキスを1日1回体重1kg当りのカテキン総量として100mg,50mgおよび25mgを強制経口投与した結果,用量依存的な抗肥満効果が認められた.以上の結果より,「べにふうき」は「やぶきた」よりも強い抗肥満効果を示し,その効果は用量依存的であることが明らかにされた.また,「べにふうき」の強い抗肥満効果は,EGCGよりも吸収性および血中滞留性に優れたEGCG3″Meを始めとするメチル化カテキンが特異的に含まれているためと考えられた.
著者
大島千佳 中山功一 伊藤直樹 西本一志 安田清 細井尚人 奥村浩 堀川悦夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-6, 2013-08-24

シンセサイザのボコーダの機能を利用し,発声をリアルタイムに長調や短調の音楽に変換することによる,気分の変化について調べた.音楽はさらに MusiCuddle というシステムを利用し,ユーザの発声と同じ音高から開始された.実験の結果,気分の変化に関して,短調と長調の和声フレーズの条件の間で,「陽気な」 「悲観した」 に差異が認められた.ここから,憂鬱な気分であっても,自分の発声が強制的に楽しい気分を誘う音楽に変換されると,気分が楽しくなることが示唆された.
著者
伊藤 直之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

1.研究の目的<br><br>シビックプライド(Civic Pride)とは,市民が都市や地域に対して持つ自負と愛着である。筆者らは,平成26年度より,科研費基盤研究(C)一般「異学問・学校・地域との協働によるシビックプライドを育む小学校社会科地域学習の開発」にもとづき,子どもから大人までが,市民として自らの故郷にプライドが持てるような教育を考えるプロジェクトを発足した。<br><br> 本研究では,教科教育学研究者(伊藤直之)と工学(田中尚人・熊本大)・経済学(戸田順一郎・佐賀大)の各研究者が連携し,子どもたちや地域住民との協働を通して,地域社会をよりよい場所にするために関わろうとするシビックプライドの涵養という観点から,とくに小学校社会科を例にして,新しいあり方について検討してきた。<br><br> <br><br>2.シビックプライド教育のあり方<br><br>このプロジェクトでは,各自の所属や問題関心によって意見が少し食い違うことがあるものの,次の①~③についてはおよそ共通理解が得られている。それは,①より良いまちづくりの仕方やあり方については参会者が自ら「考えてみる」ことに意義があるのであり,企画側(教える側)があらかじめ望ましい答えを用意すべきではないこと,②自分たちがより良いまちづくりに関与しているという「当事者意識」をくすぐること,③一人で考えることも大事だが,さまざまな人々との交流を「きっかけ」にすることがさらに大事であること,などである。<br><br>そして,従来の社会科教育や地理歴史教育における性急な態度形成に対する批判に学べば,愛着や愛情の育成は,急いではならないし,目に見えるような成果を期待してはならないということかもしれない。だからこそ,筆者らはシビックプライドを「育成」ではなく「醸成」すると表現するのである。<br><br> そして,そもそもシビックプライドは,一つの教科に過ぎない社会科だけで担い得る教育目標だろうか。その答えは,当然,否である。社会科に限らず,教科の教育だけで育まれるものでもない。学校教育だけで完結するものでもない。ここに,実社会との連携であったり,教育関係者に限らず,さまざまな分野の人々と協働する可能性が生まれてくる。<br><br> 筆者らは,教育目標としてのシビックプライドを,「市民が地域社会や環境に対して持つ自負や愛着,そして,それらをより良くする能動的な参加の精神」と定め,それを先述のような押しつけや誘導に陥ることなく,開かれた形で学んでいくスタイルの教育を「シビックプライド教育」と定義し,その起点を小学校に設定し,徳島県や熊本県,佐賀県において,さまざまな地域学習の構想と実践を試みている。<br><br> <br><br>3.シビックプライドを醸成する学習<br><br> 筆者らがこれまでに取り組んできたシビックプライドを醸成する学習は,おおむね次のように整理することができる。①フットパスコースの提案,②未来予想マップづくり,③地域の諸課題についての価値判断の3つである。<br> 本発表(ポスター)では,上述の学習について,具体的な様子を示しながら,その成果と課題について考察することにしたい。
著者
伊藤 了子 Ryoko Ito
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.11-29, 2011-12-10
著者
杉山 俊幸 伊藤 暢人 宮東 治彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1351, pp.30-52, 2006-07-24

問 2003年1月、日本経団連会長になって半年後に「活力と魅力溢れる日本をめざして」というビジョンをまとめました。「奥田ビジョン」と呼ばれるくらい、強い問題意識が詰まっています。あれから3年半、ビジョンの目指す方向に日本は向かっていますか。 答 まあ、半分くらいですね。残る半分を達成していく努力を積み重ねないと、いずれ日本は沈没する。そう思いますよ。
著者
大橋 和也 前田 忠計 小寺 義男 丸橋 正弘 大谷 真理 大石 正道 伊藤 一郎 佐藤 絵里奈 大草 洋 松本 和将 馬場 志郎
出版者
日本プロテオーム学会(日本ヒトプロテオーム機構)
雑誌
日本プロテオーム学会大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.18, 2009

シスプラチンやタキソールは優れた抗腫瘍効果から、悪性腫瘍の治療において頻用されている抗癌剤であり、膀胱癌においても一般的な化学療法に組み込まれている。これら抗癌剤の有効性は証明されているものの、徐々に抵抗性を示す症例を経験する。これは膀胱癌がシスプラチンやタキソールに対して耐性を獲得したことが原因の一つとして考えられる。そのため、これら抗癌剤に対する耐性獲得機序の解明が求められている。しかし、膀胱癌において薬剤耐性を獲得する機序は未だ不明な点が多い。そこで、我々は予後因子としてのマーカーの発見ならびに薬剤耐性獲得機序解明を目的として研究を進めている。本研究では、膀胱癌細胞株 T24 、膀胱癌細胞株 T24 より樹立されたシスプラチン 26.6μM の培地で成育された T24 シスプラチン耐性株を用いた。これらを二次元電気泳動法により定量分析し、シスプラチン耐性関連タンパク質を探索した。二次元電気泳動法は一般的な方法よりも高分子量タンパク質を分析可能なアガロース二次元電気泳動法を用いた。二次元目の SDS-PAGE 用ゲルのアクリルアミド濃度は 12% 均一ゲルと、高分子領域の分離能が高い 6-10% 濃度勾配ゲルを用いた。また、二次元電気泳動ではゲル毎の泳動パターンの差が問題となるので、再現性確認のため、T24 、T24 シスプラチン耐性株を各 3 回独立に電気泳動し、解析した。T24 と T24 シスプラチン耐性株を比較分析した結果、12% 均一ゲルにおいて約 300 スポット中 22 スポット、6-10% 濃度勾配ゲルにおいて約 150 スポット中 9 スポットのシスプラチン耐性獲得関連タンパク質を検出した。これらを LC-MS/MS により分析した結果、最終的に 25 種類のタンパク質の同定に成功した。同定されたタンパク質はシスプラチン耐性関連として報告されているものが 3 種類、報告されていないものが 22 種類であった。現在、22 種類のタンパク質から T24 シスプラチン耐性株において増加した 5 種類、消失した 1 種類、大きく減少した 2 種類の合計 8 種類のタンパク質に注目し、発現量解析を Western Blotting 法により行っている。発表ではこれらの結果をタキソール耐性株の分析結果と共に報告する。
著者
伊藤 崇
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.63-74, 2011
被引用文献数
1

集団的な保育活動において一斉に着席する活動は,そこに参加する幼児自身によってどのように達成されているのだろうか。この問いに関し,保育所の3〜4歳児(年少児)クラスを対象として,自由に遊ぶ活動が終了してから,全員が着席し「お誕生会」が始まるまでの準備過程を,年少児が保育所に参入した直後の3ヶ月間に渡って検討した。「お誕生会」の映像をビデオで記録し,それが開始される直前の過程で年少児と保育者の行った発話およびイスへの着席行動を分析したところ,以下のことが明らかとなった。集団レベルで見ると,4月から6月にかけて起きた変化として,「お誕生会」の開始までに要する時間が短くなった。この変化は,少なくとも2つの変化によって生じていた。第一に,4月にはなかなか着席しなかった幼児が6月にはすぐに座れるようになること,第二に,4月には座ったり立ち上がったりを繰り返していた幼児が,6月には一度座った席から離れなくなったことであった。以上の結果から,一斉に着席する活動が,ただ単に「座ること」ではなく「立たずに座り続けること」によって実現されていたことが明らかとなった。この結果に関して,立つという行動が集団の中でもつ意味の変化という観点から検討した。
著者
蒲原 元 中井 一人 伊藤 藍 三浦 由美 大原 弘樹 安藤 祐一 丹羽 貴之 新村 友夏 江﨑 雅彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】我々は平成17年より通院患者を対象に腰痛教室を定期的に開催し,平成24年度からは地域の方々を対象に豊橋市生涯学習講座の一環として当法人近隣の地区市民館で教室を開催してきた。第29回東海北陸理学療法学術大会において,我々の教室が参加者に分かり易い内容で腰痛予防の情報を提供できているか,アンケート調査の結果報告を行った。その際の結果は,教室内容に対して分かり易いが97.4%であった。そこで26年度は教室内容に対して参加者がどれくらい理解出来ているかを把握する為,教室直後に復習テストを行い調査する事とした。【方法】教室の基本方針は"生活の中で楽に腰椎の生理的前弯位を保持する"とし,内容は基礎知識,日常生活指導,運動指導の3パートで構成している。復習テストは教室で講義した内容を問う全5問とし,腰の負担が少ない姿勢について文章から正しいものを選択する問題,写真から選択する問題を各1題,日常生活での注意点についての記述問題,日常生活上で骨盤中間位を保つ為の工夫についての記述問題,どのような症状の際は病院を受診すべきかを選択する問題をそれぞれ1題とした。【結果と考察】5つの地区市民館で教室を開催し,合計参加者数301名,回収率94.0%,全体正解率89.1%。各設問の正解率は,腰の負担が少ない姿勢の文章問題94.7%,写真問題97.9%,日常生活の注意点について85.5%,日常生活の工夫について84.1%,受診すべき症状について83.4%であった。全体正解率は89.1%であり,参加者が教室内容を概ね理解していると考えられた。参加者に対し分かり易く,内容を理解してもらえる教室が行えていると思われる為,今後は教室を行う事で得られる効果を客観的に評価していきたい。そして,復習テストの点数と客観的評価の結果から,正解率の適正水準や,どの項目が効果と関係するか等を検証していき,より効果的な教室作りにつなげていければと考えている。
著者
尾崎 吉郎 木畑 佳代子 田中 晶大 嶋元 佳子 安室 秀樹 横井 崇 孫 瑛洙 川上 勝之 伊藤 量基 西 憲一 野村 昌作
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.207-213, 2011-09-30 (Released:2015-12-16)
参考文献数
8

膠原病関連血管炎では肺胞出血を伴うことがあり,強力な免疫抑制により治療されるが長期の機械的人工換気が必要となる例も多い.36歳女性,46歳女性,72歳女性の3症例のびまん性肺胞出血に対し,Airway pressure release ventilationモードでの人工換気を止血の補助療法とし,著効を得た.いずれも診断後直ちにAPRVで管理し,速やかに止血され平均第8.5日で抜管が可能であった.
著者
湯川 雅之 伊藤 大輔 峰時 俊貴 渡辺 敏郎 広常 正人
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.12, pp.963-968, 2009 (Released:2016-02-16)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

酒粕の有効活用のため,吟醸酒粕や普通酒粕より資化できる糖質の残存量が少ない液化酒粕を用い,その生理活性を高めたSLIPの製造方法を検討した。液化酒粕をプロテアーゼ剤と共に清酒酵母で再発酵させた結果,米由来の酸性グルテリン,グロブリン,塩基性グルテリンが減少し,TDFとRPの合計量が液化酒粕の1.7倍に高まったSLIPの製造に成功した。試験管レベルで油の吸着実験によりSLIPを評価した結果,メタボリックシンドローム対応素材として市販されている,キノコキトサンの脂質吸着量の約1.5倍となることが確認された。SLIPを摂取することにより,過剰な脂質の吸収を抑制することでコレステロール低下作用や肥満抑制作用が期待できる。
著者
守谷 友紀 高井 良裕 岡田 和馬 伊藤 大雄 塩崎 雄之輔 中西 テツ 高崎 剛志
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.424-430, 2005-11-15
参考文献数
20
被引用文献数
1

セイヨウナシ(Pyrus communis L.)の自家および交雑不和合性は結実率や種子数により判定されてきたが, それらの評価は明確ではない.本研究では交雑による不和合・和合の判定方法を確立するため, セイヨウナシ10品種を用いて1花そう1花の除雄無受粉, 自家受粉および他家受粉を行い, 各品種の単為結果性, 自家不和合性および品種間の交雑不和合性を調査した.ほぼすべての品種が単為結果性を有し, 結実率による不和合・和合の識別はできなかった.しかし, 新たに提案したself-incompatibility (SI) index((評価対象の交配における交配花数当たりの充実種子数)/(和合交配における交配花数当たりの充実種子数)×100)により不和合・和合の判定が可能になった.その結果, 'グランド・チャンピオン'は部分的自家和合性であり, 他の品種は自家不和合性であることが明らかになった.有種子果実の品質は単為結果果実よりも優れており, 単為結果性を有するセイヨウナシでも安定的な良質果実の生産には和合花粉の受粉が必要でることが明らかになった.'フレミッシュ・ビューティー'と'スタークリムソン'および'バートレット'と'セニョール・デスペラン'の二つの組み合わせが交雑不和合を示した.