著者
佐藤 寛 高橋 史 杉山 恵一 境 泉洋 嶋田 洋徳
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.33-44, 2007-03-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究の目的は、攻撃行動をパーソナリティ変数としてではなく、観察可能な行動として測定する尺度である攻撃行動尺度を作成し、信頼性と妥当性を検討することであった。まず、研究1では大学生372名を対象に調査を実施し、攻撃行動尺度の作成と内的整合性の検討を行った。その結果、「身体的・物理的攻撃」「言語的攻撃」「間接的攻撃」の3因子17項目からなる攻撃行動尺度が作成された。また、攻撃行動尺度はある程度の内的整合性があることが示された。次に、研究IIにおいて、大学生406名を対象に、攻撃行動尺度とAnger Expression Scaleを用いた調査を実施し、攻撃行動尺度の妥当性を検討した。分析の結果、攻撃行動尺度は適切な交差妥当性と構成概念妥当性を有していることが示唆された。最後に、本研究の限界と今後の課題に関する議論が述べられた。
著者
大豆生田久志 小林亜樹 佐藤宏紀
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.627-628, 2011-03-02

オンラインショッピングは実際の店舗よりも膨大な数の商品を気軽に商品を閲覧できる。しかし膨大な数の商品の中から自分で欲しいものを探さなくてはならなく、店員のように商品を推薦して、購入までの意思決定の支援をするものではない。そこで、Tシャツ販売を例にとって、店員の役割を果たす試作システムを作成する。本研究では、適合フィードバックのようにユーザの嗜好を学習し嗜好に合ったものに絞るだけではなく、嗜好に合わないものも適当に提示することによって購入の決断を促し、意思の決定を早める手法を提案する。その提案手法の有効性について、既存の適合フィードバックと比較し検証する。
著者
辛島 桂一 佐藤 清 森戸 俊樹
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.41, no.468, pp.35-43, 1993
被引用文献数
2 1

This paper concerns with the results of an experimental study on dynamic load characteristics in parachute inflation at a subsonic speed. The unsteady drag of the parachutes in the process of inflation is measured in a wind tunnel at <i>M</i>=0.2, and the opening shock load is examined in detail with emphasis on the effects of porosity and size of the models. It is shown that the circular vents near the edge of the canopy are more effective than the slit vents to reduce the opening shock load without considerable decrease of drag in the steady-state. Detailed examination reveals that the model geometry as well as descending speeds has no serious influence on the coefficients of the opening shock load <i>C</i><sub>m</sub> and the opening time <i>C</i><sub>t</sub>, if both <i>C</i><sub>m</sub> and <i>C</i><sub>t</sub> are defined by use of the effective references calculated from the concept of an equivalent parachute, which has a circular plane canopy with the reduced area obtainable by subtracting porous area from the geometric one.
著者
佐藤 豊 サトウ ユタカ Yutaka Sato
雑誌
ICU 日本語教育研究センター紀要 = The Research Center for Japanese Language Education Annual Bulletin
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-12, 2001-03-31

This paper summarizes the reviews of Japanese language textbooks for intermediate-level learners. Articles written on this subject, that is, Japanese language textbooks for intermediate-level learners, were collected as part of the on-going project to develop an intermediate-level textbook for learners of Japanese in the Japanese Language Programs, International Christian University. The following aspects of textbook development have been discussed and briefly summarized in this paper: (i) what skills should be emphasized (reading/writing or speaking/listening?), (ii) what kinds of topics are good as reading materials for learners of Japanese, (iii) how are grammatical points incorporated into readings in textbooks on the market, and (iv) what kinds of exercises and activities are there in those textbooks. Finally, an attempt to classify the textbooks into three types, the traditional type, the "new" type and the "geared-to-specific-skills" type, is introduced.
著者
酒井 温子 岩本 頼子 伊藤 貴文 佐藤 敬之
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.69-79, 2008 (Released:2011-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
6 4

窒素雰囲気下で熱処理されたスギ辺材およびアカマツ辺材の耐朽性, 耐蟻性および吸湿性を検討した。熱処理の温度は140~240℃で, 熱処理の時間は24時間とした。スギ辺材の熱処理木材から木口断面20mm×20mm, 繊維方向10mm の試験片を切り出して, オオウズラタケおよびカワラタケによる12週間の強制腐朽試験を実施したところ, 処理温度が高いほど腐朽による質量減少率は低下し, 220℃および240℃の処理で質量減少率は1%以下となった。また, ファンガスセラー試験においても, 12カ月経過時点で, 無処理試験体の腐朽度が5となっても, 220℃および240℃処理試験体の腐朽度は0のままであった。一方, 室内耐蟻性試験では, 240℃処理試験体のイエシロアリ食害による質量減少率は11%であり, 耐蟻性は十分ではなかった。JIS K 1571: 2004に準拠した野外試験の結果, 奈良県森林技術センター明日香実験林におけるスギ辺材熱処理材の腐朽とヤマトシロアリによる被害も, また鹿児島県日置市吹上浜におけるアカマツ辺材熱処理材のイエシロアリによる被害も, 処理温度が高いほど軽減されることが明らかになった。高い生物劣化抵抗性を示す熱処理木材は, 吸湿性も大きく低下しており, 両者に密接な関係があることが示唆された。
著者
草刈 正雄 佐藤 珠希
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.439, pp.134-137, 2019-01

──7年ぶりの主演映画「体操しようよ」で、38年間無遅刻無欠勤だった会社を60歳で定年退職し、家事や地域社会デビューに悪戦苦闘する佐野道太郎役を演じています。亡くなった妻の代わりに家事を担ってくれてきた一人娘から「定年後は面倒を見ない」と言い渡さ…
著者
春木 伸裕 佐藤 篤司 杉浦 正彦 呉原 裕樹 辻 秀樹
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.487-490, 2010-03-31 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15
被引用文献数
4

症例は1型糖尿病で通院中の55歳女性で,インスリン注射を3日前から自己中断し意識障害を呈し入院となった。血液検査にて糖尿病性ケトアシドーシスと診断し治療を開始した。翌日38℃の発熱と腹部膨満を訴えたため,緊急CTを施行した。腹水,門脈ガス,広範な腸管気腫を認め,腸管壊死による急性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。開腹すると,回腸末端の約200cmの回腸が分節的に壊死しており,S状結腸も暗紫色を呈し虚血に陥っていた。上腸間膜動脈および下腸間膜動脈は本幹から末梢まで拍動を触知できたことから,非閉塞性腸管膜虚血症(nonocclusive mesenteric ischemia: 以下,NOMI)と診断し,壊死した腸管の切除と下行結腸に人工肛門を造設した。NOMIは主幹動脈に器質的閉塞がないにもかかわらず,腸管に虚血あるいは壊死を生じる予後不良の疾患で,自験例は著明な脱水と,高血糖による高浸透圧が増悪因子となり,NOMIを発症したものと考えられた。
著者
佐藤 清隆
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、第二次世界大戦後のイギリスにおける多民族都市レスターの南アジア系移民(主としてインド系)コミュニティの歴史を、「宗教」(ヒンドゥー教、シク教、イスラーム教など)を中心に据えて明らかにした。その際、一方では、各民族・宗教内の多様性や差別に注意を払い、他方では、彼らとイギリスの多文化主義政策の下でおこったレスターの多宗教統合との関連を重視して検討をおこなった。また、本研究の過程で、数多くのインタビューを実施し、「多宗教・多文化の歴史研究所」(明治大学)から『記憶と語り』シリーズの一部として英語による5冊のブックレットを刊行した。
著者
吉尾 雅春 村上 弦 西村 由香 佐藤 香織里 乗安 整而
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0826, 2006 (Released:2006-04-29)

【目的】座位で骨盤の傾斜角度を変えて,屍体の大腰筋腱を他動的に牽引して股関節を屈曲する際の張力を調べることによって,座位における大腰筋の機能について検討した。【方法】ホルマリン固定した屍体10体で,明らかな骨変性のない17股関節,男性10股関節,女性7股関節を対象とした。第11,12胸椎間で体幹を切断し,脊椎,骨盤を半切,膝関節で離断,大腰筋腱,股関節の関節包,各靱帯のみを残し,骨格から他の組織を除去して実験標本を作製した。背臥位で両側の上前腸骨棘と恥骨結節とを結ぶ面が実験台と水平になるように,実験台に骨盤をクランプで固定した。実験台は股関節部分で角度を任意に調節できるようにし,床面と水平になるように設置した。骨盤側の台を座位方向に起こして,骨盤長軸と大腿骨とで成す股関節屈曲角度を0度,15度,30度,45度,60度,75度,90度に設定した。それぞれの角度で大腰筋腱を起始部の方向から徒手的に牽引して,股関節が屈曲し始めたときの張力を測定した。張力の測定にはロードセル(共和電業,LU-20-KSB34D)を用い,センサーインターフェイスボード(共和電業, PCD-100A-1A)を通してパーソナルコンピュータで解析して求めた。大腿骨の重量や長さなどの個体因子を排除するために,股関節屈曲角度0度での張力を1として,張力の相対値を求めて検討した。牽引時の主観的抵抗感も検討因子に加えた。統計学的検討はt検定により,有意水準を5%未満とした。【結果】各角度での張力の相対値は0度:1.00,15度:1.05±0.08,30度:1.04±0.11,45度:1.07±0.12,60度:1.25±0.11,75度:1.44±0.15,90度:1.82±0.29であった。15度と30度との間で差が認められなかった以外は,0度から45度まで有意に張力は微増,60度,75度で著明に増加,90度で張力は激増し,60度以上での張力はすべての角度との間で有意差がみられた。牽引時の主観的抵抗感は60度以上で強く,75度でかなり強さを増し,90度では股関節屈曲が困難なほど極めて強い抵抗があった。【考察】第40回大会で骨盤を固定した健常成人の他動的股関節屈曲角度が約70度であることを報告した。主観的抵抗感も加味すると,通常の生体座位における自動的股関節屈曲に75度,90度で得られた張力を求めるとは考えにくい。座位で大腰筋を用いて股関節を自動屈曲するためには骨盤後傾位が効率的で,骨盤前傾位では股関節を屈曲することが困難になる。逆の視点で考えれば,骨盤後傾位で体幹を伸展した座位姿勢を保持するためには下肢が挙上しないようにハムストリングなどの作用が求められるが,前傾位では下肢は挙上しにくいために大腰筋の作用によって体幹伸展保持が保障されるという,60度を境にした役割の切り替えがなされる筋機能を有していると考えられた。
著者
佐藤 啓一 阪口 ナミ
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.115-119, 1967-12-28 (Released:2010-03-19)
参考文献数
4

電熱利用温室におけるカカオ樹栽培の結果, 毎年約20個のカカオの果実を収穫することが出来た.温室内においても, 開花結実はほとんど一年を通じて行なわれるが, 結実後の落果が多く, 収穫できるのは, 10月から12月頃の開花盛んな頃の人工受粉により得られたもので, その時の月平均気温は, 27℃前後であった.収穫したカカオの実は, 形態的にやゝ小さく, カカオ豆は不良豆がやゝ多く, 1個平均重もやS小さかったが・それを除けば, 充実した多くのカカオ豆を得ることができた.おわりにこの研究の発表を許可下さった森永製菓株式会社に深謝すると共に, 終始御助力下さった, 製菓鶴見研究所玉木技監, 塚口分室須山分室長に感謝の意を表する.
著者
佐藤 裕司 居平 昌士 松田 功 熊野 茂
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.193-199, 1997

Diatom assemblages in sediments were analyzed to clarify sedimentary environments during the mid- to late-Holocene and to determine the upper limit of marine facies at the Mokoto site along the Okhotsk Sea in Hokkaido.<BR>There was a replacement of marine and brackish-water diatoms by freshwater ones at +1.80 m altitude. Marine and brackish-water diatoms occurred over 40 % at the horizons below +1.80 m altitude, where a marine diatom <I>Cocconeis scutellum</I> and brackish-water diatoms <I>Bacillaria paradoxa, Navicula peregrina</I> and <I>Synedra tabulata</I> occurred. This indicates that sedimentation took place under a lagoon-like environment. Peat accumulation and the dominance of freshwater epiphytic diatoms indicate peat moor environments at the horizons above +1.80 m altitude. At about 5,500 yrs BP, the Mokoto site changed from lagoon littoral to peat moor conditions. Based on the diatom assemblages in sediments, the upper limit of marine facies can be regarded to be +1.80 m altitude, indicating the mid-Holocene sea-level high stand at the Mokoto site.
著者
赤松 泰次 下平 和久 野沢 祐一 植原 啓之 佐藤 幸一 市川 徹郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.378-381, 2016-03-25

疫学 悪性黒色腫の多くは皮膚に発生するが,消化管の中では食道と肛門直腸部が好発部位である.直腸肛門部に発生する頻度は全悪性黒色腫の0.4〜5.6%で,全肛門部悪性腫瘍の0.25〜1.25%と報告されている.発症年齢は50〜70歳代と中高年者に好発し,男女比は1:2で女性が多い.
著者
橋本 哲 水野 研一 佐藤 裕樹 高綱 将史 横山 純二 市川 寛 渡邉 玄 味岡 洋一 寺井 崇二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.295-299, 2020-03-25

疾患の概念 食道壁内偽憩室症は,1960年にMendlら1)によって初めて報告された,粘膜および粘膜下層の食道腺導管が囊状に拡張したまれな疾患である.多発する小さい憩室様の所見を呈するが,通常の仮性憩室とは異なり,固有筋層の外側に伸展することはない.明らかな発症原因は不明であるが,真菌や細菌感染,逆流性食道炎,アルコール多飲などに伴う慢性炎症により,食道腺や導管に炎症が波及し病的拡張を来すと推察されている.
著者
佐藤 健次 佐藤 達夫
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.515-529, 1981 (Released:2009-06-05)
参考文献数
18
被引用文献数
13 7

術後機能障害を最小限にとどめた直腸癌手術術式の開発に資する基礎的研究として,実習死体において陰部神経叢と骨盤神経叢の構成と分布形態の精査を試みた.陰部神経叢の枝は,起始位置から内側群(第1群)と外側群(第2群)とに分けられ,両群ともに所属神経の問に層的構成が認められる.骨盤内臓神経は内側群の最腹側に位置する神経である.外肛門括約筋の主要支配神経は下直腸神経と会陰神経であり,後端部にのみ第4仙骨神経会陰枝または肛門尾骨神経が進入する.肛門挙筋の主要支配枝は肛門挙筋神経であるが,筋下端部は会陰神経と下直腸神経の支配を受ける.骨盤神経叢は主として下腹神経と骨盤内臓神経から構成され,仙骨内臓神経の関与度は低い.骨盤神経叢から出る直腸枝は,直腸壁への進入個所により,上群と下群とに分離する傾向が認められる.