著者
鳥居 和之 佐藤 政勝 上田 信二 川村 満紀
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.889-894, 1995-06-01
参考文献数
7

明治44年に建設された鉄筋コンクリートアーチ橋(石川橋)の解体調査にて得られた主鉄筋、配力鉄筋およびエキスパンドメタルの腐食性状、力学的性質、化学成分および金属組織の特徴を調べた。その結果、主鉄筋の強度規格は現在のSR235に相当するものであるが、鉄筋の伸びは現在のものよりもかなり大きいことが判明した。また、鉄筋の化学成分および金属組織に関しても興味深い知見が得られた。鉄筋の各種分析の結果に基づいて、当時の鉄筋の製造方法や製造地(国産または外国産)、鉄筋の腐食性状との関連性について考察している。
著者
中井 優理子 岡崎 龍太 蜂須拓 佐藤 未知 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.50-54, 2014-09-12

ぬいぐるみに人とのインタラクション機能を付与する従来の提案の多くは,ぬいぐるみに音声や手足および眼球の動き,呼吸や心拍に伴う動き等を付与するものであったが,不完全に実現されたインタラクションはかえってぬいぐるみに対する没入感を損なう危険があった.今回我々はぬいぐるみに生き物感を付与する最小限の構成として,目の表面の涙のゆらぎを表現する手法を提案する.涙のゆらぎは鏡面反射によって拡大して知覚されるため,微小な動きで人に知覚させることが出来,また感情表現を行える可能性がある.今回は水中の気泡と振動子を用いるだけの簡易な手法で目のゆらぎを実装し,その効果を検証した.
著者
佐藤 純
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.219-224, 2003

著者らは慢性痛が前線通過や気温低下の際に悪化する現象の科学的実証とそのメカニズムを明らかにする目的で,慢性痛モデルラットを用いた人工環境曝露実験を行ってきた.これまでに,天気変化でみられる程度の気圧低下(大気圧から27hPa減圧)と気温低下(22&deg;Cから7&deg;C冷却)により単関節炎モデルと神経因性疼痛モデルの疼痛行動が増強することを明らかにし,いわゆる「天気痛」を動物モデルで再現することに成功した.そして,気圧低下の疼痛増強作用には交感神経活動が重要であること,また気温低下による疼痛増強のメカニズムにおいては,病態時に出現する皮膚冷感受性線維の感作が重要な役割を担っていることも見出した.さらに,内耳破壊を施した神経因性疼痛モデルを用いた気圧低下実験の結果から,気圧の変化を検出する機構(気圧検出センサー)がラットの内耳前庭部に存在することを示唆する結果を得た.<br>
著者
佐藤 慶太 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1115, pp.88-91, 2001-11-05

問 ベイゴマの玩具「ベイブレード」が大ヒットしています。成功の原因はどこにあったのでしょうか。 答 当社にとって一番良い成功パターンでした。テレビ、雑誌などと協力したメディアミックスがうまくいったんです。 ベイブレードの発売は、1999年7月です。
著者
神田 賢 北村 拓也 佐藤 成登志 鈴木 祐介 渡辺 慶 久保 正義
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.902-907, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

座位での異なる姿勢における腰部多裂筋の血液循環動態の経時的変化の検証を目的とした.過去1年以内に腰痛症状のない健常男女12名(平均年齢20.9±0.4)に,近赤外線組織血液酸素モニター装置(NIRS)を用い,腰部多裂筋の血液循環動態を,座位体幹中間位,屈曲位,伸展位で測定した.結果,腰部多裂筋のoxy-Hbおよびtotal-Hbが,屈曲では動作直後から屈曲位保持までに減少し,伸展では,姿勢保持後から10秒後まで増加することが示唆された.
著者
佐藤 理史
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.411-444, 2020-06-15 (Released:2020-09-15)
参考文献数
18

本論文では,日本語文を合成するためのドメイン特化言語 HaoriBricks3 (HB3) について述べる.HB3 では,ブリックコードと呼ぶ Ruby コードで,どのような日本語文を合成するかを記述する.このブリックコードを評価すると,ブリック構造と呼ばれる Ruby オブジェクトが生成され,さらに,これに表層文字列化メソッド to_ss を適用すると,表層文字列が生成される.本論文では,HB3 の設計思想,実装のための工夫について説明し,HB3 で何ができるのかを示す.
著者
月田 佳寿美 宮崎 徳子 長谷川 智子 白川 かおる 佐藤 ゆかり 中垣 雅美 南部 望 渡辺 裕子
雑誌
福井医科大学研究雑誌 (ISSN:13453890)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1-2, pp.31-38, 2002-12-20

Purpose: Skin is a defence against disease. In addition skin health affects a patient's comfort level and self image; therefore, maximizing patient dermatological health may significantly enhance the patient recovery process. The purpose of this research is to determine the effect of three methods of skin cleansing on skin pH, moisturization, and four scales of skin physical condition. Methods: Twenty healthy females (aged 19 to 23) without history of skin disorders were involved in the study. Subjects' arms were cleansed in three methods, soapless, soaped towel, and sudsy towel. After cleansing, pH, moisturization, and physical condition (roughness, scaling, smoothness, and furrowing) of the skin were measured. Statistical analysis was done by paired t-test and Pearson's correlation. Result: All measurements in the soapless towel trial revealed no significant changes. In the sudsy towel trial, smoothness and moisturization were significantly increased (p.<.05). After cleansing with soap three times by hot towel in both soaped towel and sudsy towel trials, skin pH decreased, but it took one hour to return to the pre-trial level. Discussion: Soapless cleansing may alter skin condition the least among the three methods. Clinically, this method may be useful when skin oil is to be maintained. For the purpose of increasing skin smoothness, soap might be applied best in sudsy form. In addition, both soap application methods increased skin pH for at least one hour after the trial. Therefore, skin assessment following soap application by health providers may be indicated.
著者
小安 宗徳 篠﨑 一慶 佐藤 妙 青木 良輔 有賀 玲子 渡部 智樹 犬童 拓也 大島 直樹 武川 直樹
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.992-999, 2019-06-26

我々は研究活動を行っている大学生の自己調整学習を,セルフモニタリングを使用して支援を行うことを目指している.自己調整学習に不慣れな大学生の特徴を明確化する為,17 名の学生を分析した.分析した学生の性格から,自己著製学習に不慣れな大学生のペルソナを 2 種類抽出し,研究活動におけるステップの仮説を構築した.構築した仮説から,学生に研究活動を促進するセルフモニタリングを促す,通知システムを構築した.通知方法は大学構内での滞在場所を基に通知を行い,セルフモニタリングさせるものである.大学生 4 名に対して 1 週間のユーザテストを行った.その結果,セルフモニタリングの回答結果から,”論文調査”などの準備段階の推定が示唆された.また,セルフモニタリングを行わせることで,研究にかかわる行動と研究を行う意識を促進することが示唆された.
著者
佐藤 久恵
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.231-243, 2021

<p> 大正十一(一九二二)年七月七日、宮尋常高等小学校の小野さつき訓導は、担任の児童五十六名と共に校外授業の写生のため白石川を訪れた。授業後、川遊びを始め溺れた児童三名のうち二名を救助し、その後一名と共に溺死し殉職した。本稿では、この経緯について宮城県公文書館から取り寄せた公文書『大正十一年学事雑務』のそれに関する部分を翻刻し考察した。文書全体は七月八日から約一カ月の間の文書だが、その中から以下の三文書を中心に取り上げた。①は同校上席訓導佐藤保治、校長我妻貞亮が宮城県知事に提出した「進退伺」の別紙「調査書」、②は①を受け七月十五日付けで刈田郡長佐藤静治が同知事宛に報告する起案文書の「別紙」、③は小野訓導表彰申請の際の「調書」である。これらによって、雑誌等による資料では見えなかった到着時から既に「水泳をしたい」と希望するような児童の行動予測が不十分であったと考えられる記述があることと、また、村葬の可決や仙台四新聞社との協議により最初期から顕彰の広がりがみられることとを確認した。</p>
著者
田中 皓介 森口 颯人 佐藤 俊一 寺部 慎太郎 栁沼 秀樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.37-45, 2021 (Released:2021-10-20)
参考文献数
6

土木の社会的な印象の悪化に対し,土木業界では「土木」という言葉そのものを避ける事例も見られる.特にそれが顕著なものとして,多くの大学において学科名称から「土木」という言葉がなくなりつつある.しかし,現状では名称の変更が,学科の人気や所属する学生の意識に対してどのような影響を及ぼすのか,実証的な分析は行われておらず,名称変更の是非について建設的な議論ができない状況となっている.そこで本研究では,その影響を明らかにするために,複数の大学の土木系の学科に属する学生に対するアンケート調査,入試データや在学生属性のデータに基づき,学科名称が及ぼす影響を実証的に分析する.分析の結果,土木改名によって,女性比率の向上,建築学科との混同,土木志望度の低下などが生じうることが明らかとなった.
著者
髙橋 高人 松原 耕平 中野 聡之 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.81-94, 2018
被引用文献数
7

<p> 本研究の目的は,中学生における認知行動的な抑うつ予防プログラムの効果を標準群との比較,さらに2年間のフォローアップ測定から検討することであった。介入群を構成した51名の中学1年生が,プログラムに参加した。標準群は,中学生1,817名から構成した。介入内容は,全6回の認知行動的プログラムから構成した。プログラムの効果を測定するために,子ども用抑うつ自己評定尺度,社会的スキル尺度,自動思考尺度が,介入前,介入後,フォローアップ測定1(1年後),2(2年後)で実施された。結果から,抑うつについて介入前と標準群1年生の比較では差が見られなかったのに対して,介入群のフォローアップ測定1と標準群2年生の比較では,有意に介入群の抑うつが低いことが示された。また,社会的スキルの中のやさしい言葉かけとあたたかい断り方,ポジティブな自動思考に関して,介入前よりも介入後,フォローアップ測定において向上することが示された。ユニバーサルレベルの抑うつ予防プログラムが,中学生に対して効果的な技法であることが示唆された。</p>
著者
深見 友紀子 佐藤 和紀 森谷 直美 中平 勝子 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.89-96, 2017-05-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
14
被引用文献数
4

小学校第5学年児童がタブレット端末を家庭に持ち帰り,約3週間にわたってリコーダー演奏に関するビデオを視聴し,卒業式での演奏に向けた練習に取り組んだ.その期間中,児童にはビデオ視聴回数の記録,3回の演奏録画が課された.実践終了後,録画された映像に対して音楽の専門家3名が総合評価(10点満点)と項目別評価(5点満点)を行った結果,児童の集団としての演奏技能が伸び,特に,実践開始時点において中位だった児童(中位群)にすべての項目で進歩が見られた.下位群には3回目に総合点で平均を上回った児童も存在したが,わずかしか伸びない児童もいた.上位群も全般的に伸びが小さかった.技能が伸びにくい児童に対する個別指導の必要性,ビデオ教材の改良等の課題が残ったものの,一般の音楽レッスンの形態を適用した一人1台端末を活用した家庭学習は,音楽科にとっては,授業時数不足という現状を打開する一方法であることが示された.
著者
早川 亜希 橋本 雅好 佐藤 将之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.669, pp.2101-2107, 2011-11-30 (Released:2012-02-23)
参考文献数
12

This study sought to clarify the reference domains of demonstrative pronouns in young children. Japanese uses three different demonstrative pronouns: KORE, SORE, and ARE. Subjects (aged 3 to 6) were presented with a referent and were then asked to use KORE, SORE, or ARE.Results showed:1) Young children distinguish between KORE and ARE.2) The area covered by KORE depended on whether the subject was sitting or standing. When standing, KORE covers an area in front and diagonally to the right; whereas when sitting, it covers an area in front and laterally to the right.3) The KORE area shape was the same for males and females.
著者
佐藤 考一 松村 秀一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.722, pp.841-850, 2016 (Released:2016-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

The Housing Loan Corporation founded in 1950 was the most powerful supplier of public houses in Japan, which financed the enormous amounts of the Government Housing Loan for Japanese people during the latter half of the 20th century. For instance, approximately sixteen million housing units financed by the Housing Loan Corporation were built from 1966 to 2000, and accounted for about seventy percent of public houses. This research aims to clarify how the Housing Loan Corporation had improved the quality of Japanese houses. To verify the promotion of prefabricated houses by the Government Housing Loan, this paper carries out two approaches: one is to compile the statistic of it and the other is to make a historical review based on the examination of the Housing Loan Corporation's business plans during fifty years. And the followings are clarified. The course of the Housing Loan Corporation's history was to make a variety of loans to the dwelling units for sale. When the Government Housing Loan started in the early 1950s, the customized houses accounted for above ninety percent of the owner occupied dwellings and most of it was loaned to them. But the loans to the dwelling units for sale occupied almost fifty percent of it in the late 1990s. Because the more they were built in Japan, the more the Housing Loan Corporation loaned to them. This suggests that the system of the Government Housing Loan accommodated itself to structural changes of housing market in Japan. The Government Housing Loan to wooden prefabricated houses and steel made a substantial contribution to Japanese houses. The former, based on Agrément on Factory-made Houses since 1966, made an origin of seismic and fire preventive performance with current wooden houses of Japan. The reason is that it grew a structural planning method based on the bearing wall line and a specification of quasi fire resistive construction with wooden materials, which are generally used in designing conventional houses today. In contrast, the latter, started in 1962 as part of noncombustible building policy, seems not to bring anything of technical development. But the Government Housing Loan gave the steel prefabricated houses a quality assurance on new building system, and became the start of spreading tie-up loans in detached houses of Japan. Nowadays steel construction houses occupy approximately twenty percent of Japanese housing market and distinguish it from other countries'. In Europe and America, the purchasers of steel prefabricated houses weren't loaned generally by any financial institutions. This is pointed out to be one of reasons why they didn't take roots there. Therefore, the Government Housing Loan to steel prefabricated houses can be said to become the start of making an identity of Japanese housing market.