著者
佐久間 仁 大河内 幸男 馬場 陽子 大谷 巌 平山 和美 佐藤 正憲 児玉 南海男
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.Supplement43, pp.70-76, 1991-04-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
25

A case of brainstem cavernous angioma associated with hearing loss and dizziness is reported. A 25-year-old female initially complained of hearing loss in the leftear and dizziness. Six months thereafter she suddenly developed additional symptoms, and was diagnosed as having hemorrhage in the brainstem on the basis of CT scan and MRI findings. Otological examination revealed low- and high-frequency hearing loss and abnormal ABR consisting of only wave I in the left ear. Follow-up MRI showed cavernous angioma, which was surgically removed.
著者
倉嶋 利雄 薄 知規 田中 郁昭 佐藤 昌志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.397-400, 1997 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12

構造物の安全性・信頼性の評価を行う上で、構造物自体の損傷の程度を的確に捉えることは重要である。従来実施されている構造物の損傷の発生・進展の程度を調べるための評価手段は、歪みゲージなどの電気的なセンサを用いた方法であり、構造物の変状を連続的に調査するために多くのセンサを用いらなければならないだけでなく、センサ毎に電力・信号ケーブルを必要とするなど設置および維持管理上問題点が多かった。本論では、これらの問題点を解消するための手段として期待されている、光ファイバ歪み・損失統合型OTDRを用いた構造物の変状計測手法について検討を行った。モデル実験として、コンクリート単純梁の曲げ試験を行い、コンクリート構造物の弾性変形限界約100μmの歪みを光ファイバを用いて測定可能であることを実験的に確認し、本手法が構造物の歪み分布を測定する手段として有効であることを明らかにした。
著者
熱海 明 青柳 澄 小野 精美 鈴木 武 鈴木 肇 栗原 幸一 西塚 胞喜 岡 英彦 二戸 源治 梅沢 長一 木村 広 安孫子 淳一 高梨 勝広 山口 正志 丹羽 与英 中村 春夫 高槻 和雄 遠藤 厳 岡田 昌吉 佐藤 幸雄 東海林 喜助 斯波 八郎 奥山 繁雄 五十嵐 茂 斎藤 安司 菊地 正逸 槙 千秋
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.17, no.10, pp.521-526,539, 1964-10-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
22

A total of 244 persons were reported officially to be involved in an outbreak of food poisoning possibly attributed to whale-meat bacon in Yamagata and its neighboring areas in Yamagata Prefecture at the end of August. One fatal case occurred in the city of Yamagata.The period of incubation was 12 to 21 hours in most cases. The main symptoms consisted of fever, stomachache, vomiting, and diarrhea and were almost identical with those of food poisoning known to be caused by enteritis vibriones.The incriminated food was whale-meat bacon, which had been eaten without being cooked. The same food as this, in raw state, was given per os to mice and cats without any ill effect. Bacteriological examination failed to detect any known pathogenic organisms, except staphylococci, or such enteritis vibriones as identical with those of the known serotype.Enteritis vibrio O-2 (“E” by Agatsuma's classification) was detected from 19 (76%) of 25 fecal specimens collected from the patients involved. Staphylococcus and Proteus were also detected from these specimens. Most of the staphylococci isolated from the whale-meat bacon, and the fecal specimens were coagulase-positive.All the strains of enteritis vibriones isolated from the fecal specimens were pathogenic for mice. So were three strains of these organisms isolated from the whale-meat bacon.
著者
石田 和之 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.635-639, 2009-11-20
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は8歳と7歳の兄弟。主訴は夜尿症。二人とも幼少期より毎晩夜尿があり,現在まで紙オムツを付けて寝ている。そのうち治るだろうと様子を見ていたが,改善の兆しがないため当研究所を受診した。家族歴として兄弟の父親も小児期に夜尿があり,12歳まで続いていた。診察所見では兄は腹直筋が緊張し非常にくすぐったがり屋であったが,弟には特記すべき所見は無かった。兄は柴胡桂枝湯エキスで,弟は葛根湯エキスにて治療を開始した。しかし,明らかな効果がなかったため12週目から兄弟に六味丸エキスを追加した。併用開始後,兄は14週間で,弟は10週間で夜尿が改善し始め,それぞれ20週,28週で夜尿がほぼ完治した。<br>経過からは六味丸の治療効果が推測されるが,二人とも夜尿以外には大きな問題はなく,腎虚を疑わせる所見はなかった。しかしながら,父親・兄弟ともに同様の夜尿であったことから,先天の気(腎気)の問題が疑われた。
著者
藤山 友紀 立花 詠子 塚原 丘美 草間 実 今峰 ルイ 溝口 麻子 間瀬 創 佐藤 愛 関口 まゆみ 渡会 敦子 中島 英太郎
出版者
名古屋学芸大学管理栄養学部
雑誌
名古屋栄養科学雑誌 = Nagoya Journal of Nutritional Sciences (ISSN:21892121)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-16, 0208-12-25

糖尿病治療では、良好な血糖コントロールを行う上でエネルギー摂取量の遵守は重要である。しかし、糖尿病治療薬によっては安静時エネルギー消費量(REE)に影響を及ぼすことが報告されている。そこで、sodium glucose cotransporter 2(SGLT 2)阻害薬のREEに及ぼす影響を検討した。外来受診中の2 型糖尿病患者20名を対象に、SGLT 2 阻害薬服用前と3か月後でREE 測定、体組成測定、血液検査、食物摂取頻度調査を行い比較した。結果、REE は服用前後で1554±257kcal/ 日から1491±313kcal/日と低下傾向を示したものの有意差は認められなかった。また、体重当たりのREEも有意差は見られなかった。体重や体脂肪量が有意に低下したが、骨格筋量は有意な変化は見られなかった。以上の結果より、3ヶ月間のSGLT 2阻害薬服用ではREEに影響を及ぼさない可能性が示唆された。今後は症例数を増やした検討が必要である。
著者
高野 恵 佐藤 啓造 藤城 雅也 新免 奈津子 梅澤 宏亘 李 暁鵬 加藤 芳樹 堤 肇 伊澤 光 小室 歳信 勝又 義直
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.387-394, 2009-10-28 (Released:2011-05-20)
参考文献数
24

死後変化が進んだ死体において時に歯が長期にわたりピンク色に着染する現象が知られており,ピンク歯と呼ばれ,溺死や絞死でよく見られる.ピンク歯発現の成因として歯髄腔内での溶血により,ヘモグロビン(Hb)が象牙細管内に浸潤していくことが推測されているが,生成機序も退色機序も十分明らかになっていない.先行研究において実験的に作製したピンク歯では一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)や還元ヘモグロビン(HHb)によるピンク歯は6か月以上,色調が安定であったのに対し,酸素ヘモグロビン(O2Hb)によるピンク歯は2週間で褐色調を呈し,3週間で退色することを既に報告している.ピンク歯の生成・退色機序を解明するうえで,O2Hbによるピンク歯が早期に退色する現象を詳細に検討することは意義のあることと考えられる.う歯がなく,象牙細管がよく保たれた歯の多数入手が不可能であるため,本研究では象牙細管のモデルとして内径1mmのキャピラリーを用い,O2Hbによるピンク歯の退色について詳細に検討した.実際の歯とキャピラリーを用いてO2HbとCOHbの退色を比較したところ,キャピラリーはピンク歯のよいモデルとなることが分かった.キャピラリーを用いた詳細な実験で,O2Hbは酸素が十分存在し,赤血球膜も十分存在するという限られた条件において早期に退色することが明らかになった.このことはO2Hbに含まれる酸素が赤血球膜脂質と反応してHbの変性を来し,Hbの退色をもたらすことを示唆している.この退色は温度の影響をほとんど受けず,防腐剤の有無にも影響を受けなかった.死体では死後に組織で酸素が消費され,新たに供給されないので,極めて嫌気的な環境にあり,死後産生されたCOHbを少量含む主としてHHbによる長期的なピンク歯を生じやすいといえる.溺死体のような湿潤な環境で象牙細管へのHHbやCOHbの侵入と滞留があれば,ピンク歯はむしろ生じやすい現象といえるであろう.
著者
佐藤 大輔 安保 寛明
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.42-50, 2020-06-30 (Released:2020-06-30)
参考文献数
21

目的:本研究の目的は,うつ病等による休職者が休職前に感じた症状や変化を診療録や活動記録より抽出し,休職を予期する警告サインを明らかにすることである.方法:職場を休職し,精神科医療機関で復職支援プログラムを受け,復職した方30名を対象とした.対象者の診療録およびプログラム中の活動記録より,休職前に感じた症状や変化に関する語句を収集した.収集した語句は内容分析法により類似した表現を集積し,カテゴリ化を行った.また,最も大きな分類の単位について,全体に対しての割合を算出した.結果:911語を内容類似に応じてカテゴライズした結果,休職前に生じた症状や変化としては,【気分・覚醒度への影響】は全体の33.8%(以下同様に全体割合),【身体面への影響】は20.1%,【行動への影響】は12.8%,【業務への影響】は10.5%,【認知への影響】は9.1%,【自己悲嘆による影響】は7.6%,【業務環境による影響】は5.7%,【症状の否認】は0.1%であった.結語:うつ病等による休職者の休職前に生じた警告サインが具体的に明らかになった.職場において早期介入に資する視点として活用が可能である.
著者
佐藤 徹
出版者
日本スポーツ運動学会
雑誌
スポーツ運動学研究 (ISSN:24345636)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.17-31, 2007 (Released:2020-05-08)
参考文献数
32

Das "Sich-Bewegen" beim Menschen vollzieht sich in Begleitung verschiedener Bewusstseinsinhalte wie die Absicht des Verhaltens, die Beurteilung der Situation, das Voraussehen der Reaktion des Gegenübers oder die Reflexion über die Bewegung selbst u.a.  Darüber hinaus können wir Menschen, im Unterschied zu den Tieren, unser Bewusstsein auf unsere eigene Bewegung richten. Deshalb können wir auf der Basis unseres eigenen Bewusstseinsinhaltes eine erfolgreiche Bewegungsform an andere weitergeben.  Die ganze Vielfältigkeit unserer Bewegungen erfolgt dennoch nicht immer unter der vollen Kontrolle unseres Bewusstsein. Man hat von vornherein keine bewusste Vorstellung davon, wie man sich bewegt. Aber selbst wenn man schon in einer Bewegung geübt ist, fehlt einem nicht selten das sogenannte „Kinästhetische Bewusstsein“ seiner eigenen Bewegungsweise; eben weil die Bewegung schon Gewohnheit geworden ist und deshalb das Ausführungsgefühl unter die Grenze des Bewusstsein absinkt. KANEKO nennt das die " kinästhetische Anonymität".  Es handelt sich bei dieser Arbeit um die Bedeutung des Bewusstmachens der passiven Kinästhese im Sinne von HUSSERL, die unbewussterweise funktioniert, und um die Methodik dazu. Dabei wurde "Abbauen", das HUSSERL als Methode der genetische Phänomenologie befürwortete, angewendet.  Bei dieser Betrachtung wurde der Fall vom Unterarmpass - gemeint ist das "Baggern" im Volleyball- angeführt, bei dem das kinästhetische Bewusstsein des Lehrers fehlt und deshalb Bewegungskorrekturen nur aus Anweisungen der von außen sichtbaren Bewegungsmerkmale bestehen können.
著者
谷村 信彦 御領 政信 佐藤 優 星野 富男 鴻巣 泰 片岡 稔雄 渡邊 紀之 小谷 猛夫 渡邊 理
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.125-135, 2002-11-25
参考文献数
81
被引用文献数
2

近年の養鶏産業においては、規模拡大と飼育密度の増大に伴う飼育環境の悪化によって日和見感染症や複合感染症あるいは非感染性疾病が増加する傾向にあり、これはブロイラーの皮膚疾病にも当てはまる。皮膚病変を有する鶏は食鳥検査時にと体の品質の格下げ、部分廃棄または全廃棄処分となるため、皮膚病変による廃棄率を低減することはブロイラー産業にとって重要な課題である。また、皮膚病変部に付随する微生物が食鳥処理場に持ち込まれると鶏肉の安全性を損なう可能性があり、食鳥処理場における微生物制御の観点からもブロイラー農場で皮膚疾病の発生を抑える衛生対策が必要である。ブロイラーの皮膚疾病は、病原微生物および宿主要因、環境要因などが複合して発症に関与し、病変も多様である。対策は各々の疾病の原因に基づいて選択しなければならないが、原因や発病機序が未解明の疾病もある。これらの諸問題を整理し、農場における衛生管理および食鳥検査時の疾病摘発に資するため、食鳥検査で廃棄原因となり得る主要な皮膚疾病について病変の特徴および病因、対策を概説する。
著者
佐藤 裕仁 三武 裕玄 長谷川 晶一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.275-279, 2017-09-09

物理エンジンの普及やオープンワールドゲーム等の高い自由度を持つゲーム世界において、キャラクターは多様な力学的制約を受けつつ自在に行動することが望ましい。そのために、物理シミュレータによって動作をその場で自動生成する手法が提案されているが、自然さが十分ではない。本研究では、キャラクターの姿勢変化時に、反復計算によりトルク変化最小軌道でリアルタイムに生成し適用することで、多様なキャラクター動作を自動生成する手法を提案する。
著者
佐藤 雪野
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

「ロマ」を「ジプシー」の言い換えとすると、必ずしも共通の特徴やアイデンティティがある存在ではなく、「ジプシー」とは、しばしば他から貼られたレッテルであった。しかし、チェコやスロヴァキアでは、「ロマ」は、文化・言語・歴史などの共通性や共通のアイデンティティを持っているので、「ロマ」の集団への帰属は、自己規定と他からのレッテル貼りによるものとが共存し、近代的「民族」としての誕生も、他者との関係で創り出されるともいえる。
著者
佐藤 隆
出版者
大阪歴史博物館
雑誌
大阪歴史博物館研究紀要 (ISSN:13478443)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.7-24, 2019 (Released:2020-10-25)

本論では古代難波地域で行なわれた開発について、以下に挙げるふたつの主題を中心に検討して新たな考え方を示した。そのひとつめは難波津に関することである。5 世紀に始まる難波地域の開発において、上町台地やその周辺にはさまざまな施設や倉庫群、手工業の工房などがおかれ、都市的な様相をもち、難波遷都へつながっていく。難波津はこう した難波地域の繁栄を外交や流通の拠点として支えた。本論では初期の難波津の位置推定に関わる考古資料を再整理して、新たな評価を行なった。ふたつめは難波京に関することである。難波遷都の後、難波京の地割が成立する時期は天武朝( 7 世紀第4 四半期)とこれまで考えられてきた。それに対して、本論では7 世紀第3 四半期に遡る可能性を指摘するとともに、遷都前に見られた都市化の影響を受けながらさまざまなかたちの開発によって地割が形成され、それらが中世につながっていく流れを考察した。