著者
武山 尚生 高橋 佑歌 永田 祥平 澤木 佑介 佐藤 友彦 丸山 茂徳 金井 昭夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.899-912, 2020-12-25 (Released:2021-01-18)
参考文献数
56
被引用文献数
2

The origin of eukaryotic organisms is one of the most important questions in biology. So far, it has been suggested that eukaryotes are phylogenetically related to Archaea. Indeed, recent progress in archaeal genomic biology seems to have accurately determined the exact position of Archaea in the birth of the Eukaryota. In particular, identifying groups of archaeal species, such as the superphylum TACK and the Asgard archaea, has shown that primitive genes for eukaryotic signature proteins (ESP) already existed in the genomes of these archaeal species. Some ESPs are especially important, including actin and tubulin in the cytoskeleton and the ESCRT complex, which is involved in nuclear membrane formation. There have been many reports that eukaryotic intracellular organelles, such as mitochondria and chloroplasts, evolved from specific symbiotic bacteria. Moreover, eukaryotic genes are disrupted by intronic sequences, which must be removed or “spliced” and the exons connected after the primary transcript is generated, to make a mature functional mRNA. Recently, it has been suggested that the self-splicing factor in both bacterial and archaeal genomes, called “group II intron”, may cause gene disruption. In this review, the frontiers of genome biology are summarized in terms of the importance of prokaryotes (both Archaea and Bacteria) for the origin of Eukarya. From an Earth history perspective, how the increase in atmospheric oxygen concentration at 2.4-2.0 billion years ago may have contributed to the rise of the eukaryotes is discussed.
著者
佐藤 文隆
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.83-90, 2007-03-25 (Released:2009-07-31)

Enormous development of physics in the early 20th century brought about a prospect for Unified Science. However physics itself is now loosing its identity, as seen in a lively study of quantum information. What is happing now is a specification into parts rather than a unification of parts.
著者
畠山 和利 松永 俊樹 巌見 武裕 大高 稿兵 佐々木 研 佐藤 峰善 渡邉 基起 髙橋 祐介 島田 洋一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1049, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】腹腔内圧は,腹腔構成筋群の同時収縮で増加し,支持性や強制呼気,排尿や排便に貢献するとされている。腹腔内圧の上昇には,横隔膜,腹横筋,骨盤底筋などが重要となり,支持性向上のための運動療法が積極的に行われている。この腹腔内圧は,脊柱に強い伸展モーメントが加わる際に不随意で上昇するとされており,スポーツなどの素早い動作や日常生活動作で腰部障害予防の観点から重要な因子といえる。これまでわれわれは,3次元体幹筋骨格モデルを作成し,前屈時における脊柱モーメントや体幹筋張力の変化,スクワット動作時の下肢を含めた解析など報告してきた。このモデルは体幹筋を詳細に再現したモデルであり,動作時の筋張力を算出することが出来る。本研究の目的は,3次元体幹筋骨格モデルを用いて腹腔内圧の有無により立位姿勢保持に必要な体幹筋筋力をシミュレーション解析することである。【方法】3次元体幹筋骨格モデルの作成健常な成人男性(31歳,身長1.74m,体重78.5kg)を対象にCT,MRIを撮像した。3次元骨格モデルは,Materialise社製MIMICSを用いてCT/DICOMデータから骨形状を抽出し作成した。作成した骨格モデルとMRI断層画像より抽出した筋を基に3次元体幹筋骨格モデルを作成した。筋骨格モデルの構築は,豊田中央研究所製EICASを使用した。モデルに構築した筋は,腹直筋,内外腹斜筋,腰方形筋,大腰筋,棘間筋,横突間筋,回旋筋,多裂筋,腰腸肋筋,胸腸肋筋,胸最長筋,胸棘筋,胸半棘筋である。各筋の断面積はMRIより算出した。また,各椎体間の可動性はモーメントに影響を及ぼすため,レントゲン写真で可動性を測定し,関節最終可動域で抵抗がかかるように設定した。また,MRI断層画像から腹腔体積を求めた。本モデルに用いた腹腔内圧値は健常者における日常生活動作時の平均値を用い30mmHgとした。またValsalva時の最大腹腔内圧はJ. Mensらの報告に基づき120mmHgとした。解析条件構築した筋骨格モデルで立位状態を反映させるため,3次元動作解析装置VICON MXで立位姿勢を計測した。対象は健常成人6名(平均身長170.5 cm,平均体重66.8 kg)で,直径6mmの反射マーカー計72個を脊柱および四肢に貼付した。計測した座標位置を3次元体幹筋骨格モデルに反映させ,立位保持時に発揮している筋力を算出した。得られた筋力値と筋断面積から導き出した最大筋力値より筋活動量を算出した。対象筋は腹筋群と脊柱起立筋群(腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋,棘筋,最長筋,腸肋筋)とした。腹圧なし,腹腔内圧30mmHg(以下,腹圧あり),valsalva時の腹腔内圧120mmHg(以下,Valsalva)の3条件とし,Kruskal-Wallis検定を用いて比較した。有意水準は5%未満とし,統計処理はSPSS ver.20を使用した。【結果】腹腔内圧の有無による腹筋群,脊柱起立筋群の筋活動量を算出した。静的立位時の筋活動量は,腹筋群で3群間に差がなかったが,脊柱起立筋群では腹腔内圧が増加するにつれ,筋活動量の減少がみられた。特に最長筋では,腹腔内圧なしで18.6±2.5%,腹腔内圧ありで15.2±3.2%,valsalvaで9.1±3.4%で有意に差が認められた(p<0.05)。また,腸肋筋は腹腔内圧なしで15.3±4.4%,腹腔内圧ありで13.6±2.4%,valsalvaで10.1±3.5%で有意に差が認められた(p<0.05)。【考察】脊柱アライメントは体幹伸展筋力の与える影響が大きく,われわれは体幹伸展筋力の低下が脊柱後弯を増強させることを報告した。今回の結果から,腹腔内圧の設定で姿勢保持に必要な体幹伸展筋力が減少する結果となった。これは腹腔内圧が体幹伸展筋力を補助し,体幹安定性を高めるといえる。本モデル上では,腹腔容積が変化しないため設定した腹圧が直接体幹に作用するが,生体では腹横筋や横隔膜,骨盤底筋などの筋力や筋硬度が必要となり,体幹の安定化に重要な役割を果たす。したがって,体幹の固定性を得るためには,あらゆる姿勢や動作で持続的な腹腔内圧を維持できる筋持久力や高い体幹伸展筋力が必要な際に腹腔内圧を高めるなどコントロールする能力が重要になると考える。本研究では腹腔内圧が体幹安定性を補助し,少ない筋活動量で姿勢を維持できることがシミュレーションにより導き出された。【理学療法学研究としての意義】腹横筋や横隔膜,骨盤底筋など腹圧をコントロールするトレーニングやコルセットの有用性が示された。日常生活上で,腹腔内圧の維持は重要な要素を占めることがシミュレーションにより算出された。

7 0 0 0 OA 山海庶品

著者
佐藤成裕<佐藤中陵>//〔著〕
出版者

本書は、今日の動物図鑑と植物図鑑を合わせたようなもので、江戸後期の博物学者佐藤中陵(1762−1848)の手になる。中陵は、天明元年薩摩藩に出仕して以後、白河、米沢、会津、松山等の諸藩に招かれて産物調査をした後、寛政11年水戸藩に仕え、斉昭の第9代藩主襲封後の天保元年、本書編集係となり鋭意編纂に取り組んだ。天保14年藩校弘道館の本草教授となった中陵は、すでに編纂の済んだ分を藩校内の医学館に収め、薬草の研究や栽培のために利用させてきていたが、明治元年10月の藩内抗争時、火災に遭って焼失し、わずかに数巻を残すのみとなった。浩瀚な編著だったというが、目録も残っておらず、その全容を窺うことはできない。当館本の箱蓋には「山海庶品 残闕」と、また表紙題箋及び巻頭には「佐藤成裕著自筆」と、ともに旧蔵者伊藤篤太郎によって記されている。篤太郎は、幕末から明治にかけて博物学の分野で活躍した伊藤圭介(1803−1901)の孫で、自身も植物学者、理学博士であり、祖父圭介の蔵書を襲蔵していた。
著者
高津 俊司 佐藤 馨一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.93, 2004

本研究は、開発者負担金による鉄道整備の事後評価を目的として、都市開発と一体的に整備が進められた臨海副都心線(りんかい線)を事例として、開発者負担金について開発者にアンケート調査を行い、開業後の輸送実績を元にして鉄道計画支援システム(GRAPE:GIS for Railway Project Evaluation)を用いて鉄道整備効果を分析し、開発者負担方式の評価と今後の課題を考察した。その結果、次のような知見が得られた。_丸1_事後アンケート調査によれば、鉄道に対する評価としては、広域、大量、高速などの特性を評価し、約8割の会社が「受益があるのである程度の負担はしかたない」と回答している。費用負担の額についても、計画時点より現時点の方が、「ほぼ妥当である」との回答が増加している。_丸2_りんかい線の整備による開発区域内の利用者便益(割引後30年集計)をGREPEで推定すると、開発者の費用負担金の額を上回った。_丸3_これらの結果から、鉄道整備の財源方式として、請願駅方式で駅周辺の開発者からの負担金を徴収する方式は、一定程度の妥当性があると想定される。
著者
横瀬 久芳 佐藤 創 藤本 悠太 Maria Hannah T. MIRABUENO 小林 哲夫 秋元 和實 吉村 浩 森井 康宏 山脇 信博 石井 輝秋 本座 栄一
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.46-68, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
80
被引用文献数
7 20 1

To understand the submarine volcanism surrounding the Tokara Islands, a submarine topographic analysis and 67 dredge samplings were carried out. Prior to the submarine investigations, we reviewed comprehensively geological and geophysical data on this region and confirmed the complexity of both volcanic activity and tectonic setting of the Tokara Islands. In contrast to the homogeneous subaerial volcanic rocks comprising predominantly two-pyroxene andesite lava flows, the dredged samples vary from basaltic andesite to rhyolite in composition. Furthermore, we reveal that dacitic and rhyolitic pumices are abundant and broadly distributed throughout the submarine area. The recovered volcanic rocks were mainly subangular to angular cobble-boulder fragments of lava, scoria, and variably vesiculated pumice. Volcanic rocks with hornblende phenocrysts occur only north of the Tokara strike-slip fault, which is a major tectonic element of volcanism. The pumices can be classified into three categories based on the size and abundance of the phenocrysts: aphyric pumice, fine-grained porphyritic pumice, and coarse-grained porphyritic pumice. Occurrences, such as amount in a dredge, shape without extensive abrasion, large fragment size, and bulk rock chemical compositions of the major pumice fragments suggest that they are in situ, rather than originating as drifted pumice or air fall, exotic pyroclastic fragments derived from the four super-eruptions of Kyushu Island. Because dredged samples contained fresh volcanic glass in the groundmass, and are not covered by iron-manganese oxide crust, they appear to have originated from the Quaternary eruptions. Indeed volcanic islands have developed above the submarine erosional terraces (indicated as knick points at approximately 110 m in depth), which is assumed to have formed during the last glacial age. K-Ar age dating on the representative pumice samples resulted in ages of 0.60 ± 0.20 Ma and < 0.2 Ma, respectively. These newly obtained submarine data support that acidic volcanisms occurred around the submarine calderas during the Mid-Pleistocene age.
著者
佐藤 方哉
出版者
理想社
雑誌
理想 (ISSN:03873250)
巻号頁・発行日
no.625, pp.p124-135, 1985-06
被引用文献数
1
著者
松浦 年男 黒木 邦彦 佐藤 久美子
出版者
北星学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

中間発表会を実施し,代表者,分担者,協力者がそれぞれ発表した。また,発表会では下地理則氏(九州大学)より助言を受け,今後の研究の進め方について理解を深めた。方言調査を実施した。調査地区と内容を以下に示す。(1)天草市本渡地区(文タイプ,待遇表現,和語のアクセント,呼びかけのイントネーション),(2)天草市深海地区(格助詞,情報構造,漢語・数詞の促音,談話テキストの収集),(3)天草市佐伊津地区(不定語のアクセント特徴と不定語を含む節のイントネーションパターン),(3)熊本県八代市(研究協力者の山田高明氏(一橋大学)が実施。漢語・数詞の促音),(4)鹿児島県上甑島(韻律語の範囲について天草方言と対照)。研究成果を以下のように公開した。(a)天草諸方言と同じく有声促音を持つ山形県村山方言について調査結果をまとめ国際学会において発表した。発表では山形県村山方言の有声促音における声帯振動が,天草諸方言と同様,長い振動時間を有する一方,振幅が弱いものであるという違いがあることを示した。(b)本渡地区で行ってきたアクセント調査の結果を整理し,公刊した。(c)深海地区において行った調査結果をもとに,最適性理論と調和文法による形式的分析を行った論文を執筆し学会誌に投稿した。(d)不定語から補文標識「モ」までに含まれる語のアクセントの対立が失われることを指摘した。同じく二型アクセント方言である長崎市方言・鹿児島市方言と対照し、当該の方言は長崎市方言と強い類似性を持つことを明らかにした。(e)天草諸方言の音韻特徴を先行研究ならびに本科研費の調査結果に基づいて整理し,どのような特徴から分類を行うのが適切かを検討した。(f)有声促音を和語や漢語に持つかどうか,生起に/r/が関わるか,動詞で起こるかという点で整理し,日本語の諸方言を比較した。
著者
鎌田 泰斗 清水 瑛人 佐藤 雄大 関島 恒夫
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2016, (Released:2020-11-10)
参考文献数
76

殺虫剤は農業において不可欠であるが、人体や標的外の野生生物に多大な影響を及ぼすことが絶えず問題視されている。カエル類の多くは、産卵期から幼生期にかけて水田に依存しており、その時期が水稲栽培における殺虫剤の施用時期と重複していることから、潜在的に暴露リスクを抱えている生物種といえる。殺虫剤の暴露をうける発生初期は、生体内のあらゆる器官が形成される発生ステージであり、その時期における殺虫剤による生体機能の攪乱は、その後の生存に重篤な影響を及ぼす可能性が高い。本研究では、水田棲カエル類のニホンアマガエルとヤマアカガエルを指標生物とし、両種の初期発生過程における、ネオニコチノイド系殺虫剤クロチアニジン、ネライストキシン系殺虫剤カルタップ、およびジアミド系殺虫剤クロラントラニリプロールの 3種の殺虫剤が及ぼす発生毒性を、暴露試験を通じて検証し、種間による感受性の差異および殺虫剤原体と製剤間における影響の差異を明らかにした。ニホンアマガエルおよびヤマアカガエル両種に共通して、カルタップ暴露により奇形率および死亡率の増加が認められた。一方で、クロチアニジンおよびクロラントラニリプロールにおいては、催奇形性は認められなかった。カルタップ原体に対する感受性には種差が認められ、ヤマアガエルにおいては、 0.2 mg/Lで奇形率および死亡率が増加したのに対し、ニホンアマガエルにおいては、 0.02 mg/Lで奇形率および死亡率が増加した。発症した奇形パターンは、ニホンアマガエルとヤマアカガエルに共通して、脊椎褶曲と水腫が見られ、ニホンアマガエルでのみ脱色が認められた。また、カルタップ製剤処理群においては、原体処理群と比較して、脊椎褶曲の発症率は高く、水腫の発症率は低かった。本研究では、カルタップの分解物であるネライストキシンが水田棲のカエル類、特にニホンアマガエルの初期発生に深刻な影響を与えていることが示唆された。さらに、生存率の低下につながると考えられる脊椎褶曲や脱色が、カルタップの施用基準濃度において発生している可能性が考えられた。
著者
西田 清一郎 佐藤 広康
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.58-61, 2012-08-01
参考文献数
13

未病は,古来より東洋医学において重要なテーマとして掲げられている.未病ははっきりとした病が現れる前から体の中に潜む病態(状)を意味しており,まだ病ではない状態を意味しているのではない.未病は病を発生させる根本的な異常を意味し,東洋医学的には「〓血(おけつ)」と深いかかわりがあると考えられている.我々は,未病を現代医学的に解釈した場合,その病態は酸化ストレスの蓄積が一つの原因であると考えている.〓血に対して処方される駆〓血剤は,酸化ストレスの蓄積を抑制し,すなわち未病の進展を遅延,または阻害すると推察されている.駆〓血剤である桃核承気湯(とうかくじょうきとう)と桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)には,抗酸化作用があることが知られていた.酸化ストレスは血管緊張に変化を与えるが,これらの漢方薬は酸化ストレス負荷条件下で,血管の収縮を抑制し弛緩作用を増強した.駆〓血剤をはじめとする漢方薬は,酸化ストレスに対して,抗酸化剤として緩和作用だけではなく,状況に応じて酸化促進剤として血管収縮作用を表す.つまり,酸化ストレスをうまく制御して生体機能の調節作用をするものと考えられる.この酸化ストレス緩和作用は,酸化ストレスによる障害を和らげ,未病の進展を抑制していると思われる.
著者
佐藤 佑介 瀧ノ上 正浩
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.140, no.9, pp.582-584, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
15

1.はじめに細胞は,機能を持った分子や超分子で構成された天然の分子システムである。そのようなシステムを人工的に作るアプローチの一つとして,細胞型分子ロボット(1)の構築に注目が集まっている。細胞型分子ロボットは,機能性分子デバイスをシステムとして組み上げたものである。分子レ
著者
小島 彩子 佐藤 陽子 西島 千陽 梅垣 敬三 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.10, pp.1333-1347, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)
参考文献数
116
被引用文献数
1

Cancer patients use health foods (HFs) as complementary and alternative medicine, although the details of their adverse events (AEs) are unclear. We searched three databases [PubMed, “Igaku Chuo Zasshi”, and Information System on Safety and Effectiveness for Health Foods website (https://hfnet.nibiohn.go.jp/)] for case reports on AEs related to HF intake in cancer patients published before October 2018. Of the matched reports, 76 studies and 92 patients (31 in Japan, 61 overseas) that met the selection criteria were included in this review. Thus, the severity of AEs and outcomes were not related to either the concomitant use of HF with cancer chemotherapy or cancer stages of patients. AEs caused by HF intake itself accounted for 87%, while drug-HF interaction accounted for 11%. According to the Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) classification, 70% of patients whose grades were identified had severe cases (grades 3 to 5). In Japanese patients, hepatic and respiratory disorders accounted for 52% of the severe cases. Cases were predominantly developed as a result of an allergic mechanism, and mushroom products were mostly used. Overseas, serious cases were induced by products that were already indicated for safety problems. Moreover, notable AEs were recognized, such as hypercalcemia, which were caused by intake of HF containing calcium, vitamin D, and shark cartilage, and bacterial infection caused by probiotic products. Analyzing the details of AEs related to HF intake can help health professionals and cancer patients prevent health hazards.