著者
佐藤 孝幸 仁科 雅良 須賀 弘泰 篠原 潤 増田 崇光 髙橋 宏之 磯谷 栄二
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.971-975, 2013-11-15 (Released:2014-01-07)
参考文献数
16

子宮留膿腫は子宮腔内の感染に子宮頸管の狭窄や閉塞が加わり,子宮腔内に膿が貯留する疾患であり,高齢者に多くみられる。今回我々は,子宮留膿腫に起因する敗血症性ショックから心肺停止に至ったが,適切な加療により救命することができた1例を経験したので報告する。症例は76歳の女性。突然の呼吸困難と発汗を認めたのち意識消失したため救急搬送となった。来院後心肺停止状態となり,心肺蘇生術により心拍再開した。心拍再開後,敗血症を呈していたため,腹部,骨盤CT検査による精査を行い,子宮内に膿瘍を認め,子宮留膿腫の診断に至った。子宮留膿腫による敗血症に対して経膣的ドレナージと集中治療を行った結果,後遺症を残すことなく救命することができた。高齢女性においては敗血症性ショックから心肺停止を来す可能性があり,鑑別診断に本疾患も念頭に置く必要があると思われた。
著者
佐藤 秀昭
出版者
東北大学
巻号頁・発行日
1988

論文
著者
二階堂 泰隆 佐藤 久友 高山 竜二 大野 博司 佐浦 隆一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.549-553, 2011 (Released:2011-09-22)
参考文献数
27
被引用文献数
2

〔目的〕パーキンソン病(Parkinson’s Disease: PD)の症状のひとつである前屈姿勢は動作の自由度を制限し転倒リスクを増加させる.近年,後進歩行運動によるPD患者の姿勢や前進歩行能力の改善が報告されているが,その効果の詳細は不明である.本研究の目的はPD患者に対する後進歩行運動後の即時的な姿勢及び姿勢制御の変化を明らかにすることである.〔対象〕前屈姿勢を呈するPD患者1名(Hoehn & Yahr重症度分類III)とした.〔方法〕課題は静止立位とFunctional Reach Test (FR),Cross Test (CT)とし,5分間の後進歩行運動前後に三次元動作解析装置と床反力計を用いて課題中の姿勢と重心の変化を測定した.〔結果〕後進歩行運動後の静止立位では身体重心,足圧中心の後方移動を認め,即時的に前屈姿勢が軽減した.また,FRでは足関節戦略による姿勢制御の割合が増加し,CTでは前後方向,特に前への身体重心,足圧中心移動距離の増加を認めた.〔結語〕後進歩行運動は前屈姿勢の軽減と足関節を主とした姿勢制御能力を向上させ,安定性限界の範囲を拡大させる可能性がある.
著者
芦田 和重 佐藤 哲大 中村 建介 湊 小太郎
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-03-14

DNA の塩基配列中の変異が原因とされるガンなどの疾病について,変異箇所を特定することで診断や治療が行える可能性が期待されている.解析対象の塩基配列中のどの位置にどのような変異が発生しているかを特定する技術は変異コールと呼ばれており,ゲノム解析の中心となる技術の一つである.正確な変異箇所の特定のため高精度の変異コールが必要とされているが,現在の変異コールは精度が低く,アライメントの手法次第では INDEL が検出できない場合や,INDEL 検出の精度を上げることにより SNP 検出の精度が下がるなどの問題がある.そのため,解析の手法を変えた複数回の解析が推奨されており,解析に必要な時間やコストが増大する原因となっている.この問題を解決するため,より精度の高い変異コールツールを開発する必要がある.本研究では,真正細菌の塩基配列中から SNP と INDEL を高精度に同時検出できる変異コールの実現を目的とし,既存のツールによる変異コールの問題点の指摘と,独自のアルゴリズムによる変異コールツールの作成を行った.また,複数の真正細菌を対象とし,作成したツールの精度検証を行った.その結果,SNP 検出の精度を下げない INDEL 検出の実現と,既存のツールによる変異コールでは検出できなかった INDEL の検出に成功した.Identifying mutations in genome DNA sequences is one of most fundamental methods to diagnose or predict hereditary disease or cancer. The technology of specifying mutation is called "mutation calling", and is one of the most important technologies in genomics. Although the highly precise mutation calling is needed for pinpointing mutation, the present mutation calling process has low accuracy and there are some problems. In a certain alignment algorithm, INDEL is undetectable; and the precision of SNP calling falls by raising accuracy of INDEL calling. Therefore, two or more analyses with different tools are recommended, but it causes increasing time and cost. To solve these problems, it is necessary to develop a mutation calling tool with higher-precision. The purpose of this research is to build the mutation calling tool which can detect SNP and INDEL simultaneously with high precision. We investigated some problems of the mutation calling by the known procedure and created a new tool with original algorithm. Moreover, accuracy verification of our tool was performed by analysing two eubacteria. As a result, it enabled the INDEL calling which does not lower the accuracy of SNP calling, and identifying of INDEL which was not detectable in the mutation call by the known procedure.
著者
大町 洋 佐藤 直之 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.126-129, 2013-11-01

数独を代表とする一人パズルに対する求解・インスタンス生成の研究はさかんに行われているが,そのうち“上海”やマインスイーパなど不完全情報性を持つものにおける研究は依然少ない.本研究では,上海を題材に,不完全情報性を踏まえた着手決定法を考案し,その上で人間にとって面白いインスタンスを生成することを目的とする.具体的にはまず,モンテカルロ法と評価関数ベースの木探索を組み合わせ,高性能・低性能の仮想プレイヤを作成する.その上でランダムに生成したインスタンスを解かせ,“高性能の仮想プレイヤには解け,低性能の仮想プレイヤには解けない”,つまり簡単あるいは難しすぎず,また不完全情報性による理不尽さの少ない,実力が物をいうインスタンスを提供する.
著者
菅原 康滉 三浦 勇気 栗林 倫 沼倉 彬雄 加藤 成将 佐藤 和幸 冨澤 武弥 三好 扶 明石 卓也 金 天海
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.615-616, 2017-03-16

力学系学習木は船体,車体,ヒト型ロボットなどに応用されている.従来,力学系学習木の各ノードは平均出力値を保持・更新している.また,出力計算時のノード選択では入力値と最も近いノードを選択している.しかしながら,選択されるノードの平均出力値と更新されるべき真値の間の誤差が大きい場合がある.そこで本研究では,この誤差値を利用した適応的なノード選択を導入することで誤差低減を行う.提案法を小型船舶の軌道データに適用し,従来法よりも真値に近い軌道予測が行えることが分かった.
著者
外池昌嗣 佐藤理史 宇津呂 武仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.47, pp.53-60, 2004-05-14
参考文献数
10

解の選択は質問応答システムのコンポーネントの1つで、何らかの方法で得られた解候補の中から信頼できるものを選ぶものである。本研究では語と語の連想の強さに注目して解の選択を行う。本稿では、問題文から抽出されたキーワードと解候補の間の語彙的な関係の強さに基づく解の選択法を提案する。提案する解の選択法は2つのステップに分けられる。1つ目のステップでは、語の特徴と語彙的関係の強さを用いて、問題文から適切なキーワードを抽出する。一方、2つ目のステップでは、サーチエンジンのヒット数に基づいて、キーワードと解候補の間の関係の強さを測定する。実験の結果、提案手法で4択クイズ「クイズ$ミリオネア」の79%を解くことができた。Answer validation is a component of question answering system, which selects reliable answer from answer candidates extracted by certain methods. In this paper, we propose an approach of answer validation based on the strengths of lexical association between the keywords extracted from a question sentence and each answer candidate. The proposed answer validation process is decomposed into two steps: the first is to extract appropriate keywords from a question sentence using word features and the strength of lexical association, while the second is to estimate the strength of the association between the keywords and an answer candidate based on the hits of search engines. In the result of experimental evaluation, we show that a good proportion (79%) of a multiple-choice quiz "Who wants to be a millionaire" can be solved by the proposed method.
著者
外池 昌嗣 宇津呂 武仁 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.3-42, 2005

質問応答システムにおける処理の流れのうち, 何らかの方法で抽出された複数の解候補に川頁位付けし, 答えを選ぶステップのことを本論文では, 解選択のステップと呼ぶ.本論文では, 大規模かつ日々更新されるウェブを利用して, 質問文中の重要語句 (キーワード) と解候補の共起に基づく語彙的関係 (連想) の強さを測定し, これに基づいて解選択をする.この連想の強さはウェブのサーチエンジンのヒット数から計算できる尺度で表す.本論文では, この連想を利用した解選択法を2つ提案する.1つ目の手法は, あらかじめ決めておいた語の重みに基づいて質問文からキーワードを選択した後, キーワードと解候補の連想の強さに基づいて解を決める方法である.2つ目の手法は, キーワードと解候補の連想の強さを利用して, その質問にとって最も適切なキーワードと解候補を同時に選ぶ方法である.実験の結果, これら2つの手法を統合した手法で, 4択クイズ「クイズ$ミリオネア」の約79%の問題を解くことができた.また, サーチエンジンのヒット数を用いて解選択を行う従来手法の性能を有意に改善できた.
著者
佐藤
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.12, pp.847a-848, 1909
著者
佐藤 勉 小船 雅義 加藤 淳二
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1272-1276, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
12

アポトーシスのシグナルはカスパーゼファミリーやミトコンドリアを介して伝達されるが,その経路においてreactive oxygen species(ROS)は必須の役割を果たす.一方鉄は,エレクトロンドナーとしてROS産生に関わることで,アポトーシスシグナルを正方向に調節している.アポトーシス細胞死が肝細胞傷害の本態となるC型慢性肝炎では,鉄過剰が病態を増悪させることが明らかとなり,除鉄療法が有効な治療法になることが示されている.
著者
横田 正幸 小滝 益三 小枝 武美 佐藤 喜一 秋吉 正豊
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.841-849, 1976

複合トローチ明治は, 硫酸ララジオマイシン (以下FRM) および塩酸グラミシジンS (以下GRMN) を主剤としたトローチ剤で, 両者の相加作用によつてグラム陰性菌, 陽性菌を含む広範囲の病原菌に対し抗菌作用を示し, 口腔・咽喉頭および上気道粘膜感染症に対する有効性が報告されている1~11)。<BR>FRMは, Fig.1に示した構造式をちつアミノ配糖体系抗生物質であるが, 従来からアミノ配糖体系抗生物質はいずれも程度の差はあるものの聴覚器障害をもつことが報告されている12~49)。これらの点から, 今回, 著者等は, 雄性モルモットを用い, FRMとGRMN混合末を経口 (p.o.) 投与し, 聴覚器への影響について耳介反射域値の変動および蝸牛の病理組織学的検索によつて検討した。さらに, 投与経路による差についても検討するため, FRMを皮下 (s.c.) 投与した。その結果, いくつかの知見を得たので, 以下報告する。
著者
東本 靖史 岸 邦宏 劉 志鋼 佐藤 馨一
出版者
日本地域学会
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.575-587, 2006
被引用文献数
1

Conventional traffic policies including TDM have attempted to switch commuters' transportation mode from the motorcar to public transportation mainly focusing on their outgoing trips. However, when commuters choose transportation modes for accessing the destinations, they consider not only the traffic service hours for their outgoing trips but also conditions for the return trips. The departure time of the final transport service and the number of bus services for evening hours are supposed to specially influence them to determine the transportation mode for their return trips. Suppose a case that although a person really wants to go to his office by bus, he cannot help commuting by car because the departure time of the last bus service for his return trip is too early for him.<br>To promote TDM policies to minimize motorcar traffic, transport planning considering commuters' convenience in their homeward trips is necessary.<br>The number of public bus users is being decreased year by year due to motorization development, which has seriously aggravated public bus earnings, meanwhile improvement of the level of public transport service is being demanded. Further the regulation of supply-demand adjustment of public bus services in Japan was abolished in 2002, and it realized free entry to bus service business and bus operators' discretional abolishment of bus lines.<br>The residents have been concerned if the bus deregulation might result in deterioration of the service quality level, specifically in discontinuance of unprofitable lines and a decrease in the no. of bus services. However, bus service businesses should be managed considering not only profitability but local needs as well.<br>Factors that are predominantly influential on users' evaluations on bus service quality are the service schedule, no. of services, and operation routes. Efficient bus service operation planning that takes into consideration local needs for these factors is indispensable toward the future.<br>This study focused on commuters' return trips whose details have not been fully identified, and through commuter's attitude surveys investigated co-relations between bus service availability improvement for commuters' return trips and their selection of transportation modes. Further, this study analyzed users' evaluations on bus service quality by the improved window method that applies DEA to identify efficiency values of the bus services by district and bus operation schedule for return trips.<br><br>JFL classification: C0, H0
著者
羽生 春夫 佐藤 友彦 赤井 知高 酒井 稔 高崎 朗 岩本 俊彦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.463-469, 2007 (Released:2007-09-06)
参考文献数
27
被引用文献数
4 7

目的:老年期の認知症患者について記憶障害に対する病識の程度や有無を比較検討した.方法:軽症のアルツハイマー病(AD)63例,レビー小体型認知症(DLB)17例,血管性認知症(VaD)14例および軽度認知障害(MCI)56例を対象とし,記憶障害によって日常生活上起こりうる問題点を標準化された質問票(日本版生活健忘チェックリスト,EMC)を用いて,患者と介護者から同時に評価し,両者の差から病識の程度や有無を判定した.結果:各群で患者EMCスコアに相違を認めなかったが,介護者EMCスコアはMCI群,DLB群,VaD群と比べてAD群で有意に高く,病識低下度(介護者EMCと患者EMCのスコア差)はAD群で有意に高くなった.有意な認知機能障害を認めない老年者コントロールの病識低下度の平均+2標準偏差を超えるものを病識低下ありと定義すると,AD群の65%,MCI群の34%,DLB群の6%,VaD群の36%が該当し,AD群が最も多く,DLB群は最も少なかった.AD群で介護者が配偶者による場合と配偶者以外による場合に分けて比較したが,両群で介護者EMCスコアに相違を認めなかった.結論:軽症のADやMCI患者の一部でさえも記憶障害に対する病識の低下を示す場合が少なくなく,有効かつ安全な治療や介護を行う上で留意する必要があると考えられた.一方,その他の認知症,特にDLBでは明らかな病識低下例を示す割合が少なく,ADとは異なる病態の相違が示唆されたのと同時に,この記憶障害に対する病識の相違が鑑別点の一つとして活用できる可能性が示された.
著者
森 貴久 伊部 弘 小倉 久美子 佐藤 誉康 大谷 結
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.61-70, 2010
参考文献数
17

沖縄島北部のやんばる地域にのみ生息しているヤンバルクイナGallirallus okinawaeの交通事故記録を解析し、事故地点の特徴と月別の事故件数に関連する要因を調べた。ヤンバルクイナの交通事故死は1995年6月〜2007年8月の間に69件報告されており、増加傾向があった。事故地点は県道70号線上と県道2号線上に多く、県道70号線では近年北上している傾向がみられた。事故記録数は、5月(30.4%)、6月(30.4%)、8月(13.0%)に多く、事故個体の成長段階は、性に関係なく、成鳥が最も多かった(78.3%)。成鳥以外では、雛が4月、幼鳥が5月、6月、若鳥が7、8、12、1月に確認された。ヤンバルクイナの目撃数は5月〜7月が多く、観光客数は8月が最も多かった。2006年7月〜2007年10月の期間について、月別事故数と目撃数、事故数と観光客数にはそれぞれ正の偏相関がみられた。2005年〜2007年に事故が起きた36地点については、長い直線あるいは緩やかなカーブで、ガードレールがない場所が多かった。県道70号線の事故現場付近で通過車両の速度を測定したところ、制限速度以下で走行していたのは全体の15%であり、また、23%が制限速度を15km/h以上超過していた。これらのことから、ヤンバルクイナの交通事故がどの時期にどこで発生するかについてのリスクに影響する要因として、(1)ヤンバルクイナの繁殖生態に関連した活動性、(2)やんばる域内での交通量、(3)走行のしやすさやヤンバルクイナの接近のしやすさなどの道路環境、が示唆された。ヤンバルクイナの個体数減少をもたらす交通事故を減らすためには、ヤンバルクイナの生態とやんばる域内での交通量を考慮しながら、ヤンバルクイナの交通事故リスクを減少させるための道路環境の改良を行うことが重要である。これまでの、ヤンバルクイナを認識しやすくする取組みに加えて、ヤンバルクイナが路上に接近しにくくする対策が有効かもしれない。
著者
野田 哲二 工藤 清勝 佐藤 教男
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.951-957, 1973 (Released:2008-04-04)
参考文献数
22
被引用文献数
18 11

The anodic passivation film formed on iron in neutral borate-buffer solution has been studied by using ellipsometric, electrochemical, and gravimetrical techniques. The film can be dissolved from its outer surface by applying a cathodic current in borate-buffer solution at pH 6.35 in which the reductive dissolution,(This article is not displayable. Please see full text pdf.) \ oindentproceeds at 100 per cent current efficiency. Ellipsometric measurements carried out during the galvanostatic-cathodic reduction of the film in this solution reveals that the film consists of two layers, an inner layer with the optical constant 3.0−0.5i and an outer layer with the constant 1.8−0.1i. It is also shown that the density of the inner layer is in agreement with that of γ-Fe2O3.The inner layer thickness increases linearly with the passivating potential, and the potential extrapolated at zero thickness of the inner layer corresponds to the equilibrium potential of the anodic formation of γ-Fe2O3,(This article is not displayable. Please see full text pdf.) \ oindentThe outer layer, however, is not directly related to the anode potential. Thermo-gravimetrical measurements indicate that the film contains some amount of water which is concentrated in the outer layer. The average composition of the outer layer is estimated as Fe(OH)3.A film model is proposed in which the inner layer of anhydrous γ-Fe2O3 is the cause of the potential drop in the film producing a field intensity of 5.6×106 V/cm and the outer layer of hydrous ferric oxide depends on the solution environment and passivation process.