著者
佐藤 方彦 佐藤 陽彦 勝浦 哲夫 津田 隆志 原 田一 山崎 和彦 安河 内朗
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.23-28, 1977 (Released:2008-02-26)
参考文献数
15
被引用文献数
3 4

4人の成人男子により,それぞれ4強度段階のエルゴメータ作業とトレッドミル作業を実施し,_??_o2の,HRあるいは安静値を基準としたHRの増加率に対する回帰式を,両作業をこみにした場合と作業別について,個人別及び全員に関して算出した。これらの回帰式にもとついて,HRあるいはその増加率より_??_o2を推定するとともに,最大下作業より_??_o2maxを推定した上で%_??_o2maxとHRの直線関係に依存して算出した推定式の成績を検討した。最も優れた成績は,個人毎に_??_o2のHRに対する回帰を求め,これを求めたその種目の作業について推定した場合に得られたが,ここに新たに提示した推定式による算出法は,なお実用化の条件についての検討は要するが,推定成績が比較的よく,一般化を行う上でも利点があることが認められた。
著者
佐藤 忠信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.463-473, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

地震動位相を線形位相遅れとそれからの変動部に分解したときに,波動が伝播する媒質の不均質性に内在する自己相似性が,位相変動部における低振動数側での位相の増加傾向と高振動数側でのそれとの間に相似性を発現させるという仮説を立て,それから必然的に導出される位相の確率特性を数理的に明らかにし,最も単純な場合に,それが非整数ブラウン運動過程としてモデル化できることを示す.この結果が,実地震動位相の解析を通してこれまで得られている知見と一致していることを述べた上で,地震動位相の不確定性が地震動振幅の減衰特性として評価できること,さらに,単純な断層破壊過程と局所的地盤伝達関数を用いた強震動模擬モデルを利用して,位相の不確定性が強震動の振幅特性に及ぼす影響をHurst指数により定量的に評価できることを示す.

1 0 0 0 OA 飼籠鳥

著者
佐藤成裕 著
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻15-16,
著者
高橋 一人 齋藤 泰智 小笠原 愛美 中河 知里 佐藤 多嘉之 森川 知世 秋田 隆司 政氏 伸夫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.117-124, 2017-03-25 (Released:2017-03-29)
参考文献数
9

近年,様々な産業で業務の標準化や透明化が求められ,医療分野でもその重要性が増している。ISO 15189は臨床検査室の国際規格であり,品質管理と技術能力に関する様々な要求事項について第三者評価機関の日本適合性認定協会が審査し認定する。しかし,ISO 15189の導入や維持には,文書や記録の作成をはじめとする膨大な事務作業を伴い,日常業務とISO 15189を両立させることが大きな課題となっている。そこで我々は煩雑な事務作業の効率化を目的として,ISO 15189に特化した独自の支援システムを開発した。支援システムを用いた文書の電子化や情報の一元化によって,文書の作成・閲覧・確認・承認作業,機器の管理,不適合業務や苦情の報告・是正・検証が迅速に行われるようになり,進捗状況の把握も容易になった。我々が開発した支援システムは事務作業の効率化に寄与し,ISO 15189の導入や維持に有効な手段と考えられた。
著者
柴田 巧一 浅井 光男 佐藤未来子 井川 勝 金 允起 滝安 美弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.85, pp.33-40, 1994-10-07
被引用文献数
1

ビデオオンデマンドサーバの基本モデルを開発したのでその仕様と測定結果を報告する。この試作サーバは2Mbit/s程度の圧縮画像を同時に4チャネル配送可能である。圧縮符号化された画像と音声は単一の3.5inch SCSIディスクに格納される。ユーザ端末とサーバはFDDIネットワークで接続され、TCP/IP,UDP/IPプロトコルを用いて通信を行う。ユーザはサーバ上の映像を自由に選択可能で、ビデオテーププレーヤと同等の特殊再生が可能である。我々はさらに、将来のビデオオンデマンドシステムの構成、および拡張性を持つスイッチバス構造を持つサーバアーキテクチャを提案する。We have developed a primary prototype of Video on Demand Server. This prototype system have four simultaneous random access capability. Compressed audio data and video data are stored into single 3.5 inch SCSI disk drive. User terminal and the Server are connected by TCP/IP and UDP/IP on FDDI. Users can select and view programs (movies, news, etc.) independently from another user. And some VCR-like trick-plays (FF, REW, PAUSE, etc.) are available via network. We also proposed the scalable switch-bus architecture. It has extendibility for supplying video streams number and storage capacity.
著者
高井 隆雄 鈴木 徹 佐藤 雄二 山田 有紀子
出版者
低温生物工学会
雑誌
低温生物工学会誌 (ISSN:13407902)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.118-123, 1997-12-29 (Released:2017-06-19)
参考文献数
4
被引用文献数
2

Recrystallization phenomena in frozen foods hurt the quality. In this study, rates of recrystallization of ice in frozen foods were determined for red meats of tuna and tofu cakes. These samples were frozen in methanol brine at -50℃ and stored at -50, -30, -20, -5℃ for maximum 80 days. Mean diameter of ice crystals in frozen foods were observed by microscope after these samples were fixed by freeze-substitution method and then sliced to very thin samples. The rates of recrystallization were k=135×10^3exp(-18.69/RT) and k=26×10^3exp(-1.6/RT) for tuna fish meat and tofu cake, respectively. These values were smaller by thousand times than the Zaritky's results. Zaritky's results were obtained at -20℃ final freezing temperature. The difference of final freezing temperature caused large difference in the recrystallization rates. The lower the final freezing temperature make the better storage conditions for frozen foods.
著者
佐藤 広志
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.14, pp.147-160, 2013-03

兵庫県の大学等進学状況は,県外への流出も県外からの流入も多い流動的な状況にあり,結果的に県内の大学入学定員と県下卒業生数とがバランスする程度の量的規模になっている。2011年9月に,兵庫県北播磨地区に所在する全日制高校を対象に実施した高校2年生調査によると,その進学希望はまだ漠然としたものだろうが,一年上の学年の同地区の進学率実績をかなり上回り,潜在的な進学需要も観察される。北播磨地区のおかれた地理的条件を踏まえて考えると,同地区の高校生は通学の利便性を強く求めており,これはつまるところ,通学所要時間を主とした心理的コストへの鋭敏な反応であると考察できる。Hyogo prefecture provides a sufficient amount of opportunity for higher education for their high school graduates. However, the mobility of candidates is so fluid that half of them leaves the prefecture. In a specific district of Hyogo prefecture, North Harima, a maximum estimate of candidates exceeds the results in the previous year, when they replied their expectations in a questionnaire one-year before their actual decisions. Although many of them demanded a traffic convenience of commuting to university from home, it is difficult for them to meet under their geographical condition. To evaluate their decisionmaking about college entrance, their psychological costs of commuting time and distance should be taken into consideration.
著者
佐藤 育男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.672, pp.4-6, 2010-09

さとう・いくお:1949年2月生まれ。1972年3月北海道大学工学部原子工学科卒業、同年4月日本製鋼所入社。1996年7月室蘭製作所原子力製品部長、2001年2月室蘭製作所副所長、2004年3月室蘭製作所長、2005年6月取締役室蘭製作所長、2008年6月常務取締役鉄鋼事業部副事業部長兼室蘭製作所長、2009年2月常務取締役鉄鋼事業部副事業部長、同年6月代表取締役社長を経て、現在に至る。
著者
佐藤 敏彦 佐藤 康仁 平尾 智広
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.141-150, 2009

保健医療政策の優先順位付けを行なうために疾患別の疾病負担データは重要である。さらに,今後の政策を策定するには現状の疾病負担のみならず,その将来予測もまた重要となる。本研究では,保健医療政策の施策に資するデータを提供することを目的に,わが国の官庁統計データを用いて回帰モデルにより傷病別の患者数および死亡数の将来推計を行った。その結果,年齢別推計総死亡数は,2010年は116万人,2020年は134万人,2030年は142万人と増加し,85歳以上の死亡割合はそれぞれ38%,51%,59%と顕著な増加を示した。傷病別の死亡数は2005年と同様,将来推計においても,新生物,循環器疾患,呼吸器疾患の順であり,新生物,呼吸器が男女とも大幅な増加を示したが,循環器疾患は心疾患が増加するものの脳血管疾患が減少するためにほぼ横ばいの結果となった。患者調査の入院率と国民生活基礎調査の通院率を用いて推計した全患者数は2005年に4,273万人であるのに対し,2010年,2020年,2030年には,それぞれ4,417万人,4,556万人,4,480万人であった。65歳以上の割合は2005年からそれぞれ,40%,44%,53%,56%と2020年以降は総患者の過半数を占めた。患者調査データを元にした傷病別推定患者数において2005年から2030年に増加を示したのは感染症(32%増),気管・気管支・肺がん(98%増),糖尿病(38%増),認知症(105%増),統合失調症(32%増),神経系疾患(138%増),高血圧(25%増),肺炎(210%増),脊柱障害(51%増),腎疾患(51%増),前立腺肥大(111%増)等であった。一方,減少を示したのは胃がん(58%減),虚血性心疾患(67%減),脳血管疾患(49%減)となった。国民生活基礎調査の通院率より推計した傷病別患者数はいずれも患者調査に基づく推計値を大幅に上回ったが,糖尿病,認知症,高血圧,脳血管疾患が2~3倍であるのに対し,通院率を用いた推計では増加傾向を示した狭心症・心筋梗塞は4倍~10倍以上にまで,その差が広がる結果となった。その原因として,実際には多くの患者は自己中断や延期をすることや,計算式に用いる平均診療間隔が実態と乖離していることなどがあるものと思われた。
著者
佐藤 哲彦
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.124-137, 2013-10-15 (Released:2017-03-31)

本稿は,欧州連合(EU)において薬物問題対策として採用され,こんにち広く影響を及ぼしている「欧州アプローチ(European Approach)」について,その来歴と概要および実践をアムステルダム市のケースを題材として検討し,その施策の含意について論じている.まずEUにおける薬物政策の成立過程について,EU自体の成立過程やその過程における諸機関との関係を含めて論じたのちに,それらを現行の形として成立させ維持する制度と仕組みについて論じた.そこではとくに補完性の原則が重要な役割を果たしていること,さらに欧州委員会の管轄領域との関係が重要であることなどが指摘されている.次に欧州アプローチの一事例としてアムステルダム市におけるハーム・リダクション施策を具体的に論じ,その施策が現在の福祉政策に影響を受けていること,とくに勤労福祉政策がコミュニティという視点の強調によりハーム・リダクションに組み込まれている最近の傾向を指摘している.最後に,脱犯罪化統制であると同時に社会政策として広がりつつあるハーム・リダクションが「逸脱の経済化」の一つの現れであることを示唆している.
著者
伊藤 睦泰 佐藤 恵美子 後藤 浩幸 服部 義一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.254-262, 1990
被引用文献数
2

異なる刈取頻度(年4回刈=4C,および5回刈=5C)と施肥水準(N,P,K成分で各48g/m^2/年=HN,および24g/m^2/年=LN)を組合せた栽培条件下のリードカナリーグラス模擬群落で,1番草および各再生草の生育過程における既存分げつの草丈,葉齢,枯死葉位の推移,ならびに節位別の葉身,葉鞘,節間長を計測した。(1)1番草,再生草ともに生育前半の出葉は急速で,第8葉展開頃までは,刈取頻度,施肥水準にかかわりなく,おおむね6,7日/葉の周期で直線的に葉数を増した。葉身の枯死は,1番草では5月初旬,再生草では刈取後20日頃に始まり,順次上位葉に向かって進んだが,出葉に比べてその進行は緩慢であった。(2)1番草の生育後半には草丈の伸長は特に顕著であり,逆に秋には抑制されたが,全般的に季節による草丈伸長の差異は比較的小さかった。草丈の伸長の経過は,いずれの処理,生育時期においても二つの急伸長期からなる類似の軌跡を描き,初期の急速な生長の後,30cm前後でやや伸長が鈍り,その後再び第2の急伸長期に転じて,例えばHN,4C区の1番草では約80cm,再生草では50cm前後で鈍化した。(3)着生節位別の葉身長は刈取回次による差異は小さく,いずれも第6,7葉までは上位ほど葉身が増し,それより上位節では再び短くなった。1番草では下位節間はほとんど伸長せず,上位の4節間が著しく伸長していた。再生草においても,生育初期の2,3節間は短いものの,それより上位の節間は順次伸長した。各葉齢期に対応する草丈からそのときの最上位の展開葉長を減じて節間の伸長経過を推定したところ,1番草および再生草の第2の草丈急伸長期にあたる5月初旬および刈取後25日前後に急伸長が始まるとみられた。(4)以上のことから,リードカナリーグラス群落を構成する個々の既存分げつは,その生育過程で一定量の同化器官(葉面積)を獲得すると,急激に非同化器官優先の生長へと転換する習性を有しており,その後に起こる節間部の急伸長(=C/F比,群落の草丈の増大)を介して高い乾物生産を可能にしていると考えられる。