著者
岡田 隆三 小寺 志保 富岡 昭浩 倉田 成人 濱本 卓司 猿渡 俊介
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.229-230, 2016-03-10

軍艦島は,長崎県にある無人島であり,現在も経年劣化による建物の複雑な崩壊現象が発生している.筆者らは,軍艦島において崩壊中の建物の映像や音声,加速度といったデータを収集することで,建築構造解析に貢献することを目指して軍艦島モニタリングプロジェクトを進めている.本稿では,軍艦島モニタリングのためのセンサネットワークインフラシステムを検討する.軍艦島には電力も通信網も存在しないため,センサネットワークインフラシステムは,基地局まで確実にデータを送信できること,スループットが高いこと,消費電力をできるだけ小さくすることの3点を同時に満たす必要がある.本稿では,マルチチャネルを用いたデータ集約型ネットワークインフラを提案する.初期的実装として,無線通信モジュールを搭載したマイコンボードを用いてシステムを作成した.
著者
青木 佳壽子 宮崎 悦子 木戸 友幸 畑 直成 羽間 収治 藤田 周一郎 倉田 明彦
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.173-177, 1990

症例: 74才男性, 1983年より高血圧症, 虚血性心疾患, 肺気腫などで当内科にて経過観察中の患者で, 当初より肝管, 総胆管の拡張あり, 胆嚢腫大も認められた. 1986年には糖尿病発症(NIDDM)をみた. 1987年6月10日ころより執ような下痢が起こり, 7月9日精査治療目的で入院す. 体重9kg減少し, 黄疸(-), 肝鎖骨中線上3横指触知, Courvoisier徴候(+), アミラーゼ414U/L(P: 368, S: 45), CEA: 9.1, CA-19-9:32U/ml, 7月22日ERCP; 膵胆管合流異常, 8月末黄疸出現, PTCD施行, 造影にて完全閉塞を認む. 腹部血管造影施行, 胃十二指腸, 胃腸間膜動脈への浸潤像あり. 静脈リンパ系への浸潤も当然あると考えられ, そのための下痢と判明す. PTCD胆汁細胞診にて乳頭状腺癌検出をみ, 頻度及び造影所見より総胆管癌を疑つた. 2月26日死亡す. 剖検にて中等度分化型膵頭部管状腺癌で, 膵周囲, 総胆管, 肝外胆管及び周囲リンパ節, 胆嚢, 上, 下腸間膜動静脈, 門脈に浸潤転移を認めた.
著者
赤倉 康寛 高橋 宏直 中本 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.632, pp.77-92, 1999
被引用文献数
1

本研究は, 今後発生し得る大規模地震による街路閉塞の被害を予測することを目的としたものである. 本研究では, 街路閉塞の発生を旧気象庁震度階を基にした地震動強さと街路幅員によりモデル化し, これによる予測結果を既往の研究における兵庫県南部地震での実測状況と比較, 概ね一致していることを確認した. さらに, 本研究のモデルを用いて横浜市中心地域が関東大地震と同規模の地震を受けた場合の被害予測を行い, これにより都市の地震災害に対する総合的な対応方策の検討の一部となり得ることを示した.
著者
半藤 保 間部 佑子 柳瀬 徹 倉林 工
出版者
新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-7, 2008-03-10

2001年1月から2006年8月までの5年8ヶ月間の新潟市民病院産婦人科における診療録の後方視的調査から以下の点を明らかにした。1.Rh血液型不適合妊娠は妊産婦2,988例中29例(0.97%)で、このうちRhD単独陰性は14例(0.47%)、RhDと他のRh因子との複合陰性3例(0.10%)、合わせてRhD陰性は17例(0.57%)であった。2.臨床的に問題となったのは、RhD,RhC陰性例にはなく、RhE陰性9例中の5例であった。これらの5例はいずれも妊娠中に抗体価の上昇を認めた。また、その中から生下時、児が直接クームステスト陽性を示したものが3例あった。3.直接クームステスト陽性3例はいずれも光線療法、ならびに1例には妊娠母体への抗Rhヒト免疫グロブリン投与がなされたが、交換輸血施行例はなかった。4.妊娠中、初めて抗体価の上昇を認めたのは、1例は妊娠18週、他の1例は妊娠21週であったが、いずれも既往分娩歴があり、それのないものでは妊娠30週であった。5.今回のシリーズに高度の新生児溶血性疾患は認められなかったが、文献的には経妊回数の増加に伴って抗体価上昇を示す割合が高くなり、また、輸血は勿論既往妊娠歴が全くなくても新生児溶血性疾患をきたすことがあることを念頭に、Rh血液型不適合妊娠に対処しなければならない。
著者
高倉 実
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.349-357, 1992-03-01

The purpose of this study was to investigate the physiological demands on the referees and their movement patterns during rugby games. With this knowledge, training programmes for referees can be more scientifically prepared to meet the physiological demands of the game. Initially seven Japanese regional referees performed a treadmill running test to determine the maximal oxygen uptake (V^^.O_2 max), heart rate (HR) versus V^^.O_2 max regression line to estimate oxygen uptake (V^^.O_2) during rugby games. Referees were investigated for HR via PE3000 heart rate monitor and were filmed with a video tape recorder to estimate the distance covered on the field according to the type of activity performed during rugby games. The results were as follows; 1) The mean V^^.O_2 max of referees was 3.19 l/min (45.3 ml/kg/min). 2) The mean HR of referees during rugby games was 157.4 beats/min, which corresponded to 82.9% of the maximal HR and 77.2% of V^^.O_2 max. As referees performed approximately 50% of actual playing time at an intensity above 8O% of V^^.O_2 max. 3) The mean HR of referees during the second halves were significantly greater than those during the first halves. As for the same referees, the mean HR when refereeing at the semifinal or final game was significantly greater than that when refereeing at the first round. 4) The mean total distance covered in a 60 minute game for a referee was 4315.4 metres.There was no significant difference in distance covered by the referee comparing the first and second halves of a game. 5) Jogging shared the highest percentage of 43.0% of the total distance covered, followed by walking (28.3%) and running (12.5%). There was a considerable amount of backwards movement required by referees (9.9%). A relatively small percentage of distance covered in a game was by sprinting (2.1%) and sidestep (4.2%). From these results, it was suggested that the aerobic work predominated in refereeing and backwards movement was an important action for referees.
著者
倉澤 幸久
出版者
桜美林大学
雑誌
桜美林論考. 人文研究 (ISSN:21850690)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-16, 2011-03
著者
熊倉 郁夫
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.552-553, 2003-05-15
参考文献数
6
著者
谷岡 哲也 浦西 由美 山崎 里恵 松本 正子 倉橋 佳英 多田 敏子 眞野 元四郎 山崎 正雄 友竹 正人 松下 恭子 上野 修一 大森 美津子 大浦 智華
出版者
香川大学
雑誌
香川大学看護学雑誌 (ISSN:13498673)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.65-74, 2007-03
被引用文献数
1

スティグマと疎外が精神疾患の治療と精神障害者の社会復帰を妨げていることが,精神保健上の問題として明らかにされている.地域住民の精神障害者との出会いの経験と精神障害者に対するイメージについて明らかにする目的で,郵送法による質問紙調査を行った.その結果,20代と30代の回答者の約50%が,精神障害者を意識した時期が小学校から高校であったと回答した.その当時の精神障害者のイメージは,否定的イメージが多かった.またその内容は,「変わっている」「こわい」が上位にあり,「普通の人と変わらない」は1割以下であった.回答者らが,実際に会ったことのある精神障害者は認知症のみであった.精神保健福祉施策は入院医療から地域ケアへと移行している.したがって,精神障害者やその障害について地域住民が理解する機会を我々は増やしていかなければならない.今後は,さらに若い年代から病院や施設等で精神障害者と日常的に交流を持てるような,ふれあいの場を作ることが重要である.また若い年代に対する精神障害者や精神障害に対する固定観念やスティグマを緩和ないし減少させるためのさらなる啓発活動が求められることが示唆された.
著者
片山 訓博 大倉 三洋 山﨑 裕司 重島 晃史 酒井 寿美 栗山 裕司 稲岡 忠勝 宮﨑 登美子 柏 智之 藤本 哲也 藤原 孝之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.357-361, 2012 (Released:2012-09-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1

〔目的〕常圧低酸素環境における低強度運動時の呼吸循環代謝応答を測定し,エネルギー代謝に与える影響について検討した.〔対象〕健常成人男性13名.〔方法〕通常酸素濃度条件(1.0 atm,酸素濃度20.9%)と常圧低酸素条件(1.0 atm,酸素濃度14.5%)を設定した.両条件下でATポイントの70%負荷による自転車エルゴメータ運動を行った.実験中,酸素飽和度,心拍数,呼気ガスデータを測定した.〔結果〕低酸素条件では,通常酸素条件に比べ,運動時心拍数,分時換気量が有意に高値を示した.低酸素条件は,通常酸素条件に比べ,脂肪酸化率は有意に低かった.逆に,ブドウ糖酸化率は有意に高く,エネルギー代謝は亢進していた.〔結語〕常圧低酸素環境下の運動によって,糖質利用が促進される可能性が示唆された.
著者
松浦 正朗 城戸 寛史 山本 勝己 加倉 加恵
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

顔面欠損を有する患者にどのような他者が見て自然と感じるかを調べるために8種類のエピテーゼの装着を想定した画像をコンピュータで制作しアンケート調査を行った。その結果、静止したエピテーゼよりも健側と同調してまばたきするエピテーゼがより自然に感じることが解明された。次いで実際に健側と同調してまばたきをする装置を試作した。1つは赤外線照射でまばたきを探知する方法、もう1つはまばたきにより細いワイヤーを振動させ、それを電流に変換する方法である。両方法とも正確にまばたきを探知でき、小型の動力部も製作できた。今後、臨床への応用が可能な段階にすることができた。
著者
坂庭 紳悟 笹倉 万里子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.126, pp.89-92, 2008-12-10
参考文献数
7

男子体操競技における各種日の「演技」は次々と実施される「技」によって構成される.演技構成の採点は演技構成内のそれぞれの単独の技に対して点を与えるものと技の実施の並びに対して点を与えるものからなる.採点対象となる技は採点規則で明記されている.本研究では,採点対象を「技の列」であるど捉え,その列を走査する機能を持つコンピュータプログラムにより体操競技における演技構成に対して採点を行うシステムを構築する.採点規則は,主に自然言語を用いて記述されているが,本研究ではそれを形式的に表現する.構築するシステムは演技の「技」の列を入力とし,形式的に表現された規則を用いてそれを自動的に採点する.このシステムを用いることにより採点の曖昧性を排し,誤採点をなくすことが可能である.
著者
倉本 和興 老松 建成 桑原 信也 山口 静馬
出版者
特定非営利活動法人 海洋音響学会
雑誌
海洋音響学会誌 (ISSN:09165835)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.81-85, 2004-04-01 (Released:2011-03-02)
参考文献数
9

In order to examine the effects of air bubble in the ear canal for underwater hearing, detailed measurement of minimum audible field (MAF) in audio frequency (50Hz-8kHz) and comparison of loudness were carried out at two conditions as below, 1) the air bubble remains in the ear canal and 2) the ear canal is filled with water. As the result, in the high frequency region over about 300 Hz, it is highly sensitive to hearing in the case that the air bubble remained in the ear canal. In the low frequency region under 300 Hz, it becomes more sensitive in the case that the ear canal was filled with the water by removing the air bubble.The reverse phenomenon of “hearing” at about 300 Hz is explained by difference between frequency characteristics of the occlusion effect (air conduction) and the effect in which the ear canal was filled with the water (bone conduction).
著者
倉持 元
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.491-497, 1989

維持血液透析患者における高P血症, 低Ca血症, 代謝性アシドーシスおよび骨代謝に対する炭酸力ルシウム (CaCO<sub>3</sub>) の有効性を調べるために, その投与量と各種血液学的パラメーターおよび骨塩量との関係を検討した. 高P血症および低Ca血症を認めた維持血液透析患者4人 (男2人, 女2人。年齢46-72歳。透析期間 48-133か月) において, CaCO<sub>3</sub> 1.0g/日, 3.0g/日, 5.0g/日を各々連続して6か月間ずつ投与し, Ca, P, ALP, PTH, カルシトニン, BUN, クレアチニン, Mg, PH, HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>を定期的に測定した. また骨塩量はmicrodensitometry法にて測定した. 透析は重曹透析を施行し, 透析液のCa濃度は3.5mEq/<i>l</i>であった.<br>Caに関しては, 2例で増加したが1例は減少した. Pに関しては, 3例にて投与量依存的に減少した. Ca・P積, ALPは3例で投与量依存的に減少した, PTHに関しては, 1例は減少したが1例は増加した. カルシトニンは3例において増加したが, 全例5.0g/日投与6か月後に減少した. BUN, クレアチニンは2例で増加した. Mgは2例で増加した. PH, HCO<sub>3</sub><sup>-</sup>に関しては2例で不変であったが, 他の2例は減少しアルカリ化作用は認められなかった. また骨塩量に関しては, MCIは1例で投与量依存的な増加を認めたが, GSmin, S. GS/D, F・GSは全例において減少を認め, 総合的には骨代謝の改善は認められなかった. また血圧も投与期間中変化なく, さらに臨床的および生化学的副作用は全例とも全投与期間を通して認められなかった. 以上よりCaCO<sub>3</sub>のP吸着作用は投与量依存的であり, 高P血症に対しては5.0g/日以下でも十分に有効であると思われたが, 低Ca血症, 代謝性アシドーシスおよび骨代謝の改善には, さらに大量の投与が必要と考えられ, その至適投与量については更に検討すべき事と考えられた.