著者
倉田 康路
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.101-113, 2001-08-31

本研究においては,実践現場でサービス計画(全体計画)が実現されるためにはどのような条件や方策が必要か,介護老人福祉施設(特養)の場合を通して検討することを目的とする。研究方法として同種施設に所属する職員を対象にアンケート調査(自由回答法)を実施し,全国の155の施設から822票の回答を得ることができた。K. Krippendorffによるメッセージ分析法を用いて分析を行った結果,実現化に作用する条件や方策に関して5つのカテゴリーから28の項目が抽出された。同計画の実現に向けては,これら各項目やカテゴリーについて一連のつながりをもって関連させながら方策を展開していくことが大切かと考えられる。また,計画の実現に職員自身が自信を持てるような条件づくりを進め,サービス計画をよりよいものに改善していくという使命を一人ひとりの職員が担っていることの認識がもてる体制をいかにして創りだしていくかを検討し,確立していくことが求められる。
著者
川崎 博志 満倉 靖恵 福見 稔 赤松 則男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.140, pp.77-80, 2004-06-18

近年の情報化社会において,音声圧縮は重要な技術の一つである。これまでにも音声圧縮の方法が数多く提案されているが,これらはいずれも10分の1から20分の1程度である。またこれらに伴って圧縮された音声や画像を配信する会社においては,圧縮率が高ければ高いほどダウンロードにかかる時間が削減できるため,圧縮率の向上は非常に有効である。本稿では,これまでに提案されている方法と比較し,提案した手法の有効性を検証する。さらに,比較実験として,ニューラルネットワークを用いた方法を挙げ,その比較を行なった。
著者
中村 康一 板倉 潮人 髙木 聡 小林 和陽 齋藤 浩子 月岡 悦子 山口 貴子 野口 周作 加藤 和久 臼杵 二郎
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.345-348, 2016-08-31 (Released:2016-09-15)
参考文献数
18

栄養失調とサルコペニアを伴う高齢者に対し,運動療法と栄養療法によるマネジメントの必要性が言われている.66歳男性,肺腺癌のため右肺全摘出後,外来通院していた.混合性換気障害と呼吸器症状が進行し,体重減少および身体活動性の低下を認めるようになったが入院を拒否.サルコペニアが疑われ外来で栄養士と看護師が介入し,栄養状態は改善した.しかし自覚症状は改善せず,理学療法士が介入を開始した.4ヶ月間の介入によりAMC(19.9→20.9 cm),MIP(31→68 cmH2O),握力(20→22 kg),CAT(12→9点)と筋力およびCATの改善を認めた.今回,入院が困難なCOPD症例に対し,外来で多職種が介入することで全身状態を改善させ,入院を回避することができた.栄養失調を伴うサルコペニアが疑われるCOPDに対する,外来における栄養および運動療法の有用性が示された一例と考えられる.
著者
若倉 正英 岡 泰資 三橋 孝太郎 橋本 孝一 泊瀬川 孚 宮川 孝
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.337-343, 1998-05-30
参考文献数
4
被引用文献数
1

一般廃棄物では収集運搬, 処理過程で少なからぬ事故が発生している。一般廃棄物を取り扱う工程での安全を担保するためには, 危険性の実態を把握することが重要である。廃棄物処理管理技術者協議会では厚生省の協力の下に, 平成4年から8年の間に一般廃棄物処理施設で発生した事故に関するアンケート調査を行い興味のある結果を得た。5年間で400件近くの事故が報告され, その中には32名の死亡者と198名の負傷者が含まれ, 被害額1, 000万円以上の物損事故は30件以上発生した。<BR>カセットボンベなどに起因する火災, 爆発事故が多発し大きな施設破壊と時には人身事故を引き起こしていた。また, 施設の老朽化や処理対象廃棄物の増加, 作業マニュアルの整備の不足は種々な労災事故の原因となっていた。さらに, 新規な処理技術の開発や処理対象物質の多様化が進んで, 混触による中毒や異常反応に伴う爆発など, 事故の形態がこれまで以上に複雑化してくる可能性が示唆された。
著者
小倉 芳彦
出版者
学習院大学
雑誌
学習院史学 (ISSN:02861658)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-5, 1996-03
著者
森下 卓哉 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.98, pp.41-46, 2000-10-26
被引用文献数
1

本研究では、サッカーゲームにおける混合戦略表現モデルを提案する。サッカーゲームは時間連続性を持ち、11人対11人で対戦するマルチエージェントシステムである。このような性質を持つゲームにおける混合戦略を時間に基づいて定義し、コンピューターシミュレーションで実験を行なった。実験では、混合比率を変化させて試合を繰り返し行ない、それぞれの比率での評価を求めて混合比率と利得の分析を行い、混合戦略モデルの妥当性を検討した。In this report, we proposed expression model of mixed strategy for continuous time game and, we proposed a method to analyze aspects of continuous time games, such as Soccer game. We defined mixed strategy on the basis of time interval mixture on the game that had such a nature. The experimental matches was done on several mixture ratio, on the computer simulation. The results showed our method is feasible.
著者
粟倉 大輔
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.45, pp.39-57, 2014-09-25

本稿の課題は,「再製茶女工」について描かれた当時の新聞・雑誌の記事を分析し,その変遷と社会的背景について論じることである。記事には,彼女たちを蔑視するものや,お茶場の熱気に苦しんだり,清国人監督から虐待を受けたりした彼女たちを憐れむものがあった。これら記事が書かれた社会的背景としては,居留地という不可視化された空間が職場であったことや,そこがコレラの侵入口でもあった開港場に近いことといった居留地の性格や,居留地内の日本人の警察権をめぐる問題や内地雑居の実施が関係した,当時の欧米人・清国人と日本人との間の摩擦や対立があげられる。他にも労働運動家の考えを規定した性別役割分担思想の存在などもあった。本稿で「再製茶女工」の記事を歴史的に分析した結果,製茶業史研究における「女工哀史的考察」にもとづく「再製茶女工」の評価は,明治期の一時期における新聞記事をもとにしたものに過ぎなかったことが明らかにされた。
著者
土倉 英志
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.713-728, 2010 (Released:2011-06-06)
参考文献数
39
被引用文献数
1

In this article, I examined the creation process of movie shots by focusing the roles of plans. I collected data through participant observation in a course of a college of art. I analyzed ongoing movie shooting processes. I found two important features in the creation process. A) Plans did not determine the creation. They were only one resource of the creation. Plans were used only as “an initial value” in making the shooting location and were replaced by concrete things, which canalized filmmakers' practices. B) Because different members focused different aspects of a shot and one issue was connected to another issue, it repeatedly was called in question. Then, although one issue seemed resolved, the solution was only tentative and repeatedly challenged in the creating process. In these processes, the shot became convergent to a relative stabilized point and a creation was achieved. I discussed the limitation of this study and future research directions.
著者
小倉 博之 吉川 周作 此松 昌彦 木谷 幹一 三田村 宗樹 石井 久夫
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.179-185, 1992-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

大阪平野の上町台地南部の台地構成層中に挾在する火山灰・含有化石の記載・分析ならびに有機物の14C年代測定をおこなった. その結果, 中位段丘層相当層の上町層上部から北花田火山灰, 吾彦火山灰を発見し, それぞれ広域火山灰のK-Tz, Aso-4に対比し, 上町層上部の堆積時期を知る手がかりを得た.さらに, 上町層を不整合に覆う常盤層の存在を指摘し, 平安神宮火山灰が挾在すること, その直下から23,400年BPの14C年代測定値を得たことから, 常盤層を低位段丘層に対比した. 以上より, 従来中位段丘面とされていた本地域の台地面は, 常盤層の堆積面, すなわち低位段丘面であることが明らかになった.
著者
中野 翔太 白井 治彦 高橋 勇 黒岩 丈介 小高 知宏 小倉 久和
出版者
福井大学
雑誌
福井大学大学院工学研究科研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.77-83, 2007-03-30

To improve security awareness of end-user, we designed and implemented the visualization system of packet header that represent the condition of network communication. We implemented our systems using Microsoft Visual Studio 2005 with Winpcap library and the development traffic, protocol and the time it captured a packet.
著者
竹中 貴治 保田 俊行 大倉 和博 松村 嘉之 棟朝 雅晴
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.775-776, 2013

スワームロボットシステムとは多数のロボットが局所的な環境・状況下での相互作用を通して群行動を創発するシステムである.本稿ではニューラルネットをCMA-ESにより最適化するCMA-NeuroESを制御器の設計に運用する.その際,進化の過程で膨大な計算コストが必要となるため,SMP Cluster型の大規模並列計算機で並列・高速化を図る.その上で,並列化を行う上で発生する同期待ち時間に着目し,実行時間短縮について考察する.
著者
倉盛 三知代 登尾 節子 池田 のり子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.85-96, 1994-03-31

家庭科における環境教育の指導案・指導法の検討を目的とし,炊飯の学習に環境問題(生活排水)を導入した(A)・(B)2つの授業実践を試みた。(A)は学生による模擬授業(B)は小学校教諭による現場の授業である。次にそれらの実践について,4つの項目を立て,3つの観点から考察を行った。すなわち「授業記録」「授業展開の考察」「授業の成果」「授業の問題点」について,児童の興味・関心・実態との関連,指導の流れの適切性・道すじの論理性,授業の実践性の3観点から考察を進めた結果,指導案,指導法ともにほぼ成果を問えるものであった。(A)・(B)両実践の比較を通して言えることは,環境問題は複雑な内容をもつものなので,その教材化にあたっては,地域に即してより身近な題材をとりあげ,問題原因の所在への考え方をポイントにおき,より具体的な指導法の工夫が必要であることが,改めて確認されたことである。
著者
新倉 貴仁
出版者
成城大学大学院文学研究科
雑誌
コミュニケーション紀要 (ISSN:02887843)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-11, 2016-03

Benedict Anderson’s Imagined Communities (1983)has been considered to be one of the mostsignificant pieces of literature on the relationship between nationalism and media. However, it has been often overlooked that Anderson’s concept of nationalism is heavily influenced by Marshall McLuhan’s arguments on printing media in The Gutenberg Galaxy(1962).The aim of this article is to reframe the relationship between nationalism and media by revisiting McLuhan’s arguments on industrial society.Firstly, The Gutenberg Galaxy is reframed as an outstanding theoretical work on nationalism. It sheds light on the history of mechanical reproduction, which catalyzed the formation and spread of nationalism.Secondly, The Mechanical Bride(1952), which underlies The Gutenberg Galaxy as well as The Understanding Media(1964), is reconsidered as an outstanding attempt to scrutinize contemporary society in the context of the huge transformation resulting from the progress of industrial technologies.In conclusion, McLuhan’s work, focusing on nationalism in the context of the industrial society, provides us with an effective viewpoint from which to rethink the problem of nationalism even in the context of contemporary globalization and the advent of information society.
著者
児玉 洋 田倉 中川 剛士
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.405-408, 2007-04-25
被引用文献数
1 19

腐植物質は,腐植土中の有機物が分解されたものであり,かつて有機物や微生物が存在していた広範な土壌環境中に見出される.今回の実験において,コィに腐植土抽出物を経口投与すると,非定型Aeromonas salmonicida実験感染に対する抵抗性が誘導されることを発見した.10%,5%あるいは1%の割合で餌料に混合した抽出物を投与したコィにおいて,死亡率および出血や潰瘍などの皮膚病変形成は顕著に抑制された.10%あるいは5%の割合で投与したコィでは,非投与コィに比べ平均生存日数が有意に延長した.死亡魚の一部から非定型A.salmonicidaが分離されたが,Aeromonas hydrophilaおよびFlavobacteriumも分離され,皮膚病変形成過程で菌種の交代が起きていることを示している.今回の実験結果は,コィへの腐植土抽出物の投与は,A..salmonicida感染症の予防に有効であることを示している.
著者
松倉 信幸
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿大学紀要Campana (ISSN:21896984)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-13, 2016-03-10

In this paper we will examine Shintai-shiika(New-style Songs and Poems, 1882-3). We will categorize and examine the poems in this work in 5 volumes. Those books containing most poems in Shintaishisho (Selection of New-Style Poems, 1882) expanded the themes of Japanese "poetry" and established its standard style.