著者
山崎 繁一 庄司 克雄 厨川 常元 岡西 幸緒 小倉 養三 福西 利夫 三宅 雅也
出版者
公益社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.506-510, 2005 (Released:2006-08-11)
参考文献数
4

前報では, チタン合金コアのブレードとチタン合金製フランジとを組合せて, 周速450m/sでの回転試験に成功した. 本報では, 本ブレードをベースにして, 周速350m/sの超高速研削切断に使用可能なブレードを開発したプロセスについて述べる. 最初に, 前報で試作したコンティニュアスタイプのブレードを用いた場合, 5.9MPaの高圧ノズルを使用してクーラントを供給したにもかかわらず, 周速100m/s (工作物・砥石速度比 v/V = 0.0833×10-3) で研削焼けが発生した. そこで, 砥石外周にセレーション (半円状の切り欠き) を設けたところ, 正常な研削切断が可能になった. しかし周速をさらに200m/sに高めると, 再び研削焼けが発生した. そこでさらにセレーション間のランド部側面にフルート (導水溝) を設けて, 切断面へのクーラントの到達を促した. その結果, 周速300m/sでも研削焼けが生じず, 研削抵抗値の安定した加工が可能であった. さらに高周速化するために高強度のボンド剤を採用し, セレーションおよびフルートの数を半減して砥石部の高強度化を図った. その結果, 最終的に周速350m/sで, 研削焼けのない正常な超高速研削切断に成功した. これは, これまで報告されている超高速研削の砥石周速としては, 最高速である.
著者
倉部 慶太
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.119-137, 2022 (Released:2022-05-20)
参考文献数
51

鼻音と子音の連続(NC連続)は,分離可能性,音節化,分節音性などの観点から様々な構成を示しうる。東南アジアでは語頭のNC連続が語族を越えて広く観察されるが,従来の多くの研究ではその音韻構成が充分に検討されてこなかった。本稿では,ジンポー語(シナ・チベット語族:ミャンマー北部)に観察される語頭のNC連続を検討し,様々な音韻的・非音韻的現象をもとに,この言語のNC連続が異音節クラスターであることを示す。具体的には,話者の直感,聞こえ度,有声性,声調付与,形態構造,単音節標的型接辞,部分重複,並列複合語の語順,挿入型ルドリング,韻文の音節調整,歌詞とメロディーのアラインメントなど様々な現象において,語頭のNC連続が異音節クラスターとして振る舞うことを指摘する。明瞭な異音節クラスター型のNC連続を持つジンポー語から得られた議論は,異なるタイプのNC連続を持つほかの言語の分析にも示唆を与える。
著者
朝倉 巧
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.655-662, 2018-12-01 (Released:2019-06-01)
参考文献数
39
著者
倉部 華奈 隅田 好美 小島 拓 加藤 祐介 齋藤 功 小林 正治
出版者
公益社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.178-187, 2020-04-20 (Released:2020-06-22)
参考文献数
23

Patients with jaw deformities frequently have psychological and social problems. There have been many reports on psychological status and satisfaction following orthognathic surgery as determined by quantitative methods. However, only limited information can be obtained by using a quantitative method because the patient’s psychological problems are complex. On the other hand, qualitative studies are suitable for clarifying the hypothetical construction of the phenomenon and patients’ experiences and processes. The purpose of this study was to examine the process by which patient’s psychological and social problems change from pre-treatment to post-treatment. The subjects were 6 female patients who had undergone orthognathic surgery 18 months ago. We conducted semi-structured interviews and performed analysis by a grounded theory approach. The patient’s anxiety started from the period of adolescence and was affected by the patient’s friends. Information on orthognathic surgery gave the patients hope and reduced their anxiety. The processes of psychological and social changes during and after treatment were affected by friends, family, and patients with the same disease. Patients had feelings of accomplishment, happiness, and confidence because they overcame various hardships, and they acquired active attitudes in social life.

1 0 0 0 棚倉町史

著者
棚倉町教育委員会 編
出版者
棚倉町
巻号頁・発行日
vol.第5巻, 1979
著者
芳倉 太郎 北野 雅昭
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.119-129, 2008 (Released:2008-04-07)
参考文献数
31

The present document summarizes the achievements of Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences in the field of water quality examination and water research from ca. 1970 to ca. 1985.The document covers investigative and advanced research related to pollution control of river water and biological and chemical monitoring of the water environment in Osaka City.
著者
馬場 裕 小林 智也 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2012論文集 (情報処理学会シンポジウムシリーズ) (ISSN:13440640)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.433-438, 2012-03-15

日常行われている会話には,様々な問題点がある.たとえば失言や重要な話の聞き逃しは,人間関係を悪くしてしまう危険性がある.これらは,空気中の音速で声が人間の何百倍の速さで移動する事が要因と考えられる.音速を遅くすることで,音声に追いついたり音声の重畳や参照をすることが可能になる.そこで,超低音速空間 CreepingVoice を構築し,会話の問題解決を試みている.本稿では,超低音速空間CreepingVoice を実装するための基礎的な実験の結果について報告する. : Everyday conversations have various problems. For example. a slip of the tongue spoils human relations. This problem is attributable to the speed of sound. Sound is too fast for us people to catch up. If the sound speed is much slower, we can catch up with our voice,modify it and refer it. We have been constructing a super slow sound space “CreepingVoice” to solve the problems. This paper reports results of elemental experiments for implementingCreepingVoice.
著者
藤村 祐子 佐藤 仁 朝倉 雅史 岩田 昌太郎 川口 広美
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

日本では,教員の養成・採用・研修を連続体と捉えた上での「教員が学び続けることので きる環境整備」が提案され,専門職基準の策定とそれに基づく教員制度の全国的整備が進められている。米国ではすでに,教師教育のあらゆる場で専門職基準が活用され,専門職基準の制度化が進められてきた。専門職基準は,他律的活用と自律的活用の双方が想定されるが,米国では,その双方で機能している可能性がある一方,日本では,他律的活用が強調され,自律的な「能力参照枠」としての専門 職基準の活用は十分に検討されていない。本研究では,自律的・他律的な「能力参照枠」としての専門職基準の「内面化」の方略を提案することを目的とする。
著者
福田 貴三郎 小柳 佑介 福田 茂紀 大倉 清司 藤重 雄大 岩下 洋哲 大堀 耕太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.SWO-053, pp.05, 2021-03-15 (Released:2021-09-17)

近年説明可能AI(Explainable AI)の技術が注目されており、ホワイトボックス型の機械学習モデルを設計する場合、モデルの予測結果の精度向上を追求するだけでなく、解釈性の高いモデルを設計する事が重要である。本研究では、学習データのリソースとしてナレッジグラフを使用する場合を想定し、エンティティ間の上位概念の関係性を利用した、解釈性の高いモデルを実現するための説明変数を選択する手法を提案する。また、実際にプロ野球選手の実データを利用した実験により、意図した通りの説明変数が選択出来る事を確認した。
著者
倉田 なおみ
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.536-537, 2021 (Released:2021-06-01)

1976年昭和大学薬学部卒業後、同大学病院に就職、1996年同大学藤が丘リハビリテーション病院に異動、2006年同大学薬学部教員になった。1986年結婚、2016年高速道路で自損事故により危うく天国(地獄?)へ。振り返えると西暦末尾6の年が転換期であった。30年間の臨床薬剤師の後、16年間教員として教育・研究に携わり、現在も客員教授として研究を続ける日々が続いている。忘れてかけている過去を思い出し、思いつくまま最終講義として綴ってみたい。
著者
千々岩 芳朗 金澤 和貴 戸倉 晋 泉 秀樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.89-90, 2022-03-25 (Released:2022-05-06)
参考文献数
9

100歳以上の大腿骨近位部骨折9症例9股の術後生命予後と歩行能力の変化について検討した.術後30日以内死亡率は22.2%で,平均余命は1.77年であった.術後歩行再獲得率は43%であり,術前より約1.3段階の歩行能力の低下を認めた.100歳以上の超高齢者であっても生命予後及び術後歩行再獲得率が有意に低下するわけではなく,充分な術前評価と周術期管理を行った上で積極的に手術療法を行うべきであると考えられる.