著者
植田 晃広 上田 真努香 三原 貴照 伊藤 信二 朝倉 邦彦 武藤 多津郎
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.243-247, 2011 (Released:2011-04-19)
参考文献数
32
被引用文献数
4 5

肥厚性硬膜炎の自験例3症例と,文献例66症例の臨床的特徴と治療反応性を検討した.症状は頭痛が最多で,脳神経障害は視神経,動眼・滑車・外転神経障害の割合が高い.検査所見はCRPあるいは赤沈の上昇例が約95%と高率である.治療法はステロイド使用例が多い.初回平均投与prednisolone(PSL)量は42.7mg/day,平均維持量はPSL 12.4mg/dayであった.再発率は初回ステロイド治療が奏効した例でも43%と高率であった.自己免疫異常を背景とすると考えられる肥厚性硬膜炎では,疾病初期の症状コントロールの難しい症例,治療開始15カ月以内に炎症反応の再上昇する症例,PSL 20mg/day未満での再発が多いことに注意して,PSLの減量はきわめてゆっくり長時間をかけておこなうことが重要と考えられた.
著者
岩倉 具忠
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.40, pp.1-16, 1990-10-20

Mi sono interessato particolarmente alla parte del canto XV del "Paradiso" che costituisce il preambolo al famoso incontro con Cacciaguida, in cui il trisavolo del poeta rivolge a Dio parole incomprensibili ai mortali. Si tratta di un linguaggio mistico che il poeta non ha modo di intendere. Gli angeli e i beati non hanno bisogno di nessun mezzo di comunicazione, perche la loro intelligenza non viene coperta "cum grossitie atque opacitate mortalis corporis humanus". Essi mirano "nello speglio in che, prima che pensi, il pensier pandi". Non era necessario quindi per un beato come Cacciaguida parlare a Dio che "tutto discerne". Ci deve esere un altro motivo per cui egli parla. A mio parere nelle parole che Cacciguida rivolge a Dio vi e un elemento mistico e liturgico. Nel "De vulgari eloquentia" Dante spiega l'origine della lingua umana, basandosi sulla narrazione del "Ggenesi", ma aggiunge delle considerazioni personali che non si trovano nel testo originale. Il poeta pensa che Adamo abbia cominciato a farsi sentire prima che a sentire, perche nell'uomo il farsi sentire e piu essenziale che il sentire. Adamo, unico uomo esistente, avrebbe rivolto la sua prima parola a Dio per farsi intendere. Ma Dio discerne tutti i segreti della mente del primo uomo, e non c'era necessita che Adamo parlasse. Dio tuttavia volle che anch' egli parlasse, affinche fosse gloirficata la Sua opera. Io penso che Cacciaguida rivolga le sue parole a Dio per una ragione analoga : glorificare l'opera del Signore, ringraziandolo per l'eccezionale generosita con cui ha concesso al suo discendente l'alta missione di "scriba Dei". Di fatto il linguaggio mistico di Cacciaguida si configura come uno sfogo religioso simile a una preghiera. Una situazione non molto diversa si puo osservare nel dialogo tra Dante e Cacciaguida. Dal momento che quest' ultimo prevede tutto quanto il poeta concepisce nella mente senza che venga espressa con il linguaggio, non sarebbe stato necessario che Dante si esprimesse. Cio nonostante il trisavolo gli chiede di parlare con voce "sicura, balda e lieta". Anche qui si tratta di un atto prettamente rituale. Che significato ha dunque in Dante il ricorso a tale azione rituale? Senza dubbio il poeta voleva conferire autorita alla missione decretata dall' Eterna Volonta senza tuttavia esplicitarne il vero significato. In conclusione il linguaggio mistico nel episodio considerato e un artificio retorico utilizzato abilmente dal poeta per rendere ancora piu solenne l'incontro memorabile con il suo trisavolo.
著者
倉田 浩
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
真菌と真菌症 (ISSN:05830516)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.89-93, 1978-08-07 (Released:2009-12-18)
参考文献数
19

ヒトおよび動物の藻菌類 Phycomycetes に属する真菌が原因する感染症を総称して, いわゆるムコール症と呼んでいたが, 実際には, Mucorales ケカビ目に所属する真菌だけが真菌症を起すのみでなく, Entomophthorales ハエカビ目に属する Basidiobolus, Conidiobolus 属菌らに原因する疾患も, 極めて僅かな例ではあるが知れているので, ムコール症は, Mucor, Absidia, Rhizopus, Mortierella 属らのケカビ目による疾患にのみ適用することにし, 若し, ケカビ目とハエカビ目の両者による疾患を併せてよぶ必要がある場合は, Ajello らの提案する zygomycoses 接合菌症を使用するのが適当と考えられる.近年, Alexopoulos 以来, 従来用いられてきた Phycomycetes なる名称がなくなり, 最近では, Mastigomycotina 鞭毛菌類, Zygomycotina 接合菌類の2つの亜門 sub-division がこれに変つてしまつた. しかし, 旧 Phycomycetes に属するすべての真菌による疾病を総括する必要のある時の呼称は, これに変わるべき適当な用語がないことから, Emmons らが言う The Phycomycoses 藻菌症を, そのまま残して使用することにしてはどうかと提案する. 次いで, 現在までに種々の異名でよばれるケカビ目に属する病原真菌を同義語の立場から整理を試みたので, 表示し参考に供した.
著者
木村 拓哉 馬場 里英 岡部 太郎 藤井 遼 皆川 裕祐 藤田 健亮 角谷 隆史 加茂 徹郎 高井 千尋 山田 宗 鯉沼 俊貴 萩原 祥弘 三角 香世 小林 孝臣 山中 隆広 髙橋 秀徳 小村 賢祥 荒井 大輔 長尾 元太 小西 駿一郎 神元 繁信 仲地 一郎 小倉 崇以
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.147-152, 2021-03-20 (Released:2021-10-02)
参考文献数
13

A preliminary report from a global study showed that remdesivir, a nucleoside analog pro-drug that was originally developed as a therapeutic drug against Ebola virus, may exert clinical efficacy in cases of COVID-19, by shortening the time to recovery. We had the opportunity to use this new drug in the treatment of 7 COVID-19 patients with respiratory failure.
著者
山崎 聡 竹内 大輔 大串 秀世 牧野 俊晴 小倉 政彦 加藤 宙光
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.634-638, 2012-11-10 (Released:2012-11-20)
参考文献数
24

Diamond is a new semiconductor which has been developed in the last around 15 years. It has unique properties and the potential of unique electronic devices. The typical example is negative electron affinity (NEA) for hydrogen terminated diamond surface. The nature of diamond electron affinity was investigated using by photo-yield spectroscopy (TPYS). Using the NEA property, electron emission p-n (p-i-n) diodes were fabricated, and this diode can be used as a new principle power device; a vacuum micro switch operated by a p-n diode.
著者
森下 孟 倉澤岩雄 鈴木彦文 永井一弥 東原義訓
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.48-55, 2016-09-27 (Released:2018-08-27)
参考文献数
15

信州大学教育学部附属学校園の校内ネットワーク環境整備では,①利用対象者別に分けられたネットワークの敷設,②附属学校園間での情報端末の相互利用,③学外の第三者による不正アクセスの防止が技術的な課題となっていた.そこで,①IEEE802.1Qによる論理的な分離,②ホストアドレスの範囲拡張による共有,③認証システムによるアクセス制御を施し,無線LAN環境を構築した.その結果,情報端末による動画の一斉視聴時にデータスループットの低下がみられたため,無線LANアクセスポイントの帯域幅を拡張したが,これ以外の恒常的な利活用のなかで著しいデータスループットの低下や電波干渉などによる無線LAN への接続不良などは発生しておらず,同時かつ安定的にネットワーク運用することを実現している.
著者
佐藤 敬子 満倉 靖恵
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.411-418, 2010 (Released:2016-11-30)
参考文献数
23

It has often been pointed out that each color has a particular impression and that there are certain similarities and individual differences in the relationships between a color and its impression. We now present a few examples of individual studies that have focused on color impression. In this paper, in order to examine the individual characteristics of color impressions, we propose a method that combines GA, PCA, and CA. GA is used to select suitable parameters from color attributes -namely, RGB, HSI, and L*a*b*. PCA is used to extract characteristics data from the selected parameters. Furthermore, CA is used to classify the data set into groups. In order to demonstrate the effectiveness of this proposed method, computer simulations are performed and the results are analyzed using data gathered from 6 individuals. As a result, characteristics data that were obtained by using GA differed for each subjects. Moreover, classification accuracy, which is the ratio classified same impression data into same groups, was more than 80% for all subjects. It is considered that the proposed method could be one of the effective methods for analyzing individual characteristics of color impression.
著者
高桑 昌男 飯倉 宏治
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2012 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp.13-2-1-_13-2-2_, 2012-08-29 (Released:2017-05-24)

There are many rendering techniques using point-based super-sampling. By the super-sampling, more sampling gets more quality. But how many samples do we need? We can only estimate this from statistics. In this research, we introduce a new concept Micro point. Using the Micro point, we get aliasing free images without super-sampling.
著者
倉田 道夫
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1955

博士論文
著者
朝倉 佑実 河野 洋平 佐藤 将嗣 青山 隆夫
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【目的】慢性裂肛には、ニトログリセリン等を含むクリームを患部に塗布し、肛門静止圧を低下させる治療が行われている。しかし、副作用や高い再発率が問題であり、有用な新規薬剤が求められている。芍薬甘草湯は内服で筋弛緩作用を示すことが知られており、外用薬としての有用性が期待できると考えられる。本研究ではラットを用いた肛門内圧測定法を構築するとともに、芍薬甘草湯クリームによる内肛門括約筋の弛緩効果を評価した。【方法】芍薬甘草湯クリームは、精製水に懸濁した市販エキス細粒2.5 gに、添加剤の流動パラフィンとグリセリン、および基剤の親水軟膏を加え、全量を7.0 gとした。肛門内圧測定用のプローブは、カテーテル(6 Fr)の先端にポリエチレン製のバルーンを装着して作成した。プローブにかかる圧力は、血圧トランスデューサと圧力用増幅器を用いて測定し、解析にはPowerLabを用いた。肛門内圧測定精度の検証では、クリープメータを用いてプローブにかけた一定の荷重と圧力測定値間の相関性を評価した。SD系雄性ラットを無作為に芍薬甘草湯群または対照群に振り分けた2剤2期のクロスオーバー試験では、吸入麻酔下でクリーム塗布前と塗布(0.1 g/kg)後3 hに肛門内圧を測定し、算出した肛門内圧変化率で効果を評価した。【結果・考察】プローブに一定の荷重(0.01–0.1 N)をかけて圧力を測定した結果、荷重と圧力の間に良好な相関が認められ(R2=0.996)、本測定法の定量性が確認された。肛門内圧変化率は、芍薬甘草湯群の塗布後3 hで78.8±13.5%(n=10, mean±S.D.)となり、対照群に比して有意に低下した(p<0.05)。以上のことから、芍薬甘草湯クリームは慢性裂肛の治療薬として有用である可能性が示された。
著者
天倉 吉章 内倉 崇 好村 守生
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】ヘーゼルナッツはカバノキ科ハシバミ属植物の果実で,栄養価の高いナッツ類と一つとして世界中に広く流通する食材である.我々はナッツ類の成分に関する研究を行っており,成分情報の乏しいヘーゼルナッツに含有する二次代謝物について検討を行い,4種の既知化合物とともに文献未記載の化合物2種を単離し,それらの構造解析について先の薬学会1)において発表した.その検討の中で,本抽出物には縮合型タンニンと考えられる高分子化合物の存在が示唆されていたため,今回,その続きとして高分子画分について検討した.【方法】前回はヘーゼルナッツ市販品の80%メタノール抽出物について検討したが,本研究ではタンニンの検出を目的とするため70%アセトンで抽出することとした.得られた抽出物をn-ヘキサンで脱脂後,Sephadex LH-20カラムクロマトグラフィーによる分画を行い,高分子画分を得た.本画分について,HPLC,NMR,GPC等に基づき構造解析を行った.【結果】得られた高分子画分についてHPLC分析を行ったところ,縮合型タンニンに特徴的なブロードピークが観察された.13C-NMRの結果,カテキン骨格に特徴的なシグナルが観察され,本画分の主成分はフラバン 3-オールがBタイプで縮合している高分子化合物であることが示された.おおよその分子量を明らかにする目的で,本画分のGPC分析(ポリスチレン標準品を使用)を行った結果,重量平均分子量約7~8万であることが示された.また,GPCで確認されるこのピークを指標に,GPCによるヘーゼルナッツ中の高分子画分の定量法についても検討した.本年会では,これら得られた結果についても併せて報告する予定である.1) 北野智愛ら,日本薬学会第138年会(金沢)
著者
倉林 敦 太田 英利 田辺 秀之 森 哲 米澤 隆弘 松田 洋一
出版者
長浜バイオ大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、ヘビからカエルに水平伝播したLINEレトロトランスポゾン(ここではTE-X表記)について、(1)水平伝播時期と地域の解明、(2)水平伝播遺伝子の視覚化、(3)爬虫類・両生類以外のマダガスカル産脊椎動物にもTE-Xの水平伝播が生じているかの解明、(4)水平伝播を媒介した寄生虫・ウィルスの探索、(5)南アジア原産のブラーミニメクラヘビが、マダガスカルのヘビタイプのTE-Xを持っている理由の解明を目的としている。本年度は、(1)分岐年代推定と水平伝播発生地域の推定を行った。(2)シマヘビと、ネガティブコントロールのツメガエルに対して染色体FISHを行なったところ、前者では強いシグナルが出たが、後者ではシグナルが得られなかった。これにより、FISHによる染色体上のTE-X検出系が確立できた。(4)蛇の体組織からウィルス核酸抽出方の確立を試みた。現在までに行なった実験系では、ウィルス核酸よりも細菌由来核酸の出現率の方が高かった。(5)バングラデシュとスリランカにおいて、現地共同研究者により、メクラヘビの採取が進んでいる。現時点で、バングラデシュでは30個体、スリランカでは19個体のサンプルが得られている。さらに、インドでは、30個体以上のメクラヘビが収集され、そのうち1個体がブラーミニメクラヘビであったが、残りは別種のヘビであった。そのうち1種は、異種間交雑起源のブラーミニメクラヘビの父方系統に属する種である可能性が高いことが分かった。さらに、インドのブラーミニメクラヘビについては、Hi-Seq NGS によりシークエンスが行われ、130 Gbp のアウトプットが得られた。また沖縄産個体について、MinION NGSによるシークエンスを行い、40 Gbpのアウトプットを得た。南アジアにマダガスカルヘビタイプのTE-Xを運んだベクター蛇の可能性が高いスナヘビが収集できた。