著者
小倉 仁志
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.76-78, 2014-05

「いっ、痛っ!」。肩を押さえるカズオさん。自動ドアを通り抜けようとしたところ、開きかけたドアに肩をぶつけてしまったのだ。たまたま通路の向かい側を歩いていた同期のミカさんが、心配してカズオさんに駆け寄り、「そそっかしいわね。
著者
石倉 嵩也 鈴木 宏典
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00111-17-00111, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

This paper proposes mathematical models to predict preceding car's deceleration intent and evaluates its effect on the following car driver in terms of the mitigation of risk of rear-end collision. Assuming a four-vehicle convoy, an unscented Kalman filter (UKF) integrated with a conventional car-following model attempt to estimate the headway and velocity of the 1st to 3rd vehicles in the platoon. The car following model used in this research is the conventional Gazis-Herman-Rothery model (GHR model). Then, another GHR model is used to predict the deceleration intent of the 3rd vehicle, which is expected to occur 1.5 seconds later based on the estimates of headways and velocities. In addition, this study proposes an interface to inform the predicted intention to the following vehicle by using a windshield display (WSD). Numerical analyses showed that the UKF integrated with the GHR model succeeded in estimating the vehicle platooning states and predicting the deceleration intent accurately. However, the prediction does not always shows the perfect match with the actual observation due to the uncertainty of driver's behavior. Although it is not completely accurate, it is a quite useful information to mitigate the collision risk so that we decided to design the interface by the WSD to inform the predicted deceleration intent to the following car driver. A driving simulator experiment was carried out to present the 3rd vehicle deceleration intent expected to occur 1.5 seconds later to the 4th ego car. It was found that the maximum deceleration rate of the 4th vehicle was suppressed and the value of the Time-To-Collision was increased not only in an ordinal deceleration case but also in a situation where the collision risk became significant.
著者
倉舘 健一 三橋 紫 五十嵐 玲美
出版者
日本フランス語教育学会
雑誌
Revue japonaise de didactique du français (ISSN:18805930)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.186-198, 2011-11-10

本稿は,グローバル化が日本のこれまでの言語教育/学習環境や言語能力の概念に及ぼしているインパクトについて分析を行う。その上で新しい言語学習環境の構築モデルとして「e-Lounge」「プルリリンガルラウンジ」と名付けられた慶應義塾大学日吉キャンパスでの互恵的複言語学習環境創出の試みを取り上げる。そのコンセプト化から実体化,複言語化のプロセスを示し,日本の教育機関に本質的に内在する単言語文化主義の問題の克服の可能性について考察を行う。
著者
高石 静代 朝倉 和子 上野 亮磨 左右内 敏浩 都築 泉 出口 哲也 渡邉 薫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.27-33, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
3

新製品・新事業探索は、企業が持続的な成長をしていく上で必要な取り組みであり、様々な方法が提案・実践されている。本研究では、新しい手法として段階的発想法を考案し、その適用について検討した。段階的発想法とは、共出語を用いてキーワードを段階的につなげて、新製品・新事業につながる発想を広げていく方法である。 従来より、コア技術のキーワードを用いて特許文献を絞り込み、作成した集合を分析して新製品・新事業を探索する方法が知られているが、段階的発想法は、この従来法よりも発想を飛躍でき、広い範囲で新製品・新事業を探索できるものと期待される。 本研究では、実在するK社のコア技術であるマイクロレンズを題材に、特許、学術文献、新聞、ソーシャルメディア、ウェブ情報から段階的発想法を用いて新製品・新事業の探索を試みた。その結果から、情報源による違い、従来法と段階的発想法との違いや有用性を考察した。
著者
飯田 征二 松矢 篤三 古郷 幹彦 大倉 正也 藤本 佳之 中原 寛和
出版者
Japanese Stomatological Society
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.393-396, 1997

Many surgical procedures for macrostomia had been advocated in past literatures, but it is hard to obtain the ideal commissure form. In this paper, 6 cases of unilateral macrostomia treated at our clinic are reported and the availability of the minor triangular flap on vermillion border in commissuroplasty is discussed.<BR>Five cases underwent new commissuroplasty using the minor triangular flap at vermillion border (Matsuya's procedure) and 1 case without it. In the latter case, deformation of the commissure form caused by postoperative scar contracture was found, though the good form was found during the post-operative period. In all cases using Matsuya's procedure, the good commissure form was made and maintained throughout the growth period. The minor triangular flap on vermillion border was considered to be useful to prevent the influence of postoperative scar contracture on the commissure form
著者
井上 義文 居倉 裕子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.EbPI1400-EbPI1400, 2011

【目的】<BR> 当施設では、理学療法士の個別の関わり方には限界があるため、より多くの利用者にリハビリテーションを提供するために、集団体操を行っている。集団体操は、画一的かつマンネリ化しやすいという側面があるため、これの活性化を図るために、平成21年8月より音楽を取り入れた集団体操を試みた。今回は、集団体操に音楽を介入させたことによる利用者の参加状況の変化について報告し、集団体操の特性および可能性について考える機会としたい。<BR><BR>【方法】<BR> 入所者に対し、運動機能の維持・向上および運動機会の確保を目的に行っている集団体操(2回/週、20~30分/回)に、音楽を介入させる。音楽の介入方法は、以下の通り。理学療法士1名は、インストラクターとする。季節感や記憶に作用するような話を交えながら、運動量を調節しつつ、集団体操の進行役を務める。もう1名の理学療法士は、運動の動きやテンポに合わせ、利用者の反応に応じたピアノ伴奏を行う。体操中の伴奏は、運動の動きやテンポに合わせた伴奏と、利用者の好みに合わせたものや季節感をとりいれた曲を演奏し、利用者が歌いながら体操をする場面もある。使用器具として、電子ピアノ(カシオ社製Privia PX-120)を用いた。集団体操への参加状況については、各階毎に、音楽導入前後の10回について、利用者の反応を「自発的に参加」「促しにより参加」「拒否」「無関心」の4つに分類し、比較した。また、集団体操に関わったことのある介護職員を対象に、音楽導入前後の利用者の集団体操時の様子について、アンケート調査を行い、「良くなった」「変わらない」「悪くなった」から答えを一つ選択し、また、気づいた点を自由記載してもらった。<BR><BR>【説明と同意】<BR> 利用者・家族には、リハビリテーション実施計画の説明とともに、本研究について十分な説明を行い、同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR> 2階入所者(平均要介護度;3.1)は、10回の延べ参加人数合計は、音楽導入前:218人、音楽導入後:248人。音楽導入前の反応は「自発的」:142人・65.1%、「促し」:41人・18.8%、「拒否」:13人・6.0%、「無関心」:22人・10.1%。音楽導入後の反応は「自発的」:179人・72.2%、「促し」:32人・12.9%、「拒否」:12人・4.8%、「無関心」:25人・10.1%。職員アンケートの結果は、「良くなった」:9名・81.8%、「変わらない」:2名・18.2%、「悪くなった」0名・0%であった。3階入所者(平均要介護度;3.6)は、10回の延べ参加人数合計は、音楽導入前:291人、音楽導入後:278人。音楽導入前の反応は「自発的」:151人・51.9%、「促し」:61人・21.0%、「拒否」:25人・8.6%、「無関心」:54人・18.5%。音楽導入後の反応は「自発的」:168人・60.4%、「促し」:50人・18.0%、「拒否」:21人・7.6%、「無関心」:39人・14.0%。職員アンケートの結果は、「良くなった」:12名・100%、「変わらない」:0名・0%、「悪くなった」0名・0%であった。以上の結果から、概ね、利用者の反応が良い方向へ変化したことが確認できた。<BR><BR>【考察】<BR> 昨今、高齢者が音楽で得られる効果には、様々な報告がある。それは、身体的、生理的、心理的、社会的(対人)なプラス効果である。今回、集団体操にピアノ伴奏を取り入れたことで利用者の反応が良好となり、参加状況が改善した。これは、ピアノ伴奏の意味合いは、バック・グラウンド・ミュージック的なことではなく、利用者の反応や体操の内容に合わせてピアノ伴奏することが、利用者の興味をひき、このような結果につながったと思われる。また、随時、テンポや音の強弱の調整が可能であるため、体操の内容にメリハリがつき、利用者が最後まで集中して参加したり、歌に合わせて体操したりすることで、あまり疲労感を感じることなく、運動量を確保できた。コミュニケーションの観点からも、音楽を介入させることにより、理学療法士側の非言語メッセージ(顔の表情、声の表情、身ぶり等)が強調され、利用者と良好な関係性を築き、活気ある集団体操となった。当施設の「集団体操」の主目的は「より多くの利用者を対象に、身体機能維持・向上のために、効率よく効果的に運動させること」であったが、音楽を取り入れたことにより、様々なプラス効果が得られ、体操の内容だけではなく、導入や進行方法も再考するいい機会となった。今後も、理学療法士の専門性、音楽のもつ特性、そして集団体操という環境条件を生かしながら、今後は当施設のオリジナルとなるよう、さらに工夫を重ねていきたいと思う。<BR> <BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 音楽を介入させることで、集団体操を活性化することが出来た。音楽の特性を生かしながら、理学療法士の専門性を発揮することの重要性が伺えた。
著者
市橋 幸子 荒川 容子 倉田 知香 飯沼 光生 田村 康夫 久保 金弥 岩久 文彦
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.87-92, 2008-02-20
被引用文献数
1

本研究は,高次脳中枢の中でストレスによる影響を最も受けやすいといわれている海馬にスポットをあて,老化促進モデルマウスP8系を用いて,咬合不全が海馬機能に与える影響を検討した。咬合挙上は,マウスの上顎臼歯部に歯科用光重合レジンをもることにより行った。はじめに,ストレス物質である血中のコルチコステロン(CO)濃度を測定した。その結果,老齢期の咬合挙上マウスでは,血中CO 濃度が顕著に上昇していたため,咬合挙上がストレッサーとして作用していることが確認された。次いで,海馬の記憶機能が測定できるモリス水迷路学習テストを行い,咬合挙上と空間認知能との関係を検討した。また,Fos 陽性細胞の発現率から記憶運動にリンクした海馬への情報入力量を検討した。その結果,老齢期の咬合挙上マウスでは,水迷路テストによりプラットホームへの到達時間が延長するとともに,Fos 陽性細胞数が減少していたことから,咬合挙上により海馬への情報入力量が減少し,空間認知能が低下することが示唆された。次に水迷路テスト終了後,咬合挙上と老化プロセスとの関連を検討するため,海馬神経細胞数の計測を行った。老齢期の咬合挙上マウスでは,海馬神経細胞数の減少がみられたことから,咬合挙上が海馬の老化を促進させることがわかった。最後に,海馬におけるグルココルチコイドレセプター陽性細胞とグルココルチコイドレセプターmRNA の発現状況を調べ,咬合挙上が視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA-axis)に与える影響を検討した。咬合挙上マウスでは,GR 陽性細胞とGRmRNA の発現が減少したことから,海馬からHPA-axisへのネガティブフィードバック機構が抑制されていることが判明した。本実験により,咀嚼機能の維持や咬合不調和の改善は,「食べることができる」ようにするということだけでなく,海馬機能(記憶能力)の維持に重要であることが脳科学的に証明された。また,歯の喪失している高齢者の有病率や認知症発症率が高いという疫学調査の結果を考え合わせれば,高齢化が進む我が国において咬合の維持・回復は認知症予防につながる可能性があると期待される。
著者
岩倉 健夫 大城 宜哲 宮内 哲 時本 康紘 福永 智栄 柴田 政彦 柳田 敏雄 真下 節
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.46-50, 2003

右中足骨骨折後3週間のギプス固定により右足背部に allodynia を示した患者1名を対象として, allodynia 発現時の患側および健側への非侵害刺激, allodynia 消失後の患側への非侵害刺激に対する脳賦活領域を functional MRIを用いて比較検討した. 健側への刺激では第一次体性感覚野と頭頂連合野が, allodynia 消失後の患側への非侵害刺激では第一, 第二次体性感覚野が反応したのに対し, allodynia 発現時の患側への非侵害刺激では第一, 第二次体性感覚野, 島, 頭頂連合野, 前頭前野内側部, 前帯状回, 補足運動野など広い領域で信号の増強がみられた. allodynia は, 神経損傷後や組織障害後にみられる徴候の一つであるが, その痛覚認知機能はまだ明らかではない. 本症例でみられた腫脹, 皮膚温の上昇, allodynia などのCRPS type Iの症状は自然治癒したが, 初期にはCRPS type Iの症状がそろっており, 本症例でみられた allodynia はCRPS type Iと病態は共通している. 本研究によりCRPS type Iにみられた allodynia の痛覚認知機能を知るうえでの重要な知見が得られた.
著者
倉持 卓司 須藤 裕介 小川 麻里 玉城 英信 長沼 毅
出版者
広島大学
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.11-14, 2003-11-30

深層水取水施設にはしばしば深海生物が迷入するので,深海生物研究の定点観測施設としての意義もある。このたび,深海魚の一種であるミツクリエナガテョウチンアンコウが沖縄県深層水研究所(久米島)で採取された。この深層水取水施設の取水口は久木島沖の東シナ海,水深612mにある。ミツクリエナガチョウチンアンコウの分布域にはまだ不明な点が多いが,本種が東シナ海にまで分布することが初めて分かったので報告する。
著者
吉木 竜太郎 中村 元信 戸倉 新樹
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.77-83, 2012-03-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
6

皮膚は外界と体内を隔離する巨大な臓器である. 外部からの様々な異物の侵入を防ぐバリアーそのものであり, さらには効果的に異物を排除する免疫システムも兼ね備えている. 外部からの刺激の中でも「光」, 特に「紫外線」に焦点を当ててみると, 皮膚におけるメラニン合成が高まり, 過度の紫外線曝露から回避するシステムなどが一般的に知られているが, 皮膚における免疫の抑制が生じることも皮膚科領域では広く認知されており, この現象を利用して様々な皮膚疾患の治療が行われている. この紫外線による皮膚の免疫抑制には調節性 T 細胞の誘導が重要で, その詳細な機序を我々のグループなどが解明した. この紫外線による皮膚における免疫抑制は, 外部から曝露される様々な物質に対する過度の反応を抑えることで, 皮膚の炎症による自己崩壊を阻止していると考える.
著者
吉木 竜太郎 中村 元信 戸倉 新樹
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.77-83, 2012-03-01

皮膚は外界と体内を隔離する巨大な臓器である.外部からの様々な異物の侵入を防ぐバリアーそのものであり,さらには効果的に異物を排除する免疫システムも兼ね備えている.外部からの刺激の中でも「光」,特に「紫外線」に焦点を当ててみると,皮膚におけるメラニン合成が高まり,過度の紫外線曝露から回避するシステムなどが一般的に知られているが,皮膚における免疫の抑制が生じることも皮膚科領域では広く認知されており,この現象を利用して様々な皮膚疾患の治療が行われている.この紫外線による皮膚の免疫抑制には調節性T細胞の誘導が重要で,その詳細な機序を我々のグループなどが解明した.この紫外線による皮膚における免疫抑制は,外部から曝露される様々な物質に対する過度の反応を抑えることで,皮膚の炎症による自己崩壊を阻止していると考える.
著者
木村 真依子 川口 武彦 首村 守俊 熊倉 慧 岡田 絵里 上原 正樹 岡島 真理 山川 貴史 西村 元伸 石川 哲 今澤 俊之
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.641-646, 2017 (Released:2017-10-28)
参考文献数
29
被引用文献数
1

71歳男性. 透析歴2年. 発熱, 前胸部痛を主訴とし, 酸素化低下と胸部単純X線で左肺野の浸潤影を認め, 肺炎の診断で緊急入院となった. 細菌性肺炎を疑い, セフトリアキソンの投与を開始したが, 第4病日, 炎症反応の上昇, 浸潤影の拡大を認めた. 非定型肺炎の合併を疑い, シプロフロキサシン (CPFX) を追加した. 第5病日, 無尿のため血清を代用した尿中レジオネラ抗原検出試薬による検査 (抗原検査) を行ったところ, 陽性であった. 導尿にて少量の尿が採取され, 尿中抗原陽性も確認した. レジオネラ肺炎と診断し, CPFXからレボフロキサシンへの変更にて軽快, 治癒し, 血清の抗原検査で陰性化を認めた. 透析患者は, レジオネラ肺炎の診断に用いられる尿の採取が困難であることが多い. 無尿の透析患者においては, レジオネラ肺炎の診断に, 血清を代用した抗原検査が有用である可能性が示された.