著者
内田 千代子 高橋 由光 杉村 仁美 UCHIDA M KING R OSTROFF R FINN-STEVENSON M
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本自殺予防教育により、多くの学生が「自殺の危険のある友人に、効果的に支援を申し出ることが自分にできる、自殺したいと思っているか聞ける、それにより友人を救う可能性がある」「死別による悲しみで苦しんでいる人に、カウンセリングや精神科受診を進めることがあると思う」と感じるようになった。友人の危険に際し適切な援助を勧めることができることによる自己効力感(self-efficacy)、遺された人をサポートできる力をもち、ピアサポーティブな行動をとれる学生を養成するという本研究の目的に叶った効果が認められた.
著者
佐藤 裕幸 近山 隆 石橋 弘義 吉田 かおる 内田 俊一
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.65(1986-DPS-031), pp.1-8, 1986-09-29

SIMPOSは、ICOTで開発された個人使用向逐次型推論マシンPSIのオペレーティング/プログラミング・システムであり、以下のような特徴を持っている。・論理型言語にオブジェクト指向機能を付け加えたプログラミング言詔ESPによりすべて記述されており、ESPの提供する継承の機能を用いることにより、ユーザはOSの機能を自由に活用することができる。・ウィンドウ・システムを中心とした高度なマンマシン・インタフェースとESPに適した豊富なデバッグ機能を提供している。・個人使用向のワークステーションの弱点を補うためにネットワーク機能を強化しており、資源の共有化を促進している。SIMPOSは1983年5月から開発が開始され、現在、約40人のメンバーで第3.0版を開発中であるが、その規模はソース・プログラムの行数にして20万行を越えるものになっている。また、PSIはICOT 関連メーカ 大学等で利用されており、その数は今年度中に100台を越えようとしている。本報告では、SIMPOSの提供する機能の概要及びユーザ・インタフェース,ネットワーク機能を中心に報告する。
著者
佐藤 誠 青木 辰司 岡崎 昌之 横川 洋 内田 和実 江藤 訓重
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

1.アジア連携のヘルス・ツーリズムとライフスタイル起業の実証研究を実施。中国、台湾、ラオス、ベトナムなどのローカルメディスンを活かしたヘルスツーリズムについて、現地調査とあわせて海外から研究・実践者を招いたアジア・ヘルスプロモーション会議などで成果を上げた。また、健康・美容・性・保健をテーマとしたライフスタイル起業について、具体的に天草市金焼地区でのグリーンライフ・コミュニティ事業推進との関連で展望が開けた。2.セカンドホーム・ツーリズムとライフウエア産業形成の道筋が見えてきた。遊休農地や未利用バイオマス資源活用によるライフスタイル起業について、本科研研究の延長線上で、天草市・熊本大学・熊本経済同友会との民学官連携で共生・対流の社会実験に関わる国土交通省や農林水産省からの助成を得て、都市住民がリースされた農地にグリーンライフ実現のための乾式壁工法ストローベイル・コテージを建てる方式で画期的な農村活性化モデル構築に挑んだ。このグリーンライフ天草方式は、2地域居住から田園移住へと進化するセカンドホーム・ツーリズムと地元住民と地場企業との地域再生事業に明るい展望を拓いた。3.本研究の成果として「風地観ツーズム」理論が構築された。本科研のテーマで北海道大学大学院観光創造専攻で田園リゾート論および地域再生連携事業論を組み立てる中で、これまでのビジターの「観る」観光や、リピーターに「示す」観光地域づくりの先に、いのち育む「土」とスピリット=気の流れである「風」とが結ばれて新しい暮らしや生業が産み出される「風地観」ツーリズムが、田園へのアメニティ・ムーバーを介して産業イノベーションをもたらすという理論仮説を提示した。
著者
内田 由理子 かどや ひでのり
出版者
津山工業高等専門学校
雑誌
津山工業高等専門学校紀要 (ISSN:02877066)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.119-124, 2006

本稿は,高専の技術系労働現場への女性技術者供給における役割に着目し,高専における女子学生への教育,特になかでも進路指導への示唆,提言を行うものである,高等専門学校開設来の女子学生の動向を明らかにするとともに,女子学生は高専に何を求め,何を期待しているのか確認する.また,卒業後の就労状況を取り上げ,女子卒業生は技術者として果たしてどのように活用されているのか,その就労からみえてくるものは何か,析出し,検証する.
著者
内田 直 宝田 雄大 渡邉 丈夫 宮崎 真 宝田 雄大 後藤 一成 関口 浩文 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

近年、国民の健康に対する関心の高まりとともに身体運動への関心も高まっている。しかしながら、このような関心は、身体的な健康が主体となっている。一方で、精神的なあるいは脳の健康も同様に重要であることは疑い。このような、精神的なあるいは脳の健康と、これに対する身体運動の効果についての研究は、いまだ十分に行われているとはいえない。本研究では、身体運動と精神活動あるいは脳活動の関連について焦点をあて、これについて健康科学的な側面から実証的な研究を行った。このような研究は、身体活動と身体の健康に関連した研究に比べると新しいものであり、今後うつ病や認知症予防のための運動療法としての活動につながるものである。研究は、以下の5つのテーマ(方法)によって行った。すなわち(1)身体運動が睡眠に及ぼす影響について、(2).睡眠中の代謝活動についての予備的研究、(3)朝行う身体運動が、その後の認知機能に及ぼす影響について、(4)身体運動と児童の発達の関連について、(5)観察学習の効果とスキルの転移、である。(1) 身体運動が睡眠に及ぼす影響については、二つの実験を行った。昼寝により人工的に作成した不眠状態への運動の影響をみたが、これは大きな影響が観察されなかった。次に睡眠直前に高強度の運動を行わせ、これが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを観察した。これまでの研究では、ストレス反応により睡眠が悪化すると言う説があったが、我々の研究では変化無く、悪化は無かった。しかしながら、睡眠中の体温が睡眠中期で運動後運動しないときよりも有意に高いという興味深い結果が得られた。(2) はヒューマンカロリーメータを用いた睡眠中の代謝の連続測定と言う新しい分野の研究であり、今後運動後の代謝の変化など興味がもたれた。(3) 朝の運動については、日常的に行われる健康運動と似たパタンであるが、これが日中の活動にどのように影響を及ぼすのかを見た。しかしながら、結果としては一過性の効果は認められたが、一日の中での変化は無かった。このような運動を習慣的にした場合の影響が今後の課題として残った。(4) 小学生を対象とした研究のまとめが一部完成した段階である。現状では、認知機能のうち、判別と抑制の発達パタンが小学生年代では異なっている可能性が示唆された。(5) 観察学習は、運動学習の一部であるが、観察学習により獲得された手続き記憶は、必ずしも転移しないことが示唆される結果であった。全体として基礎研究と応用研究の両方から成果が得られ、身体運動が脳と心に及ぼす効果の解明と健康科学への応用についての業績がえられた。期間は終了しているが、この結果を国際論文として発表している作業を持続して行っている。
著者
内田 照久 中畝 菜穂子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.397-406, 2004-12-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
15
被引用文献数
6 3

This study investigated the systematic relationship between nonverbal features of speech and personality trait ratings of the speaker. In Study 1, fundamental frequency (F0) in original speech was converted into five levels from 64% to 156.25%. Then 132 undergraduates rated each of the converted speeches in terms of personality traits. In Study 2 134 undergraduates similarly rated the speech stimuli, which had five speech rate levels as well as two F0 levels. Results showed that listener ratings along Big Five dimensions were mostly independent. Each dimension had a slightly different change profile over the five levels of F0 and speech rate. A quadratic regression equation provided a good approximation for each rating as a function of F0 or speech rate. The quadratic regression equations put together would provide us with a rough estimate of personality trait impression as a function of prosodic features. The functional relationship among F0, speech rate, and trait ratings was shown as a curved surface in the three-dimensional space.
著者
金澤 綾子 内田 貴之 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.19-23, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
10

症例は77歳,女性。腰椎固定術後,入院中にショックとなりICUに入室した。入室時は心拍数50 /minの高度徐脈,血圧測定不能の状態であった。採血上,イオン化マグネシウム(iMg2+)2.34 mmol/Lの高マグネシウム(Mg)血症を認め,これがショックの原因と考えられたことから,緊急血液透析を導入した。血中Mg濃度の低下とともに徐脈は改善し,ICU入室3日目にはショックを離脱した。本症例においてはICU入室25日前より麻痺性イレウスの診断で酸化Mg製剤の内服が開始された経緯があったが,血中Mg濃度は徐々に上昇したのではなく,ICU入室当日に急激に上昇していた。この急激な濃度上昇は,イレウスに伴って腸管粘膜からのMg吸収が亢進したためと推測された。酸化Mg製剤の投与に際しては,腸管からの吸収促進の病態がある場合には慎重に行う必要がある。
著者
安部 厚志 若旅 正弘 石橋 清成 岡本 善敬 内田 武正 山本 哲
出版者
脳機能とリハビリテーション研究会
雑誌
Journal of Rehabilitation Neurosciences (ISSN:24342629)
巻号頁・発行日
vol.22, no.JPN, pp.222402, 2022 (Released:2022-12-30)

This study reports a case of a paraplegic stroke patient who had difficulty walking with an ankle–foot orthosis, but was able to walk independently with a short knee–ankle–foot orthosis (semi-KAFO). A 34-year-old man presented with right hemiplegia due to left putaminal hemorrhage. At 143 days after the stroke onset, he could not obtain sufficient support for the paralyzed leg and required assistance during his walk with an ankle–foot orthosis because the knee joint of the paralyzed side was always flexed due to knee flexor hypertonia. Conversely, he was able to walk with a semi-KAFO under observation. He practiced putting on and taking off the semi-KAFO, standing, sitting, walking, and toileting with a semi-KAFO for three weeks. At 164 days after stroke onset, he was able to walk and toilet independently with a semi-KAFO. This study’s results indicate that a semi-KAFO is useful as a daily living orthosis for hemiplegic stroke patients who have difficulty walking with an ankle–foot orthosis due to increased knee joint flexor muscle tone.
著者
山西 貞 内田 温子 川島 洋子 藤波 大和 宮本 眞紀子
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1974, no.41, pp.48-53, 1974-06-20 (Released:2009-07-31)
参考文献数
7
被引用文献数
1

さやまみどりの煎茶製造には萎凋操作を加えて,独特の芳香を発揚することが行なわれている。この現象とさやまみどりの特殊香気の本質について研究し,次のことが明らかとなった。1)さやまみどりはやぶきたに比べ,リナロール,α-テルピネオ~ル等のモノテルペンアルコールは少ないが,甘い花香を有するネロリドールが著しく多い。2)さやまみどりには木のにおいをもつ1種の未知物質が存在するが,萎凋によりこれはエステル(菊またはセリ様の香)に変わる。3)インドールはさやまみどりに多く,これが多すぎると不快なにおいになる。萎凋により,インドールは減少する傾向があり,この処理により香りのバランスが好ましいものになると考えられる。4)酸の中,不快臭であるカプロン酸は萎凋によって著しく減少し,好ましい香りのエステルに変わる。
著者
花村 高行 青木 仁史 内田 絵理子 萩原 俊彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.6-12, 2008-01-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

アセロラはアスコルビン酸含量の高い果実として知られている.アスコルビン酸は必須栄養素としてだけでなく,美白効果をもつ美容素材として化粧品や健康食品に広く使用されている.アセロラの美容効果についてはin vitro試験での有効性は報告されているが,ヒトを対象とした試験の報告は見当たらない.我々は40代の閉経前の健康な女性について,アセロラ果汁飲料の12週間摂取による美容効果をアスコルビン酸含有飲料およびアスコルビン酸を含有しない飲料を対照として二重盲検並行群間比較法により検討した.美容効果の評価は機器による評価,被験者による肌状態のVAS法を用いた自己評価および皮膚科専門医による肌状態の評価により行った.その結果,被験者の自己評価および医師の評価ではアセロラ果汁飲料は2種類の対照飲料より,肌状態に対して高い効果を示した.従って,これらのアセロラ果汁飲料の美容作用には,アスコルビン酸だけでなく他の成分の関与が示唆された.しかしながら,機器による評価では対照とアセロラ果汁摂取で明確な違いは認められなかった.
著者
蔦島 譲治 高宮 考悟 内田 琢
出版者
宮崎大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

「児童虐待」は重大な社会問題となっている。この研究では、親の「恐怖記憶」が子供に遺伝し、子供の行動に影響を与えるかを検証する。本研究による成果は、「虐待を受けた親」と「児童虐待」との関連を動物行動実験により、「恐怖記憶の遺伝」という生物学的根拠とそのメカニズム解明により、虐待の連鎖を阻止することにある。申請者の予備実験では、音と電気刺激による恐怖条件付けした親マウスを交配させ、誕生した仔マウスに音を聞かせると恐怖反応(freezing)を示した。すなわち、親の「恐怖記憶」が仔に遺伝したことを示唆する結果を得た。さらに用いたマウスを使用し、「恐怖記憶の遺伝」を分子レベルで解析したい。
著者
内田 博
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.25-32, 1986-10-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
6
被引用文献数
9 7

(1)1968-84年に,埼玉県中央部の比企•武蔵丘陵を中心とする森林で4種のタカ類(サシバ,ハチクマ,オオタカ,ツミ)の観察を行ない,そのうちサシバ,ハチクマ,ツミの3種の巣の周辺でスズメとオナガが繁殖しているのを確認した.しかし,オオタカには,そのようなことは見られなかった.(2)サシバの巣の周辺では,丘陵内ではふつう見ることのないスズメが数番いひんぱんに観察され,サシバの巣から数mの範囲内に巣をつくり繁殖してい虎.調査した11巣中,スズメが見られたのは9例で,合計9巣が確認された.スズメの見られた時期はサシバの繁殖時期と一致し,5月中旬から7月初旬にわたった.(3)ハチクマの巣の周辺でもスズメが見られ,繁殖した.調査した6巣中,スズメが見られたのは4例で,2巣が確認された.(4)ツミの巣の周辺では,一群のオナガが観察され,周辺数10mの範囲内に複数の巣がつくられた.調査した10巣中,8例でオナガが長期間観察され,オナガが巣の周辺に見られないとされた残りの2例でもオナガがツミの巣の林に短時間現われた.オナガの見られた8例の場所では,合計7巣のオナガの巣が確認された.(5)オオタカの場合は,調査した19巣の付近で繁殖する鳥は見られなかった.
著者
齋藤 有 内田 伸子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.150-159, 2013-06-20 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
3

本研究では,子ども中心で子どもとの体験を享受する「共有型」養育態度と,子どもにトップダウンに関わり,罰を与えることも厭わない「強制型」養育態度の,絵本の読み聞かせ場面(絵本場面)における母子相互作用の比較検討を行った。対象は3-6歳児とその母親29組で,母子にとって新奇な絵本場面を録画観察した。結果,養育態度による絵本場面の相互作用の違いは,母親のことばかけの認知的な水準ではなく,絵本場面を取り巻く情緒的雰囲気に現れた。また,子どもの年齢にかかわらず「共有型」養育態度の母親は子どもに共感的で,子ども自身に考える余地を与えるような関わりが多い一方で,「強制型」養育態度の母親は,指示的で,子ども自身に考える余地を与えないトップダウンの説明の多い傾向があった。さらに,それぞれの関わりのもとで子どもの絵本に対する関わり方にも違いがあり,「共有型」養育態度のもとで,子どもはより主体的に絵本に関わっていることが明らかになった。
著者
小森 正樹 中村 嘉利 内田 賢吾 泉 善博
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.809-815, 2002-12-20 (Released:2010-05-31)
参考文献数
12

20年間にわたる石川県における松葉中の放射性核種濃度の時間変化を示しながら, その時々に存在した量の由来について検討し, 10年ごとの変化から放射性核種の移行過程と外因的要因との関係を検討した。その結果, 松葉における天然核種の40Kの濃縮係数は土壌濃度と反比例の関係を示し, 137Csも同様な傾向を示した。この関係から137Cs全量のうち経根吸収分を除いた分を大気からの沈着分として, また7Beは短半減期のため検出されるほとんどが大気からの沈着分と考え, それぞれの移行速度を推定して沈着速度と比較した。その結果, 一般に認められた降水に対する粉塵の沈着速度よりはやや小さいもののオーダー的に同程度の値を示した。従来, 測定や観測が不可能に近い137Csの松葉の吸収が時間の大幅な経過やそれに伴う環境状況の変化から観測可能になり, 137Csに関する移行係数や移行速度や7Beの移行速度が推定可能となった。