著者
西村 智子 石川 剛 内藤 裕二
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.1236-1249, 2016 (Released:2016-07-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

超高齢化社会を迎え嚥下機能障害が大きな臨床課題である中,平成26年の診療報酬改定で胃瘻造設(PEG;Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)に関連して嚥下機能評価が保険算定されるようになり,消化器内視鏡医には嚥下内視鏡(VE;Videoendoscopic examination of swallowing)への関与が期待されている.本稿では喉頭内視鏡を用いた効果的なVEの実践的方法について述べる.消化器内視鏡医の役割を明確にし,手技習得のための研修体制の整備を進め,より多くの摂食嚥下機能障害症例をサポートできる充実した体制を確立する必要がある.
著者
神應 知道 片岡 祐一 花島 資 中谷 研斗 佐藤 照子 土屋 志保 内藤 亜樹 中村 優 三浦 芳典 浅利 靖
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.835-842, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2

【目的】多職種運用 ICU栄養管理プロトコール導入効果の検討。【方法】ICU滞在2週間以上の患者でプロトコール導入前と導入後の2群間で栄養管理の結果を後方視的に検討。【結果】導入前(127人)に比べ導入後(103人)では,3週目のプレアルブミン(16.9mg/dL,20.7 mg/dL,p=0.013),4週目のアルブミン(3.3g/dL,3.6g/dL,p=0.025),経腸栄養投与開始日(3.9±4.2日,1.8±0.4日,p=0.038),ICU入室48時間以内の経腸栄養投与率(35.4%,53.4%,p=0.008)が有意に改善した。ICU滞在日数(22.6±11.5日,20.8±7.3日,p=0.15),ICU死亡率(16.5%,8.7%,p=0.059)は改善傾向を認めた。さらに ,48時間以内の早期経腸栄養達成に関する多変量解析では ,プロトコール導入はオッズ比2.16と独立した因子であった。【結論】多職種運用 ICU栄養管理プロトコールは,48時間以内の早期経腸栄養を達成でき,臨床栄養内容を有意に改善させた。
著者
内藤 隆夫
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.389-411,483, 2000-11-25 (Released:2017-08-14)

Hoden Oil Company grew through a strategy of merging other mining companies. Success in mining led to high profits, which led to high dividends, which caused the capital to increase and made possible mergers through the issue of stock, with an expansion of the scale of business as the end result. When Hoden Oil achieved mergers with refining and wholesale companies in a process known as daigodo (amalgamation), it became one of the leaders of the Japanese oil industry, on a scale rivalling Nippon Oil Company. Soon, however, its production rate of crude oil began to reach a ceiling, signalling that its growth strategy was coming to an end. However, the company continued to pursue the strategy of mergers, expansion and capital increase, until in 1909 the discovery of falsified accounts brought disaster. The next year saw the beginning of reforms known as naibu seiri. Professional managers were introduced and, most important, the growth strategy was changed to one based on gradual advances through technical innovations in mining.
著者
内藤 智義 山田 正己 中村 美詠子 尾島 俊之
出版者
一般財団法人 日本健康開発財団
雑誌
日本健康開発雑誌 (ISSN:2432602X)
巻号頁・発行日
pp.202243G01, (Released:2021-08-24)
参考文献数
18

背景・目的 地域在住高齢者における摂食・嚥下機能と生活習慣との関連は、ほとんど明らかにされていない。本研究は、地域在住高齢者の摂食・嚥下機能の特徴及び、摂食・嚥下機能と生活習慣との関連性を分析することを目的とする。方法 地域包括支援センターが運営する口腔機能向上事業に参加した高齢者419名を対象に自記式質問紙調査を行った。有効回答288名(男性58名、女性230名、平均年齢73.6歳)を分析対象とした。調査項目は、基本属性、健康状態、生活習慣、摂食・嚥下機能を調査し、嚥下障害リスクの有無に差があるかをχ2検定で比較した。結果 嚥下障害リスク評価尺度改訂版で、「嚥下障害リスクあり」は72名(25.0%)、「嚥下障害リスクなし」は216名(75.0%)と判定された。準備期・口腔期の嚥下障害の平均得点が最も高く、咽頭期の嚥下障害の平均得点が最も低かった。「嚥下障害リスクあり」は、「嚥下障害リスクなし」より有意に何でも噛める者は少なく、外出する機会がほとんどない者、夜間よく眠れていない者が有意に多かった。考察 嚥下障害リスクとの関連からは、咀嚼機能と外出する機会を維持・改善することの必要性は高く、咀嚼力向上や外出する機会づくりへの支援は嚥下障害を予防する可能性を示唆した。また、嚥下障害リスクは、夜間睡眠に影響する可能性があり、高齢者の嚥下機能改善が睡眠の質を向上させる支援になる可能性が示唆された。
著者
斎藤 まさ子 内藤 守
出版者
新潟青陵学会
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.33-42, 2010-09

本研究は、入院体験を契機に肥満となり退院後も肥満が持続している統合失調症当事者の、肥満になったきっかけと肥満が持続するプロセスを明らかにし、援助的視点を得ることを目的とした。N市内の地域活動支援センターに通う 3名の当事者に対して半構造的インタビューを行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果、3点の援助の必要性が明らかとなった。第一に、肥満を予防するために、入院中と退院後の活動性拡大の機会を見逃さない。急性期を脱し回復期初期の段階で、「暇」や「退屈」と感じるときを見定め、慎重に活動性拡大のアプローチを勧めて行く。第二に、抗精神病薬の副作用について正確な知識を普及し、主体的な肥満対策ができるように援助する。第三に、効果的な減量のための家族を含めた積極的な相談体制を確立する。
著者
保高 徹生 村上 道夫 仲村 健太郎 加茂 将史 内藤 航 竹下 潤一 井元 清哉 大竹 文雄 井出 和希 岸本 充生 粥川 準二
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.145-150, 2022-03-25 (Released:2022-04-22)
参考文献数
18

As the novel coronavirus disease continues, attention has been focused on holding mass gathering events while protecting the safety of spectators, players and staffs. In this session, we discussed the implementation of frequent antigen testing and PCR testing for players and staffs in the J-League, a model evaluation of the effectiveness of infection risk reduction, and the incentives and ethical and social aspects of vaccination and testing packages. We deepened our knowledge of effective testing systems, strategies to improve vaccination coverage, and ethical and social aspects of vaccination and testing packages, and confirmed that countermeasures against novel coronavirus disease can be organically linked in actual practices such as the J-League.

1 0 0 0 OA 徳川実紀

著者
内藤耻叟 校訂標記
出版者
徳川実紀出版事務所
巻号頁・発行日
vol.巻91−巻110, 1899
著者
大屋 周期 山崎 嘉孝 中村 剛之 森重 聡 山口 真紀 青山 一利 関 律子 毛利 文彦 大崎 浩一 内藤 嘉紀 大島 孝一 長藤 宏司
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1605-1610, 2020 (Released:2020-12-08)
参考文献数
15

多中心性キャッスルマン病は,リンパ節病理像によって特徴づけられるリンパ増殖性疾患でIL-6高値を特徴としている。症例は17歳の日本人男性,発熱,頭痛,倦怠感,体重減少を伴っていたが,血圧は正常であった。臍下部に可動性良好な腫瘤を触知し,血液検査所見は小球性貧血,低アルブミン血症,IL-6高値,sIL-2R高値,VEGF高値を示した。造影CT検査で55 mm大の骨盤内腫瘤と腸間膜周囲のリンパ節腫大を認め,多中心性キャッスルマン病を疑い骨盤内腫瘍を摘出した。術後,血圧が緩徐に上昇し可逆性後頭葉白質脳症による痙攣を発症した。高血圧の精査で,術前の血中ノルアドレナリン,ノルメタネフリン高値が判明し,摘出標本でIL-6およびクロモグラニンAが陽性であることから,IL-6産生パラガングリオーマと診断した。多中心性キャッスルマン病に類似した発熱,貧血などを来す病態の鑑別診断として,血圧上昇を伴わない症例でもIL-6産生褐色細胞腫・パラガングリオーマを考慮する必要がある。
著者
内藤 紘一 松尾 泉 宮﨑 博子 藤野 英己
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.110-116, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
16

人口の高齢化に伴い,心臓リハビリテーション対象者も高齢化しており,転倒リスクを評価することの重要性が高まっている.そこで,本研究は,転倒リスクをスクリーニングするための項目を検討することとした.60 歳以上の入院高齢心不全患者33 例をBerg balance scale を使用して,転倒リスクの有無で2 群に分け,患者背景,重症度,身体機能を比較した.その後,ロジスティック回帰分析を行い,転倒リスクの有無に関連のある項目を抽出し,ROC 曲線を用いてカットオフ値を算出した.転倒リスクに独立して関連する因子は6 分間歩行距離のみであり,カットオフ値は328m であった.6 分間歩行距離が328m 未満では転倒リスクが高い可能性があることが示唆された.
著者
平井 慶充 吉増 達也 内藤 古真 宮坂 美和子 岡村 吉隆 中村 靖司
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.832-835, 2010

52歳男性,2002年に検診で胸部異常陰影を指摘された.近医を受診し,CTで右S1に1cmのすりガラス状陰影を認めたが,気管支鏡で診断がつかず経過観察とされていた.その後増大傾向を認めなかったが,2008年の胸部CTで,胸膜陥入像を伴う1.5cmの結節へと増大傾向を認めたため当科紹介となった.CTでは一部に充実成分を伴うすりガラス状陰影であり,PET-CTで同部位にSUV max 1.06の弱い集積を認めた.高分化型腺癌の可能性が高いとし手術を施行した.胸腔鏡下部分切除術を施行し,術中迅速病理診断でadenocarcinomaの診断であった為,右上葉切除術+縦隔リンパ節郭清を施行した.術後病理診断で,Noguchi B typeの腺癌の内部に一部充実成分を含み,免疫組織化学染色では,EMA(+/-),vimentin(+),PgR(+),またNCAM(+),synaptophysin(+/-),chromogranin A(-),CD34(-),α-SMA(-),factor VIII(-)であった.以上より同部位はminute pulmonary meningothelial-like nodules(MPMNs)と診断された.術後経過は良好であり,術後1週間で退院となった.【考察】MPMNsは剖検例や切除肺に偶然見つかる微小病変であり,報告例も少なく不明な点が多い.しかし近年画像診断の進歩に伴いGGOを呈する腺癌や腺癌の肺内転移との鑑別が問題になることがある.また肺悪性腫瘍,特に肺腺癌との合併やMPMNsのLOHの報告もあり,背景肺の変異の蓄積によるgenomic instabilityが腺癌発生と共通した要因である可能性がある.
著者
内藤 耕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1617, pp.82-85, 2011-11-21

長らく生産性が低いとされてきた日本のサービス業。とりわけ地方の中小零細企業は地元経済の疲弊に伴い、苦境にあえぐ。なお逆風に負けず気を吐く零細企業を紹介する。八天堂個性消して売れるクリームパン 広島県三原市。JR三原駅から歩いて数分のところに4坪(約13.2m2)ほどの小さな店舗がある。
著者
内藤 正則
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.473-478, 2011-07-01

<p> 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波が,関東から東北地方の太平洋岸に面する原子力発電所を襲った。特に,福島第一原子力発電所に設置されている1号機から4号機までの4プラントは甚大な被害を受けた。これら4プラントから環境に放出された放射性物質の量は,チェルノブイリ原発事故の約1/10と言われている。現在はすでに被害の拡大は抑えられ,核燃料から発生し続ける余熱(崩壊熱)を安定に除去する,いわゆる冷温停止状態を維持するための方策がとられつつある。しかし,ここに至るまで,なぜ多量の放射性物質の環境への放出という大惨事が起きたのであろうか。格納容器の過圧を防止するためのベントや核燃料の冷却を維持するための注水作業が遅れたことが一因として挙げられているが,直接的には水素爆発による原子炉建屋の損傷が,その後の事故の推移を決定づけたといえる。本稿では,「なぜ水素爆発が起きたのか」という点に焦点を絞って,現状で得られているプラント情報に基づいて解説する。</p>