著者
内藤 健
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.283-294, 1995-08-31 (Released:2011-03-07)
参考文献数
24

Tthe flow phenomena in gasoline engines including the air motion, the turbulent premixed-combustion, and the two-phase flows of fuel, are explained by using the numeriacal models. First, the temporal-dependent feature of turbulent flow is analyzed by the visualizations of computation and experiment. Then, it is shown that turbulence plays an important role to the stable combustion and the increase of combustion speed, which are important for realizing lean-buring or low-emission engines. Finally, the fuel-droplets motion is analyzed. The breakup process of droplets due to the wall impingement and the air motion are depicted.
著者
達 晃一 篠原 直秀 金 勲 鍵 直樹 坂口 淳 飯田 明由 山内 康 安原 幸生 坪倉 誠 内藤 航
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.1013-1020, 2021 (Released:2021-08-16)
参考文献数
10

本研究では、① ウイルスの感染対策を講じる上で必要な現象(換気や飛沫・飛沫核の挙動や表面汚染など)について、実測・実験室実験・シミュレーションを組み合わせて明らかにすること、② 場ごとの経路別リスク評価を行い、場ごとに対策によるリスク低減効果を推定すること、③ 飛沫核に対する対策技術の開発を行うことを目的とする.今回の報告では、①路線バスの換気実態調査結果および③エアロゾルフィルタ(本研究では粒子捕集のフィルタをエアロゾルフィルタと呼ぶこととする)の効果について報告する.
著者
佐藤 れえ子 山岸 浩之 内藤 善久 村上 大蔵 大島 寛一 高木 久 藤田 茂 佐々木 重荘
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.577-581, 1993-07-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
14
被引用文献数
6 11

1990年5~7月. キャットフードによるビタミンD中毒が疑われた猫4頭について, 血中ビタミンD代謝産物濃度とキャットフード中のビタミンD含有量を測定し, 石灰沈着との因果関係を追究した. また, 4頭の実験猫を用いてそのキャットフードによる給与試験を実施した. 全症例は同一市販キャットフードを主体に飼育され, 症例1と2は尿毒症に陥っていた. 血漿Ca濃度は症例1の初診時を除き全症例で11mg/dl以上を, また25 (OH) D濃度は100ng/ml以上を呈した. 死亡例では全身性の石灰沈着が著明に認められ, 上皮小体の萎縮が観察された. いっぽう, キャットフード中のビタミンD含有量は5, 290IU/100gと異常な高値を示し, キャットフードの給与試験では給与開始後血漿25 (OH) D濃度は著しく上昇しCa濃度も増加した.
著者
岡崎 章 伊藤 弘樹 恩田 浩司 内藤 茂幸 吉川 佳孝
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.24-27, 2007
参考文献数
7
被引用文献数
2

子どもが治療や手術に対して心の準備ができるように説明するためのプレパレーション・ツール"Smile"を開発した。プレパレーシ灘ンとは、子どもが治療や手術に対して心の準備ができるように説明することである。"Smile"には、大きく2つの特徴がある。1つは、看護師と子どもが操作する両面が融合(=同時に表示)していることである。もう1つは、すべて3D CGで制作しているので、鳥瞰図のように全体を見る視点、子どもの視点、看護師の視点の3つの視点を切り替えることができる点である。一定の効果が検証できたので、"Smile"を看護師等医療関係者に対して無料ダウンロード提供を開始した。なお、本研究は.H17年度科学研究費補助金基盤(B)の「入院患児に対するプレパレーション・システムの構築とその効果」の研究の一部である。
著者
内藤 淳
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
no.2005, pp.135-143,195, 2006

Normative judgments and their criteria are generally excluded as subjects of science on account of the dualism of facts and values. Meta-ethical naturalism, which attempts to present criteria for values in terms of facts, is therefore regarded as a fallacy. However, as normative judgments are produced through the workings of the mind of each individual, we may find some clues for examining the foundations or criteria of our normative judgments by analyzing the process of the working of our minds by scientific methods and thereby discovering its basic rules. This means that ethical problems can be approached and solved in the field of human science.<br> Indeed, we can find some useful scientific knowledge related to meta-ethical problems. For example, it has been demonstrated in some studies of cognitive psychology that judgments on moral values are decided by intuition, which is an emotional reaction, rather than by rational thinking. And according to recent research in evolutionary psychology, emotions function in order to gain benefits for each person in their reciprocal relationships with others. These scientific studies suggest that the ultimate foundation of normative judgments is in human intuition as an emotional reaction and the ultimate criterion of &ldquo;good/bad&rdquo; or &ldquo;right/wrong&rdquo; is whether it is beneficial to the individual in his/her reciprocal relationships with others. While there remains much scope for further verification, these studies suggest that it is possible to examine meta-ethical problems by scientific methods and support meta-ethical naturalism, which presents the foundations and criteria for normative values through factual statements.
著者
内藤 勝
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.1-38, 2007-10

"世界の温室効果ガス(主にCO_2)の排出量を2050年までに現在の半分にしよう、とドイツで行われた07年6月のサミットで安倍前首相は提案した。このまま二酸化炭素(以後CO_2と記す)の増加が続けば、地球の温暖化が進み40年後は、北極の氷山は氷解してしまうであろう。更に、高山の万年雪やツンドラ地帯の永久凍土も急速に溶け出すであろうと予想されている。その結果、海面上昇による国土の水没、海岸や平野の海没が世界で懸念されている。既に、世界では異常気象の発生や酸性雨の増加による森林の枯死そして砂漠化が拡大している。2004年における世界のCO_2の排出量は265億tに上る。主に、先進工業国の経済活動の結果生じたものであった。これらの国々は、京都議定書が2005年に批准されるまで市場に、製品を送り出しそれを販売し利潤を得てきた。その製造の結果生じた温室効果ガスの排出には責任を持たないでよかった。従って、市場メカニズムを前提とする既存の経済学では、環境問題に答えを出せない。そこで、「経済」からでなく世界の「政治」によって答えを出そうとしている。現代人は理想的であるよりも貪欲である。京都議定書を離脱したアメリカの行動は、その最たるものであろう。この国は、世界一豊かである。中国の約5.5倍以上の経済規模である。因みに、05年のアメリカの国内総生産は12兆455億ドル、中国は2兆263億ドル、日本4兆988億ドルである。しかし、アメリカは今の生活に満足をしていないようだ。と言うことは、今後5倍の経済規模に中国が達しても、満足しないと言うことであるかも知れない。約13億人を有する国がアメリカ並みの生産と消費水準に達した時、その排ガスにより地球の生態系は極度に汚染され、全人類の生存が不可能になるであろうと予測されている。現在(07年)でも中国の排ガスによって、わが国はpH4台の酸性雨に見舞われている。このようにグローバルな問題を含むがゆえに、その解決にあたり国際政治の力が必要となってきた。京都議定書を批准した基準年の1990年のわが国の温室効果ガスは、12億6100万tであった。それが、04年には、約13億635万t(内CO_2は12億9670万t)に増加してしまった。この数字は、1990年レベルを6%下げるどころか04年では8%増加した。(そして05年には7.8%に減少した。)改善の余地の大きいのは、運輸と家庭であると言われている。今回の調査結果でCO_2排出の一番多い分野は、自家用車であった。一番ガソリンを消費した家庭(表7のG)は、5人家族で年間3,840lを消費しCO_2排出量は8,832kg排出している。この家庭では、1l入りのボトルにして1,059万8,400本CO_2を排出したことになる。これは、車の増加と国鉄の解体が関係している。国民にとって国鉄の縮小によって交通の便が悪くなれば、車で対応するしかない。つまり環境問題は、一国の運輸政策やエネルギー政策と直接に関わっている。安倍前首相は、「美しい星50」において、わが国のCO_2削減策を具体的に示している。各家庭の工夫は大切である。しかし、大な排出分野である自動車(特にマイカー)や飛行機の制限の方がより効果が大きい。国全体の政策から家庭のCO_2を対策考えなければ、京都議定書のノルマは達成できないであろうと言う結論に達した。"
著者
内藤 幸雄
出版者
太平洋学会
雑誌
太平洋学会学会誌
巻号頁・発行日
no.30, pp.30-36, 1986
著者
内藤 重之 森下 正博
出版者
大阪府立食とみどりの総合技術センター
雑誌
大阪府立食とみどりの総合技術センター研究報告 (ISSN:13484397)
巻号頁・発行日
no.43, pp.5-12, 2007-03
被引用文献数
4

1. 大阪府では1980年代から伝統野菜の遺伝資源の収集と特性調査を実施してきたが,1990年代後半以降,「天王寺蕪」「田辺大根」「毛馬胡瓜」「勝間南瓜」などが復活し,地域住民の有志やNPO法人,行政によって普及・啓発が行われている。2. 大阪市内においては「なにわの伝統野菜」が原産地域を中心に学校や一般家庭で栽培され,寺社の行事や商店街のイベントにも組み込まれるようになるなど,地域の活性化に大いに役立っている。3. 「なにわの伝統野菜」は原産地域の小学校で生活科や総合的な学習の時間などに栽培され,食育や環境教育の生きた教材として役立っている。4. 「なにわの伝統野菜」を使用した加工食品の商品化やメニュー化が地域の食品製造業者や飲食業者等によって進められており,百貨店や専門小売店等でも「なにわの伝統野菜」の青果や加工品が販売されるようになっている。これらの動きとも連動して,「なにわの伝統野菜」の生産は徐々に増加している。5. 今後,「なにわの伝統野菜」によって産業振興を図るためには,推進方針を明確化し,関係者がビジョンを共有することや,「なにわの伝統野菜」の特性を十分に考慮した上で,需要と供給をバランスよく拡大していくことが重要である。
著者
内藤 明美 森田 達也 神谷 浩平 鈴木 尚樹 田上 恵太 本成 登貴和 高橋 秀徳 中西 絵里香 中島 信久
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.255-260, 2021

<p>【背景】医療において文化的側面への配慮は重要である.本研究は沖縄・東北を例に首都圏と対比させ国内のがん医療・緩和ケアにおける地域差を調査した.【対象・方法】沖縄,東北,首都圏でがん医療に携わる医師を対象とした質問紙調査を行った.【結果】553名(沖縄187名,東北219名,首都圏147名)から回答を得た.地域差を比較したところ,沖縄では「最期の瞬間に家族全員が立ち会うことが大切」「治療方針について家族の年長者に相談する」「病院で亡くなると魂が戻らないため自宅で亡くなることを望む」などが有意に多く,東北では「特定の時期に入院を希望する」が有意に多かった.東北・沖縄では「がんを近所の人や親せきから隠す」「高齢患者が治療費を子・孫の生活費・教育費にあてるために治療を希望しない」が多かった.【結論】がん医療・緩和ケアのあり方には地域差があり地域での文化や風習を踏まえた医療やケアに気を配る必要がある.</p>
著者
大嶋 淳 内藤 克昭 阿部 翔大郎 上村 怜央 高橋 雄介 伊藤 祥作 林 美加子 川西 雄三 岡 真太郎 山田 朋美 山口 幹代 朝日 陽子 外園 真規 鍵岡 琢実 渡邉 昌克
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.263-270, 2019

<p> 目的 : 弾性係数が小さく, 形状記憶性, 超弾性, ファイルテーパーの多様化といった特徴をもつニッケルチタン (NiTi) 製ロータリーファイルは, ステンレススチールファイルと比較して高い切削効率や作業時間の短縮, 優れた根管追従性を有し現在の歯科臨床においても頻繁に用いられるようになりつつある. 本研究では, 歯学部学生の臨床前基礎実習において, FKGレイス (FKG Dentaire, Switzerland) およびJ型, S型湾曲根管模型を用いた根管形成実習を実施し, 習熟到達度を評価した.</p><p> 材料と方法 : 大阪大学歯学部3年生56名に対して, J型およびS型エポキシレジン製透明湾曲根管模型を用いてFKGレイスによる形成実習を2回ずつ行った. Kファイル#15にて穿通し, 根管長を測定後, プリレイスによる根管上部のフレアー形成とKファイル#15によるグライドパス形成を行った. 作業長は根管長から1mm引いた長さとし, レイス#30/6%, #30/4%, #25/4%, #20/4%を順に用いて, 最終拡大号数を#30/6%として根管形成を行った.</p><p> 形成前後の根管模型をマイクロCT (R_mCT2, RIGAKU) にて撮影し, 根管長軸方向に対して根尖から垂直に1, 2, 3, 4, 5mmおよび6mmの位置で内湾側および外湾側の根管幅径増加量を計測した. その後, S型根管幅径増加量および形成時間について, 学生ならびに日本歯科保存学会専門医・認定医10名がおのおの2回実施した結果を比較した.</p><p> 結果 : J型根管1回目の根管形成では, 62.5%の学生が根尖破壊, 5.4%がレッジ形成を生じ, 成功率は32.1%だった. J型根管2回目では, 30.4%が根尖破壊, 3.6%がファイル破折, 3.6%がレッジ形成を生じたものの, 成功率は62.4%と改善した. S型根管1回目は23.2%が根尖破壊, 7.1%がファイル破折を生じた. S型根管2回目では7.1%がファイル破折を生じた. 根管形成に要した時間については, 学生のS型2回目の形成時間がS型1回目と比較し有意に短縮され, 専門医・認定医によるS型1回目, 2回目の形成時間と比較して有意差を認めないレベルまで改善した. 内湾側および外湾側の根管幅径増加量については, 学生1回目, 2回目, ならびに専門医・認定医の間で統計学的有意差を認めなかった.</p><p> 結論 : NiTiファイルを用いた湾曲根管形成実習において, 特に根尖部の形成に注意して実習回数を重ねることにより, 難易度の高いS型湾曲根管であっても迅速に, 正確に根管形成ができるようになり, 習熟到達度が向上することが明らかとなった.</p>
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
藤田 智 塚原 秀明 内藤 勇気 岩瀬 友美 一瀬 裕介 高野 智秀
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.219, 2011

【目的】 各種スポーツ競技においてメディカルサポート活動が普及してきており、障害予防の必要性も認知されてきている。栗生田らはセルフケアを中心とした障害予防教育を早期から現場へ普及させる必要があるとしており、チーム・個人での障害予防への取り組みは、指導者の理解度にも左右されると思われる。今回、栃木県の高等学校野球指導者に対しアンケート調査を行い、各チームの障害予防の取り組み状況について調査を行ったので報告する。【方法】 対象は、栃木県高等学校野球連盟に加盟する計64校の監督指導者を対象とした。栃木県高校野球連盟に説明し同意を得て、役員を通じ調査用紙を各校に送付した。アンケート内容・説明に同意した監督指導者から回収した。調査内容は、1)平成22年度における最高成績(ベスト4以上を上位校。ベスト8,16を中位校。左記以下を下位校)2)全体練習時間におけるウォーミングアップ(以下アップ)、クールダウンの割合。3)コンディショニングなどに関する内容とした。【結果】 回収率は56%(36校)であり、各項目を成績で分けた。全体練習時間の中でアップの割合は、上位校(7校)14%、中位校(10校)18%、下位校(19校)20%。クールダウンの割合は上位校7%、中位校10%、下位校12%。コンディショニングなどの内容のベスト3は、上位校でコア・体幹(100%)、瞬発力(100%)、フォームチェック(86%)。中位校でコア・体幹(80%)、肩チューブトレーニング(80%)、栄養、瞬発力(70%)。下位校で瞬発力(84%)、コア・体幹(79%)、有酸素(68%)であった。【考察・まとめ】 アップ・クールダウンは、上位校ほど全体練習の中での割合は少ない傾向であった。これは監督指導者が技術的なトレーニング内容を重視していることが考えられる。また下位校ほどその割合が長いのは、選手の基礎体力を重視しているか、効率的に行えていない可能性もある。コンディショニングなどに関しては、多くの監督指導者がコア・体幹系に注目している。今後のさらなる検証も必要であるが、栃木県高校野球連盟と連携を取りながらメディカルサポート部として活動していく予定である。
著者
武田 直人 関谷 栄 礒沼 弘 内藤 俊夫 津田 恭彦 江部 司 松本 孝夫 渡邉 一功
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.10, pp.828-833, 2000-10-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
17
被引用文献数
2

健康成人に発症したサイトメガロウイルス (CMV) 肝炎の臨床的特徴をEpstein-Barrウイルス (EBV) 肝炎と比較検討することによって明らかにした. 当科における最近5年間の統計ではCMV肝炎の増加傾向がみられるEBV肝炎と比べCMV肝炎は有意に発症年齢が高く, リンパ節腫脹, 咽頭痛, 咳嗽の出現頻度は有意に少なかった. 白血球数, 異型リンパ球数, GOT, GPT, LDH, CRPに関してはEBV肝炎とCMV肝炎の間に有意差を認めなかった.
著者
上野 俊昭 内藤 雄一郎 中込 忠好
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.19-23, 2012 (Released:2012-07-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1

We sought to compare medical costs of coiling and clipping for treatment of cerebral aneurysms. Data of total medical costs for coiling and clipping from 2006 to 2009 were retrieved from the medical reimbursement database at Teikyo University Hospital. There were 32 and 29 cases, respectively, for coiling and clipping of ruptured aneurysm who presented with subarachnoid hemorrhage, and 41 cases each with unruptured aneurysms for coiling and clipping. In patients with ruptured aneurysms, basic hospitalization costs were lower in the coiling group even with higher device-related costs. As a result, total medical costs during hospitalization were equivalent between the coiling and clipping groups. In patients with unruptured aneurysms, however, total medical costs during hospitalization were much higher in the coiling group than those in the clipping group. The difference in an amount of basic hospital costs was not enough to absorb the higher device-related costs in the coiling groups due to relatively shorter length of hospital stays in patients with unruptured aneurysms. Medical costs for treatment of cerebral aneurysms are well balanced between coiling and clipping in patients with subarachnoid hemorrhage. Coiling of unruptured aneurysms, however, pushes up the total amount of medical costs significantly due to higher device-related costs compared with clipping.
著者
塩野目 剛亮 加藤 伸子 若月 大輔 河野 純大 西岡 知之 村上 裕史 皆川 洋喜 内藤 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.164, pp.69-72, 2010-07

近年,エリア限定ワンセグ放送(エリアワンセグ)という特定の範囲に存在するユーザに対する新しい情報提供の手段が試行され始めており,複数の情報を組み合わせた情報保障への適用が期待できる.本稿では,ワンセグ放送の簡便で柔軟な情報提示の手段としての可能性を検討している.聴覚に障害がある大学生を対象としたアンケート調査の結果から,ワンセグ放送を用いた情報保障提供の有効性が明らかとなった.また,実際のシステム構築や運用上の課題を示している.Area One segment-Broadcasting(Area One-Seg) has been used for information service for the users who exist particular area. In this report, we constructed the remote sign language interpret / real-time caption providing system via Area One-Seg, and conducted hearing impaired students survey at actual lecture scene. The results show that about 80% of students presented positive response, and effectiveness of captioning history. Moreover, expected feature of One-Seg receiver to provide information assurance, and acquiring a broadcasting license are also discussed.