著者
石井 譲治 小川 保 内藤 健晴 宮田 昌 石原 正健 馬場 錬 妹尾 淑郎 岩田 重信 横山 尚樹
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1251-1257, 1997
被引用文献数
3

スギ花粉主要抗原の一つであるCry j Iをラット腹腔内注射にて感作し, さらにCry j Iを点鼻, その6時間後の鼻腔, 喉頭, 気管粘膜に浸潤している好酸球およびリンパ球を観察し比較検討した。ラットはBrown Norwayのオス13匹を用いた。5匹をコントロール群, 8匹にCry j I 10μgとアルミニウムゲル4.5mgを0.4ml蒸留水に溶解し, 12日の間隔をあけ2回腹腔内注射を行った。血清Cry j I特異IgE 抗体価はIgE-capture ELISA法にて測定した。鼻粘膜, 喉頭, 気管はCry j I溶液点鼻6時間後に採取した。血清Cry j I特異IgE抗体価は感作群307.1±185.3任意U/ml, コントロール群0.0±0.0任意U/mlで感作群において有意の上昇 (p<0.01) を認めた。浸潤細胞について鼻粘膜では好酸球 (p<0.01), リンパ球 (p<0.05) ともに感作群に有意に多く浸潤していた。喉頭では感作群で好酸球浸潤が有意に多かった (p<0.01) が, リンパ球は両群で有意差は見られなかった。気管では両群とも好酸球, リンパ球ともにほとんど見られなかった。Cry j I腹腔感作ラットは鼻腔及び喉頭においてアレルギー性病変を起し得るものと考えた。
著者
亀山 剛 森田 敏弘 岡田 純 内藤 順一 宇都宮 妙子
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.158-166, 2006-12-05

山陽地方に生息するダルマガエルRana porosa brevipoda岡山種族は、現在日本で最も絶滅が危倶されているカエル類の地域個体群のひとつである。その中で、土地区画整理事業によって2003年11月に生息地が消滅した広島県神辺町産の個体群を飼育下に緊急避難させ、新たな生息地へ試験的に再導入をおこなった。ダルマガエルの生息には水田環境が絶対条件で、なおかつ、生活史に合わせた人為的な水管理が重要であった。したがって、導入場所の選定にあたっては、地権者である農家の理解と協力が得られるかどうかに重点を置いた。その結果、広島県世羅郡の水田地帯にある休耕地を試験湿地に設定し、2004年5月-6月にかけて幼体117個体、幼生2,947個体の導入を行った。その後のモニタリングでは、2004年10月には、成体18個体、幼体248個体、合計266個体のダルマガエルが確認された。翌2005年6月には少なくとも3クラッチ分の自然産卵が確認され、同年10月には、成体15個体、幼体60個体、合計75個体のダルマガエルが確認された。以上により、飼育集団をある程度残した上で、自立した野外集団の創出に成功した。この結果を受けて、2005年には新たな導入地を設定し、幼生の導入を始めている。今後は追加導入およびモニタリングを実施し、定着へ向けての活動を継続する予定である。
著者
九津見 洋 内藤 榮一 荒木 昭一 江村 里志 新居 薫治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1149-1157, 2001-06-01
被引用文献数
17

インターネット利用初心者をメインターゲットとしたホームページ情報を簡単に入手するためのツールとして, ホームページの閲覧履歴からユーザの嗜好を学習し, その嗜好にあった新たなホームページを推薦するソフトウェア"ウェブナビゲーター"を開発したので報告する.ユーザ嗜好の学習では, 興味の変化に対する即応性と, 観測データに含まれるノイズに左右されない頑健性が重要である.本ソフトにおいては, 過去のユーザプロファイルと現在閲覧したホームページの特徴ベクトルを合成するパラメータを設定しており, よりユーザの興味の推移に合ったパラメータ値の決定が課題である.ここでは, ユーザが「興味がある」または「興味がない」と判定した複数のホームページを用いて, この割合のパラメータを学習により求める.このパラメータの時間的変化を観察することにより, ユーザの興味の推移を調べることができる.本論文では, 様々なユーザの興味の推移を実験的に調べることにより, 本ソフトによるホームページ推薦の妥当性を検証した結果について述べる.
著者
内藤 浩 柏原菜実 楠 房子 杉本 雅則 橋爪宏達
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.58, pp.1-7, 2001-06-07

グループワークを行う場合、グループ内の各メンバーが他のメンバーとの意見の交換や強調などの相互作用を行うことが必要となる。そのためには、個々が自分及び、他のメンバーの性格を把握することが重要である。しかし、意見の外化の不得手や、人見知り等の性格の要因などにより、内面の性格が必ずしもグループ中での行動につながるとは限らない。そこで本研究では、グループワークに適した入出力デバイスとしてセンシングボードを用いて、ワーク中にボードに入力されるデータの内、特定のデータをPCに記録しそれを評価することを行う。グループワークとして、被験者たちには簡単なゲームをやってもらい、行動パターン等をデータ化する。このとき、ゲームのルールとしては、個人の性格が反映され、かつゲーム中で協調と競合がおきるようなものが要求される。そこで、そのようなゲームシステムを創作し、グループ内での個人の性格評価につなげていくことを目標とする。When we work in a group setting, each of us interacts with others, such as exchanging our own opinions or collaborating with each other. In this dace, it is important for each group member to understand not only his own character, but also others' ones. However, characters of members are not always reflected on their own behaviors in a group work by using a sensing board is proposed. The system allows users to play a simple game, and records patterns of their behaviors. We have designed a game, which enhances behaviors of each user originated from his own characters, and collaboration and competition among thme. The system is used for making a character of each user explicit for supporting group works.
著者
内藤 歓修
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.93-113, 2008-03

Jane Austenの前期の小説3作品の中で,本作品は書き直しの箇所が極めて少なく,初期の形態を保ったままで出版された.作者は作品を書き上げた後も,いろいろ手を加え改編したと言われている.本作品は出版者とも問題があって,書き上げた後殆ど手を加えていない状態で出版されたので,作者の小説作法の原型が読み取れる.Austenの6編の小説は全て「夫探し」がテーマになっている.ヒロインは,将来夫となる若い男性との交際や周囲の人々との付き合いを通じ,幾つかの障害を乗り越えて,人間的成長をしていき,理想的な男性と結婚するに到るのである.特別異常な事件も起らず,日常の平凡な生活の中でストーリーは展開していく.その典型的な形は既に本作品に現れている.しかし,本作品は当時流行のゴッシク小説に対して,批判的な面を多くもっていて,明らかにそのパロディである箇所が随所に見られる.ヒロインが成長をしながら結婚を成就していく筋と,ゴッシク小説のパロディ的側面を両立させながら物語は進んで行く.Northanger Abbeyは作者の前期の作品で,しかも手を加えることが少なかったために,ヒロインを始めとして登場人物像が粗削りで,完成度が低い代わりに,作品全体が若々しい感じを与え,かつ作者の基本的な小説作法がはっきりと読み取れ,興味深いものとなっている.本論ではヒロインらしくないヒロインのCatherineがゴシック趣味に惑溺しながらもそこから脱却し,またThorpe兄妹の欺瞞に満ちた人間性を見抜けるようになり,人間的成長をして,Henryと結ばれて行く過程を分析し,考察する.
著者
内藤 武志 植田 秀夫 菊池 雅男
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.32, no.361, pp.1162-1166, 1983-10-15
被引用文献数
8 23

Rotating bending fatigue tests were conducted on the gas carburized specimens with internal oxides and non-martensitic microstructure beneath the surface. The fracture surface and the axial section at the fatigue fracture origin were observed using a scanning electron microscope. The following results were obtained. (1) The S-N diagram of gas carburized steel with internal oxides and non-martensitic microstructure revealed two knees on its curve. The test results appeared to be divided into two groups: a group with the number of cycles to failure N_f under 10^5, and that with N_f over 10^6. (2) The fractographic feature of the group with N_f<10^5 was intergranular fracture from the surface to the depth of 25μ, followed by transgranular fracture reflecting martensitic microstructure. (3) For the group with Nf>10^6, fracture surface inclined about 45° to the specimen axis was observed. This surface was smoothened by rubbing each other with another surface during the fatigue test. The depth of the inclined smooth fracture surface reached to the depth of 100μ from the surface. It was concluded that the inclined smooth fracture surface consisted of the Stage 1 cracks and Stage 2a cracks.
著者
内藤 真理子 鈴鴨 よしみ 中山 健夫 福原 俊一
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.110-114, 2004-04-30
被引用文献数
9 3

口腔疾患は,局所的な疼痛や咀聯機能障害を招くだけではなく,心理社会的,経済的に影響を及ぼす一要因として看過できないものである.近年,これらの視点から検討を行ううえで必要となるQOL尺度の重要性は増している.そこで,心理社会面の反映に優れ,かつ対象集団や状況に応じて補完項目やほかの尺度の併用を考慮できる包括的口腔関連QOL尺度開発を目的として,General Oral Health Assessment Index(GOHAI)日本語版作成に着手した.原作者から日本語版作成の許可を得た後,翻訳者による尺度の順翻訳を開始した.順翻訳された項目を基に,フォーカス・グループを通して討議を行い,暫定版尺度を作成した.この暫定版を使用して地域住民を対象にパイロット・スタディを実施し,その結果から質問紙の再検討を行った.質問文の長さや表現の難解さ,逆転項目の存在が問題点として示されたことから,可及的にオリジナルに忠実であるように配慮しながら,暫定版に修正を加えた.さらに,レイアウトや字体に関する検討を完了した後,逆翻訳作業を行った.原作者による逆翻訳の確認および最終的な了承を得て,GOHAI日本語版Version 1.0を完成させた.
著者
内藤 広志 齊藤 隆 水谷 泰治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.93, pp.81-88, 2008-09-19

JAVA 言語で書かれた GUI プログラムの実行テストを効率的におこなうための方式とその評価について報告する.本方式では,AWT をエミュレーションするために擬似 AWT を開発した.擬似 AWT は,AWT と同様に GUI コンポーネントの内部状態を保持するが,スクリーンへの描画の変わりに要求されたメソッドの名前と引数の値を出力ログへ書き込む.実行テストでは,出力ログを調べることでプログラムが正しいかを検査する.また,本方式の評価のために,類似システムとの機能や実行時間の比較をおこなった.This paper describes a Java GUI program testing method which perform the testing efficiently, and a evaluation of Hercules Computer Aided Assessment (CAA) system with this method. To emulate the Java AWT, a dummy AWT was developed. The dummy AWT maintains internal states of the GUI components like the AWT. When the AWT is requested to draw some objects to a screen by a program, the dummy AWT generates an output log with the requested method names and its arguments values. In the execution test, an assessment of a program can be obtained by examining the output log. To evaluate this method, the function and peformance are compared with related systems.
著者
細川 聖二 平田 義郎 齊藤 泰雄 内藤 裕美子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.442-447, 2008-09-01

国立情報学研究所では,目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の今後の在り方について,中長期的な視点で検討することを使命として,「学術コンテンツ運営・連携本部図書館連携作業部会」の下に「次世代目録ワーキンググループ」を設置した。ワーキンググループでの検討結果を「次世代目録所在情報サービスの在り方について(中間報告)」として取りまとめ,2008年3月末に公開した。本稿では,「中間報告」に至る検討の経緯および「中間報告」についてその概要を紹介する。
著者
内藤 康行
出版者
日本水道新聞社
雑誌
水道公論 (ISSN:13436007)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.73-77, 2007-08